JP5207465B2 - シム受け治具、及びシム受け治具を用いた緊張材の定着構造 - Google Patents

シム受け治具、及びシム受け治具を用いた緊張材の定着構造 Download PDF

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本発明は、シム受け治具と、シム受け治具を用いた緊張材の定着構造に関するものである。特に、緊張された緊張材の端部を支圧面に定着するための定着構造に用いられ、この緊張材の緊張力を調整するためのシムを受ける治具に関する。
シムは、PC(プレストレストコンクリート)鋼材などの緊張材を緊張状態で支圧面に定着する場合、緊張力を調整することなどに用いられる。例えば、特許文献1には、PC構造物において、緊張されたPC鋼材の荷重を除去するためにシムを用いることが開示されている。より具体的には、PC鋼材がコンクリート構造物内に挿通されて、同鋼材の端部が支圧面となるコンクリート表面から露出されている。このPC鋼材は、その端部が緊張状態で定着具によりアンカーディスクを介して支圧面に定着され、緊張力が支圧面に作用される。定着具には、PC鋼材を把持する楔と、楔が嵌合されるテーパ孔を有する楔受けが用いられる。そして、このアンカーディスクと楔受け間に、U型の切欠を有する複数枚の板状のシムが介在されている。
PC鋼材の緊張荷重を調整又は除荷する場合、次のように行う。まず、定着されている緊張材を再緊張する。この再緊張は、定着具の周囲のコンクリート表面にラムチェアーを設置し、ラムチェアー上に配置したジャッキでPC鋼材を緊張することで行う。次に、この再緊張によりシムに荷重が作用しなくなった状態としたら、U型の切欠箇所を利用して、所定枚数のシムをPC鋼材の側方に抜き出す。少なくとも一部のシムを取り外したら、ジャッキによるPC鋼材の再緊張を止め、PC鋼材の緊張力が、残存するシムを介してアンカーディスクに作用するようにする。このとき、シムの取り外し前後では、楔受けとアンカーディスクとの間隔が取り外したシムの厚み分減少しているため、シムを取り外した後のPC鋼材の緊張荷重が減少されることになる。
特開平6-248649号公報
しかし、上述した従来の技術では、次のようにシムの取り扱いが困難であるという問題があった。
例えば、橋桁におけるPC鋼材の定着構造などでは、PC鋼材がほぼ水平方向に配されるため、PC鋼材を再緊張した際、各シムをその外周から何らかの手段により保持しないと、個々のシムを軸合わせした状態に保持することが難しい。一方、各シムに連結機構を設けて、複数のシムを軸合わせした状態に連結することも考えられる。ところが、緊張材の荷重を調整するには、シムを1枚ずつ取り外せるようにする必要がある。その際、連結機構も解除する必要があり、シムの取り外し作業が煩雑になる。これらの各事情は、いずれもシムの枚数が多くなるほど顕在化する。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、シムの取り外し作業が容易に行えるシム受け治具と、その治具を用いた緊張材の定着構造を提供することにある。
本発明のシム受け治具は、緊張された緊張材を保持する定着具と緊張材の緊張力を受ける支圧面との間に介在されるシムを保持するためのシム受け治具に係る。この治具は、前記支圧面に対して固定状態とされる台座と、前記シムを緊張材の軸方向と非平行な方向から所定位置に支持する受け具と、この受け具を台座に対して着脱自在とする着脱機構とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、シムを受ける受け具と、受け具を支圧面に対して固定状態とする台座とを備えることで、緊張荷重がシムに作用しないときでも、シムをずれないように所定位置に保持することができる。また、これら受け具と台座とを着脱自在とすることで、緊張材の荷重を調整するために一部のシムを取り外す際、台座を残して受け具を取り外すことができる。
本発明シム受け治具の一実施形態として、前記台座は、緊張材を緊張した際に、その緊張力の反力を受けるラムチェアーに掛けて固定される[状片を備えることが挙げられる。
この構成によれば、ラムチェアーに対して台座を取り付けることで、その台座に取り付けられた受け具を支圧面に対して固定状態に保持することが容易にできる。
本発明シム受け治具の一実施形態として、前記受け具は、シムの外周形状に対応した円弧片を備えることが挙げられる。
この構成によれば、円盤状であることが多いシムを互いにずれない状態に保持することが容易にできる。
本発明シム受け治具の一実施形態として、前記着脱機構は、台座から伸延する一方嵌合部と、受け具から伸延して、一方嵌合部に嵌め合わされる他方嵌合部とを備えることが挙げられる。
この構成によれば、台座の一方嵌合部と受け具の他方嵌合部とを嵌め外しするだけで、容易に台座と受け具を着脱自在とすることができる。
本発明シム受け治具の一実施形態として、前記受け具は、シムが複数ある場合に、その一部のシムを支持し、この受け具を複数用いることで全シムを支持するように構成することが挙げられる。
複数枚の全シムを一括して保持する単一部材のシム受け治具を用いた場合、受け具と台座を分けて取り外しできない上、使用するシムの枚数にかかわらず、シムが残存する限り大型のシム受け治具を用いる必要がある。これに対し、本発明の構成によれば、一部のシムを取り外した後に残存するシムを確実に支持しながらも、取り外したシムを支持していた受け具のみを取り外すことができる。そのため、使用しているシムの数に応じた構成の受け具を使用することで、シム受け治具を用いた定着構造を簡素化することができる。
本発明シム受け治具の一実施形態として、前記台座は、受け具の数に対応した数とし、これら複数の台座を用いて全シムを支持するように構成されることが挙げられる。
この構成によれば、受け具だけでなく、台座も複数とすることで、使用しているシムの数に応じて台座の数を調整することが容易にできる。
一方、本発明のシム受け治具を用いた緊張材の定着構造は、緊張された緊張材と、この緊張材の緊張力を支圧面に作用するように保持する定着具と、定着具と支圧面との間に介在されるシムと、このシムを保持するシム受け治具とを備える。そして、このシム受け治具は、前記支圧面に対して固定状態とされる台座と、前記シムを緊張材の軸方向と非平行な方向から支持する受け具と、この受け具を台座に対して着脱自在とする着脱機構とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、シムを受ける受け具と、受け具を支圧面に対して固定状態とする台座とを備えるシム受け治具を用いることで、シムをずれないように所定位置に保持することができる。また、これら受け具と台座とを着脱自在とすることで、緊張材の荷重を調整するために一部のシムを取り外す際、台座を残して受け具を取り外すことができる。
本発明の定着構造の一実施形態として、前記シムの径を、前記定着具を構成するアンカーディスクの径以下とすることが挙げられる。
この構成によれば、受け具と台座を着脱自在としたことで、除去したシムを支持していた受け具は取り外しできるため、シムを除去したことに伴って移動するアンカーディスクと除去されたシムを支持していた受け具との干渉を確実に回避できる。そのため、アンカーディスクよりも大径のシムを用いる必要がなく、小型のシムの利用が可能になる。
本発明のシム受け治具及びシム受け治具を用いた緊張材の定着構造によれば、緊張材の荷重を調整するためにシムの取り外しを容易に行うことができる。
以下、本発明のシム受け治具及び同治具を用いた緊張材の定着構造を図に基づいて説明する。ここでは、橋梁の桁におけるPC鋼材の定着構造を例として説明する。
<全体構造>
この定着構造は、図1に示すように、橋梁の桁となるコンクリート構造物Cの内部に複数本のPC鋼材10が挿通され、同構造物Cの端面から露出するPC鋼材10の端部を、定着具20を用いて定着する構造である。より具体的には、コンクリート構造物Cの内部にリブキャストアンカー25を、構造物Cの端面に、順次、ベアリングプレート27、複数のシム30、定着具20を備える。定着具20は、ウェッジ22とアンカーディスク24とからなる。そして、PC鋼材10の緊張荷重を調整するために一部のシム30を取り外す作業は、受け具120と台座150とからなるシム受け治具100によりシム30を保持しておいて行う。つまり、構造物Cの端面上に、定着具20、シム30、ベアリングプレート27を取り囲むラムチェアー50を配置し、このラムチェアー50の上にジャッキ(図示略)を配置してPC鋼材10を再緊張し、シム30にPC鋼材10の緊張力が作用しない状態としてシム30の取り外し作業を行う。各部の構成をより詳しく説明する。
<PC鋼材>
PC鋼材10は、緊張状態で、その端部をコンクリート構造物Cの端面に定着されることで、導入された荷重をプレストレスとしてコンクリートに付与する部材である。ここでは、PC鋼材10として複数本のPC鋼撚り線を使用しているが、PC鋼線、PC鋼棒などであってもよい。図1ではPC鋼材10の一端側の定着構造のみを示しているが、図示しない他端側も別途コンクリート構造物Cの端面に定着されている。
<リブキャストアンカーなど>
上記のPC鋼材群の緊張力は、リブキャストアンカー25によりコンクリート構造物Cに伝達される。このリブキャストアンカー25は、通常、コンクリート構造物Cの端面側が太径部で、同構造物の内部側が小径部となる概略円錐台状の筒状体で、その外周にはフランジ状のリブが複数形成されている。PC鋼材群は、コンクリート構造物Cの端面近傍でリブキャストアンカー25に挿通され、さらに図示しない内トランペットやリセスチューブ内を通ってコンクリート構造物C内に配置される。そして、リブキャストアンカー25の外表面やリブに接するコンクリート面が支圧面となる。
<ベアリングプレート>
ベアリングプレート27は、リブキャストアンカー25の太径側端面とシム30との間に介在され、シム30を介して作用するPC鋼材10の緊張荷重をコンクリート構造物Cの端面に伝達する板材である。本例では、複数のPC鋼材10が貫通される円孔27Hを有する正方形の鋼板を用いた。このベアリングプレート27のシム側表面には、後述するラムチェアー固定ボルト70の端部が螺合されるねじ孔27Tが形成されている。
<シム>
シム30は、定着具20を構成するアンカーディスク24とベアリングプレート27との間に複数枚介在され、その数を変えることで、アンカーディスク24とベアリングプレート27の間の距離を変えて、PC鋼材10の緊張荷重を調整する役割を果たす。ここでは、半円状の円弧片30Pを組み合わせることでリング状に形成されるシム30を用いている。このようなリング状のシム30とすることで、アンカーディスク24とベアリングプレート27との間において、複数本のPC鋼材10を一括して取り囲むように介在させることができる。また、一対の円弧片30Pに分割可能な構成とすることで、複数本のPC鋼材10の側方から容易にシム30を着脱することができる。円弧片30P同士の連結は、円弧片30Pの両端部に設けた連結片30E(図1(B)参照)のボルト孔にボルト(図示略)を挿通し、ナット(図示略)で締め付けることにより行う。シム30の材質は、PC鋼材10の緊張荷重を支持できる程度の強度を有する材料とする。本例では、SS400(一般構造用圧延鋼材)で構成したシム30を計28枚用いた。
<定着具>
(ウェッジ)
ウェッジ22は、PC鋼材10を把持する複数の分割片からなり、これら分割片を組み合わせることで、ほぼ円錐台状に形成される。各分割片の内側には、PC鋼材10を強固に把持できるよう、凹凸面が構成されている。通常、分割片の数は、2〜3程度である。
(アンカーディスク)
上記のウェッジ22で把持されたPC鋼材10は、アンカーディスク24に定着される。アンカーディスク24は、十分な厚みを有する円板状の部材で、各PC鋼材10の貫通孔が形成されている。貫通孔のコンクリート構造物側は円筒孔24Hで、その反対側はウェッジ22が嵌め込まれる円錐孔24Cに形成されている。緊張状態としたPC鋼材10をウェッジ22で把持し、そのウェッジ22を円錐孔24Cに嵌め込むことで、ウェッジ22は強固にPC鋼材10を把持し、PC鋼材10をアンカーディスク24に定着する。本例では、上記シム30とアンカーディスク24を実質的に同径としている。
<ラムチェアーなど>
PC鋼材10の緊張荷重を調整する場合、ジャッキを用いてPC鋼材10を再緊張し、PC鋼材10の緊張荷重がシム30に作用しない状態とする必要がある。その際、ジャッキの反力を受けるためのラムチェアー50をコンクリート構造物Cの端面に配置する。ここでは、ラムチェアー50にラムチェアー用スペーサ60を連結して上記の再緊張作業を行う。
ラムチェアー50は、図2(A)、(B)に示すように、矩形板状のジャッキ当接部52と、この当接部52におけるジャッキ当接側と反対側に突出する脚部54とを備える。当接部52は、中央にPC鋼材群を引き出すための円孔52Hが形成され、さらに円孔52Hを取り囲むように、ジャッキ当接側に4つの突条52Pが溶接されている。一方、脚部54は、当接部52の四隅に計4本設けられている。各脚部54は、基部54Aと補強リブ54Bと底板54Cとを備える。基部54Aは、90°の範囲に及ぶ円弧状の断面を有する長尺片で、当接部52の角を中心とする円弧を描くように当接部52の裏面(ジャッキを当接する面の反対側)に固定されている。補強リブ54Bは、当接部52の角から基部54Aに至る細長い台形板で、当接部52の裏面から基部54Aの途中にまで及び、基部54Aを補強する機能を持つ。また、底板54Cは、基部54Aの先端に直交するように固定されたダイヤモンド型の板である。この底板54Cには、ラムチェアー固定ボルト70の貫通孔54CH(図1(A)参照)が設けられている。そして、基部54Aと当接部52で形成される隅部には、補強片56が取り付けられている(図2(A)、(B))。
このようなラムチェアーの各脚部54には、図2(C)、(D)に示すように、ラムチェアー用スペーサ60が連結される。このスペーサ60は、脚部54の底板54Cと同一形状の断面を有する棒状体で、ラムチェアー固定ボルト70の挿通孔62が長手方向に沿って形成されている。
<シム受け治具>
このような緊張材の定着構造において、シム30の取り外しによる緊張荷重の調整を行う際には、シム受け治具100を用いる。シム受け治具100は、シム30を下方から保持する受け具120と、受け具120をラムチェアー50に対して固定する台座150とを有する。
受け具120は、図3に示すように、シム30の外周面にほぼ沿った円弧片122を備える。本例では、この円弧片122は、一つで4枚のシム30を保持できる幅を備える。一つの受け具120で保持できるシム30の数は適宜選択すればよく、そのシム30の数に応じて円弧片122の幅を選択すればよい。例えば、一つの受け具で1枚のシムを支持するようにしても良い。また、この受け具120はSS400で構成した。
一方、台座150は、図1(B)及び図4に示すように、互いに隣り合うラムチェアーの基部54A又はラムチェアー用スペーサ60に跨って掛け止めできるよう、[型片を備えている。この[型片は、L型片152と側片154とを組み合わせて[型に構成される。L型片152の長辺は、隣り合うラムチェアー用スペーサ60同士の外幅に対応した長さを有し、短辺は各ラムチェアー用スペーサ60の高さに対応する長さを有する。これらL型片152と側片154の各一端には、ラムチェアーの基部54A又はラムチェアー用スペーサ60に台座150を掛けるための係合片152F、154Fが突出されている。また、L型片152の他端には連結片152Eが設けられ、この連結片152Eには、側片154と連結するための連結ボルト155を貫通するためのボルト孔が形成されている。側片154の他端にも、前記連結ボルト155を貫通するためのボルト孔が形成されている。連結片152Eと側片154の各ボルト孔を貫通したボルトは、ナットを締め付けることで、連結片152Eと側片154を一体にする。本例では、この台座150もSS400で構成した。
そして、これら受け具120と台座150には、互いを着脱自在とする着脱機構が設けられている。着脱機構は、台座150側の挿通ボルト157(一方嵌合部)と、受け具120側のパイプ部125(他方嵌合部)とを備える。まず、台座150を構成するL型片152の長辺には、一対の透孔が所定の間隔をあけて形成され、その透孔に位置合わせしてナット152Nが溶接されている。各ナット152Nには挿通ボルト157が螺合され、同ボルト157のナット152Nに対するねじ込み量を調整することで、ボルト157の台座150に対する貫通量、すなわち受け具120を支持するための高さを調整することができる。一方、受け具120の円弧片122の外周側には、一対のパイプ部125が平行に溶接されている。各パイプ部125は、台座150のL型片152に螺合された挿通ボルト157を差し込むことができる内径を備え、この挿通ボルト157の間隔に対応した間隔をあけて円弧片122に溶接されている。シム30をシム受け治具100で支持する際、台座150に設けた挿通ボルト157を受け具120に設けたパイプ部125に抜き差しすることで、容易に受け具120と台座150とを脱着することができる。
<シム受け治具を利用した除荷手順>
以上の緊張材の定着構造において、一部のシム30を取り外して緊張荷重の調整を行う作業は、次の手順で行う。ここでは、計28枚のシムを支持するために、7組のシム受け治具100を用いる。この作業は、図1におけるラムチェアー50、ラムチェアー用スペーサ60及びシム受け治具100が取り付けられていない状態から行われる。
まず、ラムチェアー50の当接部の円孔にPC鋼材群を通す。そのラムチェアー50の各脚部54における底板54Cにラムチェアー用スペーサ60を、ラムチェアー固定ボルト70を用いて連結する。固定ボルト70の先端はベアリングプレート27のねじ孔27Tにねじ込む。これにより、ラムチェアー50がラムチェアー固定ボルト70によりラムチェアー用スペーサ60と連結された状態でコンクリート構造物Cに固定されたことになる。
次に、図1の下方に位置する一対の基部54A又はラムチェアー用スペーサ60の上部にL型片と側片の係合片152F、154Fを掛け、その状態でL型片152と側片154とを連結ボルト155(図4)で連結する。各台座150は、ラムチェアーの基部54A及びラムチェアー用スペーサ60の長手方向にほぼ等間隔で並べられるようにする。このとき、着脱機構の挿通ボルト157は、L型片152から図1の上方にあまり突出しないようにしておく。
次に、シム30とラムチェアーの基部54Aとの間又はシム30とラムチェアー用スペーサ60との間から受け具120を差し入れる。受け具120は、円弧片122の内側をシム30の外周面に対向させ、パイプ部125を着脱機構の挿通ボルト157に外嵌する。このとき、挿通ボルト157は、L型片152から図1の上方に突出量が少ないため、受け具の円弧片122とシム30との間には間隔がある。
次に、挿通ボルト157を図1の上方にねじ込み、その突出量を多くすることで、受け具の円弧片122をシム30が保持できる高さに調整する。この高さ調整は、各受け具が同じ高さとなるように、挿通ボルトのねじ込み量を変える。この調整に伴って、本例では、ラムチェアー50の当接部側における2組のシム受け治具100がラムチェアーの脚部54に掛け止めされ、残る5組のシム受け治具100がラムチェアー用スペーサ60に掛け止めされる。
この状態で、ラムチェアーの当接部52にジャッキを配置し、PC鋼材10を予め導入されている緊張力以上の荷重で再緊張する。この再緊張により、アンカーディスク24はシム30から離れた状態となり、PC鋼材10の緊張力はシム30には作用しない状態となる。
PC鋼材10の緊張力がシム30には作用しなければ、各シム30は互いに同軸上の配置からずれようとするが、受け具120で支持されているため、この位置ずれは起こらない。各シム30が受け具に支持されることなく同軸上からずれると、アンカーディスク24が傾いたり、シム30が変形する可能性がある。その結果、PC鋼材10にせん断力が作用し、PC鋼材10が損傷する虞がある。そのため、受け具120で各シム30を同軸上に保持できれば、シム30を取り外す際の作業面で好ましいのみならず、安全面でも好ましい。
次に、シム30の円弧片30P同士を結合するボルトおよびナットを外して、シム30を一対の円弧片30Pに分割する。分割された個々の円弧片30Pは、PC鋼材10とラムチェアーの基部54Aとの間又はPC鋼材10とラムチェアー用スペーサ60との間を介して取り出す。
取り外すシム30が4枚単位の場合、取り外された4枚のシム30を支持していた受け具120は不要なため、取り外せばよい。その場合、取り外された受け具120を支持していた台座150は、そのままラムチェアー50(ラムチェアー用スペーサ60)に取り付けた状態で残しておいてもよいし、取り外してもよい。
そして、必要数のシム30を取り外したら、緊張していたPC鋼材10を元の状態に戻す。つまり、PC鋼材の緊張力によりアンカーディスク24がシム30を圧接し、再度PC鋼材10の緊張荷重がシム30とベアリングプレート27を介してコンクリート構造物Cに作用されるようにする。このとき、シム30の除去前後で、アンカーディスク24とベアリングプレート27の間隔は短くなっているため、その短縮分だけPC鋼材10の伸びが短くなり、緊張荷重が減少されることになる。通常、ジャッキのストロークには限りがあるため、一回の再緊張で除荷することはできず、ジャッキによるPC鋼材10の再緊張、シム30の除去、ジャッキの緊張解除に伴うシム30への荷重の付与という一連の過程を繰り返して除荷を行う。本発明のシム受け治具100を用いれば、これら一連の過程を繰り返す間、シム30を確実に同軸上に整列できる。
以上説明したように、本発明のシム受け治具100によれば、ラムチェアー50(ラムチェアー用スペーサ60)に固定される台座150と、台座150に取り付けられる受け具120とを用いることで、PC鋼材10の緊張荷重がシム30に作用しない状態でも、シム30同士をずれることなく保持することができる。また、受け具120と台座150が着脱できる構成としたことで、取り外すシム30の数にほぼ対応して、受け具120のみを取り外すことができ、シム30の取り外し作業性にも優れる。さらに、小型のシム30の利用も可能となる。受け具と台座が着脱自在でない場合、一部のシムを除去したことに伴って移動するアンカーディスクと除去されたシムを支持していた受け具との干渉を考慮して、シムの径をアンカーディスクの径よりも大きくする必要がある。本発明のシム受け治具100によれば、受け具120と台座150を着脱自在としたことで、除去したシム30を支持していた受け具120は順次取り外しできるため、アンカーディスク24と同径のシム30であっても上記の干渉を確実に回避できる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、受け具120と台座150の着脱機構は、単にボルト157をパイプ部125に抜き差しするだけでなく、互いに係合し合う係合部を有するものでも良い。
本発明のシム受け治具及び同治具を用いた緊張材の定着構造は、橋梁の桁や各種アンカー構造体などに好適に利用することができる。
(A)は本発明のシム受け治具を用いた緊張材の定着構造の実施形態を示す概略説明図、(B)はそのA-A矢視図である。 (A)は図1の定着構造からシムを除去する際に用いるラムチェアーの正面図、(B)は同右側面図、(C)は図1の定着構造からシムを除去する際に用いるラムチェアー用スペーサの正面図、(D)は同右側面図である。 (A)は図1の定着構造に用いる受け具の左側面図、(B)は同正面図である。 (A)は図1の定着構造に用いる台座の左側面図、(B)は同正面図である。
符号の説明
10 PC鋼材
20 定着具
22 ウェッジ 24 アンカーディスク 24H 円筒孔 24C 円錐孔
25 リブキャストアンカー
27 ベアリングプレート 27H 円孔 27T ねじ孔
30 シム
30P 円弧片 30E 連結片
50 ラムチェアー
52 ジャッキ当接部 52H 円孔 52P 突条
54 脚部 54A 基部 54B 補強リブ 54C 底板 54CH 貫通孔
56 補強片
60 ラムチェアー用スペーサ
62 挿通孔
70 ラムチェアー固定ボルト
100 シム受け治具
120 受け具 122 円弧片
125 パイプ部
150 台座 152 L型片 154 側片 152F、154F 係合片 152E 連結片
152N ナット 155 連結ボルト 157 挿通ボルト
C コンクリート構造物

Claims (8)

  1. 緊張された緊張材を保持する定着具と緊張材の緊張力を受ける支圧面との間に介在されるシムを保持するためのシム受け治具であって、
    前記支圧面に対して固定状態とされる台座と、
    前記シムを緊張材の軸方向と非平行な方向から所定位置に支持する受け具と、
    この受け具を台座に対して着脱自在とする着脱機構とを備えることを特徴とするシム受け治具。
  2. 前記台座は、緊張材を緊張した際に、その緊張力の反力を受けるラムチェアーに掛けて固定される[状片を備えることを特徴とする請求項1に記載のシム受け治具。
  3. 前記受け具は、シムの外周形状に対応した円弧片を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のシム受け治具。
  4. 前記着脱機構は、
    台座から伸延する一方嵌合部と、
    受け具から伸延して、一方嵌合部に嵌め合わされる他方嵌合部とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシム受け治具。
  5. 前記受け具は、シムが複数ある場合に、その一部のシムを支持し、この受け具を複数用いることで全シムを支持するように構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシム受け治具。
  6. 前記台座は、受け具の数に対応した数とし、これら複数の台座を用いて全シムを支持するように構成されることを特徴とする請求項5に記載のシム受け治具。
  7. 緊張された緊張材と、この緊張材の緊張力を支圧面に作用するように保持する定着具と、定着具と支圧面との間に介在されるシムと、このシムを保持するシム受け治具とを備えるシム受け治具を用いた緊張材の定着構造であって、
    前記シム受け治具は、
    前記支圧面に対して固定状態とされる台座と、
    前記シムを緊張材の軸方向と非平行な方向から支持する受け具と、
    この受け具を台座に対して着脱自在とする着脱機構とを備えることを特徴とするシム受け治具を用いた緊張材の定着構造。
  8. 前記シムの径が前記定着具を構成するアンカーディスクの径以下であることを特徴とする請求項7に記載のシム受け治具を用いた緊張材の定着構造。
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