JPH06178619A - 接ぎ木方法 - Google Patents

接ぎ木方法

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Publication number
JPH06178619A
JPH06178619A JP4334272A JP33427292A JPH06178619A JP H06178619 A JPH06178619 A JP H06178619A JP 4334272 A JP4334272 A JP 4334272A JP 33427292 A JP33427292 A JP 33427292A JP H06178619 A JPH06178619 A JP H06178619A
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JP
Japan
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stem
scion
cutting
cut
rootstock
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Withdrawn
Application number
JP4334272A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Manzawa
勝之 萬沢
Hitoshi Saito
斉藤  均
Yasuo Irie
保夫 入江
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】接ぎ木における割り接ぎと同様に接合面を広く
しながら、接ぎ木作業の作業性を良くするとともに機械
化、自動化に適した接ぎ木方法を得る。 【構成】穂木Hの茎を穂木保持部3の支持棒33に保持
するとともに、穂木の茎の下部を穂木固定部4の支持板
42と支持用ロッド41に固定する。台木Dの茎を台木
固定部5の把持クリップ53に固定する。切断部2のカ
ッター24a,25aをV字型に配置して切断部2を穂
木保持部3および台木固定部5に向けて直線的に移動す
る。カッター24a,25aで穂木の茎を楔型に切断す
るとともに台木の茎をV字型に切断する。切断した穂木
の上部を直線的に移動させて、切断された台木の下部の
位置で停止させ、穂木の茎と台木の茎の切断面を当接さ
せて各切断面を接合する。フォーク28cに嵌合したク
リップCで接合部を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物の接ぎ木方法に係
わり、特に野菜、果樹等の園芸作物の苗木の量産に適し
た接ぎ木方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、植物への耐病性付与、樹勢調
節、着果促進、増収、品質向上等を目的として接ぎ木が
広く行われている。また、接ぎ木は、割り接ぎ、挿し接
ぎ、呼び接ぎなどの方法で行われているが、なかでも、
割り接ぎは、活着率が苗の大きさにあまり影響されない
ので接ぎ木後の管理が比較的容易であり、また、接合面
が広く接ぎ木部の離れや折れが少ないなどの利点があ
り、広く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、割り接ぎ
は、図16(A) に示したように、穂木の下部を楔型に削
るとともに台木の上部を茎の中心部を通るように縦に切
り下げ、同図(B) に示したように、台木の茎の切れ目に
穂木の楔型に削った部分を差込み、この接合部分をクリ
ップ、バンド、テープなどで固定して接ぎ木を行うもの
である。
【0004】このため、割り接ぎは、前記のような利点
がある反面、台木の切れ目が穂木によってV字型に押し
広げられた形になるため固定が充分にできない場合があ
る。また、台木の切れ目を開きながら穂木を差し込まな
ければならないため、作業性が悪く、機械化、自動化す
る場合に行程が複雑になるという問題があった。
【0005】本発明は、割り接ぎと同様に接合面を広く
しながら接合部分の固定を容易にするとともに、作業性
が良く、機械化、自動化に適した接ぎ木方法を提供する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになした本発明の接ぎ木方法は、穂木の茎と台木の茎
を直線上に配置し、薄刃で形成されたV字型の切断カッ
ターを上記直線上を移動させて該切断カッターで前記穂
木の茎を楔型に切断するとともに前記台木の茎をV字型
に切断し、前記切断した穂木の上部を前記直線上を移動
させて前記切断した台木の下部の位置で停止させ、上記
穂木の茎と台木の茎の切断面を当接させて各切断面を接
合するようにしたことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の接ぎ木方法によれば、前記切断カッタ
ーは薄刃でV字型に形成されているので、穂木の茎の楔
型に切断された切断面と台木の茎のV字型に切断された
切断面とは互いに整合し、この切断面が完全に密着す
る。したがって、割り接ぎと同様に接合面が広く接ぎ木
部の離れや折れが少なくなる。
【0008】また、切断面が互いに整合するので割り接
ぎのように台木の茎の切れ目を押し広げることなく接合
できるばかりか、穂木の上部を直線的に移動するだけで
台木と穂木の接合面の位置を容易に一致させることがで
きるので、作業性が良く、機械化、自動化に適してい
る。
【0009】
【実施例】図1は本発明の接ぎ木方法を適用した接ぎ木
装置の正面図、図2は図1におけるA−A矢視図、図3
は図1におけるB−B矢視図である。なお、以下の説明
では、茎を切断するときの切断カッターの進行方向に対
応させて図1の左側を前方、右側を後方として説明す
る。
【0010】図において、台盤10の背面側の縁には2
本の支柱20A,20Bが立設されており、この支柱2
0A,20Bの上端には台盤10の上方に位置する軌道
部1が取付けられ、この軌道部1は、穂木と台木の茎を
切断するための切断部2と、穂木の上部を保持するため
の穂木保持部3をそれぞれ摺動自在に保持している。な
お、図3においては穂木保持部3を図1の二点鎖線の位
置に移動した状態で図示してある。
【0011】また、台盤10には、その略中央に穂木の
下部を固定するための穂木固定部4が配設されるととも
に前方側端部に台木を固定するための台木固定部5が配
設されている。さらに、軌道部1の後方側端部には穂木
と台木の接合部を固定するためのクリップCを積層して
収容するクリップ収容部6が配設されている。
【0012】(軌道部1)軌道部1は、フレーム11で
保持された各々2本のスライド軸からなる上下2組の水
平スライド軸12,13を備えており、この水平スライ
ド軸12,13は台盤10の上方略中央を通る位置に配
され、上側のスライド軸12によって切断部2が摺動自
在に保持され、下側のスライド軸13によって穂木保持
部3が摺動自在に保持されている。
【0013】軌道部1のフレーム11の前方側端部には
スライド軸12の間に平行に配されたボルト型のストッ
パー14が取付けられており、切断部2は、軸受ブロッ
ク21がフレーム11の後方側端部と上記ストッパー1
4に当接する範囲で水平移動可能になっている。また、
下側のスライド軸13には穂木固定部4と台木固定部5
のそれぞれ略上方にブロック型のストッパー15,16
が取付けられており、穂木保持部3は軸受ブロック31
がストッパー15,16に当接する範囲で水平移動可能
になっている。
【0014】(切断部2)切断部2は軸受ブロック21
の両側から鉛直下方に延設された2枚のベース板22,
23を備えており、各ベース板22,23の下部の前方
側端面にはカッター部24,25がそれぞれ取付けら
れ、各カッター部24,25は円周縁に刃が形成された
略半円形の薄刃のカッター24a,25aをそれぞれ備
えている。
【0015】図2に示したように、カッター24a,2
5aはアクリル板等の保護板24b,25bとともにボ
ルト24c,25cによって固定ブロック24d,25
dにそれぞれ固定され、さらに、この固定ブロック24
d,25dはボルト24e,25eによってベース板2
2,23にそれぞれ取付けられている。なお、図1に示
したように、背面側のベース板23は前面側のベース板
22よりも前方側に幅が広く形成されており、これによ
って、カッター25aはカッター24aより僅かに前方
に配置されている。
【0016】図4に示したように、カッター24a,2
5aの面は垂線を中心にして下端を接触して互いに20
〜30度の角度で対向されており、これによって薄刃で
V字型の切断カッターが構成されている。そして、この
カッター24a,25aは切断部2の移動により図4の
矢印のように移動され、前方側にある茎の上部を楔型に
切断するとともに下部をV字型に切断する。
【0017】前面側のベース板22のカッター部24の
略上方には、穂木保持部3をこの切断部2と協動させる
ためのボールプランジャ26が配設されており、このボ
ールプランジャ26のボール26aはベース板22の裏
側で軌道部1の下側のスライド軸13に対面する位置に
配置されている。
【0018】さらに、背面側のベース板23の下部には
前方に延びる水平アーム27が取付けられており、この
水平アーム27の先端には穂木固定部4をこの切断部2
の動作に連動させるためのL字型の垂直アーム27aが
取付けられ、この垂直アーム27aの下端部は穂木固定
部4の上端を通るように設定されている。
【0019】また、両方のベース板22,23の下端後
方側にはクリップ収容部6からクリップCを受け取るた
めのクリップ受け機構28が取付けられており、このク
リップ受け機構28は補強板28aで補強してベース板
22,23にそれぞれ固定された水平板28bを備え、
この水平板28bには、図5に示したように、後方側に
突出して平行に対向されたフォーク28cが形成されて
いる。
【0020】このフォーク28cの対向する間隔はクリ
ップCが平行に開かれたときの幅よりもわずかに広く設
定されるとともに、各フォーク28cは2枚の爪からな
る間隙aを有しており、図5に示したように、クリップ
CのスプリングC−1を間隙a内に通した状態でクリッ
プCの復元力によりクリップCを両フォーク28cの間
に保持するようになっている。
【0021】また、クリップ受け機構28において、背
面側の水平板28bの下部には、後述説明するように穂
木固定部4をこの切断部の動作に連動させるための穂木
固定解除用ボルト28dと台木固定部5をこの切断部の
動作に連動させるための把持クリップ開口用ボルト28
eとがそれぞれ突出して配設されている。
【0022】(穂木保持部3)穂木保持部3は軸受ブロ
ック31から鉛直下方に延設されたベース板32を備え
ており、このベース板32の下端には穂木の上部の茎を
前方側から支えるための支持棒33が鉛直方向に取付け
られるとともに、この支持棒33より背面側に水平バー
34が取付けられている。また、水平バー34の略中央
には、矩形のブロックと柄とで構成された固定用ブロッ
ク35が水平回動自在に軸支されている。
【0023】そして、固定用ブロック35の柄の先端部
と水平バー34の先端部との間にはスプリング36が配
設されており、これにより、固定用ブロック35はブロ
ックを支持棒33に当接するように付勢されている。な
お、図6に示したように、支持棒33の固定用ブロック
35と対面する側の面は穂木の茎に嵌合するような縦溝
をなす凹面33aとされ、さらに、支持棒33の先端部
分は前記切断カッター24a,25aを通過させるため
にこの切断カッター24a,25aの会合角度に対応し
た楔型に成形されている。
【0024】一方、軸受ブロック31の前面側には、前
記切断部2におけるボールプランジャ26のボール26
aが当接されるボールプランジャ受板37が取付けられ
ており、このボールプランジャ受板37とボールプラン
ジャ26は、ボールプランジャ受板37の前方側および
後方側の縁をボールプランジャ26のボール26aが乗
り越えられるように設定されている。
【0025】(穂木固定部4)穂木固定部4は支持部と
固定部とで構成されている。支持部は台盤10に垂直に
立設された支持ロッド41とこの支持ロッド41の上端
に水平に取付けられた支持板42を備えており、図6に
示したように、支持板42の後方側には穂木の茎を位置
出しして支持する切り欠き部42aが形成され、支持ロ
ッド41の側面部には上記切り欠部42aに連続して茎
を位置出しして支持するための縦溝をなす凹面41aが
形成されている。
【0026】一方、固定部は台盤10上に支持部の支持
ロッド41よりも背面側に立設された固定軸ロッド43
とこの固定軸ロッド43の上端に水平回動自在に軸支さ
れた略L字型の回動アーム44を備えており、図3およ
び図6に示したように、回動アーム44の上面には、固
定軸ロッド43より背面側にボールプランジャ45が取
り付けられるとともに、固定軸ロッド43より前面側に
係合ブロック46と固定用ブロック47がそれぞれ取付
けられている。そして、回動アーム44の背面側端部と
後方側の支柱20Bの間にはスプリング48が配設され
ており、これにより、回動アーム44は固定用ブロック
47が支持部の支持ロッド41に当接されるように付勢
されている。
【0027】また、係合ブロック46には前方側を窪ま
せた段部46aが形成されているとともに、前記切断部
2の水平アーム27に取付けられた垂直アーム27a
は、切断部2を後方側に移動することにより、垂直アー
ム27aの下端部がこの係合ブロック46の段部46a
に当接するように配置されている。さらに、回動アーム
44上のボールプランジャ45は、切断部2を前方に移
動することによりクリップ受け機構28の水平板28b
の下部に突出している穂木固定解除用ボルト28dが当
接するように配置されている。
【0028】(台木固定部5)台木固定部5は、支柱5
1の上端に固定された水平板52の上面に把持クリップ
53と支持ブロック54とを備えており、把持クリップ
53は台木の茎を固定し、支持ブロック54は台木の茎
の切断時に茎の切断部分を前方側から支持するように構
成されている。
【0029】図7に示したように、把持クリップ53は
主動爪53Aと従動爪53Bが水平板52に回動自在に
軸支されるとともに、主動爪53Aと従動爪53Bは前
後方向に平行に配置され、主動爪53Aに固定された歯
車53A−1と従動爪53Bに固定された歯車53B−
1とが噛合した状態になっている。また、主動爪53A
の柄の先端と前方側の支柱20Aとの間にはスプリング
53aが配設されており、これによって主動爪53Aと
従動爪53Bは先端部を閉じた状態に付勢されている。
なお、前記クリップ受け機構28の水平板28bの下部
に突出している把持クリップ開口用ボルト28eは、切
断部2の移動により、この把持クリップ53の主動爪5
3Aの柄の側面に当接するように配置されている。
【0030】一方、支持ブロック54は、水平板52の
前方側端部に取付けられた軸受ブロック55で前後方向
に摺動自在に保持された水平ロッド56の後方側端部に
取付けられるとともに、この水平ロッド56の前方側端
部と支柱51との間にはスプリング57が配設されてい
る。これによって支持ブロック54は後方側に付勢され
ている。なお、図7はスプリング57が引き伸ばされた
状態を示している。
【0031】また、支持ブロック54と水平板52の後
方側端部は、台木Dの茎を受けるような円弧状の切り欠
き部がそれぞれ形成されている。また、支持ブロック5
4と軸受ブロック55の上面には、前記切断部のカッタ
ー24a,25aの下端が通過できるような溝部54
a,55aが形成されている。
【0032】(クリップ収容部6)クリップ収容部6
は、垂直に配設された装填レール61とこの装填レール
61の下端に配設されたクリップ解放ボックス62とを
備えており、装填レール61には垂直バー61aに通さ
れた多数のクリップCが積層されている。また、クリッ
プ解放部ボックス62は前方側および上面が開口される
とともに両側面に切込み部62aが形成された箱状の部
材であり、垂直バー61aの下端はこのクリップ解放ボ
ックス62の上面までの長さとされている。
【0033】これにより、クリップ解放ボックス62内
のクリップCは前方側開口部から取出し自在にされ、こ
のクリップ解放ボックス62からクリップCが取り出さ
れると装填レール61の次のクリップが落下して自動的
に補給される。
【0034】次に、実施例における接ぎ木作業の手順と
装置の動作を説明する。なお、接ぎ木作業の一回の動作
の終了時には切断部2を最後方の位置に戻し、クリップ
収容部6のクリップ解放ボックス62にクリップ受け機
構28のフォーク28cを挿入しこのフォーク28cの
間にクリップCを受け取り、この状態から次の動作を開
始する。また、切断部2を後方に移動させると、穂木保
持部3はこの切断部2に協動して移動し、穂木保持部3
は軸受ブロック31がストッパ15に当接した状態で停
止されている。すなわち、支持棒33が穂木固定部4の
支持板42の真上の位置で停止されている。
【0035】先ず、この状態で、台木Dを台木固定部5
の位置に配置し、台木Dの茎を台木固定部5の把持クリ
ップ53に挟んで固定する。また、図9に示したように
穂木保持部3の固定用ブロック35をスプリング36の
弾性力に抗して手で開き、穂木Hの茎を支持棒33の凹
面33aに沿わせて固定用ブロック35で固定する。ま
た、上記のように切断部2が最後方の位置に戻された状
態では、図9に示したように、切断部2の水平アーム2
7に取付けられた垂直アーム27aの下端部が係合ブロ
ック46の段部46aに当接して回動アーム44がスプ
リング48の弾性力に抗して回動されるので、穂木保持
部3で保持した穂木の茎の下部を支持板42の切り欠き
部42aと支持ロッド41の凹面41aに沿わせて配置
する。
【0036】そして、切断部2を穂木および台木に向け
て移動させ、前方終端で停止させる。これによって、台
木固定部5において、台木に穂木が接合されるとともに
クリップCで接合部分が固定される。この状態で台木の
茎は台木固定部5で把持クリップ53による固定が解除
されるので、穂木保持部3の支持棒33と固定用ブロッ
ク35による穂木Hの茎の固定を解除し、取外して接ぎ
木が完了する。
【0037】すなわち、切断部2を最後方の位置から図
1のように前方に移動すると、穂木固定部4の係合ブロ
ック46から垂直アーム27aが離されるのでスプリン
グ48の弾性力によって回転アーム44が回転し、この
回転アーム44に取付けられた固定用ブロック47によ
って穂木の茎の下部が支持ロッド41の凹面41aに嵌
合して固定される。そして、そのまま切断部2の前進を
続けると、穂木保持部3と穂木固定部4によって保持固
定された穂木Hの茎が切断部2のカッター24a,25
aによって切断され、この穂木Hの茎の上部は、図8
(A) に示したように楔型に切断される。
【0038】なお、カッターで茎を切断するとき、一方
のカッター(この例ではカッター24)が他方よりも前
方にあるので、茎を切り込むときに1枚の刃で切り込む
ようになるので抵抗が少なくなり、柔らかく、細い茎で
も容易に切断できるとともに切断面がきれいに仕上が
る。
【0039】穂木の茎が切断されてさらに切断部2が前
進されると、図11に示したように、切断部2のボール
プランジャ26のボール26aが穂木保持部3のボール
プランジャ受板37の後方側の縁に当接するので、穂木
保持部3は穂木Hの上部を保持した状態で切断部2とと
もに前進される。このとき、穂木Hの茎の切断面はカッ
ター24a,25aの間に切断直後の状態で保持されて
いる。
【0040】さらに、切断部2と穂木保持部3が前進さ
れると、図12に示したように、台木固定部5に固定さ
れている台木Dの茎がカッター24a,25aによって
切断されるとともに、図12に示したように、クリップ
受け機構28の水平板28bの下部に突出している穂木
固定解除用ボルト28dが回動アーム44上のボールプ
ランジャ45に当接し、これによって回転アーム44が
一時的に回動されて固定用ブロック47が支持ロッド4
1から離れて穂木Hの茎の切断片が穂木固定部4で落下
される。
【0041】一方、切断された台木の茎の下部は、図8
(B) に示したようにV字型になり、切断部2および穂木
保持部3の前進により、カッター24a,25aの外側
の面が台木の茎のV型の切断面に沿って摺動される。そ
して、図12の状態から切断部2と穂木保持部3が前進
して穂木保持部3の支持棒33が把持クリップ53の把
持部の位置に来ると、穂木保持部3の軸受ブロック31
が前方側のストッパ16に当接して穂木保持部3が停止
し、支持棒33に保持されている穂木Hの茎が台木固定
部5で固定されている台木Dの茎の位置で停止した状態
で穂木保持部3が切断部2から解放される。これによっ
て、図8(C) に示したように、穂木の茎の切断面と台木
の茎の切断面とが密着される。
【0042】また、このとき切断部2のボールプランジ
ャ26のボール26aが穂木保持部3のボールプランジ
ャ受板37を乗り越え、切断部2だけが図13に示した
位置までさらに前進される。この間に、クリップ受け機
構28のフォーク28cのクリップCが台木固定部5に
おいて穂木Hと台木Dの接合部分に嵌合され、さらにフ
ォーク28cの前方側端部が支持ブロック54に当接し
て、この支持ブロック54はスプリング57の弾性力に
抗して切断部2とともに前進する。このときクリップC
は茎に当接した状態にあり、切断部2の前進によりクリ
ップCのスプリングの弾性力による復元力に抗して、ク
リップCがフォーク28cから離脱され、茎の接合部分
を固定した状態になる。
【0043】一方、切断部2がさらに前進することによ
り、図10および図13に示したように、クリップ受け
機構28の水平板28bの下部に突出している把持クリ
ップ開口用ボルト28eが把持クリップ53の主動爪5
3Aの柄の側面に当接し、この柄を内側に押すように作
用して把持クリップ53が開口される。これによって、
接ぎ木が完了した台木が台木固定部5から取り出せるよ
うになり、穂木保持部3の支持棒33と固定用ブロック
35による穂木Hの固定を解除することにより、接ぎ木
が完了した台木および穂木が取り出せるようになる。
【0044】なお、接ぎ木が完了した台木および穂木を
取り外して切断部2を後退させると、切断部2のボール
プランジャ26のボール26aが台木固定部5の位置に
停留されていた穂木保持部3のボールプランジャ受板3
7の前方側の縁に当接し、穂木保持部3は切断部2とと
もに後退する。そして、穂木保持部3の軸受ブロック3
1がストッパ15に当接して穂木保持部3が穂木固定部
4の上方で停止され、さらに、切断部2だけを後退させ
ると、最後方でフォーク28cがクリップ供給部6のク
リップ解放ボックス62の中に挿入され、フォーク28
cにクリップCがセットされる。これによって次の接ぎ
木作業を行なえるようになる。
【0045】以上のように、穂木と台木をセットして切
断部2を直線的に移動するだけで接ぎ木が完了するの
で、接ぎ木作業が極めて容易になり、作業効率が極めて
向上する。また、接ぎ木の接合面は同一の薄刃のカッタ
ーで切断された楔型とV型になっているので接合面が割
り接ぎのようになって活着が安定する。
【0046】なお、上記の実施例では切断部2を手動で
移動させるようにしているが、モータやエアシリンダー
等で駆動するようにしてもよい。また、カッター24
a,25aとして略半円形のものを用いているが、これ
に限らず、例えば図14に示したような円盤型のカッタ
ーや図15に示した斜め刃型のカッターなど、他の形状
のカッターをV字型に固定して用いるようにしてもよ
い。さらに、台木と穂木の茎の部分はクリップによる固
定に限らず、粘着テープによる張り合わせ固定、あるい
は巻き固定などを行うようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の接ぎ木方法
によれば、穂木の茎と台木の茎を直線上に配置し、薄刃
で形成されたV字型の切断カッターを直線的に移動させ
て穂木の茎を楔型に切断するとともに台木の茎をV字型
に切断し、この切断した穂木の上部を直線的に移動させ
て、切断された台木の下部の位置で停止させ、穂木の茎
と台木の茎の切断面を当接させて各切断面を接合するよ
うにしたので、穂木の茎の楔型に切断された切断面と台
木の茎のV字型に切断され切断面とが互いに整合し、割
り接ぎと同様に接合面が広く接ぎ木部の離れや折れが少
なくなる。また、切断面が互いに整合するので割り接ぎ
のように台木の茎の切れ目を押し広げることなく接合で
きるばかりか、穂木の上部を直線的に移動するだけで台
木と穂木の接合面の位置を容易に一致させることができ
るので、作業性が良く、機械化、自動化を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の接ぎ木方法を適用した接ぎ木装
置の正面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視図である。
【図3】図1におけるB−B矢視図である。
【図4】実施例におけるカッターの斜視図である。
【図5】実施例におけるクリップ保持部の一部斜視図で
ある。
【図6】実施例における穂木保持部の一部と穂木固定部
の斜視図である。
【図7】実施例における台木固定部の斜視図である。
【図8】実施例における穂木と台木の切断部および接合
状態の斜視図である。
【図9】実施例における穂木保持部と穂木固定部の動作
を説明する図である。
【図10】実施例における台木固定部の動作を説明する
図である。
【図11】実施例における穂木保持部の移動開始時の状
態を示す図である。
【図12】実施例における台木切断時の状態を示す図で
ある。
【図13】実施例における台木と穂木の接合固定時の状
態を示す図である。
【図14】本発明に適用できる円盤型のカッターの例を
示す図である。
【図15】本発明に適用できる斜め刃型のカッターの例
を示す図である。
【図16】従来の割り接ぎを説明する図である。
【符号の説明】
1…軌道部、2…切断部、3…穂木保持部、4…穂木固
定部、5…台木保持部、24a,25a…カッター。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穂木の茎と台木の茎を直線上に配置し、 薄刃で形成されたV字型の切断カッターを上記直線上を
    移動させて該切断カッターで前記穂木の茎を楔型に切断
    するとともに前記台木の茎をV字型に切断し、 前記切断した穂木の上部を前記直線上を移動させて前記
    切断した台木の下部の位置で停止させ、 上記穂木の茎と台木の茎の切断面を当接させて各切断面
    を接合するようにしたことを特徴とする接ぎ木方法。
  2. 【請求項2】 前記切断カッターで切断された穂木の上
    部の切断面を該切断カッターの刃面に保持した状態で該
    穂木の上部を該切断カッターとともに前記台木の茎の方
    に移動し、 該切断カッターで前記台木の茎を切断し、 切断した台木の下部の切断面に対して該切断カッターで
    保持されている前記穂木の切断面を停留させながら該切
    断カッターを移動し、 上記穂木の茎と台木の茎の切断面を当接させて各切断面
    を接合するようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    接ぎ木方法。
JP4334272A 1992-12-15 1992-12-15 接ぎ木方法 Withdrawn JPH06178619A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113767767A (zh) * 2021-10-22 2021-12-10 山东泽农润青农业科技有限公司 一种批量嫁接设备及批量嫁接方法

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