JPH06179314A - 車輌用リヤサスペンション装置 - Google Patents

車輌用リヤサスペンション装置

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JPH06179314A
JPH06179314A JP35359192A JP35359192A JPH06179314A JP H06179314 A JPH06179314 A JP H06179314A JP 35359192 A JP35359192 A JP 35359192A JP 35359192 A JP35359192 A JP 35359192A JP H06179314 A JPH06179314 A JP H06179314A
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JP
Japan
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vehicle
frp
carrier
suspension arm
arm
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Application number
JP35359192A
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English (en)
Inventor
Yasuo Fujioka
泰雄 富士岡
Hiroyuki Shimatani
浩行 嶋谷
Shinichiro Hagiwara
伸一郎 萩原
Masahiro Nishio
方宏 西尾
Yasuhiro Morita
康裕 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G7/00Pivoted suspension arms; Accessories thereof
    • B60G7/001Suspension arms, e.g. constructional features
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/40Auxiliary suspension parts; Adjustment of suspensions
    • B60G2204/43Fittings, brackets or knuckles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2206/00Indexing codes related to the manufacturing of suspensions: constructional features, the materials used, procedures or tools
    • B60G2206/01Constructional features of suspension elements, e.g. arms, dampers, springs
    • B60G2206/10Constructional features of arms
    • B60G2206/12Constructional features of arms with two attachment points on the sprung part of the vehicle

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリアに車輌後方への力が作用した場合に
効果的にトーイン変化させる。 【構成】 外端にてキャリア60に枢着され内端にて上
下方向に弾性変形可能に車体に固定され強化繊維の配向
方向が互いに異なるFRPにて構成された前側サスペン
ションアーム66及び後側サスペンションアーム68を
有している。前側のサスペンションアームはキャリアに
車輌後方への力が作用するとFRPのクロスエラスティ
シティ効果により車輌横方向の長さが減小し、逆に後側
のサスペンションアームはキャリアに車輌後方への力が
作用するとFRPのクロスエラスティシティ効果により
車輌横方向の長さが増大するよう構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌のリヤ
サスペンション装置に係り、更に詳細にはFRP、即ち
繊維強化樹脂にて構成された前側及び後側の一対のサス
ペンションアームを有するリヤサスペンション装置に係
る。
【0002】
【従来の技術】FRP製のサスペンションアームを有す
るサスペンション装置の一つとして、例えば特開平3−
136913号公報に記載されている如く、車輪を回転
可能に支持するキャリアと、外端にて互いに連結される
と共にキャリアに枢着され内端にて車体に固定された前
側及び後側のサスペンションアームとを有し、二つのサ
スペンションアームはFRPにて形成され上下方向に弾
性変形することができるよう構成されたサスペンション
装置が従来より知られている。
【0003】かかるサスペンション装置によれば、車輪
がバウンド、リバウンドすると二つのサスペンションア
ームは上下方向に弾性変形することによってサスペンシ
ョンスプリングとして機能することができるので、従来
よりサスペンションアームとは独立に別の部材としてサ
スペンション装置に組込まれている圧縮コイルスプリン
グの如きサスペンションスプリングを省略することがで
き、またFRPは鋼等に比して軽量であるので、サスペ
ンション装置を軽量化することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
のサスペンション装置に於ては、FRPは鋼等に比して
弾性変形し易いので、二つのサスペンションアームの車
輌前後方向の剛性が低い場合には、車輌の制動時の如く
車輪を介してキャリアに車輌後方への力が作用すると、
二つのサスペンションアームは全体として車輌後方へ弾
性変形し、キャリア及び車輪がトーアウト方向へ回転変
位し、そのため車輌の制動時等に於ける操縦安定性が悪
化し易いという問題がある。
【0005】またかかる問題を解消すべく、例えば特開
平2−37008号公報に記載されている如く、前側及
び後側の一対のFRP製のサスペンションアームの外端
をそれらの外端間の距離が内端間の距離よりも小さくな
るようキャリアに枢着することにより、キャリアに車輌
後方への力が作用し二つのサスペンションアームが車輌
後方へ弾性的に湾曲変形した場合には前側のサスペンシ
ョンアームの外端と内端との間の車輌横方向の距離は減
小するが、後側のサスペンションアームの外端と内端と
の間の距離は減小しないことを利用して、キャリア及び
車輪をトーイン方向へ回転変位させることが考えられ
る。
【0006】しかしFRPは一般に強化繊維としての長
繊維が一方向に配向された板状をなし、その板面に垂直
な方向の弾性変形能には優れているが板面に沿う方向の
弾性変形能が非常に低いのに対し、FRP製のサスペン
ションアームがサスペンションスプリングとしても機能
するよう構成されたサスペンション装置に於ては、サス
ペンションアームはFRPの板面が実質的に水平になる
よう構成せざるを得ないため、二つのサスペンションア
ームが車輌後方へ弾性的に湾曲変形することによりそれ
らの外端と内端との間の車輌横方向の距離が相対的に変
化することを利用して車輪及びキャリアを効果的にトー
イン変化させることはできない。
【0007】本発明は、サスペンションスプリングとし
ても機能するFRP製のサスペンションアームを有する
従来のサスペンション装置に於ける上述の如き問題に鑑
み、FRPのクロスエラスティシティ効果を有効に利用
して車輪及びキャリアに車輌後方への力が作用した場合
にはそれらを効果的にトーイン変化させることができる
よう改良された車輌用リヤサスペンション装置を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、車輪を回転可能に支持するキャリアと、第
一のFRPにて構成され外端にて前記キャリアに枢着さ
れ内端にて上下方向に弾性変形可能に車体に固定された
前側サスペンションアームと、第二のFRPにて構成さ
れ外端にて前記キャリアに枢着され内端にて上下方向に
弾性変形可能に前記車体に固定された後側サスペンショ
ンアームとを有し、前記前側サスペンションアームは前
記キャリアに車輌後方への力が作用すると前記第一のF
RPのクロスエラスティシティ効果により前記後側サス
ペンションアームに対し相対的に車輌横方向の長さが減
小するよう構成され、前記後側サスペンションアームは
前記キャリアに車輌後方への力が作用すると前記第二の
FRPのクロスエラスティシティ効果により前記前側サ
スペンションアームに対し相対的に車輌横方向の長さが
増大するよう構成されたサスペンション装置によって達
成される。
【0009】
【作用】前述の如くFRPの強化繊維は一般に長繊維で
あり一方向に配向される。周知の如く、FRPが強化繊
維に沿う方向及びこれに垂直な方向に引張り応力を受け
ると、前者の方向には伸びにくく後者の方向には伸び易
い点を除き鋼の如き均質な材料と同様に弾性変形により
一様に伸張し、またFRPが強化繊維に垂直な方向に曲
げ応力を受けると、高い弾性域を保つ点を除き鋼の如き
均質な材料と同様に弾性変形により一様に曲げ変形す
る。
【0010】これに対し板状のFRPがその平面に沿っ
て強化繊維に対し斜めの方向に引張り応力を受けると、
FRPはクロスエラスティシティ効果によりその応力の
方向に弾性変形により伸張するだけでなく応力の方向に
垂直な方向にも弾性変形する。かかるクロスエラスティ
シティ効果による弾性変形現象は一方向に配向された強
化繊維を含むFRPに特徴的な現象である。
【0011】例えば図4(a)に示されている如く、強
化繊維100が長手方向に対し配向角θにて配向された
短冊形のFRP102の一端を図4(b)に示されてい
る如く回転しないよう拘束し、その他端にFRPの平面
に沿ってその長手方向に垂直に剪断力Fを与えると、F
RPは剪断力Fの方向に曲げにより弾性変形すると共に
クロスエラスティシティ効果により剪断力Fに垂直な方
向に収縮する。FRPの自由端の剪断力Fの方向の変形
量xに対する長手方向の収縮量yの比−y/xを変形率
Eとすると、変形率Eは配向角θ及びFRPの幅Bに応
じて変化する。
【0012】図5は繊維径10μmのガラス繊維が体積
率60%にて一方向に配向され長さL及び厚さがそれぞ
れ300mm、3mmに設定された短冊形のFRPについて
の配向角θ及びFRPの幅Bと変形率Eとの間の関係を
示すグラフである。図5より、FRPが剪断力を受ける
場合のクロスエラスティシティ効果及び収縮量は配向角
θが10〜30°程度である場合に高い値になり、また
FRPの長さLが同一であればその幅Bが大きいほど高
い値になることが解る。
【0013】また図には示されていないが、図4に於て
FRPの102の自由端に左向きの剪断力Fを与える
と、FRPは剪断力の方向へ曲げにより弾性変形すると
共にクロスエラスティシティ効果により剪断力に垂直な
方向に伸張し、その場合のクロスエラスティシティ効果
及び伸び量は配向角θが10〜30°程度である場合に
高い値になり、またFRPの長さLが同一であればその
幅Bが大きい程高い値になる。
【0014】従ってある幅を有し一端にて拘束されたF
RPの自由端に剪断力が作用する場合に於て、強化繊維
の配向角θを適宜に設定することにより、クロスエラス
ティシティ効果を利用してFRPの長手方向の長さを増
大させたり減小させたりすることができる。
【0015】上述の如き構成によれば、前側サスペンシ
ョンアームはキャリアに車輌後方への力が作用するとそ
のアームを構成する第一のFRPのクロスエラスティシ
ティ効果により後側サスペンションアームに対し相対的
に車輌横方向の長さが減小するよう構成され、後側サス
ペンションアームはキャリアに車輌後方への力が作用す
るとそのアームを構成する第二のFRPのクロスエラス
ティシティ効果により前側サスペンションアームに対し
相対的に車輌横方向の長さが増大するよう構成される。
【0016】従って車輪を介してキャリアに車輌後方へ
の力が作用すると、前側サスペンションアームの車輌横
方向の長さは減小するのに対し、後側サスペンションア
ームの車輌横方向の長さは増大するので、車輪及びキャ
リアは効果的にトーイン方向へ回転変位し、また前側及
び後側のサスペンションアームを構成するFRPの板面
は実質的に水平であってよいので、サスペンションアー
ムの上下方向への弾性変形が阻害されることはなく、従
ってそれらのアームのサスペンションスプリングとして
の機能が阻害されることもない。
【0017】
【課題を解決するための手段の補足説明】図6に示され
ている如く、短冊形のFRP102の一端をその両側に
一対の金属製のブラケット104を接着することによっ
て拘束して固定し、FRPの他端にその両側より一対の
金属製のタブ106を接着して拘束し、タブ106の部
分に図には示されていない錘を取付けることによってF
RPの長手方向に垂直に荷重Fを与えることによりFR
Pの変形率Eを測定する場合に於て、ブラケット104
及びタブ106の大きさを変化させることによってこれ
らにより拘束されるFRPの面積率を変化させたとこ
ろ、拘束されるFRPの面積率はそれが30%以下の場
合にはFRPの変形率には影響しないことが確認され
た。
【0018】従って本発明のリヤサスペンション装置に
於ては、前側サスペンションアーム及び後側サスペンシ
ョンアームを外端にてキャリアに枢着し内端にて車体に
固定する場合に、それらのサスペンションアームを構成
するFRPが拘束される面積率は30%以下に設定され
ることが好ましい。
【0019】尚本発明に於けるサスペンションアームを
構成するFRPの強化繊維及び樹脂はクロスエラスティ
シティ効果によりサスペンションアームを車輌横方向に
収縮させることができると共にサスペンションスプリン
グとしても機能するサスペンションアームに要求される
強度及び弾性を確保し得る限り任意の強化繊維及び樹脂
であってよいが、強化繊維は例えば炭素繊維やガラス繊
維であってよく、樹脂はエポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル、ビニルエステル等であってよく、強化繊維の体積
率は50〜60%程度であってよい。
【0020】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0021】図1はマクファーソンストラット式リヤサ
スペンションとして構成された本発明による車輌用リヤ
サスペンション装置の一つの実施例を示す斜視図、図2
は図1に示された実施例のサスペンションアームを示す
拡大平面図である。
【0022】図1に於て、60は車輪62を回転可能に
支持するキャリアを示している。キャリアの上端にはシ
ョックアブソーバ64の下端が連結固定されている。図
には示されていないがショックアブソーバ64の上端は
周知の要領にてアッパサポートにより車体に枢着されて
いる。また図1に於て、66及び68はそれぞれ前側サ
スペンションアーム及び後側サスペンションアームを示
している。
【0023】前側サスペンションアーム66は実質的に
水平に延在する平板状のFRPにて構成され実質的にJ
形をなすアーム本体70と、アーム本体の外端70Aに
固定された金属製のブラケット72と、アーム本体の内
端70Bの上下面に固定された一対の金属製の補強板7
4とよりなっている。同様に後側サスペンションアーム
68は実質的に水平に延在する平板状のFRPにて構成
され実質的にJ形をなすアーム本体76と、アーム本体
の外端76Aに固定された金属製のブラケット78と、
アーム本体の内端76Bの上下面に固定された一対の金
属製の補強板80とよりなっている。
【0024】ブラケット72は外端70Aを挾持する取
付け部72Aと該取付け部と一体に形成され軸線82に
沿って延在するスリーブ72Bとよりなっており、取付
け部にて接着剤及び図には示されていない複数個のねじ
により外端70Aに固定されている。同様にブラケット
78は外端76Aを挾持する取付け部78Aと該取付け
部と一体に形成され共通の軸線82に沿って延在するス
リーブ78Bとよりなっており、取付け部にて接着剤及
び図には示されていない複数個のねじにより外端76B
に固定されている。
【0025】ブラケット72はキャリア60の前方部分
に一体に設けられた図には示されていないボルトにより
枢着されており、内端70Bの補強板74が設けられた
部分は図には示されていないがボルトによって車体に固
定されており、これにより前側サスペンションアーム6
6は外端にてキャリア60に車輌前後方向に延在する軸
線82の周りに枢動可能に枢着されると共に内端にて上
下方向に弾性変形可能に車体に固定されている。
【0026】一方後側サスペンションアーム68はキャ
リア60の後方部分に一体に設けられた図には示されて
いないボルトにより枢着されており、内端76Bの補強
板80が設けられた部分は図には示されていないがボル
トによって車体に固定されており、これにより後側サス
ペンションアーム68は外端にてキャリア60に軸線8
2の周りに枢動可能に枢着されると共に内端にて上下方
向に弾性変形可能に車体に固定されている。
【0027】図示の実施例に於ては、図1及び図2に示
されている如く、前側サスペンションアーム66はアウ
トボード方向に見て僅かに車輌後方へ傾斜して延在して
おり、逆に後側サスペンションアーム68はアウトボー
ド方向に見て僅かに車輌後方へ傾斜して延在している。
またアーム本体70及び76の外端部の互いに隣接する
縁部は接着により互いに接続されているが、これらのア
ーム本体は互いに連結されていなくてもよい。
【0028】更にアーム本体70を構成するFRPはア
ーム本体に車輌後方への剪断力が作用した場合にクロス
エラスティシティ効果による収縮によってアーム本体の
車輌横方向の長さを低減するよう配向された強化繊維8
4を含んでいる。一方アーム本体76を構成するFRP
はアーム本体に車輌後方への剪断力が作用した場合にク
ロスエラスティシティ効果による伸張によってアーム本
体の車輌横方向の長さを増大するよう配向された強化繊
維86を含んでいる。
【0029】図2に示されている如く、強化繊維84及
び86がアウトボード方向に見て車輌横方向に対し車輌
後方へ傾斜する角度を配向角θとすると、強化繊維の種
類や体積率、マトリックスの種類などに拘らず、強化繊
維84の配向角θは例えば10〜30°に設定され、強
化繊維86の配向角θは150〜170°に設定され
る。従ってアーム本体76は強化繊維の配向角が例えば
10〜30°に設定されたアーム本体70用のFRPを
表裏逆転させたものであってよい。
【0030】図示の実施例に於て車輪62がバウンド、
リバウンドすることによりキャリア60がそれぞれ下方
及び上方へ変位すると、前側サスペンションアーム66
及び後側サスペンションアーム68のアーム本体70及
び76はそれぞれ下方及び上方へ弾性的に湾曲変形し、
これにより二つのサスペンションアームはサスペンショ
ンスプリングとして機能する。
【0031】また図示の実施例に於てキャリア60に車
輌後方への力が作用すると、前側サスペンションアーム
66及び後側サスペンションアーム68のアーム本体7
0及び76には主として剪断力が作用する。従って前側
サスペンションアーム66の車輌横方向の長さは減小
し、後側サスペンションアーム68の車輌横方向の長さ
は増大し、その結果二つのサスペンションアームは図3
に於て誇張して示されている如く弾性変形し、キャリア
60の前方部分が後方部分に対し相対的にインボード方
向へ変位し、これによりキャリア60及び車輪62のト
ーイン方向への回転変位が達成される。
【0032】尚図示の実施例に於ては、アーム本体68
及び70は強化繊維が上述の如く所定の配向角θにて配
向された単一のFRP層よりなっているが、これらのア
ーム本体はその強度を向上させるべく強化繊維が所定の
配向角にて配向されたFRP層と、このFRP層の上面
又は下面又はその両者に一体的に接合され強化繊維が実
質的に車輌前後方向に配向されたFRP層とよりなるF
RPクラッドにて構成されてもよい。
【0033】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0034】例えば二つのサスペンションアームの外端
及び内端の位置、各サスペンションアームの形状等は図
示の実施例の位置等に限定されるものではなく、二つの
サスペンションアームがサスペンションスプリングとし
ても機能することができると共に、キャリアに車輌後方
への力が作用した場合にFRPのクロスエラスティシテ
ィ効果によってサスペンションアームの車輌横方向の長
さが増減する限り任意の位置等に設定されてよいもので
ある。
【0035】また図示の各実施例に於ては、アーム本体
の外端にはブラケットが固定され、それらのブラケット
を介してキャリア及び車体に枢着されるようになってい
るが、サスペンションアームの外端の枢着部はそれらに
金属スリーブを埋設すると共に金属スリーブの周りに強
化繊維をU形に湾曲させることによって一体的に形成さ
れてもよい。
【0036】更に以上に於ては本発明をマクファーソン
ストラット式サスペンションに適用された特定の実施例
について詳細に説明したが、本発明のサスペンション装
置はダブルウィッシュボーン式サスペンションの如く他
の種々の形式のサスペンションに適用されてよいもので
ある。
【0037】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、車輪を介してキャリアに車輌後方への力が
作用すると、前側サスペンションアームの車輌横方向の
長さは減小するのに対し、後側サスペンションアームの
車輌横方向の長さは増大するので、車輪及びキャリアを
効果的にトーイン方向へ回転変位させることができ、こ
れにより車輌の制動時に於ける操縦安定性を向上させる
ことができ、また前側及び後側のサスペンションアーム
を構成するFRPの板面は実質的に水平であってよいの
で、サスペンションアームの上下方向への弾性変形が阻
害されることはなく、従って二つのサスペンションアー
ムをサスペンションスプリングとして良好に機能させる
ことができる。
【0038】また本発明によれば、前側及び後側のサス
ペンションアームはそれぞれ互いに異なる第一及び第二
のFRPにて構成されると共に上下方向に弾性変形可能
に車体に固定されるので、車輌横方向に対する第一のF
RPの強化繊維の傾斜角を第二のFRPよりも大きく設
定したり、第一のFRPの強化繊維の体積率や厚さを第
二のそれらよりも小さく設定したりすることにより、前
側サスペンションアームの横剛性及び上下方向の弾性変
形のばね定数を後側サスペンションアームのそれらより
も小さく設定することができ、これにより車輌の旋回時
等に於て車輪に横力が作用する場合及び車輪がバウンド
する場合にも車輪及びキャリアをトーイン変化させるこ
とができ、従って車輌の旋回時や悪路走行時等に於ける
操縦安定性をも容易に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マクファーソンストラット式リヤサスペンショ
ンとして構成された本発明による車輌用リヤサスペンシ
ョン装置の一つの実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示された実施例の前側及び後側のサスペ
ンションアームを示す拡大平面図である。
【図3】図1に示された実施例に於てキャリアに車輌後
方への力が作用した場合に於ける前側及び後側のサスペ
ンションアームの弾性変形状態を誇張して示す解図的平
面図である。
【図4】(a)は短冊形のFRPに於ける強化繊維の配
向角θを示しており、(b)は短冊形のFRPに剪断変
形が与えられる要領を示す説明図である。
【図5】短冊形のFRPに剪断力が与えられる場合に於
ける強化繊維の配向角θ及びFRPの幅Bと変形率Eと
の間の関係を示すグラフである。
【図6】短冊形のFRPに剪断変形が与えられる要領を
示す斜視図である。
【符号の説明】
60…キャリア 62…車輪 64…ショックアブソーバ 66…前側サスペンションアーム 68…後側サスペンションアーム 70、76…アーム本体 72、78…ブラケット 74、80…補強板 84、86、100…強化繊維 102…FRP
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 方宏 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動車 株式会社内 (72)発明者 森田 康裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動車 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪を回転可能に支持するキャリアと、第
    一のFRPにて構成され外端にて前記キャリアに枢着さ
    れ内端にて上下方向に弾性変形可能に車体に固定された
    前側サスペンションアームと、第二のFRPにて構成さ
    れ外端にて前記キャリアに枢着され内端にて上下方向に
    弾性変形可能に前記車体に固定された後側サスペンショ
    ンアームとを有し、前記前側サスペンションアームは前
    記キャリアに車輌後方への力が作用すると前記第一のF
    RPのクロスエラスティシティ効果により前記後側サス
    ペンションアームに対し相対的に車輌横方向の長さが減
    小するよう構成され、前記後側サスペンションアームは
    前記キャリアに車輌後方への力が作用すると前記第二の
    FRPのクロスエラスティシティ効果により前記前側サ
    スペンションアームに対し相対的に車輌横方向の長さが
    増大するよう構成されたサスペンション装置。
JP35359192A 1992-12-14 1992-12-14 車輌用リヤサスペンション装置 Pending JPH06179314A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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