JPH0617861Y2

JPH0617861Y2 - 杭打用ジエツトパイプ取付装置

Info

Publication number: JPH0617861Y2
Application number: JP1986056365U
Authority: JP
Inventors: 北村　　精男
Original assignee: GIKEN LTD.
Current assignee: GIKEN LTD.
Priority date: 1986-04-15
Filing date: 1986-04-15
Publication date: 1994-05-11
Anticipated expiration: 2001-04-15
Also published as: JPS62169036U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、鋼矢板、Ｈ形鋼杭等の各種杭を地中に圧入す
る際に杭圧入抵抗を軽減するために杭の先端付近に水等
を噴出させるジェットパイプを杭に取外し可能に固定さ
せるジェットパイプの取付装置に関するものである。

（従来の技術）Ｕ形、Ｚ形、Ｈ形等の鋼矢板、或いは、鋼管杭等の各種
杭を地中に打設乃至圧入する場合、土質が砂礫、砂、土
丹等の比較的硬質な地盤の場合、杭の掘進が困難もしく
は不能になることがある。そこで、圧入する杭の先端に
圧力水を噴出して、土粒子を移動させたり地盤を破壊し
たり、或いは特に砂地盤においては、杭のグリップを洗
浄し、グリップに詰った砂を排除することにより、掘進
抵抗を軽減して杭打設乃至圧入を容易にさせることがあ
る。

そこでこの工法を適用する際には水を噴出させるジェッ
トパイプを予め杭の全長に亘って固設した杭を用いて杭
打機に装填し、ジェットパイプの上端（後端）から圧入
水を供給することでジェットパイプ先端から水を噴出さ
せながら杭打ちを行っていた。

この作業手順を詳述すると、先ず地表に寝かせた杭にク
レーン等を使ってジェットパイプを添わせ、取付金具を
介してボルト乃至溶接でジェットパイプと杭を固定す
る。この時の取付金具位置は杭の上端側になり、ジェッ
トパイプの先端や中央部分等はパイプ取付バンドや溶接
等の手段で止着する。こうして地表で構成した杭をクレ
ーンで持ち上げて杭打機に装填して杭打ちを行う。

杭打ち完了後に上記ジェットパイプのみを取外して再使
用するため、杭に固着させた上記取付金具のボルトを外
すか、或いは、溶接部を剥離する。しかる後にジェット
パイプを地上に引上げて再び上述作業を繰り返す。

（考案が解決しようとする問題点）上記従来の作業を実行する場合、先ず地表に寝かせた水
平状態の杭に細長いジェットパイプをクレーンで吊上
げ、ジェットパイプの下端を杭の一方端に降して、更
に、ジェットパイプの上端を杭の他方端側に倒すことに
なる。しかしこの時細長いパイプはその自重で弓形に中
垂れ状態になり、塑性変形或いは永久歪を起こす等の不
都合がある上に、吊上げ作業自体の危険性もあった。

また、ジェットパイプを杭に固定するための取付金具を
ボルト締め乃至溶接する作業に多大な時間と手間を要す
るので、杭打作業がかなり長く中断すると共に、パイプ
の破損も生じ易い。したがって、ジェットパイプを２本
準備して１本を杭打ちに供しているうちに他の１本を次
の杭に取付けておき、作業の中断時間を減少する方法が
採られるが、勿論１本のジェットパイプで用が足りた方
が好ましい。

本考案は上記した従来の問題点に鑑み、圧力水を噴出さ
せるジェットパイプを簡単、且つ、確実に杭に着脱で
き、これによって杭打ちにおけるジェットパイプの取外
し及び取付け作業を容易にし、これに伴なう作業中断時
間を飛躍的に短縮できる等の長所を有するジェットパイ
プ取付装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段）本考案のジェットパイプ取付装置は、先端にジェットノ
ズルを有するジェットパイプに嵌合し上下動可能な保持
体を形成し、該保持体の外周側部に、杭の表面に接面状
に当接可能な取付部材を設けると共に、該取付部材の取
付位置と対向する位置に支持板を設け、該支持板に、杭
の上端縁に係止する係止部を形成した係止部材を回動自
在に軸支したことを特徴とする。

（作用）ジェットパイプを地中圧入すべき杭に付設し下端部をパ
イプバンド等の係着部材を用いるか、或いは溶接して係
着した状態で、杭の上端に対抗するジェットパイプの上
端部にジェットパイプ取付装置の保持体を位置させる。
この時、保持体に軸着した係止部材を杭上端縁に係止す
る。これによりジェットパイプは杭に固定され杭打可能
になる。

杭打ち完了後、ジェットパイプを上方に引上げるとジェ
ットパイプ取付装置は杭上端縁の係止を解くと共に、杭
の他の箇所にパイプバンドや溶接で接合した部分を引剥
し、ジェットパイプのみを引抜き上昇させることができ
る。次に、圧入すべき杭を杭打機に装填し、上記のよう
に引上げた取付装置をそのまま圧入杭に添わせて杭上端
まで上昇させ、取付装置の係止部材を杭上端縁に係止さ
せると共に、ジェットパイプの先端部分を再びパイプバ
ンドや溶接で結合して上記杭打ちを繰返す。

（実施例）図面は本考案によるジェットパイプ取付装置の一実施例
を示すもので、第１図は斜視図、第２図は平面図、第３
図は側面図、第４図は杭へのジェットパイプ取付状態
図、第５図（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）は使用状態説明図で
ある。

図中１は本考案のジェットパイプ取付装置である。この
取付装置１は、ジェットパイプ１０を挿通させ装置を固
定する保持体２と、この保持体２に固設した取付部材３
と、保持体２に対して軸着された係止部材４とから成
る。

ここでの係止部材４は、保持体２の側面に一体に設けた
支持板５を軸受として、この支持板５に軸６を介して旋
回自在に設けている。係止部材４は支持板５及び保持体
２を側方から挾着するように１対設けているが数は特に
限定するものではない。係止部材４の先端は取付部材３
より上方に延出する長さを有し、延出した部分に爪部４
ａを備えている。７は対をなす係止部材４、４を連結す
る連結部材である。

ジェットパイプ１０は本考案の構成要素ではないが、適
用する杭Ｐより長く、先端にジェットノズル１１を有し
ている。また、ジェットノズル１１から杭Ｐの全長より
僅かに短い箇所に上記パイプ取付装置１が滑落しないよ
うにストッパ１２を突設させておく。ジェットパイプ１
０の上端近傍には圧力水を供給するためのパイプ乃至ホ
ース１３を着脱可能に接続できるコネクタ１４を設けて
いる。１５は吊下部材であり、ここにシャックル１６、
ワイヤロープ１７等を介してクレーン（図示せず）で吊
上げ可能になっている。

１８はジェットパイプ１０を係止するパイプバンドであ
る。勿論、このパイプバンド１８、１８を使用せず、ジ
ェットパイプ１０の適宜箇所を溶接して杭Ｐに固定する
ようにしてもよい。パイプバンド１８か溶接のどちらの
固定手段を採ってもよいが、いずれの場合でも比較的弱
い引上げ力で離脱乃至破壊できる程度の手段がよい。

上記構成の装置を実際の杭打ちに適用した場合について
第５図（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）に従ってその作用を説明す
る。

第５図（Ａ）は、第４図のように杭Ｐ１にジェットパイ
プ取付装置１及びパイプバンド１８を用いてジェットパ
イプ１０を取付けたものを杭打機２０の昇降ヘッドのチ
ャック２１に挾持させて公知の方法で地中に杭を圧入し
た状態を示したものである。この場合、既述の方法で地
表に横たえた杭にジェットパイプを予め固定することも
可能であるが、ジェットパイプの弯曲等を避け、作業時
間の短縮を計るためにもチャック２１に杭を装填した状
態でジェットパイプ１０をクレーン等で吊上げながら杭
に固定する。

この時の作業は、杭を１本圧入完了して次の杭を圧入す
る準備状態を示した第５図（Ｃ）から分かるように、圧
入杭Ｐ２をチャック２１で支えてパイプ１０と杭Ｐ２の
夫々を下端部付近で溶接乃至パイプバンド１８で固着す
る。

杭Ｐ１の上端には単にパイプ取付装置１の係止部材４の
爪部４ａを掛け留めるだけでよい。これにより、チャッ
ク２１で挾着して下降させることで杭Ｐ１は地中に掘進
し、第５図（Ａ）に示すようにジェットノズル１１から
圧力水を噴出させることで圧入抵抗を軽減することがで
きる。

杭Ｐ１の圧入が完了すると、チャック２１を上昇させ
る。次いで第５図（Ｂ）に示すように、次の圧入杭Ｐ２
をチャック２１で挾持し、取付装置１を既設杭Ｐ１から
引剥がし、クレーン等でジェットパイプ１０の引上げを
開始する。

この時、取付装置１は、圧入杭Ｐ２の表面に接面してい
るから、係止部材４は第３図の仮想線のように軸６を中
心に後方に回動し、その爪部４ａを杭Ｐ２の表面に接触
させながら上昇していく。

その後、取付装置１が杭Ｐ２の上端にくると、係止部材
４が杭Ｐ２に係合する。次にジェットパイプ１０を取付
装置１に対して上下動させ、ジェットノズル１１先端の
位置決めをし、その後にパイプ１０の先端を杭Ｐ２に溶
接することで、圧入準備が完了する。（第５図（Ｃ））このように、杭Ｐ２がチャック２１に装填された状態で
チャック２１を前進させ、第５図（Ａ）のように圧入す
る。この手順を繰返して所期の杭打ちが達成できる。

上記のようにして取付装置１を杭Ｐに係着させる場合、
取付部材３を杭Ｐに接面状に付設するため装置の固定状
態が安定する。したがって、杭が鋼管杭のように表面が
湾曲している杭に適用する場合は当然、取付部材３の表
面形状をそれに合致させる。

（考案の効果）以上説明したように、本考案によれば、ジェットパイプ
に保持する保持体に対して係止部材を回動自在に軸着し
ているため、杭の上端縁に係止部材を簡単に掛け留める
だけでジェットパイプを着脱自在に杭に固定することが
でき、これによって杭打ちにおけるジェットパイプの取
付け及び取外し作業が至って簡単になる。

また、杭を垂直状態にしたままジェットパイプを取付け
できるのでジェットパイプが撓んだり永久歪を招来する
原因を取除くことができると共に、吊上げ作業の危険を
未然に防止できる。更に、杭を連続して圧入する場合は
既に地中に埋設しているジェットパイプを引上げるだけ
で次の杭に取付可能な状態になるので、作業の中断時間
を短くでき、かつ、パイプ破損の防止が図れ、極めて能
率のよい杭打ち作業が望める。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は斜視
図、第２図は平面図、第３図は側面図、第４図はジェッ
トパイプ取付状態図、第５図（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）は使用
状態説明図である。１……ジェットパイプ取付装置２……保持体、３……取付部材４……係止部材、１０……ジェットパイプ１１……ジェットノズル、Ｐ……杭

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】先端にジェットノズルを有するジェットパ
イプに嵌合し上下動可能な保持体を形成し、該保持体の
外周側部に、杭の表面に接面状に当接可能な取付部材を
設けると共に、該取付部材の取付位置と対向する位置に
支持板を設け、該支持板に、杭の上端縁に係止する係止
部を形成した係止部材を回動自在に軸支してなることを
特徴とする杭打用ジェットパイプ取付装置。