JP3695599B2 - 自動車用ドアウエザストリップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車ドアのドアフレームまわりに装着されるドアウエザストリップ、特に車体のドリップモールの下面に圧接するシールリップを備えたドアウエザストリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のドアフレームに取付けられるドアウエザストリップとして、ドア閉時に車体のドア開口縁に押付けられる中空シール部と、ドア開口上縁に沿う車体のルーフサイドに設けたドリップモールに押付けられるシールリップを備え、上記シール部とシールリップとで二重シールをする構造のものが一般に用いられている(実開昭64−25917号)。
【0003】
ところで、図3に示すようなワンボックス型車などでは、ドリップモール2をドア外面よりも車外側に張り出すようにしたものがあり、かかる車種ではシールリップはドア閉時にドリップモールの下面側に入り込み、該下面に圧接するシール構造となる。
【0004】
図4はその代表例を示すもので、図4(A)に示すようにドアウエザストリップ4は、ドアフレーム1の外周面に取付けられる基部41と、車体のドア開口縁3に圧接する中空シール部42と、ドリップモール2の下面に圧接するシールリップ43を備えている。シールリップ43は基部41の車外側の端部から伸びており、下半部43aと屈曲部43bと上半部43bとで断面く字形をなし、上半部43cの先端がドリップモール2の下面に圧接し、直角に近い状態に屈曲する。
【0005】
ところが図4(B)に示すように、ドア開時にドアフレーム1がドリップモール2の下面とほぼ平行、すなわち矢印D方向に車外側に移動するとき、屈曲部43bが口開きするとともに、上半部43cの先端は摩擦抵抗でドリップモール2の下面を滑りにくく、上半部43cが逆く字形に反転する。そしてドアが更に開かれ先端がドリップモール2から離れると、上半部43cが再び反転して「バサッ」という感じの異音が発生することがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、ドリップモールの下面に圧接するシールリップがドア開時に反転することなく、上記の異音が発生するおそれのないドアウエザストリップを提供することを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
図1に例示するように、本発明のドアウエザストリップ4はドアフレーム1の外周の周面に取付けられる基部41と、ドア閉時にドア外面よりも車外側に張り出す車体のドリップモール2の下面側に入り込んで該下面に押付けられ、ドア開時にドリップモール2の下面から摩擦抵抗を受けつつ引き出されるシールリップ43を備えている。シールリップ43はドアフレーム1の外周の突縁11の内面に沿って基部41の車外側の端部から起立する下半部43aと、下半部43aの上端から外方へ屈曲する屈曲部43bと、屈曲部43bから斜め外方へ伸びる上半部43cとで断面く字形としてある。そして上半部43cの上面は屈曲部43b側から先端側に向けて平坦面ないしはゆるやかな凸状曲面に形成し、上半部43cの下面は、上記屈曲部43bから上記突縁11の先端部の外面に沿って下方へ延びてドア開時に上記先端部と係合する突出部431をなし、該突出部431から更に先端方向へなだらかに延びる山形状に形成してあり、これにより上半部43cの厚さを下半部43aおよび屈曲部43bの厚さよりも厚くしてある。
【0008】
しかしてシールリップ43の上半部43cを厚くしたことと、上半部43c下面の突出部431がドア開時にドアフレーム突縁11に係合することで、ドア開時におけるシールリップ43の反転が防止され、従って上記異音の発生も防止される。
【0009】
シールリップ43の上記反転は、上半部43cの下面の突出部431をソリッドゴムで形成してドアフレーム突縁11との係合を強化することにより、あるいは上半部43cの中芯部分432をソリッドゴムで形成して上半部43cの剛性を上げることで、より確実に防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1(A)に示すように、ドアウエザストリップ4は基部41と中空シール部42とシールリップ43を備えており、スポンジゴムを押出成形することにより得られる。そしてドアフレーム1へは、その外周の周面に形成したリテーナ12に基部41を嵌合することにより取付けられる。中空シール部42は基部41から車内方向に膨出している。シールリップ43は基部41の車外側の端部から伸び出しており、ドアフレーム1の外周突縁11の内面に沿って起立する下半部43aと、下半部43aの上端から外方へ屈曲する屈曲部43bと、屈曲部43bから車外側へ斜め上方に伸びる上半部43cとで断面く字形をなしている。屈曲部43bは突縁11の上端上方に位置する。
【0011】
下半部43aと屈曲部43bはほぼ均一な厚さとしてある。上半部43cの下面は屈曲部43b側がドアフレーム1外周の突縁11の先端部の外面に沿って急勾配で下方へ延び更に、先端側へ向けてなだらかな面をなす山形形状としてある。これにより上半部43cは屈曲部43b側には突出部431が形成されて下半部43aおよび屈曲部43bよりも厚肉となり、先端方向へ厚さが先細りとなっている。突出部431の上記急勾配の側面は、その基端側が上記突縁11の先端部の外面に当接し、頂端側が突縁11の外面から若干離れる形状としてある。上半部43cの上面は屈曲部43b側から先端側へ向けて平坦面ないしはゆるやかな凸状曲面としてある。
【0012】
シールリップ43の厚さは、ウエザストリップ4を用いる車種により異るが一般には、下半部43aおよび屈曲部43bで1〜2mm、上半部43cの中間部で4〜5mm程度である。
【0013】
しかしてドア閉時、中空シール部42は車体のドア開口縁3〔図1(A)〕に圧接される。一方、シールリップ43は図1(B)に示すように上半部43cの先端上面がドリップモール2の下面に押付けられた状態で車内方向に移動し、屈曲部43cが更に屈曲してほぼ直角に近い屈曲形状となる。
【0014】
次にドア開時、シールリップ43がドリップモール2の下面から引き出されるとき、ドリップモール2の下面に圧接するシールリップ43の上半部43c先端上面には摩擦抵抗が作用する。しかしながら、上半部43cは充分に厚く形成されているから、上半部43c自体が逆く字形に屈曲することはない。また、ドアフレーム突縁11の先端部を囲む屈曲部43bでは、突縁11が突出部431の側面に押付けられ突出部431が突縁11に係合するから、屈曲部43bは口開き状に反転屈曲することはない。従ってシールリップ43はそのままの形状で車外方向に移動してドリップモール2から離れる。このとき、シールリップ43は直角に近い屈曲状態からく字形の屈曲状態に復元するが、反転変形するときのような異音は発生しない。
【0015】
図2は本発明の他の実施形態を示すもので、図2(A)の実施形態ではシールリップ43の上半部43cの下面の突出部431はソリッドゴムで形成してある。ドアウエザストリップ4は、ソリッドゴムの突出部431と、スポンジゴムの他の部分とを一体押出成形することにより得られる。ドアフレーム1の突縁11に係合する突出部431をソリッドゴムで形成したことで、ドア開時における屈曲部下面側の口開きは、より確実に防止される。
【0016】
図2(B)の実施形態ではシールリップ43の上半部43cの中芯部432がソリッドゴムで形成してある。これによりドア開時における上半部43bの反転屈曲は、より確実に防止される。なお、ソリッドゴムは上半部43cの中芯部分432のみであり、外周はスポンジゴムで形成されているから、ドリップモール2との間のシール性は確保される。また、図2(A)、(B)いずれの場合もドア閉時における屈曲部43bの変形性は変わらないからドア閉力が増大することはない。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、ドア閉時に車外のドリップモールの下面側の入り込んで先端が該下面に圧接するドアウエザストリップのシールリップは、ドア開時に上記下面との摩擦抵抗によって反転屈曲することがなく、従ってシールリップがドリップモールから離れるときに、再反転による異音が発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すもので、図1(A)は図3のA−A線に沿う位置でのドアウエザストリップの取付状態断面図、図1(B)はドア閉時におけるシールリップを示す断面図である。
【図2】図2(A),(B)はそれぞれ、本発明の他の実施形態におけるシールリップを示す断面図である。
【図3】本発明のドアウエザストリップが適用される自動車の側面図である。
【図4】図4(A),(B)はそれぞれ、従来のウエザストリップの、ドア閉時およびドア開時におけるシールリップの変形を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ドアフレーム
11 突縁
2 ドリップモール
3 ドア開口縁
4 ドアウエザストリップ
41 基部
42 中空シール部
43 シールリップ
43a 下半部
43b 屈曲部
43c 上半部
431 突出部
432 中芯部分
Claims (3)
- 自動車ドアのドアフレーム外周の周面に沿って取付けるドアウエザストリップであって、上記周面に取付ける基部と、基部から突出し、ドア閉時に車体のドア開口縁に圧接する中空シール部と、基部の車外側の端部からドアフレーム外周の突縁に沿って伸び先端部がドア閉時にドア外面よりも車外側に張り出す車体ルーフサイドのドリップモールの下面側に入り込んで該下面に圧接し、ドア開時に上記先端部が上記下面から摩擦抵抗を受けつつ引き出されるシールリップを備えたドアウエザストリップにおいて、上記シールリップを、上記突縁の内面に沿って起立する下半部と、上記突縁の上方位置で下半部から車外方向へ屈曲する屈曲部と、屈曲部から斜め外方へ伸びる上半部とからなる断面ほぼく字形状となし、上記上半部の上面を上記屈曲部側から先端側へ向けて平坦面ないしはゆるやかな凸状曲面に形成し、上記上半部の下面を、上記屈曲部から上記突縁の先端部の外面に沿って下方へ延びてドア開時に上記先端部と係合する突出部をなし、該突出部から更に先端方向へとなだらかに延びる山形状に形成して、上記上半部の厚さを上記下半部および屈曲部の厚さよりも厚くしたことを特徴とする自動車用ドアウエザストリップ。
- 上記突出部をソリッドゴムで形成し、他の部分をスポンジゴムで形成した請求項1記載の自動車用ドアウエザストリップ。
- 上記上半部の中芯部分をソリッドゴムで形成し、他の部分をスポンジゴムで形成した請求項1記載の自動車用ドアウエザストリップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25464595A JP3695599B2 (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 自動車用ドアウエザストリップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25464595A JP3695599B2 (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 自動車用ドアウエザストリップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0971131A JPH0971131A (ja) | 1997-03-18 |
JP3695599B2 true JP3695599B2 (ja) | 2005-09-14 |
Family
ID=17267902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25464595A Expired - Lifetime JP3695599B2 (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 自動車用ドアウエザストリップ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3695599B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5246485B2 (ja) * | 2008-07-29 | 2013-07-24 | 豊田合成株式会社 | ドアウエザストリップ |
-
1995
- 1995-09-06 JP JP25464595A patent/JP3695599B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0971131A (ja) | 1997-03-18 |
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