JPH06179313A - 車輌用リヤサスペンション装置 - Google Patents

車輌用リヤサスペンション装置

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JPH06179313A
JPH06179313A JP4353590A JP35359092A JPH06179313A JP H06179313 A JPH06179313 A JP H06179313A JP 4353590 A JP4353590 A JP 4353590A JP 35359092 A JP35359092 A JP 35359092A JP H06179313 A JPH06179313 A JP H06179313A
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JP
Japan
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vehicle
carrier
suspension arm
frp
arm
Prior art date
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Application number
JP4353590A
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English (en)
Inventor
Yasuo Fujioka
泰雄 富士岡
Hiroyuki Shimatani
浩行 嶋谷
Shinichiro Hagiwara
伸一郎 萩原
Masahiro Nishio
方宏 西尾
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G7/00Pivoted suspension arms; Accessories thereof
    • B60G7/001Suspension arms, e.g. constructional features
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/10Mounting of suspension elements
    • B60G2204/14Mounting of suspension arms
    • B60G2204/143Mounting of suspension arms on the vehicle body or chassis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/10Mounting of suspension elements
    • B60G2204/14Mounting of suspension arms
    • B60G2204/148Mounting of suspension arms on the unsprung part of the vehicle, e.g. wheel knuckle or rigid axle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/40Auxiliary suspension parts; Adjustment of suspensions
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2206/00Indexing codes related to the manufacturing of suspensions: constructional features, the materials used, procedures or tools
    • B60G2206/01Constructional features of suspension elements, e.g. arms, dampers, springs
    • B60G2206/10Constructional features of arms
    • B60G2206/124Constructional features of arms the arm having triangular or Y-shape, e.g. wishbone

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリアに車輌後方への力が作用した場合に
効果的にトーイン変化させる。 【構成】 外端にてキャリア10に枢着され二つの内端
にて車体に枢支されたFRP製の前側サスペンションア
ーム22と、外端にてキャリアに枢着され内端にて車体
に枢支された鋼製の後側サスペンションアーム24とを
有する。前側サスペンションアームはキャリアに車輌後
方への力が作用するとFRPのクロスエラスティシティ
効果によって車輌横方向に収縮し、その外端がインボー
ド方向へ変位する。また実施例によっては後側サスペン
ションアームは前側サスペンションアームと一体化さ
れ、その収縮を抑制する要素として機能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌のリヤ
サスペンション装置に係り、更に詳細にはFRP、即ち
繊維強化樹脂にて構成されたサスペンションアームを有
するリヤサスペンション装置に係る。
【0002】
【従来の技術】FRP製のサスペンションアームを有す
るリヤサスペンション装置の一つとして、例えば特開平
2−37008号公報に記載されている如く、車輪を回
転可能に支持するキャリアと、FRPにて構成され外端
にてキャリアに枢着され内端にて車体に枢支された前側
及び後側の一対のサスペンションアームとを有し、一対
のサスペンションアームの内端間の距離はそれらの外端
間の距離よりも長く設定されたリヤサスペンション装置
が従来より知られている。
【0003】かかるリヤサスペンション装置によれば、
FRPは鋼等に比して弾性変形し易いので、車輌の制動
時の如く車輪を介してキャリアに車輌後方への力が作用
すると、一対のサスペンションアームは車輌後方へ弾性
変形し、前側のサスペンションアームの外端と内端との
間の車輌横方向の距離は減小するが、後側のサスペンシ
ョンアームの外端と内端との間の距離は増大し又は減小
せず、その結果キャリア及び車輪がトーイン方向へ回転
変位するので、車輌の制動時等に於ける操縦安定性を向
上させることができ、また各サスペンションアームの内
端の枢支部に組込まれているゴムブッシュの負荷を低減
してその耐久性を向上させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来のリヤ
サスペンション装置に於ては、一対のサスペンションア
ームが車輌後方へ弾性変形することによりそれらの外端
と内端との間の車輌横方向の距離が相対的に変化するこ
とを利用して車輪及びキャリアのトーイン変化を達成す
るようになっているので、トーイン変化を生じ易くする
ためには一対のサスペンションアームは車輌後方へ弾性
変形し易いものでなければならない。
【0005】しかるに一対のサスペンションアームをF
RPにて構成し車輌後方へ弾性変形し易くすると車輌の
直進走行性が悪化するので、車輪に作用する前後力を担
持するストラットロッドが必須になり、ストラットロッ
ドは一対のサスペンションアームの車輌前後方向の弾性
変形を阻害するため、上記公開公報に記載されたリヤサ
スペンション装置によっては車輌の制動時等に於ける車
輪及びキャリアのトーイン変化を効果的に達成すること
が困難である。
【0006】本発明は、FRP製のサスペンションアー
ムを有する従来のリヤサスペンション装置に於ける上述
の如き問題に鑑み、FRPのクロスエラスティシティ効
果を有効に利用して車輪及びキャリアに車輌後方への力
が作用した場合にはそれらを効果的にトーイン変化させ
ることができるよう改良された車輌用リヤサスペンショ
ン装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、(1)車輪を回転可能に支持するキャリア
と、FRPにて構成され外端にて前記キャリアに枢着さ
れ少くとも車輌前後方向に互いに隔置された二つの内端
にて共通の軸線の周りに枢動可能に車体に枢支された前
側サスペンションアームと、実質的に剛体にて構成され
外端にて前記キャリアに枢着され内端にて前記車体に枢
支された後側サスペンションアームとを有し、前記前側
サスペンションアームは前記キャリアに車輌後方への力
が作用すると前記FRPのクロスエラスティシティ効果
によって車輌横方向に収縮することにより前記外端がイ
ンボード方向へ変位するよう構成された車輌用リヤサス
ペンション装置、又は(2)車輪を回転可能に支持する
キャリアと、FRPにて構成され実質的に車輌前後方向
に互いに隔置された二つの外端にて前記キャリアに枢着
され少くとも車輌前後方向に互いに隔置された二つの内
端にて共通の軸線の周りに枢動可能に車体に枢支された
サスペンションアームとを有し、前記サスペンションア
ームは前記キャリアに車輌後方への力が作用すると前記
FRPのクロスエラスティシティ効果によって車輌横方
向に収縮するよう構成され、前記サスペンションアーム
の後方部分には車輌横方向の収縮を抑制する収縮抑制手
段が設けられた車輌用リヤサスペンション装置によって
達成される。
【0008】
【作用】FRPの強化繊維は一般に長繊維であり一方向
に配向される。周知の如く、FRPが強化繊維に沿う方
向及びこれに垂直な方向に引張り応力を受けると、前者
の方向には伸びにくく後者の方向には伸び易い点を除き
鋼の如き均質な材料と同様に弾性変形により一様に伸張
し、またFRPが強化繊維に垂直な方向に曲げ応力を受
けると、高い弾性域を保つ点を除き鋼の如き均質な材料
と同様に弾性変形により一様に曲げ変形する。
【0009】これに対し板状のFRPがその平面に沿っ
て強化繊維に対し斜めの方向に引張り応力を受けると、
FRPはクロスエラスティシティ効果によりその応力の
方向に弾性変形により伸張するだけでなく応力の方向に
垂直な方向にも弾性変形する。かかるクロスエラスティ
シティ効果による弾性変形現象は一方向に配向された強
化繊維を含むFRPに特徴的な現象である。
【0010】例えば図4(a)に示されている如く、強
化繊維100が長手方向に対し配向角θにて配向された
短冊形のFRP102の一端を図4(b)に示されてい
る如く回転しないよう拘束し、その他端にFRPの平面
に沿ってその長手方向に垂直に剪断力Fを与えると、F
RPは剪断力Fの方向に曲げにより弾性変形すると共に
クロスエラスティシティ効果により剪断力Fに垂直な方
向に収縮する。FRPの自由端の剪断力Fの方向の変形
量xに対する長手方向の収縮量yの比−y/xを変形率
Eとすると、変形率Eは配向角θ及びFRPの幅Bに応
じて変化する。
【0011】図5は繊維径10μmのガラス繊維が体積
率60%にて一方向に配向され長さL及び厚さがそれぞ
れ300mm、3mmに設定された短冊形のFRPについて
の配向角θ及びFRPの幅Bと変形率Eとの間の関係を
示すグラフである。図5より、FRPが剪断力を受ける
場合の変化率は配向角θが10〜30°程度である場合
に高い値になり、またFRPの長さLが同一であればそ
の幅Bが大きいほど高い値になることが解る。
【0012】また図6(a)に示されている如く、強化
繊維100が長手方向に対し比較的小さい傾斜角にて配
向された短冊形のFRP102にその長手方向に一様な
引張り応力を与えると、FRPは強化繊維の方向には伸
びにくいため、図6(a)に於て仮想線にて示されてい
る如く平行四辺形に弾性変形してその長さが増大すると
共に強化繊維の配向方向がより一層長手方向に近付くた
めその幅が減小する。
【0013】これに対し図6(b)に示されている如く
強化繊維100が長手方向に対し比較的大きい傾斜角に
て配向された短冊形のFRP104と図6(a)に示さ
れたFRP102とを一体的に接合しそのFRPクラッ
ド106にその長手方向に一様な引張り応力を与える
と、FRPクラッド106は図6(c)に於て仮想線に
て示されている如く平行四辺形に弾性変形してその長さ
が増大すると共にその幅が増大する。従ってかくしてF
RP層が組合されたFRPクラッドのポアソン比は鋼の
如き他の材料に比して遥かに小さく、負の値にも達す
る。
【0014】これに対し図7(a)及び(b)に示され
ている如く図6(a)に示されたFRP102を表裏逆
にして互いに一体的に接合し、そのFRPクラッド10
8にその長手方向に一様な引張り応力を与えると、二つ
のFRP層の平行四辺形への変形が逆になるため、FR
Pクラッド108は図7(c)に於て仮想線にて示され
ている如く長方形を維持したままその長さが比較的大き
く増大すると共にその幅が比較的大きく減小する。従っ
てかかるFRPクラッドのポアソン比は鋼の如き他の材
料に比して遥かに高い値になる。
【0015】上述の(1)の構成によれば、外端にてキ
ャリアに枢着され少くとも車輌前後方向に互いに隔置さ
れた二つの内端にて共通の軸線の周りに枢動可能に車体
に枢支された前側サスペンションアームはFRPにて構
成され、外端にてキャリアに枢着され内端にて車体に枢
支された後側サスペンションアームは実質的に剛体にて
構成され、前側サスペンションアームはキャリアに車輌
後方への力が作用するとFRPのクロスエラスティシテ
ィ効果によって車輌横方向に収縮することにより外端が
インボード方向へ変位するよう構成される。
【0016】従って車輪及びキャリアに作用する車輌前
後方向の力は前側サスペンションアームによって担持さ
れるので、従来のストラットロッドは不要であり前側サ
スペンションアームの弾性変形がストラットロッドによ
り阻害されることもなく、また車輪を介してキャリアに
車輌後方への力が作用すると、後側サスペンションアー
ムの車輌横方向の長さは実質的に変化しないのに対し、
前側サスペンションアームの車輌横方向の長さは減小す
るので、車輪及びキャリアは効果的にトーイン方向へ回
転変位する。
【0017】また上述の(2)の構成によれば、サスペ
ンションアームは実質的に車輌前後方向に互いに隔置さ
れた二つの外端にてキャリアに枢着され少くとも車輌前
後方向に互いに隔置された二つの内端にて共通の軸線の
周りに枢動可能に車体に枢支されると共に、サスペンシ
ョンアームはFRPにて構成されキャリアに車輌後方へ
の力が作用するとFRPのクロスエラスティシティ効果
によって車輌横方向に収縮するよう構成され、更にサス
ペンションアームの後方部分には車輌横方向の収縮を抑
制する収縮抑制手段が設けられる。
【0018】従ってこの構成の場合にも車輪及びキャリ
アに作用する車輌前後方向の力はサスペンションアーム
によって担持されるので、従来のストラットロッドは不
要でありサスペンションアームの弾性変形がストラット
ロッドにより阻害されることもなく、また車輪を介して
キャリアに車輌後方への力が作用すると、サスペンショ
ンアームの後方部分の収縮が収縮抑制手段によって抑制
されることにより該後方部分の車輌横方向の長さはさほ
ど大きくは減小しないのに対し、サスペンションアーム
の前方部分の車輌横方向の長さは比較的大きく減小し、
これにより車輪及びキャリアは効果的にトーイン方向へ
回転変位する。
【0019】
【課題を解決するための手段の補足説明】上述の如く強
化繊維の配向方向が異なる複数のFRP層が一体的に接
合されFRPクラッドとされると、応力の方向に対する
強化繊維の方向が各層によって異なり、そのため各層の
応力に沿う方向の弾性変形能及びクロスエラスティシテ
ィ効果が異なるため、かかるFRPクラッドよりなる板
状体がその平面に沿って応力を受けると、板状体は所謂
カップリング効果によりその平面に沿う方向のみならず
その平面に垂直な方向にも弾性的に湾曲変形する。
【0020】本発明の実施例によれば、FRPにて構成
されるサスペンションアームはクロスエラスティシティ
効果を効果的に生じるFRP層とその強化繊維とは異な
る方向に配向された強化繊維を含むFRP層とが一体的
に接合されたFRPクラッドにて構成され、サスペンシ
ョンアームの外端は特定のFRP層がクロスエラスティ
シティ効果によって車輌横方向に収縮することに加えて
サスペンションアーム自体がFRPクラッドのカップリ
ング効果により上方又は下方へ弾性的に湾曲変形するこ
とによってもインボード方向へ変位するよう構成され
る。
【0021】尚本発明に於けるサスペンションアームを
構成するFRPの強化繊維及び樹脂はクロスエラスティ
シティ効果によりサスペンションアームを車輌横方向に
収縮させることができサスペンションアームに要求され
る強度を確保し得る限り任意の強化繊維及び樹脂であっ
てよいが、強化繊維は例えば炭素繊維やガラス繊維であ
ってよく、樹脂はエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、
ビニルエステル等であってよく、強化繊維の体積率は5
0〜60%程度であってよい。
【0022】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0023】図1はマクファーソンストラット式リヤサ
スペンションとして構成された本発明による車輌用リヤ
サスペンション装置の一つの実施例を示す斜視図、図2
は図1に示された実施例の前側サスペンションアームを
示す拡大平面図である。
【0024】図1に於て、10は車輪12を回転可能に
支持するキャリアを示している。キャリアの上端にはシ
ョックアブソーバ14及びサスペンションスプリング1
6よりなるマクファーソンストラット18の下端が連結
固定されている。マクファーソンストラット18の上端
はアッパサポート20により図には示されていない車体
に枢着されている。
【0025】また図1に於て、22及び24はそれぞれ
前側サスペンションアーム及び後側サスペンションアー
ムを示している。前側サスペンションアーム22は平板
状のFRPクラッドにて構成され実質的にT形をなすア
ーム本体28と、アーム本体の外端28A及び二つの内
端28B、28Cにそれぞれ固定された金属製のブラケ
ット30、32、34とよりなっている。
【0026】ブラケット30は外端28Aを挾持する取
付け部30Aと該取付け部と一体に形成され軸線36に
沿って延在するスリーブ30Bとよりなっており、取付
け部にて接着剤及び複数個のねじ38により外端28A
に固定されている。同様にブラケット32及び34はそ
れぞれ内端28B及び28Cを挾持する取付け部32A
及び34Aとこれらの取付け部と一体に形成され共通の
軸線40に沿って延在するスリーブ32B及び34Bと
よりなっており、取付け部にて接着剤及び複数個のねじ
38により内端28B及び28Cに固定されている。
【0027】図1及び図2に示されている如く、内端2
8Bは外端28Aに対し車輌横方向に整合されており、
内端28Cは内端28Bより車輌前方及びアウトボード
方向に隔置されている。従って軸線40はスリーブ32
Bよりスリーブ34Bの方向に見てアウトボード方向へ
傾斜して延在しており、軸線36は実質的に軸線40と
平行に延在している。
【0028】ブラケット30はキャリア10の前方部分
に設けられたブラケット10Aに図には示されていない
ボルトにより枢着されており、ブラケット32及び34
は図には示されていないがそれぞれ車体に固定されたブ
ラケットにボルトによって枢着されており、これにより
前側サスペンションアーム22は外端にて軸線36の周
りに枢動可能にキャリア10に枢着されると共に二つの
内端にて共通の軸線40の周りに枢動可能に車体に枢支
されている。
【0029】一方後側サスペンションアーム24は鋼に
て構成され車輌横方向に延在している。また後側サスペ
ンションアーム24は外端及び内端にそれぞれスリーブ
24A及び24Bを有し、これらのスリーブの軸線42
及び44は車輌前後方向に互いに平行に延在している。
スリーブ24Aはキャリア10の後方部分に一体に設け
られた図には示されてないボルトによりキャリアに枢着
されており、スリーブ24Bは図には示されていないが
車体に固定されたブラケットにボルトによって枢着され
ており、これにより後側サスペンションアーム24は外
端にて軸線42の周りに枢動可能にキャリア10に枢着
されると共に内端にて軸線44の周りに枢動可能に車体
に枢支されている。
【0030】図示の実施例に於てキャリア10に車輌後
方への力が作用すると、前側サスペンションアーム22
のアーム本体28の車輌横方向に延在する部分28Pに
は主として剪断力が作用し、実質的に車輌前後方向に延
在する部分28Qには主として引張り応力が作用し、こ
れにより部分28Qは従来のストラッドロッドとしても
機能する。アーム本体28を構成するFRPクラッドは
部分28Pに剪断力が作用した場合にクロスエラスティ
シティ効果による収縮によって部分28Pの車輌横方向
の長さを低減するFRP層と、該FRP層と共働してカ
ップリング効果により部分28Pを上方又は下方へ弾性
的に湾曲変形させるFRP層とを含んでいる。
【0031】従ってキャリア10に車輌後方への力が作
用すると、後側サスペンションアーム24の車輌横方向
の長さは実質的に変化しないのに対し、前側サスペンシ
ョンアーム22の車輌横方向の長さは減小し、その結果
アーム22の外端及びキャリア10の前方部分が後方部
分に対し相対的にインボード方向へ変位し、これにより
キャリア10及び車輪12のトーイン方向への回転変位
が達成される。
【0032】図2に示されている如く、アーム本体28
を構成するFRPクラッドの各層の強化繊維46がアウ
トボード方向に見て車輌横方向に対し車輌後方へ傾斜す
る角度を配向角θとすると、強化繊維が繊維径10μm
のガラス繊維であり、その体積率が60%であり、マト
リックスの樹脂がエポキシ樹脂である場合には、FRP
クラッドは例えば以下の4層よりなるクラッドとして構
成される。
【0033】
【0034】尚アーム本体28に設けられた凹部48は
部分28が収縮変形及び湾曲変形し易くするためのもの
であり、凹部50は低応力部を削除するためのものであ
る。これらの凹部48及び50は省略されてもよいが、
これらの凹部が設けられる場合には、キャリア10に車
輌後方への力が作用した場合に於けるキャリア及び車輪
12のトーイン方向への回転変位を効率的に達成するこ
とができ、また前側サスペンションアーム22を軽量化
することができる。
【0035】図3は本発明による車輌用リヤサスペンシ
ョン装置の他の一つの実施例に於ける前側サスペンショ
ンアームを示す図2と同様の拡大平面図である。尚図3
に於て、図1及び図2に示された部分に対応する部分に
は図1及び図2に於て付された符号と同一の符号が付さ
れている。
【0036】この実施例に於ては、サスペンションアー
ムはサスペンションアーム52のみであり、そのアーム
本体28はブラケット30及び32の間の辺を底辺とす
る実質的に二等辺三角形の形状を有している。ブラケッ
ト30は車輌前後方向に互いに隔置された一対のスリー
ブ30Bを有しており、それらの共通の軸線36は車輌
前後方向に延在している。一対のスリーブ30Bはキャ
リア10に一体に設けられた図には示されていないボル
トによりキャリアに枢着されており、これによりサスペ
ンションアーム52は外端にて軸線36の周りに枢動可
能にキャリア10に枢着され、二つの内端にて軸線40
の周りに枢動可能に車体に枢支されている。またアーム
本体28の車輌後方側の縁部の上面及び下面には細長い
鋼板よりなる収縮抑制板54が接着により固定されてい
る。
【0037】この実施例に於てキャリア10に車輌後方
への力が作用すると、サスペンションアーム52のアー
ム本体28のインボード側の部分には主として剪断力が
作用し、アウトボード側の部分には主として引張り応力
が作用する。アーム本体28を構成するFRPクラッド
はキャリアに車輌後方への力が作用した場合にクロスエ
ラスティシティ効果によって車輌横方向の長さを低減す
るFRP層と、該FRP層と共働してカップリング効果
によりサスペンションアームのアウトボード側且後方側
の部分を上方又は下方へ湾曲変形させるFRP層とを含
んでいる。
【0038】従ってキャリア10に車輌後方への力が作
用すると、サスペンションアーム52は図3に於て符号
28Rにて示された領域に於て車輌横方向に収縮するの
に対し、サスペンションアームの車輌後方側の縁部は一
対の収縮抑制板54により車輌横方向に収縮することが
抑制されるので、キャリア10の前方部分は後方部分に
対し相対的にインボード方向へ変位し、これによりキャ
リア10及び車輪12のトーイン方向への回転変位が達
成される。
【0039】またこの実施例に於ては、アーム本体28
を構成するFRPクラッドの各層の強化繊維46がアウ
トボード方向に見て車輌横方向に対し車輌後方へ傾斜す
る角度を配向角θとすると、強化繊維が繊維径10μm
のガラス繊維であり、その体積率が60%であり、マト
リックスの樹脂がエポキシ樹脂である場合には、FRP
クラッドは例えば以下の4層よりなるクラッドとして構
成される。
【0040】
【0041】尚収縮抑制手段として機能する収縮抑制板
54は図示の実施例の如く鋼板に限定されるものではな
く、サスペンションアーム52の車輌後方側の縁部の車
輌横方向の収縮を抑制し得る限り任意の材料にて形成さ
れていてよく、例えばサスペンションアーム52の車輌
後方側の縁部に沿って強化繊維が一方向に配向されたF
RP層であってもよい。
【0042】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施
例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0043】例えば各サスペンションアームの外端及び
内端の位置、サスペンションアームの形状、FRPクラ
ッドの層の数及び厚さ、各層の強化繊維の配向角は図示
の実施例の位置等に限定されるものではなく、キャリア
に車輌後方への力が作用した場合にFRPのクロスエラ
スティシティ効果によってサスペンションアームの車輌
横方向の長さが減小する限り任意の位置等に設定されて
よいものである。
【0044】また図示の各実施例に於ては、アーム本体
の外端及び内端にはブラケットが固定され、それらのブ
ラケットを介してキャリア及び車体に枢着されるように
なっているが、サスペンションアームの外端及び内端の
枢着部はそれらに金属スリーブを埋設すると共に金属ス
リーブの周りに強化繊維をU形に湾曲させることによっ
て一体的に形成されてもよい。
【0045】更に以上に於ては本発明をマクファーソン
ストラット式サスペンションに適用された特定の実施例
について詳細に説明したが、本発明のサスペンション装
置はダブルウィッシュボーン式サスペンションの如く他
の種々の形式のサスペンションに適用されてよいもので
ある。
【0046】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の上述の請求項1の構成によれば、車輪及びキャリア
に作用する車輌前後方向の力は前側サスペンションアー
ムによって担持されるので、従来のストラットロッドは
不要であり前側サスペンションアームの弾性変形がスト
ラットロッドにより阻害されることもなく、また車輪を
介してキャリアに車輌後方への力が作用すると、後側サ
スペンションアームの車輌横方向の長さは実質的に変化
しないのに対し、前側サスペンションアームの車輌横方
向の長さは減小するので、車輪及びキャリアを効果的に
トーイン方向へ回転変位させることができる。
【0047】また本発明の上述の請求項2の構成によれ
ば、車輪及びキャリアに作用する車輌前後方向の力はサ
スペンションアームによって担持されるので、従来のス
トラットロッドは不要でありサスペンションアームの弾
性変形がストラッドロッドにより阻害されることもな
く、また車輪を介してキャリアに車輌後方への力が作用
すると、サスペンションアームの後方部分の収縮が収縮
抑制手段によって抑制されることにより該後方部分の車
輌横方向の長さはさほど大きくは減小しないのに対し、
サスペンションアームの前方部分の車輌横方向の長さは
比較的大きく減小し、これにより車輪及びキャリアを効
果的にトーイン方向へ回転変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マクファーソンストラット式リヤサスペンショ
ンとして構成された本発明による車輌用リヤサスペンシ
ョン装置の一つの実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示された実施例の前側サスペンションア
ームを示す拡大平面図である。
【図3】本発明による車輌用リヤサスペンション装置の
他の一つの実施例に於ける前側サスペンションアームを
示す図2と同様の拡大平面図である。
【図4】(a)は短冊形のFRPに於ける強化繊維の配
向角θを示しており、(b)は短冊形のFRPに剪断変
形が与えられる要領を示す説明図である。
【図5】短冊形のFRPに剪断力が与えられる場合に於
ける強化繊維の配向角θ及びFRPの幅Bと変形率Eと
の間の関係を示すグラフである。
【図6】多層構造のFRPのポアソン比が小さくなる理
由を示す説明図である。
【図7】多層構造のFRPのポアソン比が大きくなる理
由を示す説明図である。
【符号の説明】
10…キャリア 12…車輪 18…マクファーソンストラット 22…前側サスペンションアーム 24…後側サスペンションアーム 28…アーム本体 30、32、34…ブラケット 46…強化繊維 52…サスペンションアーム 100…強化繊維 102、104…FRP 106、108…FRPクラッド
フロントページの続き (72)発明者 西尾 方宏 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動車 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪を回転可能に支持するキャリアと、F
    RPにて構成され外端にて前記キャリアに枢着され少く
    とも車輌前後方向に互いに隔置された二つの内端にて共
    通の軸線の周りに枢動可能に車体に枢支された前側サス
    ペンションアームと、実質的に剛体にて構成され外端に
    て前記キャリアに枢着され内端にて前記車体に枢支され
    た後側サスペンションアームとを有し、前記前側サスペ
    ンションアームは前記キャリアに車輌後方への力が作用
    すると前記FRPのクロスエラスティシティ効果によっ
    て車輌横方向に収縮することにより前記外端がインボー
    ド方向へ変位するよう構成された車輌用リヤサスペンシ
    ョン装置。
  2. 【請求項2】車輪を回転可能に支持するキャリアと、F
    RPにて構成され実質的に車輌前後方向に互いに隔置さ
    れた二つの外端にて前記キャリアに枢着され少くとも車
    輌前後方向に互いに隔置された二つの内端にて共通の軸
    線の周りに枢動可能に車体に枢支されたサスペンション
    アームとを有し、前記サスペンションアームは前記キャ
    リアに車輌後方への力が作用すると前記FRPのクロス
    エラスティシティ効果によって車輌横方向に収縮するよ
    う構成され、前記サスペンションアームの後方部分には
    車輌横方向の収縮を抑制する収縮抑制手段が設けられた
    車輌用リヤサスペンション装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07108807A (ja) * 1993-10-14 1995-04-25 Nissan Motor Co Ltd 車両用サスペンション
JPH08197921A (ja) * 1994-11-24 1996-08-06 Toyota Motor Corp 車両用懸架装置
JP2017132063A (ja) * 2016-01-25 2017-08-03 株式会社Subaru 繊維強化樹脂構造体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07108807A (ja) * 1993-10-14 1995-04-25 Nissan Motor Co Ltd 車両用サスペンション
JPH08197921A (ja) * 1994-11-24 1996-08-06 Toyota Motor Corp 車両用懸架装置
JP2017132063A (ja) * 2016-01-25 2017-08-03 株式会社Subaru 繊維強化樹脂構造体

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