JPH06179622A - 分化誘導剤 - Google Patents

分化誘導剤

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JPH06179622A
JPH06179622A JP4334483A JP33448392A JPH06179622A JP H06179622 A JPH06179622 A JP H06179622A JP 4334483 A JP4334483 A JP 4334483A JP 33448392 A JP33448392 A JP 33448392A JP H06179622 A JPH06179622 A JP H06179622A
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JP
Japan
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compound
differentiation
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solution
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Application number
JP4334483A
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English (en)
Inventor
Akira Mori
陽 森
Atsushi Honda
厚 本多
Nobuo Ikegawa
信夫 池川
Sumiyo Kondo
純代 近藤
Nobumasa Nakajima
宣雅 中島
Hideyuki Nakayama
秀幸 中山
Mitsuhiro Okazaki
光洋 岡崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】優れた分化誘導作用を有し、ビタミンDの腸管
Ca吸収作用の少ない、長期間使用してより安全な薬剤
を提供する。 【構成】26,27―ジメチル―Δ22―1α,25―
ジヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分として含
有することを特徴とする分化誘導剤、抗腫瘍剤および乾
癬治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分化誘導剤に関する。
更に詳しくは、分化誘導作用に基づく抗腫瘍剤あるいは
乾癬治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、臨床上用いられている抗腫瘍剤は
アルキル化剤、代謝阻害剤、植物アルカロイド、抗生物
質、免疫抑制剤、免疫調節剤など多岐にわたっている
が、これらの薬物療法はいまだ完成したとは言い難い。
また、乾癬治療剤として現在使用されているものも、外
用ステロイド剤、エトレチナート、メトトレキサートな
どがあるが、著効を示すものはいまだ知られていないの
が現状である。
【0003】最近、ビタミンDおよびその類縁体に、異
常増殖した細胞(癌化や乾癬の皮膚細胞)を正常に戻す
分化誘導作用(田中弘文ら:生化学、第55巻、第13
23頁、1983年)が見いだされ、また実際にこれら
のうち一部のものは抗腫瘍作用(Y.Honma e
t.al.,Proc. Natl. Acad.Sc
i,第80巻、第201頁、1983年)、あるいは、
抗乾癬作用(S.Morimoto et.al.,C
alcif Tissue Int 第38巻第119
頁,1986年)が認められ注目されている。一方、ビ
タミンDおよびその類縁体の副作用は血中Caを上昇さ
せることにあるが、ほとんどこの作用は腸管Ca吸収作
用に基づくものであると言われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、優れた
分化誘導作用を有し、ビタミンDの腸管Ca吸収作用の
少ない、長期間使用してより安全な薬剤の開発を目的と
した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために、種々のビタミンD誘導体を鋭意検
討した結果、26,27―ジメチル―Δ22―1α,2
5―ジヒドロキシコレカルシフェロールが他の既知のビ
タミンD誘導体に比べ極めて強い分化誘導作用を有する
にも拘らず、腸管Ca吸収作用が少ないことを見いだ
し、その知見に基づき本発明を完成した。
【0006】本発明は、26,27―ジメチル―Δ22
―1α,25―ジヒドロキシコレカルシフェロールを有
効成分として含有することを特徴とする分化誘導剤であ
る。
【0007】26,27―ジメチル―Δ22―1α,2
5―ジヒドロキシコレカルシフェロール(以下化合物I
と略称する。)は下記の式(I)
【0008】
【0009】を有する。
【0010】本発明に係わる化合物(I)は、以下に示
す化1,2の合成経路1に従って製造することができ
る。
【0011】合成経路1
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】出発原料として用いられる1α,3β−ジ
アセトキシ―23,24―ジノルコル―5―エン―22
―オール(化合物2)は、既知の方法〔池川ら、Che
m.Pharm.Bull.、第32巻、第3866頁
(1984)〕に従って合成される。
【0014】化合物(2)のアリル位(7位)の炭素を
N―ブロモコハク酸イミドで臭素化し、ついで脱臭素化
することで、5,7−ジエン(化合物3)に導く。次に
22位水酸基を酸化してアルデヒド(化合物4)にす
る。本反応の酸化剤としては、1級アルコールをカルボ
ン酸まで酸化せずアルデヒドで止まるものがよく、ピリ
ジニウムクロロクロメートなどのクロム酸類、およびD
MSO−塩化オキザリルが用いられる。
【0015】化合物(3)の1α,3β−位水酸基の保
護基はアセチル基(Ac)であるが、強有機塩基に対し
て反応性が大きい為、塩基に安定な保護基に変換する。
【0016】化合物(4)をメタノールまたはエタノー
ル中で水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム水溶液
と作用して加水分解して、1α,3β−ジヒドロキシ化
合物にし、保護基を導入した。対応する保護基として
は、トリメチルシリル基やtert−ブチルジメチルシ
リル基(TBS)などのシリルエーテル型、メトキシメ
チル基やテトラヒドロピラニル基などのアセタール型保
護基が挙げられるが、安定性があり、除去も容易なTB
S基が好ましい。かくして、1α,3β−TBS化アル
デヒド(化合物5)が得られる。
【0017】次に、P.J.Kocienski〔J.
Chem.Soc.PerkinI,第829頁(19
78年)〕の方法に従い、アルデヒド体(化合物5)と
式(II)で表される光学活性スルホン化合物(化合物
14)式(II)
【0018】
【0019】をテトラヒドロフラン(THF)中、−6
0〜−78℃でn−ブチルリチウムやリチウムジイソプ
ロピルアミド(LDA)などの強有機塩基により化合物
(14)のアニオン種を形成させ、次いでアルデヒド化
合物(5)を加えることでβ−ヒドロキシスルホン(化
合物6)が得られる。使用するスルホン化合物(14)
および有機塩基はアルデヒド化合物(5)に対して1.
2〜2.0倍用いる。
【0020】β−ヒドロキシスルホン化合物(6)は燐
酸二水素ナトリウムで飽和したメタノール中、過剰のナ
トリウムアマルガムで処理することで、22,23−ト
ランスオレフィン(化合物7)が得られる。化合物
(7)より1α,3β,25位の水酸基の保護基である
シリル基を除去し、5,7,22−トリエンのトリオー
ル(化合物8)が得られる。
【0021】シリル保護基は、LiBF4やn−Bu4
Fの作用で容易に除去される。かくして得られたトリエ
ン化合物(8)は中圧水銀灯による光照射後、熱異性化
することにより目的とするビタミンD2誘導体が得られ
る。
【0022】なお、側鎖として用いられるスルホン化合
物(14)は市販の(R)−(−)−3−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオン酸メチル(化合物9)から、デル
ーカ〔J.Org.Chem.,第53巻,第3450
頁(1988年)〕および辻〔Bull.Chem.S
oc.Japan,第62巻,第3132頁(198
9)〕の方法に準じて合成した。その合成経路2に示
す。
【0023】合成経路2
【0024】本発明の分化誘導剤は、常法により化合物
(1)の固体または液体の製剤を調製し、経口または非
経口で投与する。経口投与用固形製剤は、粉末剤、顆粒
剤、錠剤、丸剤、カプセル剤などである。非経口および
経口投与用液体製剤は、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、
シロップ剤、アルコール溶液剤、油性溶液剤などの形態
で使用することができる。
【0025】本発明の分化誘導剤を経口投与用固形製剤
にする場合は、必要に応じて他の公知の添加剤、例え
ば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コー
ティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤
などを混合して、顆粒剤、散剤、カプセル剤、錠剤、ド
ライシロップ剤などの固形経口製剤とすることができ
る。賦形剤としては、たとえばマンニトール、キシリト
ール、ソルビトール、ブドウ糖、白糖、乳糖、結晶セル
ロース、結晶セルロース・カルボキシメチルセルロース
ナトリウム、りん酸水素カルシウム、コムギデンプン、
コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデン
プン、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げ
られる。
【0026】崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム・
A型(アクチゾル)、デンプン、結晶セルロース、ヒド
ロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプンな
どが挙げられる。
【0027】結合剤としては、たとえばメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ゼラチ
ン、アラビアゴム、エチルセルロース、ポリビニルアル
コール、プルラン、アルファー化デンプン、寒天、タラ
ガント、アルギン酸ナトリウムアルギン酸プロピレング
リコールエステルなどが挙げられる。
【0028】滑沢剤としては、たとえばステアリン酸、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸ポリオキシル、セタノール、タルク、硬化
油、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン、
マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、サラシミツ
ロウなどが挙げられる。
【0029】抗酸化剤としては、たとえばジブチルヒド
ロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチル
ヒドロキシアニソール(BHA)、α−トコフェロー
ル、クエン酸などが挙げられる。
【0030】コーティング剤としては、たとえばヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、
カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セル
ロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテー
ト、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネー
ト、メタアクリル酸コポリマー、セルロースアセテート
トリメリテート(CAT)、ポリビニルアセテートフタ
レート、セラックなどが挙げられる。
【0031】着色剤としては、たとえばタール色素、酸
化チタンなどが挙げられる。
【0032】矯味矯臭剤としては、クエン酸、アジピン
酸、アスコルビン酸、メントールなどが挙げられる。
【0033】界面活性剤としては、たとえばポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、
モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビ
タン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリソルベ
ート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類、シ
ョ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0034】可塑剤としては、クエン酸トリエチル、ト
リアセチン、セタノールなどが挙げられる。
【0035】非経口および経口投与用液剤の担体として
は、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコー
ル、中鎖脂肪酸のトリグリセライドエステル、植物油、
油状エステルなどの常用溶媒があり、必要に応じて適当
な湿潤剤、懸濁剤、乳化剤、甘味量、香料、保存剤を添
加することができる。
【0036】これらの医薬品として、許容される添加物
はいずれも、一般的に製剤に用いられるものが使用でき
る。
【0037】成人を治療する場合、化合物Iは成人1人
に対して、1回0.001μg〜1000μg、好まし
くは0.05μg〜500μgを1〜5日に1回投与さ
れる。患者の年齢、体重、症状などによりその投与量を
適宜増減することができる。
【発明の効果】本発明の有効成分である化合物Iは、強
力な分化誘導作用を示し、Ca代謝活性は弱いので、優
れた分化誘導剤である。
【実施例】以下に実施例、試験例および製剤例を示し、
本発明を具体的に説明する。
【0038】実施例1 (24R)−1α,25−ジヒドロキシ−26,27−
ジメチルビタミンD 2(I)の合成 1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコラ―
5,7―ジエン−22−オール(3)の合成 1α,3β−ジアセトキシ−23,24−ジノルコル―
5−エン−22−オール(2)(1.983g,4.5
9mmol)の四塩化炭素溶液(120ml)にN−ブ
ロモコハク酸イミド(1.169g,6.57mmo
l)を加え、窒素下に、75分還流した。結晶を濾別
後、濃縮し、残渣をTHF(100ml)に溶解し、n
−Bu4N Br(50mg)を加え室温で50分攪拌し
た。更に、n−Bu4NFの1MTHF溶液(16m
l,16mmol)を加え、室温で30分攪拌した。減
圧で溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。水
洗、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢
酸エチル=7:3)に付し標記の5,7−ジエン体
(3)を得た(745mg,1.73mmol,37.
7%)。
【0039】1H―NMR(CDCl3、δppm) 0.64(3H,s) 18−Me 1.02(3H,s) 19−Me 1.04(3H,d,J=7Hz) 21−Me 2.02(3H,s) COCH3 2.09(3H,s) COCH3 3.1〜3.75(2H,m) 22−CH2 4.98(2H,m) 1−H,3−H 5.40,5.68(1H,m) 6−H,7−H
【0040】1α,3β−ジアセトキシ―23,24―
ジノルコラ―5,7―ジエン−22−アール(4) 前項で得られた5,7−ジエン―22−オール(化合物
3)(650mg、1.49mmol)のジクロロメタ
ン溶液(100ml)にピリジニウムクロロクロメート
(975mg,4.52mmol)を加え、室温で2時
間攪拌した。固体を濾別し濾液は飽和炭酸ナトリウム水
溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=17:3で溶
出)に付し標記22−アルデヒド体(4)を得た(48
4mg、1.13mmol、収率76%)。
【0041】1H―NMR(CDCl3、δppm) 0.68(3H,s) 18−Me 1.03(3H,s) 19−Me 1.16(3H,d,J=7Hz) 21−Me 2.06(3H,s) COCH3 2.11(3H,s) COCH3 5.06(2H,m) 1−H,3−H 5.49(2H,m) 6−H,7−H 9.70(1H,d,J=4Hz) 22−CHO
【0042】1α,3β−ビス(tert−ブチル−ジ
メチルシリルオキシ―23,24―ジノルコラ―5,7
―ジエン−22−アール(5) 化合物(4)(480mg、1.12mmol)を0.
1Nの水酸化カリウムのメタノール溶液(45ml)に
溶解し、室温で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で
メタノールを留去して得られた1α,3β−ジヒドロキ
シ体はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロ
メタン:メタノール=9:1)に付し精製した(259
mg,0.752mmol,67%)。前記ジヒドロキ
シ体のピリジン−DMF溶液(20ml−5ml)にt
ertーブチルジメチルシリルクロリド(380mg,
2.52mmol)を加え、40℃で7時間攪拌した。
常法に従って処理した後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1で溶出)で精
製し標記TBS保護の5,7−ジエン―22−アルデヒ
ドを得た(305.5mg,0.533mmol,71
%)。
【0043】1H―NMR(CDCl3、δppm) 0.09(12H,s) SiMe3 0.67(3H,s) 18−Me 0.90(18H,s) SitBu 1.15(2H,d,J=7Hz) 21−Me 3.76(1H,bs) 1ーH 4.00(1H,m) 3ーH 5.40,5.67(2H,m) 6−H,7−H 9.61(1H,d,J=5Hz) 22−CHO
【0044】(24R)−1α,3β−ビス(tert
−ブチル−ジメチルシリルオキシ)−26,27−ジメ
チル−25−トリメチルシリルオキシエルゴスタ−5,
7,22(E)−トリエン(7) ジイソプロピルアミン(0.10ml)とn−ブチルリ
チウム(1.3Mヘキサン溶液,0.48ml)から調
整したリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液(5
ml)に−78℃で3−エチル−2(R)−メチル−1
−フェニルスルホニル−3−ペンタノールのトリメチル
シリルエーテル(化合物14)(161mg,0.47
mmol)のTHF溶液(5ml)を滴下し、同温度に
て1時間攪拌した。この溶液に22−アルデヒド(化合
物5)(122.5mg,0.214mmol)のTH
F溶液(5ml)をゆっくり滴下し同温度で4時間攪拌
した。反応終了後、飽和の塩化アンモニウム水溶液(1
5ml)を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し
た。常法に従って後処理を行い、22−ヒドロキシ−2
3−フェニルスルフォニル体(化合物6)のジアステレ
オマー混合物を得た(82mg,90μmol,42
%)。このスルホニル化合物のTHF溶液(20ml)
と燐酸水素二ナトリウムの飽和メタノール溶液(20m
l)を混合し、氷冷下に5%ナトリウムアマルガム
(3.6g)を加え、同温度にて3時間、室温で3時間
攪拌した。反応混合物をエーテルで希釈し、沈澱物をセ
ライト濾過した。濾液を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣を中
圧液体クロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル
=9:1)で精製して標記化合物(7)を得た(36.
5mg,48.3μmol,54%)。
【0045】1H―NHR(CDCl3,δppm) 0.09(9H,s) SiMe3 0.10(12H,s) SiMe3 0.60(3H,s) 18−Me 0.78(6H,t,J=7Hz) 26−,27−M
e 0.90(18H,s) 19−Me 3.77(1H,m) 1−H 4.14(1H,m) 3−H 5.3〜5.8(4H,m) 6−,7−,22−,2
3−H
【0046】(24R)−26,27−ジエチルコレス
タ−5,7,22(E)−トリエン−1α,3β,25
−トリオール(8) シリル保護体(化合物7)(36.5mg,48.3μ
mol)のTHF溶液(15ml)に、nBu4NFの1
MTHF溶液(0.6ml)を加え、50℃で1時間攪
拌した。水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機層は
食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、減圧下で溶媒
を留去した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン:i−プロパノール=9:1)で分
離し、更に高速カラムクロマトグラフィー(Zolba
x Sil,n−ヘキサン:i−プロパノール=98:
2)で分取精製し化合物(8)を得た(17.5mg,
38μmol,79%)。1 H―NMR(CDCl3,δppm) 0.70(3H,s) 18−Me 0.91(6H,t,J=7Hz) 26−,27−C
2CH3 0.95(3H,s) 19−Me 3.73(1H,m) 1−H 4.05(1H,m) 3−H 5.2〜5.7(4H,m) 6−,7−,22−,2
3−H (24R)−1α,25−ジヒドロキシ−26,27−
ジメチルビタミンD 2(I) 化合物(8)(17.5mg、38μmol)をベンゼ
ン―エタノール混合溶媒中(90ml−40ml)、ア
ルゴン気流下、4分間照射(中圧水銀灯)を行った。1
時間の加熱還流で熱異性化をし、溶液を濃縮後、シリカ
ゲル薄層クロマトグラフィー、次いで高速液体クロマト
グラフィー分取(Zolbax Sil、ヘキサン:i
−プロパノール=98:2)で標記化合物(I)を得た
(1.41mg、3.07μmol、8%)。
【0047】1H―NMR(CDCl3、δppm) 0.52(3H,s) 18−Me 0.87(6H,t,J=7.2Hz) 26,27−
CH2 CH3 0.93(3H,d,J=6.7Hz) 28−Me 0.95(3H,d,J=6.8Hz) 21−Me 4.23(1H,m) 3−H 4.43(1H,m) 1−H 5.00(1H,m) 19−H 5.33(3H,m) 19,22,23−H 6.00(1H,d,J=11.2Hz) 7−H 6.38(1H,d,J=11.2Hz) 6−H
【0048】MASS 456(M+,3%) 438(M+−H2O,10%) 420(M+−2H2O,10%) 402(5%) 115(B+
【0049】UV(エタノール) λmax=267nm,λmin=229nm Amax/Amin=1.34
【0050】参考例側鎖前駆体スルホン化合物(14)の合成 合成経路2に従って合成したスルホン化合物のスペクト
ルデータをまとめ以下に示す。
【0051】3−エチル−2(R)−メチル−1−フェ
ニルスルホニル−3−ペンタノールトリメチルシリルエ
ーテル(14) 1H―NMR(CDCl3、δppm) 0.04(9H,s) 0.79(6H,t,J=7.0Hz) 1.08(3H,d,J=6.8Hz) 1.40(3H,d,J=7.0Hz) 1.43(2H,d,J=7.0Hz) 2.22(1H,m) 2.80(1H,dd,J=9.6,14.2Hz) 3.49(1H,d,J=14.2Hz) 7.50〜8.00(5H,m)
【0052】製剤例1 中鎖脂肪酸のトリグリセライドエステル1Kgに化合物
I1mgを溶解した。また、別途に下記組成の軟カプセ
ル皮膜成分を加温溶解した。軟カプセル製造機を用いて
常法により1カプセル中に化合物Iを0.1μgを含有
する軟カプセルを製造した。 (軟カプセル皮膜組成) ゼラチン 100.0重量部 グリセリン 20.0重量部 D―ソルビトール 10.0重量部 エチルパラベン 0.2重量部 酸化チタン 1.5重量部 水 15.0重量部
【0053】製剤例2〜4 同様にして1カプセル中にそれぞれ0.001、0.0
1、1μgの化合物Iを含む軟カプセルを製造した。
【0054】製剤例5 化合物I5mg、乳糖3500g、コーンスターチ50
0g、ポリビニルピロリドン10gをよく混合し、常法
によりエタノールで造粒、乾燥後整粒した。
【0055】これにステアリン酸マグネシウム10gを
加えて混合後、常法により、1錠中に化合物Iを0.1
μg含有する錠剤を製造した。
【0056】製剤例6〜8 同様にして、1錠中にそれぞれ0.001、0.01、
1μgの化合物Iを含む錠剤を製造した。
【0057】試験例1(分化誘導作用) 10重量%の仔ウシ血清と80μg/mlのゲンタマイ
シンを加えたRPMI―1640培養液を調製し、1m
l当り、2×105個のヒト白血球由来ガン細胞HL―
60を移植し、炭酸ガス気流中にて、37℃、96時
間、培養した。
【0058】化合物Iまたは1α,25―ジヒドロキシ
コレカルシフェロール(以下、化合物IIと略称す
る。)をエタノールに溶解して種々の濃度の被験薬を調
製した。
【0059】各被験液をそれぞれ別個の培養液中に添加
して、NBT還元能に対する各作用をC.Tarell
aらの方法(Cancer Res 第42巻、第44
5頁1982年)に従って測定した。
【0060】被験薬を含まない培養液を対照群とし、こ
れについても被験薬と同様の処理と測定を行った。
【0061】その結果を図1に示す。化合物Iは明らか
に分化誘導作用を示し、その程度は化合物IIの10〜
100倍と考えられる。
【0062】試験例2 川島らの方法(日薬理誌 第74巻、第267頁、19
78年)で作成したビタミンD欠乏ラット(ウイスター
系、雄)を1群8〜9匹とし試験に供した。
【0063】化合物Iと化合物IIを0.05mlのエ
タノールに溶かした種々の濃度の被験薬をそれぞれの群
の動物の静脈内に1回投与した。
【0064】対照群には同量のエタノールのみを同様に
投与した。Omdahlらの方法(Biochemis
try 第10巻、第2935頁、1971年)に従
い、投与の1日後に各群の動物を麻酔下で腸管を結さつ
した腸管に45Caを含むbicarbonate Bu
fferを注入し、30分後に腸管を摘出した。この腸
管を灰化後、塩酸にて溶解し、残存する45Caおよび注
入した45Caの放射能を測定した。
【0065】その結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】ビタミンDの副作用に通じる血中Ca上昇
作用は、腸管Ca吸収作用がほとんど反映している。上
記の結果の様に、化合物Iは化合物IIと比べて、明ら
かに約10倍弱く、薬効と毒性の分離度は化合物IIの
1,000〜10,000倍であることが明かとなっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は縦軸にNBT還元能、横軸に化合物Iの
濃度を示した相関図である。
フロントページの続き (72)発明者 中島 宣雅 東京都八王子市北野町568 フォート北野 619号 (72)発明者 中山 秀幸 東京都八王子市下柚木30−1 あけぼの荘 206号 (72)発明者 岡崎 光洋 静岡県駿東郡清水町伏見4番地9

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】26,27―ジメチル―Δ22―1α,2
    5―ジヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分とし
    て含有することを特徴とする分化誘導剤。
  2. 【請求項2】26,27―ジメチル―Δ22―1α,2
    5―ジヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分とし
    て含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
  3. 【請求項3】26,27―ジメチル―Δ22―1α,2
    5―ジヒドロキシコレカルシフェロールを有効成分とし
    て含有することを特徴とする乾癬治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6794392B1 (en) 1996-09-30 2004-09-21 Schering Aktiengesellschaft Cell differentiation inducer

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