JPH0617856B2 - 圧縮試験治具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は圧縮試験機、特にその試験片を把持し、加圧
するための治具に関する。

（従来技術） 複合材等の平板の圧縮試験を行うための治具について
は、 圧縮荷重が正しく軸方向へ加わる。

試験片には圧縮荷重以外の力、モーメントは加わらな
い。

治具は試験中、圧縮荷重を負わない。

試験片が予荷重時に負う圧縮荷重は破壊荷重にくらべ
て微小で試験片に加わる力はチャック歯を固定するため
の力だけである。

治具の上下の加圧面の中心は機枠の中心線上に一致さ
せ、試験片はその中心線上に固定する。

治具は荷重による各各の軸方向の変形が最小となるよ
うな材料と構成法を用いる。

ことが要請される。

この要求に合致するものとして、イリノイ工科大学研究
所のlitri試験方法で紹介された第２図のものがASTM規
格3410-75に掲載推奨されている。すなわち、互いにガ
イドポール３で案内される上下のグリップ本体１、２は
その互いに向き合う面の中央に内面がくさび型のチャッ
ク受４、５が設けられる。くさび金具６、７、８、９は
その外側面がグリップ穴４、５の内面に接したとき、内
側面がガイドポール３と平行になり、圧縮荷重が正しく
軸方向へ加わると共に、試験片には圧縮荷重以外の力、
モーメントは加わらないように構成されている。

（この発明が解決しようとする問題点） 上記形式の治具は基本的には勝れた構成を有している
が、現実に製作されたものはない。この発明は上記の形
式の治具の実用可能な構造を得、容易に正確な測定を可
能にしようとするものである。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） この発明においては、試験片の装着のため予荷重を加え
るとき、くさび金具であるチャック６、７、８、９の間
に取りはずし自在のチャック締めつけ金具を介在させる
ことにより、試験片に予荷重が加えられることを防ぐと
ともにゲージ長を一定としながら試験片をチャック歯に
より確りと固定することが出来る。

また、チャック側面にはその動きを拘束し、第２図でＸ
Ｙ軸方向の運動のみを許すとともに、チャックのグリッ
プ本体からの逸脱を防ぎ、取り扱いを容易にする。

更に、チャックと試験片の間にはチャック歯を介在さ
せ、その厚さを自由に選択し得るようにする。

（実施例） 以下この発明をその１実施例によって具体的に説明す
る。第１図はこの発明の圧縮試験機の構成を示す側面図
であるが、上記第２図に示す従来例と同じ部材は同じ符
号で示してある。

すなわち上下のグリップ本体１、２は互いにガイドポー
ル３で案内され、図示しない油圧装置その他の駆動源に
よってクロスヘッド１０、球座１１を介して正確にＹ方
向に押圧され、ガイドポール３にはＹ方向の力はかから
ない。１２は鎖であり、上端はクロスヘッド１０に下端
はグリップ本体１に固定されており、グリップ本体１を
上動させる場合にこれをつりあげる。

上下のグリップ本体１、２には台形のチャック受４、５
が設けられ、両側面にチャックホルダー１３が取り付け
られる。このチャックホリダー１３は、くさび金具であ
るチャック６、７、８、９の側面に係合し、そのＺ軸方
向の運動を拘束する。各チャックはその斜面に沿って上
端近くまで伸びる溝１４を有し、溝１４の上端が各チャ
ックホルダー１３の上端に係合することによってチャッ
クのそれ以上の落下を止め、グリップ本体からの逸脱を
防止する。１５はチャック歯であり、試験片のつかみ部
の厚さに合わせて適当な厚さのものを自由に選択でき
る。１６は試験片、１７は取りはずし自在なくさび金具
締め付け金具であるボルトジャッキである。

この治具によって試験片１６を装着するには、適当な厚
さのチャック歯１５を選び、下部のチャック８、９間に
試験片１６の下部のつかみ部を固定する。このとき、左
右のチャック８、９の上面の高低差をなくすることによ
り、Ｘ軸方向の中心がでていることが保証される。次い
でチャック８、９の上にボルトジャッキ１７を載せ、適
当な厚さのチャック歯１５を装着した上部のチャック
６、７をそれぞれボルトジャッキ１７にのせ、予荷重を
加える。このとき、荷重は上部チャツク６、７から直接
ボルトジャッキ１７を経て下部チャック８、９に伝えら
れ、試験片１６にはチャック歯１５と噛み合うためのＸ
軸方向の力のいみ加わる。このようにして試験片が固定
された後、一旦予荷重をゼロに戻し、ボルトジャッキ１
７のボルト部分を回して、ジャッキを緩め、引き抜き、
装着は完了する。

上記の実施例中、例えばボルトジャッキは油圧式のジャ
ッキにするとか、チャックホルダを第１図のようにグリ
ップ本体の側壁とする等、この発明の範囲内で多くの設
計変更が可能である。

発明の効果 この発明は上記の構成により、この種の試験機に対する
上記の要求を満たした上に クロスヘットの力を利用してくさびを締めつけるの
で、グリップ本体内の機構が不要で、構造が簡単にな
る。

従来の引張試験用のグリップのように人力による締め
つけが不要で、全体の機構が簡単になる。

ジャッキの長さを調節することにより、ゲージ長を一
定に保持出来る。

予荷重のさい、ジャッキで軸方向荷重を受けるので、
試験片の過負荷が防止出来る。

試験機本体の荷重計を利用して規定の予荷重を容易に
与えることが出来る。

チャック歯の選択により、板圧、板幅の異なる試験片
にも容易に対応出来る。

試験中に試験片が目視でき、セッティングが簡単であ
り、連続して試験を行い易い。

等の顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の圧縮試験治具を用いた圧縮試験機の
１実施例の側面図、第２図は従来公知の構成を示す要部
の概念図であり、図中の主な符号は以下のものを表す。 １，２：グリップ本体、３：ガイドポール ６，７，８，９：チャック、１０：クロスヘッド １１：球座、１２：鎖 １３：チャックホルダ、１４：ガイド溝 １５：チャック歯、１６：試験片 １７：ジャッキ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイドポールによってガイドされる上、下
   のグリップ本体、該グリップ本体の相対する面に設けら
   れたチャック受けの中に挿入され荷重によって試験片を
   両側から締めつけるくさび金具を有する材料の圧縮試験
   機において、上記上下のくさび金具の間に取りはずし自
   在にくさび金具締めつけ金具を介在させたことを特徴と
   する圧縮試験治具
2. 【請求項２】上記くさび金具は、グリップ本体中に逸脱
   しないように保持されると共に上下動及び試験片に対し
   て進退する方向の運動のみが許されることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項の圧縮試験治具
3. 【請求項３】くさび金具は適宜の厚さのチャック歯を介
   して試験片を把持することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項の圧縮試験治具