JP4677588B2 - 予亀裂導入方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばセラミックやコンクリート等の脆性材料から成る板状の破壊試験片に、予め亀裂を発生せしめる(或いは、予亀裂を導入する)技術に関する。
工業材料の破壊靱性値を求めるための巨視的ノッチを有する破壊力学試験として代表的なものに、コンパクト引張標準試験片(以下、CT試験片という)を用いた試験法がある。
ここで、金属材料では、初期亀裂を疲労予亀裂として試験片に容易に導入することが可能であるのに対して、セラミックスの様な脆性材料では、その脆性により、予亀裂の導入が困難であるとされてきた。
近年、曲げ試験片に予亀裂を導入できるSEPB法(Single Edge−Notched Bend Bar法)が開発され、すでにその予亀裂導入装置も販売されている。
しかし、CT試験片に予亀裂を導入する技術は、未だに提案されていない。
本発明者等は、脆性材料からなるCT試験片に希望する長さの予亀裂を導入するための技術開発を目的として、数年前からガラスを用いて研究を試みてきた。その結果として、摩擦による予亀裂導入法を発展させて、予亀裂長さの制御方法を開発している(非特許文献1参照)。
しかし、係る方法(非特許文献1の方法)では、ガラスのように引張強さが弱い材料に使用出来るに留まっていた。
その原因は、予亀裂を発生されるための引張力が、摩擦による方法では、限界があるためであり、引張力を発生させる別種の方法を見出す必要があった。
上記の技術以外に、応力腐食割れ試験方法(例えば、特許文献1参照)が提案されているが、当該技術の目的は金属材料の応力腐食割れ試験の信頼性の向上を意図したものであって、上述したような問題を何ら解決するものではない。
第45回日本大学工学部学術研究報告会講演要旨集、p.31(2002年) 特開2001-296222号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、セラミックスのような脆性材料の試験片に予亀裂を容易に導入でき、且つ、その予亀裂の長さを制御できる予亀裂導入方法およびその方法を実施する予亀裂導入装置の提供を目的としている。
本発明によれば、切欠きを有する板状の脆性材料の試験片に予亀裂を発生させるための予亀裂導入方法において、辺から中央に向って厚さ方向全域に切欠き(41)が形成されそしてその切欠き(41)の対称的な位置に一対の引張部材係合孔(42、42)が形成された試験片(4)を準備し、その試験片(4)の切欠き(41)の延長方向領域において試験片(4)の両側を第1および第2の加圧板(27A、27B)で挟持し、前記一対の引張部材係合孔(42、42)にそれぞれ第1の引張部材(19A)および第2の引張部材(19B)を係合させ、そしてその第1および第2の加圧板(27A、27B)により圧縮力を作用させ、第1および第2の加圧板(27A、27B)で圧縮された状態で前記切欠き(41)の延長方向と直角方向に引張り力を作用させ、前記切欠き(41)の先端から前記第1および第2の加圧板(27A、27B)で加圧した領域まで予亀裂(F)を発生させるようになっている。
また本発明によれば、切欠きを有する板状の脆性材料の試験片に予亀裂を発生させるための予亀裂導入装置において、試験片(4)に引張力を負荷するための引張力負荷装置(1)と、その試験片(4)をセットして予亀裂(F)を与える予亀裂導入治具(2)と、その予亀裂導入治具(2)を引張力負荷装置(1)に配置した昇降手段(3)とを備え、その引張力負荷装置(1)は一対の圧縮力受容部材(11、11)の両端部を連結する第1および第2の連結部材(12、13)と、その第1の連結部材(12)に支持されそして試験片(4)の引張部材係合孔(42)の一方に係合する第1のU字状引張部材(19A)と、ハンドル(14c)で進退する引張り用ロッド(14r)と、その引張り用ロッド(14r)に設けられそして試験片(4)の引張部材係合孔(42)の他方に係合する第2のU字状引張部材(19B)とを備え、その予亀裂導入治具(2)は前記引張り用ロッド(14r)の引張力作用方向に直交する方向に平行に配置された一対の圧縮力発生用ボルト(21、21)と、それらの一対の圧縮力発生ボルト(21、21)に固定された第1のボルト連結部材(23)と、それらの一対の圧縮力発生ボルト(21、21)にナット(22、22)で締付可能に設けた第2のボルト連結部材(24)と、第1および第2のボルト連結部材(23、24)に、それぞれ設けられ試験片(4)に圧縮力を作用させる第1および第2の加圧板(27A、27B)とを備え、それらの第1および第2の加圧板(27A、27B)は試験片(4)に設けた切欠き(41)の延長方向領域に位置している。
前記予亀裂導入冶具(2)は、試験片(4)に負荷する圧縮力が調節可能に構成されているのが好ましい。
本発明の実施に際しては、引張力負荷手段としては、倍力用ギヤ群が収容されたハウジング(14a)と、引張方向に進退する引張用ロッド(14r)を収容したロッドケース(14b)と、引張力創生用のハンドル(14c)とを有する引張力発生手段(14)を備えたものを用いることが出来る。
これに加えて、市販の引張試験機を引張力負荷手段として用いても良い。
上述した構成を具備する本発明によれば、引張力負荷手段(1)で試験片(4)の切欠き(41)を広げる方向(図6の矢印P方向)に引張力を負荷することにより、試験片(4)を構成する脆性材料の種類を問わずに、試験片(4)に対して確実に予亀裂(F)を導入することが可能である。
それと共に、予亀裂導入冶具(2)により、試験片(4)に引張力が作用する方向と直交する方向(図7の上下方向)に圧縮力を負荷しており、当該圧縮力が負荷される領域で、試験片(4)の切欠き(41)の延長方向へ進行する予亀裂(F)を確実に停止することが出来る。換言すれば、試験片(4)に前記圧縮力(図7の上下方向に作用する圧縮力)を作用する領域を適宜設定することにより、所望の予亀裂(F)を試験片(4)に対して容易に導入することが可能となる。
そして、試験片(4)に対して確実に予亀裂(F)を導入することが出来て、しかも、当該予亀裂(F)の先端(予亀裂Fが停止した箇所)を容易に決定できる。
本発明によれば、どの様な脆性材料についても、試験片(4)に対して予亀裂を導入する事が出来る。
従って、従来技術(例えば比特許文献1)の様に、単一の脆性材料(ガラス)についてしか予亀裂が導入できない、というようなことが無く、予亀裂が導入された試験片による引張試験を実行する要請が多い分野、たとえばセラミックスの分野や、土木建築分野(脆性材料は岩石、コンクリート)等において、適切に適用することが出来る。
前記予亀裂導入冶具(2)は、試験片(4)に負荷する圧縮力が調整可能に構成されている他に、任意の位置に第1及び第2の加圧部材(加圧板27A、27B)も配置することが出来るので、試験片に導入される予亀裂の長さ(予亀裂の大きさ)が自由に調整できる。
本発明の予亀裂導入装置は、CT試験片が標準試験片であることから、特に、予亀裂導入に威力を発揮するが、両片持ち梁試験片(DCB試験片)に対しても、両捩り試験片(DT試験片)に対しても対応可能である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1、図2を参照して、全体を符号100で示す予亀裂導入装置の概略構成を説明する。
図1、図2において、予亀裂導入装置100は、試験片4に引張力を負荷する引張力負荷装置1と、試験片4をセットした予亀裂導入冶具2と、試験片4をセットした予亀裂導入冶具2を引張力負荷装置1の適所に配置する昇降手段3とを装備している。
昇降手段3は、上方部材31と、下方部材32と、高さ調整用ダイヤル33とを備えており、高さ調整用ダイヤル33を上方部材31及び下方部材32に係合し、高さ調整用ダイヤル33を回すことによって、上方部材31が固定用ベース5と平行な状態を維持しつつ上方に移動出来る様に構成されている。
図1において、引張部材係合孔42及び領域を特定するための円O(図1では2点鎖線で示す)については後述する。
図2において、予亀裂導入装置100は固定用ベース5に維持されている。
図3、図4を参照して、引張力負荷手段1について、さらに説明する。
引張力負荷手段1は、引張力を作用させるべき方向と平行して配置された1対の圧縮力受容部材11、11と、圧力受容部材11、11の端部同士を連結する第1の連結部材12(図3、図4の左方)及び第2の連結部材13(図3、図4の右方)、とを有している。第1の連結部材12は、支持部材15Aを介して装置全体を固定する固定用ベース5(図4参照)に支持・固定されており、第2の連結部材13は支持部材15B(図4参照)を介して装置全体を固定する固定用ベース5に支持・固定されている。
第1の連結部材12には、固定部材17を介して、第1のリング状引張部材18Aが係合されている。その第1のリング状引張部材18Aには第1のU字状引張部材19Aの中央部が係合されている。第1のU字状引張部材19Aの両端部の一端19aは、試験片4の引張部材係合孔42(図1参照)の一方に係合可能に構成されている。
第1の連結部材12の反対側には、引張力発生手段14が取り付けられている。
引張力発生手段14は、例えば、図示しない倍力用ギヤ群が収容されたハウジング14aと、引張方向に進退する引張用ロッド14rを収容したロッドケース14bと、引張力創生用のハンドル14cとを有している。
引張力創生用ハンドル14cは、当該ハンドル14cを回転することによって、図示しない倍力ギヤ群を駆動させて、引張用ロッド14rに引張力を負荷する方向へ(引張力負荷手段1から試験片4を外す場合には、引張力を解除する方向へ)引張用ロッド14rを移動(進退)させるように構成されている。
引張用ロッド14rの先端には、ロードセル16を介して、第2のリング状引張部材18Bが係合されている。
その第2のリング状部材18Bには第2のU字状引張部材19Bの中央部が係合されている。第2のU字状引張部材19Bの両端部の一端19bは、試験片4の引張部材係合孔42(図1参照)の一方へ係合可能に構成されている。
次に、図5〜図7を参照して、試験片4に予亀裂を導入する際に使用される予亀裂導入冶具2について説明する。
予亀裂導入冶具2は、引張力作用方向(図5では左右方向)に直交する方向(図5では上下方向)に平行して配置された1対の圧縮力発生用ボルト21、21と、この圧縮力発生用ボルト21、21に螺合する1対のナット22、22とを備えている。そして、1対の圧縮力発生用ボルト21、21は、軸部全長に亘ってねじ部21tが形成されている。
この1対の圧縮力発生用ボルト21、21には、第1のボルト連結部材23と、第2のボルト連結部材24が装備されている。そして、第1のボルト連結部材23と第2のボルト連結部材24には1対の圧縮力発生用ボルト21、21が挿通されており、そのねじ部21tにおけるボルト首下(ボルト連結部材23)と1対のナット22、22により、軸部の途中に位置する第2のボルト連結部材24を1対のボルト21、21で連結している。
なお、本発明の実施に際して、ボルト連結部材23は充分な剛性を有する剛体が好ましい。
第1及び第2のボルト連結部材23、24の間には、第1の加圧板27Aと第2の加圧板27B並びにロードセル25とが配置されている。
第1の加圧板27Aと第2の加圧板27Bは、試験片4を挟持し且つ試験片4に圧縮荷重を負荷する様に構成されている。
ロードセル25は、第2の加圧板27Bと第2の連結部材24との間に配置されている。
ロードセル25は、受圧部(ロードセル本体)25aと球体25bとで構成されている。そして、受圧部25aには図示しない収容穴が形成されており、第2の加圧板27Bには球体25bの径より小さな内径寸法を有する球体収容穴(図示せず)が形成されており、球体25bは、当該2つの収容穴(受圧部25aに形成された収容穴と、第2の加圧板27Bに形成された収容穴)によって収容されるように構成されている。
予亀裂導入冶具2は、1対のナット22、22を締め込むことによって、第2の連結部材24を第1の連結部材23側に接近せしめ、以って、第1の加圧板27A及び第2の加圧板27Bに挟持された試験片4の所定箇所、すなわち試験片4が第1の加圧板27A及び第2の加圧板27Bと接触している箇所に、圧縮力を作用させるように構成されている。
ここで、例えば図6から明らかな様に、予亀裂導入冶具2により試験片4に圧縮力を作用する領域は、試験片4の切欠き41が延在する方向(切欠き41の延長方向)の領域である。
また、1対のナット22、22を締め込む量を変化させることによって、試験片4(の所定箇所)に負荷する圧縮力が調整可能となっている。
1対のナット22、22の締め込み量が所定量以上であり、試験片4が第1の加圧板27A及び第2の加圧板27Bと接触している箇所に作用する圧縮力(図7における上下方向に作用する)も所定値以上であれば、試験片4が第1及び第2の加圧板27A、27Bと接触する箇所で予亀裂Fの進入が遮断される。
一方、図6において、1対のナット22、22の締め込み量が減少して、試験片4が第1の加圧板27A及び第2の加圧板27Bと接触している箇所に作用する圧縮力も減少すれば、予亀裂Fを当該接触箇所に侵入せしめて、試験片を2分する。従って、切欠き先端41eからの所望する予亀裂長さは、切欠き先端41eと第1及び第2の加圧板27A、27Bとの配置、距離により、可能となる。
ここで、ロードセル25の球体25bは、第2の加圧板27Bに形成され且つ球体25bの直径よりも小さな内径の球体収容穴(図示せず)に収容されているので、球体25bと第2の加圧板27Bとは面接触している。
そのため、一対のナット22、22の締め込み量が異なったとしても、球体25bを介して第2の加圧版27Bに作用する圧縮力は、偏心荷重として作用することが無い。そして、試験片4には、常に、第1及び第2の加圧板27B、27Aを介して、均一な(偏心して作用しない)圧縮応力が負荷される事となる。
図6で示されている状態において、試験片4は左右で対称形である。そして、左右の対象軸に相当する箇所には、試験片4の下端から試験片4の中央上方に向かって、切欠き(或いはノッチ)41が形成されている。
ここで、切欠き41は、試験片4の厚さ方向(図7における上下方向)全域に亘って形成されている。この点で、試験片4の厚さ方向(図7における上下方向)のごく一部に、溝状の傷を形成したのみの、非特許文献1の試験片とは明確に相違している。
そして、図示の実施形態のように、試験片4の厚さ方向(図7における上下方向)全域に亘って形成された切欠き41を設けることは、ASTM規格における要請とも良く合致する。
切欠き41を跨ぐように、試験片4における左右対称な位置(図6参照)に、前記第1のU字状引張部材19Aの一端19a及び第2のU字状引張部材19Bの一端19b(図4参照)と係合可能な一対の引張部材係合孔42、42が形成されている。
図6で明らかな様に、前記切欠き41の先端41eは、試験片4と第1及び第2の加圧板27A、27Bとが接触する箇所の手前(図6では下方)に位置する。
なお、図6において、矢印Pは引張力が作用する方向を示しており、符号Fは予亀裂導入冶具2を用いて試験片4に導入した予亀裂を示している。
例えば、図示の実施形態では、予亀裂の導入に際して用いられる引張力負荷手段1として図1〜図4で示すものを使用しているが、市販の引張試験機を用いて予亀裂を導入することは、勿論、可能である。
図8は、引張試験機の使用を前提とする変形例を示している。
図8において、図1〜図7で説明した予亀裂導入装置100の変形例は、全体が符号100Aで示されている。そして、図8は、変形例に係る予亀裂導入装置100Aの要部(図1のO部に相当する部分)の正面図であり、図9はその側面図である。
図8、図9において、第1のリング状引張部材18Aは、固定部材17Kを介して、図示しない引張試験機の一方の固定部に取り付けられる。また、第2のリング状引張部材18Bは、固定部材16Kを介して、図示しない引張試験機の他方の固定部に取り付けられる。
その他の構成については、図8、図9の変形例は、図1〜図7の実施形態と同様である。
次に、主として図10を参照しつつ、図1〜図7で示す実施形態に係る予亀裂導入装置100を用いて、試験片4に予亀裂導入を行う(試験片4に予亀裂を発生させる)場合の予亀裂導入方法を説明する。
先ず、ステップS1では、予め切欠き41が形成されている試験片4を予亀裂導入冶具2に取り付ける。
具体的には、第1及び第2の加圧部材27A、27B(図5参照)で試験片4を挟持し、一対のナット22、22を締め込むことによって、試験片4が第1及び第2の加圧板27A、27Bと接触している箇所に圧縮力(試験片4に引張力が作用する方向に直交する方向に作用する圧縮力、或いは、図7の上下方向に作用する圧縮力)を作用させる。
次のステップS2では、予亀裂導入冶具2に取り付けた試験片4を引張力負荷装置1にセットする。
すなわち、第1のU字状引張部材19Aの一端19a(図1、図3参照)を、試験片4の引張部材係合孔42(図1参照)の一方に係合して、第2のU字状引張部材19Bの他端19bを試験片4の引張部材係合孔42(図1参照)の他方へ係合する。
なお、図1〜図3で示す引張力負荷装置1ではなく、試験機(図示せず)を予亀裂導入に使用する場合には、図8、図9で示す様に、予亀裂導入冶具2に取り付けた試験片4を図示しない試験機にセットする。
ステップS3では、引張力負荷装置1にセットされた試験片4に対して、引張力を負荷する。図1〜図3で示す引張力負荷装置1を用いる場合には、ハンドル14cによって引張力を負荷する。場合によっては、1対のナット22、22の締め込み量を調整して、予亀裂導入冶具2により試験片4に作用する圧縮力を加減しつつ、試験片4に引張力を作用させる。
図1〜図3で示す引張力負荷装置1(或いは、市販の試験機)で引張力を作用されると、当該引張力は、試験片4に形成された引張部材係合孔42、42が相互に離隔する様に作用する。その結果、切欠き41の先端から亀裂(予亀裂)F(図6参照)が発生し、当該亀裂(予亀裂)Fは試験片4の図6中上方に向って進行しようとする。
しかしながら、試験片4には、予亀裂導入冶具2により、図7における上下方向の圧縮力が作用している。すなわち、試験片4が第1及び第2の加圧板27A、27Bで押圧された箇所(領域)には、予亀裂導入冶具2の1対のナット22、22を締めこむことにより、図7における上下方向の圧縮力が作用している。
そのため、予亀裂Fは、試験片4における圧縮力が作用している領域中で進行或いは生長することができず、切欠き41の先端から、試験片4が第1及び第2の加圧板27A、27Bで押圧された領域まで形成されることになる。
換言すれば、ステップS3で試験片4に引張力が負荷されると、試験片4には、予め形成した切欠き41を起点として第1及び第2の加圧板27A、27Bで押圧された領域(近傍)に至る予亀裂F(図6参照)が形成される(ステップS4)。
そして、予亀裂導入冶具2の第1及び第2の加圧板27A、27Bで試験片4を押圧する位置を適宜調節し、試験片4に対して、所望の予亀裂Fを形成することが出来る。
本発明の実施形態によれば、試験片4に予亀裂を発生させた後、必要であれば、引き続いて引張試験を行うことが出来る。
ステップS5では、予亀裂Fを導入した試験片4をそのまま使用して、引き続いて引張試験を行うか否かを判断する。
引き続いて引張試験を行う場合(ステップS5がYES)は、そのまま試験片4に引張力を作用させ、以って、引張試験を続行する(ステップS6)。そして、一連の操作を終える。
一方、引張試験を行わないのであれば(ステップS5がNO)、操作を終了する。
図11〜図12は、CT試験片の実施形態と同様に、その他の試験法で用いられる試験片のパターンを示している。
図11は、DCB法(両片持ち梁)における引張負荷用の試験片Tp2の形状、及び寸法諸元を示している。
図11において、符号2Hは板幅の寸法を示し、符号Bは板厚を示し、符号Wは引張部材係合孔中心から板端(図11では下縁部)までの寸法を示し、符号aは引張部材係合孔中心から切欠き先端(図11では切欠きの下端部)までの寸法を示しており、符号bは当該切欠き先端から板端(図11では下縁部)までの寸法を示している。
図11の試験片Tp2においても、図示の実施形態における予亀裂導入冶具2の加圧板27A、27B(図5〜図7参照)で、試験片Tp2の長さbの領域の所定部分を適宜押圧し、引張部材係合孔に引張力(矢印Pの力)を作用させれば、所望の予亀裂を導入することが出来る。
図12は、DCB法(引張力のかかる部分がテーパ状に尖った両片持ち梁)における引張負荷用の試験片Tp5の形状、及び寸法諸元を示している。
図12において、符号Wは引張部材係合孔中心から板端(図12では右縁部)までの寸法を示し、符号aは引張部材係合孔中心から切欠き先端(図12では切欠きの右端)までの寸法を示し、符号Bは板の厚みを示し、符号Hは切欠き先端部(図12では切欠きの右端)からテーパ部までの幅寸法(図12では上下方向寸法)を示している。
図12の試験片Tp5においても、図示の実施形態における予亀裂導入冶具2の加圧板27A、27B(図5〜図7参照)で、試験片Tp5の切欠きよりも図12中で右方の領域を適宜押圧し、引張部材係合孔に引張力を作用させれば(図12では上下方向に作用する)、所望の予亀裂を導入することが出来る。
図1〜図10の実施形態によれば、試験片4を予亀裂導入冶具2に取り付け、予亀裂導入冶具2に取り付けた試験片4を引張力負荷装置1(或いは、市販の試験機)にセットし、セットされた試験片4に引張力負荷装置1のハンドル14cを回すことによって引張力を負荷する(或いは、市販の試験機で所定の引張力を負荷する)。
この際に、予亀裂導入冶具2の圧縮力発生用ボルト21に係合した1対のナット22を適宜締め込むことによって、試験片4(の予亀裂が導入される箇所の延長領域)に圧縮力を作用させ、予亀裂を所定箇所で止めることが出来る。
その結果、試験片4に所望の予亀裂を、容易に導入することが出来るのである。
換言すれば、図示の実施形態によれば、予亀裂導入冶具2の第1及び第2の加圧板27A、27B(図5〜図7参照)で試験片4を押圧する位置を適宜調節することにより、試験片4に圧縮力を作用させる領域を調節することが出来る。それに加えて、予亀裂導入冶具2は1対のナット22、22の締め込み量を適宜調節することによって、試験片4に負荷する圧縮力が調整可能に構成されている。
その結果、試験片に導入される予亀裂の長さ(予亀裂の大きさ)が、第1及び第2の加圧板27A、27Bの配置される位置により、自由に調整できる。
発明者の実験によれば、図示の実施形態では、脆性材料について、当該脆性材料で構成された試験片、例えば、セラミック製の試験片や、引張りでは脆性破壊するアクリル製の試験等に予亀裂を導入することが出来ることが判明した。
その点で、ガラスに対してのみ予亀裂を導入することが出来なかった従来技術(非特許文献1)が奏し得ない作用効果を奏することが出来る。
図示の実施形態は、CT試験片のみならず、DCB法における試験片Tp2、及び、DCB法(引張力のかかる部分がテーパ状に尖った両片持ち梁)における引張負荷用の試験片Tp5、更には、DT法(複合捩り法)の試験片Tp6においても、予亀裂の導入に適用可能である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定するものではないことを付記する。
本発明の実施形態の全体構成を示した平面図。 図1に対応する側面図。 本発明の実施形態に係る引張力負荷装置の平面図。 図3に対応する側面図。 本発明の実施形態に係る予亀裂導入冶具の正面図。 図5のX-X断面図。 図5のY-Y断面図。 本発明の変形例を示す平面図。 図8のY矢視図。 本発明の予亀裂導入方法の作業手順を示したフローチャート。 DCB法における引張負荷用の試験片を示す図。 DCB法のテーパ状に尖った形状の試験片を示す図。
符号の説明
1・・・引張力負荷手段/引張力負荷装置
2・・・予亀裂導入冶具
3・・・昇降手段
4・・・試験片
5・・・固定用ベース
11・・・圧縮力受容部材
12・・・第1の連結部材
13・・・第2の連結部材
14・・・引張力発生部
16・・・ロードセル
18A・・・第1のリング状引張部材
18B・・・第2のリング状引張部材
19A・・・第1のU字状引張部材
19B・・・第2のU字状引張部材
21・・・圧縮力発生用ボルト
22・・・ナット
23・・・第1のボルト連結部材
24・・・第2のボルト連結部材
25・・・ロードセル
25a・・・受圧部
25b・・・球体
27A・・・加圧部材/第1の加圧板
27B・・・加圧部材/第2の加圧板
41・・・切欠き
42・・・引張部材係合孔

Claims (2)

  1. 切欠きを有する板状の脆性材料の試験片に予亀裂を発生させるための予亀裂導入方法において、辺から中央に向って厚さ方向全域に切欠き(41)が形成されそしてその切欠き(41)の対称的な位置に一対の引張部材係合孔(42、42)が形成された試験片(4)を準備し、その試験片(4)の切欠き(41)の延長方向領域において試験片(4)の両側を第1および第2の加圧板(27A、27B)で挟持し、前記一対の引張部材係合孔(42、42)にそれぞれ第1の引張部材(19A)および第2の引張部材(19B)を係合させ、そしてその第1および第2の加圧板(27A、27B)により圧縮力を作用させ、第1および第2の加圧板(27A、27B)で圧縮された状態で前記切欠き(41)の延長方向と直角方向に引張り力を作用させ、前記切欠き(41)の先端から前記第1および第2の加圧板(27A、27B)で加圧した領域まで予亀裂(F)を発生させることを特徴とする予亀裂導入方法。
  2. 切欠きを有する板状の脆性材料の試験片に予亀裂を発生させるための予亀裂導入装置において、試験片(4)に引張力を負荷するための引張力負荷装置(1)と、その試験片(4)をセットして予亀裂(F)を与える予亀裂導入治具(2)と、その予亀裂導入治具(2)を引張力負荷装置(1)に配置した昇降手段(3)とを備え、その引張力負荷装置(1)は一対の圧縮力受容部材(11、11)の両端部を連結する第1および第2の連結部材(12、13)と、その第1の連結部材(12)に支持されそして試験片(4)の引張部材係合孔(42)の一方に係合する第1のU字状引張部材(19A)と、ハンドル(14c)で進退する引張り用ロッド(14r)と、その引張り用ロッド(14r)に設けられそして試験片(4)の引張部材係合孔(42)の他方に係合する第2のU字状引張部材(19B)とを備え、その予亀裂導入治具(2)は前記引張り用ロッド(14r)の引張力作用方向に直交する方向に平行に配置された一対の圧縮力発生用ボルト(21、21)と、それらの一対の圧縮力発生ボルト(21、21)に固定された第1のボルト連結部材(23)と、それらの一対の圧縮力発生ボルト(21、21)にナット(22、22)で締付可能に設けた第2のボルト連結部材(24)と、第1および第2のボルト連結部材(23、24)に、それぞれ設けられ試験片(4)に圧縮力を作用させる第1および第2の加圧板(27A、27B)とを備え、それらの第1および第2の加圧板(27A、27B)は試験片(4)に設けた切欠き(41)の延長方向領域に位置していることを特徴とする予亀裂導入装置。
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