JPH0617888A - 調和変速装置における可撓性のカップ形部材 - Google Patents

調和変速装置における可撓性のカップ形部材

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JPH0617888A
JPH0617888A JP1790191A JP1790191A JPH0617888A JP H0617888 A JPH0617888 A JP H0617888A JP 1790191 A JP1790191 A JP 1790191A JP 1790191 A JP1790191 A JP 1790191A JP H0617888 A JPH0617888 A JP H0617888A
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cup
shaped
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diaphragm
shaped member
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JP1790191A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Kiyozawa
芳秀 清沢
Noboru Takizawa
登 滝沢
Takahiro Okura
隆弘 大倉
Yoshito Yamamoto
吉人 山本
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Harmonic Drive Systems Inc
Original Assignee
Harmonic Drive Systems Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カップ形の歯車式調和減速機において、その
動作中における可撓性のカップ形外歯歯車部材に発生す
る応力集中を緩和すると共に、部材全体としてなだらか
な応力分布を形成すること。 【構成】 カップ形の外歯歯車部材3におけるダイヤフ
ラム部32の外側面を、曲率が除々に小さくなるように
配列した複数の異なる曲率の曲線で規定して、そのボス
部への付け根部分323から先端側に向けて肉厚を漸減
させてある。また、この付け根部分の肉厚t(a)を先
端側の最小肉厚t(e)の約3倍以上に設定してある。
さらに、胴部31におけるダイヤフラム部に隣接する側
には肉厚t(f,g)の薄肉部分を形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカップ形の歯車式調和変
速装置などの調和変速装置に関するものである。更に詳
しくは、本発明はかかる変速装置におけるカップ形部材
の形状の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】調和変速装置の一つとして、カップ形の
歯車式調和変速装置が知られている。
【0003】この変速装置の代表的なものは、剛性の内
歯歯車と、その内側に配置した可撓性のカップ形外歯歯
車と、この外歯歯車の内側に嵌め込んだ楕円形の波動発
生器から基本的に構成されている。カップ形外歯歯車
は、波動発生器によって楕円形に撓まされて長軸両端の
位置で剛性の内歯歯車に噛み合っている。波動発生器を
回転させると、この2か所の噛み合い位置が円周方向に
回転する。ここに、外歯と内歯の歯数を異なるようにし
ておくと、これらの歯数の差に応じてカップ形外歯歯車
と内歯歯車との間に相対回転運動が発生する。波動発生
器の側は通常は高速回転源に接続され、剛性内歯歯車は
固定され、カップ形外歯歯車から変速後の回転出力を取
り出すように設定される。
【0004】このカップ形外歯歯車は、筒形状の胴部
と、この一端側に連続してカップ底部を形成する円板状
のダイヤフラム部と、このダイヤフラム部の中心部に形
成した肉厚のボス部から構成され、筒形状の胴部の開放
端側の外周に外歯が形成されている。この外歯が形成さ
れている胴部の開放端側の部分は、波動発生器によって
半径方向に向けて繰り返し撓まされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】波動発生器によってカ
ップ形外歯歯車の開放端側が半径方向に撓むと、それに
伴って応力がこのカップ形外歯歯車に発生する。このよ
うな応力は、特に胴部とダイヤフラム部とが連続した部
分、およびダイヤフラム部とボス部との間の境界部分に
集中する。特に、この型式の変速装置の軸長を短くする
ために、カップ形外歯歯車の胴部の長さを短く設定した
場合には、胴部の撓み量が増加すると共に、芯ずれなど
による影響が大きくなるので、かかる応力の集中度合い
が激しくなる。これらの部分に応力が過度に集中する
と、これらの部分が早く疲労してしまうので、カップ形
外歯歯車そのものの部品寿命が短くなってしまう。
【0006】本発明の課題は、この点に鑑みて、カップ
形外歯歯車の胴部の軸長を短くした場合においても過剰
な応力集中を回避できる構造を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明においては、カップ形の歯車式調和変速装
置の構成部品である可撓性のカップ形外歯歯車部材を次
のような形状としている。すなわち、このカップ形外歯
歯車部材は、円筒形状の胴部と、この一端側に連続して
カップ底部を形成する円板形ダイヤフラム部と、このダ
イヤフラム部の中心部に形成した肉厚のボス部と、上記
の胴部の開放側端部の外周に形成された外歯とから基本
的に構成される。本発明では、円板状ダイヤフラム部に
おけるボス部に対する付け根部分の肉厚を、このダイヤ
フラム部における最小肉厚に対して約3倍以上となるよ
うに設定してある。
【0008】ここに、ダイヤフラム部の肉厚は次のよう
に設定することが好ましい。すなわち、このダイヤフラ
ム部の外側表面の輪郭形状を、装置軸線を含む平面で切
断して見た場合に、曲率が除々に小さくなるように配列
した複数の異なる曲率を有する曲線群によって規定し、
全体として半径方向の外側に向けて漸減するように設定
する。
【0009】一方、胴部とダイヤフラム部とが連続する
部分においては、かかる連続部分に隣接する胴部の肉厚
を、装置軸線方向に見た場合に、隣接する部分よりも僅
かに薄くなるように設定することが好ましい。
【0010】なお、本発明は、歯車式の調和変速装置に
限らず、可撓性のカップ形部材を撓ませることによって
変速出力を得るように構成されたその他の型式の調和変
速装置にも適用できる。
【0011】
【作用】カップ形外歯歯車部材の開放端側が波動発生器
によって半径方向に撓むと、その撓み量に応じて応力が
発生する。カップ形外歯歯車部材のダイヤムフラム部
は、ボス部への付け根の側の肉厚が最小肉厚の3倍以上
になっているので、装置軸線を含む平面方向に見た場合
に、ダイヤフラム部における発生応力分布がなだらかに
なり、応力集中が緩和される。特に、ダイヤフラム部の
外側表面の輪郭を連続する曲線群によって規定してその
外周端側に向けて肉厚が漸減するように設定した場合に
は、全体としてならだかな応力分布状態が得られる。
【0012】一方、胴部におけるダイヤフラム部の側の
部分に薄肉部を設けた場合には、通常はこの部分の発生
応力が小さいので、この部分およびその隣接部分に発生
する応力が均等化される。
【0013】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0014】図1および図2には、本例のカップ形歯車
式調和減速機の縦断面および側面の概略をそれぞれ示し
てある。これらの図に示すように、本例の減速機1は、
剛性を有する環状の内歯歯車部材2と、この内側に配置
した可撓性を有するカップ形の外歯歯車部材3と、この
内側に嵌め込んだ楕円形状の波動発生器4から基本的に
構成されている。カップ形の外歯歯車部材3は、筒形状
をした胴部31と、この胴部の一端に連続してカップ底
面を形成している円板状ダイヤフラム部32と、このダ
イヤフラム部32の中心部に連続形成した厚肉のボス部
33とを有し、胴部31の開放側端部の外周に外歯34
が形成されている。この外歯34は、内歯歯車部材2の
内周面に形成した内歯21と噛み合い可能となってい
る。波動発生器4は、ハブ41が嵌め込まれた楕円形の
カム板42と、このカム板の外周に嵌めたボールベアリ
ング43から構成されている。この波動発生器4によっ
て、カップ形外歯歯車部材3の胴部31の開放端側は半
径方向に向けて楕円形状に撓められて、その長軸の両端
位置において外歯が内歯に噛み合っている。これら2か
所の噛み合い位置は、波動発生器4の回転に伴って回転
する。この構成の歯車式調和減速機における減速動作原
理は公知であるので、その説明は省略する。
【0015】図3には、上記のカップ形外歯歯車部材3
の縦断面を示してある。また、図4には、主として図3
において円で囲んだダイヤフラム部32のボス部33に
対する付け根部分を拡大してしてある。本例の外歯歯車
部材3のダイヤフラム部32は、装置軸線11を含む平
面で切断して見た場合に、内側面321は装置軸線11
にほぼ垂直な平面によって規定されているが、外側面3
22は、曲率の異なる複数の曲線から形成されており、
全体として、半径方向の内側から外側に向けて肉厚が漸
減するように設定されている。また、ダイヤフラム部3
2と胴部31とは、外側面が点O5を中心とする半径R
(7.25)の円弧C(e,f)で規定された一定の肉
厚t(e,f)の部分によって連続している。この円弧
C(e,f)の始点eは、中心点O5から軸線11に平
行に引いた線分とダイヤフラム部32の外側面との交点
であり、その終点fは以下に述べる位置に設定されてい
る。
【0016】この円弧C(e,f)に連続した胴部31
は、その内側面311が装置軸線11と平行な直線によ
って規定されている。その外側面の側は、円弧C(e,
f)に隣接して、点O6を中心とする大きな半径R(2
50)の円弧C(f,g)が連続している。円弧C
(e,f)と円弧C(f,g)との境界点fは、これら
の曲面が滑らかに連続するような位置に設定されてい
る。この円弧C(f,g)に連続して装置軸線11に平
行な直線L(g,h)によって、胴部の外側面が規定さ
れており、従って、この部分の肉厚t(g,h)は一定
となっている。この直線L(g,h)に連続して外歯部
分が形成されている。ここに、本例においては、円弧C
(f,g)によって外側面が規定されている胴部31の
部分の肉厚t(f,g)は、その両側の部分の肉厚より
も薄くなっている。本例においては、この部分の肉厚t
(f,g)の最小値と、その他の胴部の肉厚t(g,
h)との比が、約0.8:1に設定されている。
【0017】次に、ダイヤフラム部32の外側面の輪郭
形状を詳細に説明する。まず、図4に示すように、ボス
部33の外周輪郭線331は装置軸線11と平行になっ
ており、この輪郭線331の延長線の部分が、このボス
部33に対するダイヤフラム部32の付け根部分323
である。この輪郭線331に連続して、点aから、ダイ
ヤフラム部32の外側面322を規定する点O1を中心
とする単位半径R(1)の円弧C(a,b)が形成され
ている。これに続いて、点O2を中心とするより大きな
半径R(4)の円弧C(b,c)が形成され、これに続
いて、点O3を中心とするより大きな半径R(16)の
円弧C(c,d)が形成されている。さらに、これに続
いて、点O4を中心とするより大きな半径R(600)
の円弧C(d,e)が連続している(図3参照)。この
円弧C(d,e)は点eにおいて、上述した円弧C
(e,f)に連続している。このように、本例では、4
種類の異なる半径の円弧を用いて、ダイヤフラム部32
の外側面322の輪郭を規定することによって、そのボ
ス部への付け根部分323から半径方向の外側に向けて
肉厚を漸減させるようにしてある。本例においては、こ
のようにすることにより、付け根部分323の肉厚t
(a)と、e点における最小肉厚t(e)との比が、約
4:1に設定されている。
【0018】なお、上記の説明において、各円弧の半径
Rに続く括弧内の数字は、ダイヤフラム部32の付け根
部分に使用した円弧C(a,b)の半径R(1)を基準
とした場合の各円弧の半径の比率を示している。
【0019】このように構成した本例の装置1におい
て、その動作中にカップ形外歯歯車部材3が波動発生器
4によって半径方向に向けて繰り返し撓むと、その撓み
量に応じて各部分に応力が発生する。しかし、本例にお
いては、応力集中の起きるおそれのあるダイヤフラム部
32のボス部33への付け根部分の肉厚t(a)を、そ
の先端側の最小肉厚T(e)に対してほぼ4倍の厚さに
設定してある。このために、付け根部分に過剰な応力の
集中が起きない。本発明者等の実験によれば、この付け
根部分の厚さを最小肉厚の約3倍以上に設定すれば、胴
部31の軸長をある程度短くしても、この部分への応力
集中を実用上差し障りのない程度に緩和できること確認
した。
【0020】また、本例において、ダイヤフラム部32
の肉厚をボス部への付け根側から先端側に向けて漸減す
るように、除々に半径が大きくなるように配列した複数
の円弧、換言すると除々に曲率が小さくなるように配列
した複数の円弧を用いてその外側面を規定している。こ
のようにすると、付け根部分の厚さを約4倍に設定した
こととの相乗効果として、このダイヤフラム部32の全
体に渡って、応力集中を伴わないならだかな応力分布状
態を得ることができる。
【0021】さらには、本例においては、このダイヤフ
ラム部32に連続する胴部31の部分に、円弧C(f,
g)を用いて部分的な薄肉部分を形成してある。この部
分は、通常は発生応力の小さな部分であり、このよう
に、かかる部分を薄肉部分とすることにより、胴部から
ダイヤフラム部にかけてほぼ均一な応力分布状態を実現
することができる。
【0022】ここで、図5〜図8を参照して、本発明者
等が行った実験結果の一部を示す。
【0023】図5は、本例の形状のカップ形外歯歯車部
材3の各部分に発生する応力を示す応力分布である。図
において、曲線IIはトルクが原因となって各部分に発
生する応力特性を示し、曲線IIIは取付け面の倒れが
原因となって各部分に発生する応力特性を示し、曲線I
Vはコーニングに起因して各部分に発生する応力特性を
示し、曲線Vは取付け面の芯ずれに起因して各部分に発
生する応力特性を示す。
【0024】そして、これらの応力が合成されて各部分
に最終的に発生する応力特性を、曲線Iで示してある。
各曲線I〜Vの意味は図6および図7においても同様で
ある。
【0025】図の場合には、27.9ポイントのピーク
応力が、ダイヤフラム部32におけるボス部への付け根
近傍位置に現れている。これに対して、図6に示す応力
分布は、カップ形外歯歯車部材として、ボス部とダイヤ
フラム部との間に明確な境界を付けることなく、ボス部
からダイヤフラム部に向けての肉厚を流線形に沿った状
態に漸減させると共に、ダイヤフラム部も全体として外
周端側に向けてテーパ付けしてその肉厚を漸減させ、こ
れ以外の条件は図5の場合と同一とした場合に得られる
ものである。この場合においては、ピーク応力として3
5.2ポイントが得られる。また、図7に示す応力分布
は、カップ形外歯歯車部材として、ダイヤフラム部の肉
厚を一定にすると共に、ダイヤフラム部とボス部とを単
に連続したものを用い、その他の条件は図5の場合と同
一とした場合に得られるものである。この場合において
は、ピーク応力として49.7ポイントが得られる。
【0026】図8には、上記の3つの場合において得ら
れる合成応力曲線を示してある。この図から明らかなよ
うに、本例の構成を採用すれば、図の太線で示す応力分
布曲線が得られ、他の2つの場合に比べて、ダイヤフラ
ム部の付け根部分に発生するピーク応力が格段に低減す
ることが分かる。また、全体としてなだらかな応力分布
が得られることが分かる。さらには、細線で示す応力分
布曲線に比べて、胴部からダイヤフラム部にかけての部
分における応力分布がなだらかになっていることが分か
る。これは、胴部に薄肉部分を形成した効果であると判
断される。
【0027】以上のように、本例のカップ形外歯歯車部
材においては、使用時に応力の集中がなく、全体として
なだらかな応力分布状態が形成される。よって、応力集
中による部分的な機械的疲労によって部品寿命が短くな
ってしまうという弊害を回避できる。また、カップ形歯
車式調和減速機の軸長を短くするために、このカップ形
外歯歯車部材の軸長さを短くしても、過剰な応力集中を
回避できる。よって、かかる短胴形の減速機の設計が容
易となる。
【0028】なお、本例においては、ダイヤフラム部の
外側輪郭を規定するための曲線として円弧を利用した
が、別の曲線を利用してもよい。この場合においても、
ダイヤフラム部の付け根側から先端側に向けて曲率が順
次小さくなるように、異なる曲率の曲線を配列すればよ
い。また、本例において使用した各円弧の半径の比率は
一例を示すものであり、これのみに限定されるものでは
ない。さらに、本例では、胴部に形成した薄肉部分は、
その他の部分の厚さの約0.8に設定したが、この薄肉
部分の厚さはこの値に限定されるものではない。
【0029】ここで、本発明者等の検討によれば、ダイ
ヤフラム部の外側面を規定する複数の曲線群の曲率およ
びダイヤフラム部の肉厚は、カップ形外歯歯車部材にお
ける外歯のピッチ円直径Dに対して次のような関係にす
るとが好ましいことが見出された。
【0030】これらの関係を図9を参照して説明する。
まず、曲率について述べる。図において、ダヤフラム部
におけるその付け根位置aから先端までの長さをL1と
する。この場合、使用する曲線の曲率を曲率半径として
示すと、次のように設定することが好ましい。
【0031】 (1)付け根位置aから点Aまでの範囲L2 曲率・・・0.0015D以上 但し、0<L2<0.15D (2)点Aから点eまでの範囲L3 曲率・・・0.05D以上 他方、a点、A点およびe点の肉厚t(a)、t(A)
およびt(e)は、次のように設定することが好まし
い。
【0032】0.010D<t(a)<0.025D 0.4<t(A)/t(a)<0.7 t(e)/t(a)<1/3 なお、以上の説明は本発明をカップ形の歯車式調和減速
機に適用したものであるが、この他の型式のカップ形調
和変速装置に対しても本発明を同様に適用できることは
勿論である。例えば、摩擦係合式のカップ形調和変速装
置に本発明を適用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、カップ形調和変速装置の構成要素である可撓性を有
するカップ形部材のダイヤフラム部を、そのボス部への
付け根部分の肉厚が外周先端側の最小肉厚に比べて約3
倍以上となるように設定してある。従って、この付け根
部分の応力集中を回避できる。また、本発明では、この
ダイヤフラム部の付け根側から先端側に向けての輪郭形
状を、曲率が除々に小さくなるように配列した曲率の異
なる複数の曲線で規定しているので、全体としてなだら
かな応力分布を得ることができ、応力の部分的な集中を
回避できる。さらには、本発明ではダイヤフラム部に連
続する胴部の部分に薄肉部分を形成してあるので、この
胴部からダイヤフラム部にかけての発生応力を均一化で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるカップ形の歯車式調
和減速機を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の減速機の概略側面図である。
【図3】図1の減速機のカップ形外歯歯車部材の上半部
分を示す縦断面図である。
【図4】図3のカップ形外歯歯車部材の丸で囲んだ部分
を主として示す部分拡大断面図である。
【図5】図2のカップ形外歯歯車部材における各部分の
応力分布特性を示すグラフである。
【図6】ダイヤフラム部の形状が異なるカップ形外歯歯
車部材における各部分の応力分布特性を示すグラフであ
る。
【図7】ダイヤフラム部の形状が異なる更に別のカップ
形外歯歯車部材における各部分の応力分布特性を示すグ
ラフである。
【図8】図5〜図7に示す合成応力分布特性を示すグラ
フである。
【図9】本発明のカップ形外歯歯車部材におけるダイヤ
フラム部の形状を規定する各パラメータを説明するため
の説明図である。
【符号の説明】
1・・・減速機 11・・装置軸線 2・・・内歯歯車部材 21・・内歯 3・・・外歯歯車部材 31・・胴部 32・・ダイヤフラム部 323・付け根部分 33・・ボス部 34・・外歯 C(a,b)、C(b,c)、C(c,d)、C(d,
e)・・ダイヤフラム部の外側面を規定する円弧 C(f,g)・・胴部の薄肉部分を規定する円弧 t(f,g)・・胴部の薄肉部分の肉厚 t(a)・・ダイヤフラム部の付け根部分の肉厚 t(e)・・ダイヤフラム部の最小肉厚
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】 以上のように、本例のカップ形外歯歯車
部材においては、使用時に応力の集中がなく、全体とし
てなだらかな応力分布状態が形成される。よって、応力
集中による部分的な機械的疲労によって部品寿命が短く
なってしまうという弊害を回避できる。また、カップ形
歯車式調和減速機の軸長を短くするために、このカップ
形外歯歯車部材の軸長を短くしても、過剰な応力集中を
回避できる。本発明の構成を採用すれば、外歯歯車部材
の軸長を、そのピッチ円直径に対して約0.7から約
0.2の範囲まで短くしても、充分に実用可能であるこ
とが確認された。したがって、短胴形の減速機の設計が
容易となる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性の環状部材と、この内側に配置され
    た可撓性のカップ形部材と、このカップ形部材を半径方
    向に撓ませて前記環状部材に対して部分的に接触させる
    と共に、この接触位置を円周方向に移動させることによ
    り、前記環状部材および前記カップ形部の間に相対移動
    を発生させる波動発生器とを有する調和変速装置におい
    て、前記カップ形部材は、前記環状部材に接触可能な接
    触用外周部が一端側に形成された筒形状の胴部と、この
    胴部分の他端側に連続してカップ底部を形成する薄肉の
    円板状ダイヤフラム部と、このダイヤフラム部の中心部
    分に形成された厚肉のボス部とを有し、前記円板状ダイ
    ヤフラム部における前記ボス部に対する付け根部分の肉
    厚は、この円板状ダイヤフラム部における最小肉厚に対
    して約3倍以上となるように設定されていることを特徴
    とする調和変速装置における可撓性のカップ形部材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記円板状ダイヤフ
    ラム部の外側表面の輪郭形状は、装置軸線を含む平面で
    切断して見た場合に、曲率が除々に小さくなるように配
    列した、複数の異なる曲率を有する曲線群によって規定
    されていることを特徴とする調和変速装置における可撓
    性のカップ形部材。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記の筒形状の胴部
    における前記円板状ダイヤフラム部に連続する側には、
    装置軸線を含む平面で切断して見た場合に、隣接する部
    分よりも肉厚を薄くした薄肉部分が形成されていること
    を特徴とする調和変速装置における可撓性のカップ形部
    材。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記環状部材と前記
    カップ形部材との接触は、内歯とこれに噛み合い可能な
    外歯との噛み合いによって形成されるように、前記カッ
    プ形部材には、前記環状部材に形成した内歯に噛み合い
    可能な外歯が形成されていることを特徴とする歯車式調
    和変速装置における可撓性のカップ形外歯歯車部材。
  5. 【請求項5】 剛性の環状部材と、この内側に配置され
    た可撓性のカップ形部材と、このカップ形部材を半径方
    向に撓ませて前記環状部材に対して部分的に接触させる
    と共に、この接触位置を円周方向に移動させることによ
    り、前記環状部材および前記カップ形部の間に相対移動
    を発生させる波動発生器とを有する調和変速装置におい
    て、前記カップ形部材は、前記環状部材に接触可能な接
    触用外周部が一端側に形成された筒形状の胴部と、この
    胴部分の他端側に連続して形成された薄肉の円板状ダイ
    ヤフラム部と、このダイヤフラム部の中心部分に連続し
    て形成された厚肉のボス部とを有し、前記の筒形状の胴
    部における前記円板状ダイヤフラム部に連続する側に
    は、装置軸線を含む平面で切断して見た場合に、隣接す
    る部分よりも肉厚を薄くした薄肉部分が形成されている
    ことを特徴とする調和変速装置における可撓性のカップ
    形部材。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記円板状ダイヤフ
    ラム部の外側表面の輪郭形状は、装置軸線を含む平面で
    切断して見た場合に、曲率が除々に小さくなるように配
    列した複数の異なる曲率を有する曲線群によって規定さ
    れていることを特徴とする調和変速装置における可撓性
    のカップ形部材。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記環状部材と前記
    カップ形部材との接触は、内歯とこれに噛み合い可能な
    外歯との噛み合いによって形成されるように、前記カッ
    プ形部材には、前記環状部材に形成した内歯に噛み合い
    可能な外歯が形成されていることを特徴とする歯車式調
    和変速装置における可撓性のカップ形外歯歯車部材。
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