JPH06178468A - モータ用固定子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製作の容易なモータ用固定子を得る。 【構成】 軸心側が円筒形で、かつ極数に対応した放射
状の突起８を有する内鉄心７、軸心に同軸に配置され、
突起の先端部が挿入されるスリット１３を有する円筒形
の外鉄心１２、突起８間の所定のスロットに挿入される
コイル束１０とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は小型ブラシレスモータ等
に適用されるモータ用固定子に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来例を図６〜図８により説明する。

【０００３】図６にて、小型ブラシレスモータは、永久
磁石のロータ２と電磁石の固定子（電機子）１とを備え
ている。図中３は回転軸、４はベアリング、５はハウジ
ング、６はフランジを示す。

【０００４】固定子１の鉄心は、内周に沿って等間隔に
設けられた複数のスロット１４を持つ鉄板を積層してお
り、ヨーク部１８と歯部８から成る。スロットは内周に
向いて開口部１７を有する半開口スロットがよく用いら
れる。

【０００５】図８に従来の固定子の分解展開図を示す。
固定子１の鉄心の各スロット１４内部は絶縁塗料９が塗
布され、巻線との絶縁処理がされている。

【０００６】巻線作業を行う場合、鉄心の内周面のスロ
ット開口部１７からコイル束１０を挿入してコイルを形
成し、各コイル間及びリード線１１を接続した後、ワニ
スを含浸してコイルを固定する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の固定子１に
は次のような問題点があった。 （１） 巻線作業は、小型の鉄心の内周面にある、幅の
狭いスロット開口部からコイル束を挿入して行うため、
作業性が悪い。 （２） 巻線作業の為に必要なスロット開口部は、作業
時以外では不要なだけでなく、モータ作動時は、その部
分でギャップ距離が変化する。このため、空隙磁束密度
を乱し、磁束密度分布の脈動をもたらして、モータの出
力及び動特性に悪影響を与える。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため次の手段を講ずる。

【０００９】すなわち、モータ用固定子として、軸心側
が円筒形で、かつ極数に対応した放射状の突起を有する
内鉄心と、同内鉄心に同軸に配置され、上記突起の先端
部が挿入されるスリットを有する円筒形の外鉄心と、上
記内鉄心の突起間のスロットのうちの所定スロットに挿
入されるコイル束とを設ける。

【００１０】

【作用】上記手段において、固定子を組立てる場合、内
鉄心の各突起間の所定スロットに、コイル束が挿入され
る。その後、外鉄心を同軸心にして、内鉄心の突起の先
端部をスリットに入れ挿入する。そして各コイル束の端
子を従来のコイル同様に接続する。このようにして、各
突起すなわち各極に、従来と同様にコイルの巻かれた固
定子が、極めて容易に組立てられる。

【００１１】

【実施例】（１） 本発明の第１実施例を図１〜図３に
より説明する。

【００１２】なお、従来例で説明した部分は説明を省略
し、この発明に関する部分を主体に説明する。

【００１３】図１にて、内鉄心７は軸心側が円筒形で、
極数に対応した放射状の突起（歯）８を持つ。また外鉄
心１２は円筒形で内側面にスリット１３が設けられる。
このスリット１３は内鉄心１２と同軸心に配置されたと
き、突起８の先端部が挿入されるよう、先端の幅と同じ
幅に形成されている。また各突起８間のスロットの所定
スロットに挿入されるコイル束１０が設けられる。

【００１４】内鉄心７は図２に示すように、突起８を持
った鉄板１５を積層して形成される。また外鉄心１２も
図３に示すようにスリット１３を持った鉄板１９を積層
して形成される。

【００１５】固定子１の組立は、内鉄心７の外周面に絶
縁塗料９を塗布または絶縁材の貼付けを行う。このとき
突起８の先端部は塗布しない。その後、各コイル束１０
を各突起８間の所定のスロット１４に挿入する。そし
て、各コイル束１０間及びリード線１１の接続を行った
後、ワニスの含浸処理を行うが、このときも突起８先端
にはワニスが付かないようにする。ワニス乾燥後、内鉄
心７の突起の先端部を外鉄心１２のスリット１３に挿入
して組立てられる。全体組立図を図４に示す。

【００１６】このようにして、巻線作業が極めて容易に
行え、固定子の組立てが容易にできる。また内鉄心７の
内周面にスロット開口部がなくなるので、ギャップ距離
が均一となり、磁束密度の乱れや磁束密度分布の脈動を
押え、モータ性能への悪影響を軽減できる。 （２） 本発明の第２実施例を図５に示す。これは内鉄
心７および外鉄心１２に焼結軟磁性体を用いたものであ
る。

【００１７】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明は放射状
の突起を有する内鉄心と円環形の外鉄心に分割し、かつ
突起間のスロットに入れるコイル束を用いたため、巻線
作業が容易となる。さらに内鉄心内周に従来例のような
スロット開口部がないので、磁束密度の乱れや磁束密度
分布の脈動を押え、モータ特性への悪影響を軽減でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の第１実施例の分解斜視図であ
る。

【図２】図２は同実施例の内鉄心の詳細斜視図である。

【図３】図３は同実施例の外鉄心の詳細斜視図である。

【図４】図４は同実施例の全体組立斜視図である。

【図５】図５は本発明の第２実施例の分解斜視図であ
る。

【図６】図６は従来例のモータの部分断面斜視図であ
る。

【図７】図７は同従来例の固定子（電機子）の斜視図で
ある。

【図８】図８は同従来例の固定子（電機子）の分解斜視
図である。

【符号の説明】

１ 電機子（固定子） ２ 回転子（ロータ） ３ 軸 ４ 軸受 ５ ハウジング ６ フランジ ７ 内鉄心 ８ 突起（歯部） ９ 絶縁塗料 １０ コイル束 １１ リード線 １２ 外鉄心 １３ スリット １４ スロット １５ 内鉄心用鉄板 １６ 従来の電機子鉄心 １７ スロット開口部 １８ ヨーク部 １９ 外鉄心用鉄板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸心側が円筒形で、かつ極数に対応した
   放射状の突起を有する内鉄心と、同内鉄心に同軸に配置
   され、上記突起の先端部が挿入されるスリットを有する
   円筒形の外鉄心と、上記内鉄心の突起間のスロットのう
   ちの所定スロットに挿入されるコイル束とを備えてなる
   ことを特徴とするモータ用固定子。