JPH06177700A - 三次オーバートーン水晶振動子 - Google Patents

三次オーバートーン水晶振動子

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JPH06177700A
JPH06177700A JP35164692A JP35164692A JPH06177700A JP H06177700 A JPH06177700 A JP H06177700A JP 35164692 A JP35164692 A JP 35164692A JP 35164692 A JP35164692 A JP 35164692A JP H06177700 A JPH06177700 A JP H06177700A
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electrode
crystal
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crystal plate
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JP35164692A
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Katsuyuki Nakamura
勝幸 中村
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Daishinku Corp
Original Assignee
Daishinku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基本波と五次オーバートーンを同時に抑制
し、より安定した三次オーバートーン水晶振動子を提供
する。 【構成】 水晶板1の表面を周辺部電極41aと中央電
極21aを設け、その裏面を全面電極を設けて構成され
た基本波抑制型の三次オーバートーン振動子おいて、水
晶板1の表裏面を表面粗さ2μmから7μmに粗面加工
した。また基本波抑制の構成として、水晶板重心からサ
ポート保持角度を70゜から90゜に設定して導電性接
合材で固着してもよい。また五次オーバートーン抑制の
構成として、水晶板の電極の厚みを通常の電極の厚みよ
りも厚くしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三次オーバートーン水
晶振動子に関し、より詳しくは、基本波用発振回路、及
び、オーバートーン用発振回路にも使用できる基本波抑
制型の水晶振動子の水晶板の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、安定した三次オーバートーン発振
を得るために基本波を抑制したオーバートーン水晶振動
子が多くなってきた。このような基本波抑制型水晶振動
子は、使用される発振回路が基本波用回路か、あるいは
オーバートーン用回路でも、より基本波発振しやすい回
路に有効である。図5はその回路図の一例である。そこ
で、従来、図5の回路を用い、三次オーバートーン発振
を得るための水晶振動子側での基本波を抑制する技術の
一つとして、水晶板の表面中央部に中央電極及び水晶板
の裏面中央部に裏面電極を設けることにより主振動エネ
ルギ閉じ込め部を設け、その周囲に上記主振動エネルギ
閉じ込め部の遮断周波数fcよりも高い遮断周波数Fc
をもつ振動エネルギ伝搬部(電極不在部)を設け、更に
その外側に上記遮断周波数Fcよりも低い遮断周波数を
持つ振動エネルギ吸収部(周辺部電極)を設け、上記遮
断周波数Fcが、所望のオーバートーン振動の副振動周
波数よりも低く、かつ、このオーバートーン振動の主振
動周波数f0より高く設定されており、上記振動エネル
ギ吸収部が所望のオーバートーン次数より低次の振動モ
ード(基本波振動モードを含む)のエネルギを吸収する
とともに、上記主振動よりも高い副振動を外部へ漏洩さ
せるよう構成されていた。また従来、水晶板の表裏面は
研磨材のメッシュ#4000を用いて研磨加工されるの
が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし三次オーバート
ーン発振回路において、同調回路がなく、帰還抵抗値R
1、あるいは、C1、C2により調整し、回路自体を三次
オーバートーン発振しやすいような値に定数を決めるよ
うな回路構成図5、図6において、、例えば図5はCI
比(CI1/CI3)が比較的小さいと、三次オーバート
ーン発振回路であるが基本波発振しやすい回路であり、
また、図6はCI比(CI5/CI3)が比較的小さい
と、三次オーバートーン発振回路であるが五次オーバー
トーン発振しやすい回路となっている。このため、通常
の水晶振動子では標準的な三次オーバートーン振動子を
用いた場合、図5では基本波発振したり、図6では五次
オーバートーン発振したりするケースがあり、安定した
三次オーバートーン発振が得られないという現象があっ
た。また、従来からある基本波抑制型の振動子では図5
に示す回路では安定した三次オーバートーン発振が得ら
れても、図6に示す回路では安定した三次オーバートー
ン発振が得られずに五次オーバートーン発振することが
あった。
【0004】本発明の目的は、基本波と五次オーバート
ーンとを同時に抑制して、同調回路がなく、帰還抵抗値
R1、あるいは、C1、C2により調整し、回路自体を三
次オーバートーン発振しやすいような値に定数を決める
ような回路構成において、より安定した三次オーバート
ーン発振が得られる三次オーバートーン水晶振動子を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、水晶
板の片面に、三次オーバートーン振動の主振動を閉じ込
める主振動エネルギ閉じ込め部を構成する中央部電極
と、上記振動エネルギ伝搬部を構成する電極不在部と、
上記振動エネルギ吸収部を構成する周辺部電極が形成さ
れ、上記水晶板の他の片面のほぼ全面に電極が形成され
ている三次オーバートーン水晶振動子において、前記水
晶板の表裏面を表面粗さ2μmから7μmに粗面加工し
た。
【0006】また、表裏面に電極が形成された水晶板
と、水晶板を挿入するためのスリットが設けられ、か
つ、ベースのインナーリード側面に対向して設置された
サポートとを具備し、前記水晶板の重心から前記スリッ
トの長手方向両端部への保持角度θを次式 70゜≦θ≦90゜ により設定し、導電性接合材で固着して三次オーバート
ーン振動させた水晶振動子において、前記水晶板の表裏
面を表面粗さ2μmから7μmに粗面加工した。
【0007】また、水晶板の片面に、三次オーバートー
ン振動の主振動を閉じ込める主振動エネルギ閉じ込め部
を構成する中央部電極と、上記振動エネルギ伝搬部を構
成する電極不在部と、上記振動エネルギ吸収部を構成す
る周辺部電極が形成され、上記水晶板の他の片面のほぼ
全面に電極が形成されている三次オーバートーン水晶振
動子において、上記電極の厚みを通常の電極の厚みより
も厚くする。
【0008】また、表裏面に電極が形成された水晶板
と、水晶板を挿入するためのスリットが設けられ、か
つ、ベースのインナーリード側面に対向して設置された
サポートとを具備し、前記水晶板の重心から前記スリッ
トの長手方向両端部への保持角度θを次式 70゜≦θ≦90゜ により設定し、導電性接合材で固着して三次オーバート
ーン振動させた水晶振動子において、上記電極の厚みを
通常の電極の厚みよりも厚くする。
【0009】
【作用】五次オーバートーン発振の抑制は、各次数の振
動変位の大きさの違いを利用し、研磨材によって粗面加
工された水晶板の表裏面の粗さのため、三次より、より
振動変位の小さい五次はCI値が高くなる。そのため三
次オーバートーンと五次オーバートーンのCI比を大き
くとることができ、従来からある基本波抑制型の振動子
に五次オーバートーン抑制技術を付加することにより、
基本波と五次オーバートーンとを同時に抑制し、より安
定した三次オーバートーン発振が得られるようになるも
のである。また、水晶板の表裏面を粗くしすぎると、エ
ージング特性や低レベル特性が悪くなる等の問題があ
る。また三次オーバートーンのCI値も悪くなる傾向が
あり、一般的な三次オーバートーンのCI値規格(30
Ω、40Ω等)に対して歩留まりが悪くなるので、これ
らを考慮する必要がある。そして、水晶板の表裏面の表
面粗さ2μmから7μmの粗面加工を施すためには、研
磨材のメッシュを#2000から#3000までのもの
を選択してやることにより容易に行える。
【0010】図7は、三次オーバートーン発振で45M
HZの水晶振動子において、研磨材のメッシュを変化さ
せたときのCI比(CI5/CI3)を近似値で表わした
グラフである。図8は、研磨材のメッシュを#200
0、#3000、#4000の三種類を用いて研磨加工
を行った水晶板の周波数ごとの三次オーバートーンのC
I値と五次オーバートーンのCI値を近似値で表わした
グラフである。図9は、研磨材のメッシュを#200
0、#3000、#4000の三種類を用いて研磨加工
を行った水晶板の周波数ごとのCI比(CI5/CI3)
を近似値で表わしたグラフある。
【0011】以上のグラフが示すように、研磨材によっ
て粗面加工された水晶板の表裏面の粗さにより、三次オ
ーバートーンと五次オーバートーンのCI比を大きくと
ることができる。このため、従来からある基本波抑制型
の振動子に五次オーバートーン抑制技術を付加すること
により、基本波と五次オーバートーンとを同時に抑制
し、より安定した三次オーバートーン発振が得られるよ
うになるものである。
【0012】また、別手段としての五次オーバートーン
発振の抑制は、電極の厚みを厚くすることによっても行
える。それは各次数の振動変位の大きさの違いを利用
し、電極の厚みを厚くすることにより、三次より、振動
変位の小さい五次はCI値が高くなる。そのため三次オ
ーバートーンと五次オーバートーンのCI比を大きくと
ることができ、従来からある基本波抑制型の振動子に五
次オーバートーン抑制技術を付加することにより、基本
波と五次オーバートーンとを同時に抑制し、より安定し
た三次オーバートーン発振が得られるようになるもので
ある。また、電極を厚みを厚くすると、基本波特性が良
くなる傾向があり、電極径をより小さくする等の基本波
抑制を考慮する必要がある。そして、通常、電極は0.15
μm〜0.175μmの厚さで形成されるのが一般的である
が、通常電極の二倍ぐらいの厚みで形成することによ
り、五次オーバートーン発振をある程度抑制できる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の第一の実施例について、図
1、図2を参照にして説明する。図1は本発明の第一の
実施例を示す水晶板の平面図であり、図2は図1の底面
図である。水晶板1は、ATカットで円形に切り出され
た水晶板であり、その表裏面は、メッシュ#3000の
研磨材を用いて粗面加工しており、そのため水晶板1の
表裏面の表面粗さは平均5μmから7μmの粗面となる
よう形成される(メッシュ#2000の研磨材を用いた
場合、水晶板1の表裏面の表面粗さは平均2μmから4
μmの粗面となるよう形成される)。この表裏面の粗さ
のため三次より大きい五次は、五次の振動変位が小さく
なり、CI値が高くなって、五次オーバートーン発振の
抑制が行える。そして、基本波を抑制する構成として、
水晶板1の表面には、その中央に電極21aが設けられ
その周囲に幅Gの電極不在部31が設けられ更にその外
周で、かつ、水晶板1の外周から幅Lの所に電極41a
が設けられている。また、水晶板1の裏面には、水晶板
1の外周から幅Lの所から内側へ全面に電極51aが設
けられている。すなわち、裏面電極51aは、表面の中
央電極21a、電極不在部31、周辺部電極41aに対
向して全面に形成されている。このような構造におい
て、電極21aとそれに対応する電極51aの一部分が
主振動エネルギ閉じ込め部を構成し、電極不在部31と
それに対応する電極51aの一部分が振動エネルギ伝搬
部を構成し、電極41aとそれに対応する電極51aの
一部分が振動エネルギ吸収部を構成している。中央電極
21aから水晶板1の一端部Aまでリード電極21bが
形成され、外周電極41a及び裏面電極51aは水晶板
1の反対側の端部Bまでリード電極41b,51bが形
成されている。そして、これらの電極は真空蒸着により
形成される。上記寸法幅L、Gにより基本波と三次オー
バートーンとのCI比が変化するため、所望のCI比を
得るため、あらかじめ設定する必要がある。当実施例で
は、直径6.5mmの水晶板に直径2.5mmの中央電極を形
成し、G寸法を0.4mm、L寸法を0.25mmで形成し
た。これらの構成により、基本波抑制型の振動子に五次
オーバートーン抑制技術を付加することができるように
なり、基本波と五次オーバートーンとを同時に抑制し、
より安定した三次オーバートーン発振が得られるように
なった。
【0014】図10は、三次オーバートーン発振で45
MHzの水晶振動子の試作例において、研磨材のメッシ
ュ#4000で粗面加工した直径6.5mmの水晶板に直
径3.5mmの励振電極(表裏共)を形成した標準三次オ
ーバートーン水晶振動子と、本発明による研磨材のメッ
シュ#3000で粗面加工した直径6.5mmの水晶板に
直径2.5mmの中央電極を形成し、G寸法を0.4mm、L
寸法を0.25mmで形成した基本波抑制型三次オーバート
ーン水晶振動子との、CI値を基本波域と三次オーバー
トーン域と五次オーバートーン域との三領域で比較した
グラフである。このグラフから、標準三次オーバートー
ン水晶振動子に比べて本発明の基本波抑制型三次オーバ
ートーン水晶振動子の方が三次オーバートーン域以外の
CI値が高く抑制しやすくなるのがわかる。
【0015】また、図11は、三次オーバートーン発振
で25MHzの水晶振動子の試作例において、研磨材の
メッシュ#4000で粗面加工した直径6.5mmの水晶
板に直径4.5mmの励振電極(表裏共)を形成した標準
三次オーバートーン水晶振動子と、本発明による研磨材
のメッシュ#2000で粗面加工した直径6.5mmの水
晶板に直径3.5mmの中央電極を形成し、G寸法を0.4m
m、L寸法を0.25mmで形成した基本波抑制型三次オー
バートーン水晶振動子との、CI値を基本波域と三次オ
ーバートーン域と五次オーバートーン域との三領域で比
較したグラフである。このグラフから、標準三次オーバ
ートーン水晶振動子に比べて本発明の基本波抑制型三次
オーバートーン水晶振動子の方が三次オーバートーン域
以外のCI値が高く抑制しやすくなるのがわかる。
【0016】研磨材によって粗面加工された水晶板の表
裏面の粗さのため、三次より大きい五次は、CI値が高
くなって、五次オーバートーンを抑制し、研磨材のメッ
シュがより粗くなるにしたがってCI比(五次/三次)
が大きくなるのだが、水晶板の表裏面を粗くしすぎる
と、エージング特性や低レベル特性が悪くなったり、ま
た三次オーバートーンのCI値も悪くなる傾向があり、
一般的な三次オーバートーンのCI値規格(30Ω、4
0Ω等)に対して歩留まりが悪くなる等の問題点があ
る。これらの対策として、三次オーバートーンでも30
MHzぐらいまでの比較的低い周波数域では、研磨材を
粗くすることによるエージング特性や低レベル特性への
影響が比較的小さいため、よりCI比を大きく取れる研
磨材のメッシュ#2000のものを用い粗面加工するの
がよいが、メッシュ#3000のものを用いても問題は
ない。30MHz以上のものについては、エージング特
性や低レベル特性、また三次オーバートーンのCI値等
を考慮して、研磨材のメッシュをより滑らかな#300
0のものを用いて粗面加工する。
【0017】次に、本発明の第二の実施例について、図
3、図4を参照にして説明する。図3は本発明の第二の
実施例を示す水晶片とサポートの正面図であり、図4は
図3の側面図である。水晶板6は、ATカットで円形に
切り出された水晶板であり、その表裏面は、メッシュ#
3000の研磨材を用いて粗面加工しており、そのため
水晶板6の表裏面の表面粗さは平均5μmから7μmの
粗面となるよう形成される(メッシュ#2000の研磨
材を用いた場合、水晶板1の表裏面の表面粗さは平均2
μmから4μmの粗面となるよう形成される)。この表
裏面の粗さのため三次より大きい五次は、CI値が高く
なって、五次の振動変位が小さくなり、五次オーバート
ーン発振の抑制が行える。そして、水晶板6は表裏面に
は励振電極7が設けられている(裏面については図示せ
ず)。そして、前記水晶板6を保持するサポート81,
82は水晶板挿入用のスリット811(サポート82の
方は図示せず)を有するものであり、プレス打ち抜きな
どにより形成されている。また、サポート81,82
は、図示しないベースに気密かつ絶縁して封着されてい
る二本のリード端子(図示しない)の上方側に溶接され
る。 上記のように構成されたサポート81,82に水
晶板6をスリットに挿入し、サポートと水晶板とを導電
性接合材9で固着し、図示していないが金属のキャップ
でベースとを気密封止する。そこで、水晶板6の重心O
からスリット長手方向の両端部分C,Dにかけての保持
角度θを従来50゜〜60゜であったものを70゜〜9
0゜にするために、例えば、サポート81,82のスリ
ットの長さを長くし、サポート81,82を水晶板6の
内側によせて接合する。具体的に例示すると、直径3m
mの励振電極が形成された直径5mmの水晶板(従来と
同じ)を用いた場合、従来のスリット長さ2.4mmで
あったものを2.9mmにすれば保持角度は約70゜に
なるし、3.5mmにすれば保持角度は約90゜にな
る。このため、励振電極2に接近した位置でサポート8
1,82が接合されると、対向するサポート81,82
が水晶板6を励振電極付近でのみ振動させ、基本波を抑
制して三次オーバートーン振動させることができる。こ
れらの構成により、基本波抑制型の振動子に五次オーバ
ートーン抑制技術を付加することができるようになり、
基本波と五次オーバートーンとを同時に抑制し、より安
定した三次オーバートーン発振が得られるようになっ
た。
【0018】次に、本発明の第三の実施例について、図
12、図13を参照にして説明する。図12は本発明の
第三の実施例を示す水晶板の平面図であり、図13は図
12のX−X線に沿う断面図である。尚、第一の実施例
と同様の部分については同番号を付した。水晶板1は、
ATカットで円形に切り出された水晶板であり、基本波
を抑制するため水晶板1の表面には、その中央に電極2
3aが設けられその周囲に幅Gの電極不在部31が設け
られ更にその外周で、かつ、水晶板1の外周から幅Lの
所に電極43aが設けられている。また、水晶板1の裏
面には、水晶板1の外周から幅Lの所から内側へ全面に
電極53aが設けられている。すなわち、裏面電極53
aは、表面の中央電極23a、電極不在部31、周辺部
電極43aに対向して全面に形成されている。このよう
な構造において、電極23aとそれに対応する電極53
aの一部分が主振動エネルギ閉じ込め部を構成し、電極
不在部31とそれに対応する電極53aの一部分が振動
エネルギ伝搬部を構成し、電極43aとそれに対応する
電極53aの一部分が振動エネルギ吸収部を構成してい
る。中央電極23aから水晶板1の一端部Aまでリード
電極23bが形成され、外周電極43a及び裏面電極5
3aは水晶板1の反対側の端部Bまでリード電極43
b,53bが形成されている。上記寸法幅L、Gにより
基本波と三次オーバートーンとのCI比が変化するた
め、所望のCI比を得るため、あらかじめ設定する必要
がある。当実施例では、直径6.5mmの水晶板に直径2.5
mmの中央電極を形成し、G寸法を0.4mm、L寸法を
0.25mmで形成した。そして、これらの電極は真空蒸着
により形成されるが、一度目は厚さ0.15μmの電極を形
成する。二度目は厚さ0.3μmの厚さに形成する。通常
電極は0.15μm〜0.175μmの厚さで形成する事が多
く、本発明の実施例では裏面電極の厚さを通常電極の二
倍にした。このため各次数の振動変位の大きさの違いを
利用し、三次より大きい五次は、五次の振動変位が小さ
くなるからCI値が高くなり、三次オーバートーンと五
次オーバートーンのCI比を大きくとることができる。
これらの構成により、基本波抑制型の振動子に五次オー
バートーン抑制技術を付加することができるようにな
り、基本波と五次オーバートーンとを同時に抑制し、よ
り安定した三次オーバートーン発振が得られるようにな
った。
【0019】次に、本発明の第四の実施例について、図
14、図15を参照にして説明する。図14は本発明の
第四の実施例を示す水晶片とサポートの正面図であり、
図15は図14のY−Y線に沿う断面図である。尚、第
二の実施例と同様の部分については同番号を付した。水
晶板6は、ATカットで円形に切り出された水晶板であ
り、水晶板6は表裏面には励振電極74,75が設けら
れている。これらの電極は真空蒸着により形成される
が、一度目は厚さ0.15μmの電極を形成する。二度目は
厚さ0.3μmの厚さに形成する。通常電極は0.15μm〜
0.175μmの厚さで形成する事が多く、本発明の実施例
では裏面電極の厚さを通常電極の二倍にした。このため
各次数の振動変位の大きさを利用し、三次より大きい五
次は、五次の振動変位が小さくなるからCI値が高くな
り、三次オーバートーンと五次オーバートーンのCI比
を大きくとることができる。そして、前記水晶板6を保
持するサポート81,82は水晶板挿入用のスリット
(図示せず)を有するものであり、プレス打ち抜きなど
により形成されている。また、サポート81,82は、
図示しないベースに気密かつ絶縁して封着されている二
本のリード端子(図示しない)の上方側に溶接される。
上記のように構成されたサポート81,82に水晶板
6をスリットに挿入し、サポートと水晶板とを導電性接
合材9で固着し、図示していないが金属のキャップでベ
ースとを気密封止する。そこで、水晶板6の重心Oから
スリット長手方向の両端部分C,Dにかけての保持角度
θを従来50゜〜60゜であったものを70゜〜90゜
にするために、例えば、サポート81,82のスリット
の長さを長くし、サポート81,82を水晶板6の内側
によせて接合する。具体的に例示すると、直径3mmの
励振電極が形成された直径5mmの水晶板(従来と同
じ)を用いた場合、従来のスリット長さ2.4mmであ
ったものを2.9mmにすれば保持角度は約70゜にな
るし、3.5mmにすれば保持角度は約90゜になる。
このため、励振電極2に接近した位置でサポート81,
82が接合されると、対向するサポート81,82が水
晶板6を励振電極付近でのみ振動させ、基本波を抑制し
て三次オーバートーン振動させることができる。これら
の構成により、基本波抑制型の振動子に五次オーバート
ーン抑制技術を付加することができるようになり、基本
波と五次オーバートーンとを同時に抑制し、より安定し
た三次オーバートーン発振が得られるようになった。
【0020】
【発明の効果】研磨材によって粗面加工された水晶板の
表裏面の粗さにより、三次オーバートーンと五次オーバ
ートーンのCI比を大きくとれるようになった。このた
め、従来からある基本波抑制型の振動子に五次オーバー
トーン抑制技術を付加することができるようになり、基
本波と五次オーバートーンとを同時に抑制し、より安定
した三次オーバートーン発振が得られるようになった。
そのため、三次オーバートーン発振回路において、同調
回路がなく、帰還抵抗値R1、あるいは、C1、C2によ
り調整し、回路自体を三次オーバートーン発振しやすい
ような値に定数を決めるような回路構成の場合におい
て、水晶振動子のCI比(CI1/CI3)が比較的小さ
いと基本波発振しやすい回路であっても基本波発振する
ことがなく、また、CI比(CI5/CI3)が比較的小
さいと五次オーバートーン発振しやすい回路であっても
五次オーバートーン発振することがなくなった。
【0021】電極の厚みを通常電極の厚みより厚くした
ことにより、三次オーバートーンと五次オーバートーン
のCI比を大きくとれるようになった。このため、従来
からある基本波抑制型の振動子に五次オーバートーン抑
制技術を付加することができるようになり、基本波と五
次オーバートーンとを同時に抑制し、より安定した三次
オーバートーン発振が得られるようになった。そのた
め、三次オーバートーン発振回路において、同調回路が
なく、帰還抵抗値R1、あるいは、C1、C2により調整
し、回路自体を三次オーバートーン発振しやすいような
値に定数を決めるような回路構成の場合において、水晶
振動子のCI比(CI1/CI3)が比較的小さいと基本
波発振しやすい回路であっても基本波発振することがな
く。また、CI比(CI5/CI3)が比較的小さいと五
次オーバートーン発振しやすい回路であっても五次オー
バートーン発振することがなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の第一の実施例を示す水晶板の平面図であ
る。
【図2】図1の底面図である。
【図3】本発明の第二の実施例を示す水晶板とサポート
の正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】基本波発振しやすい回路を示す図である。
【図6】五次オーバートーン発振しやすい回路を示す図
である。
【図7】三次オーバートーン発振で45MHZの水晶振
動子において、研磨材のメッシュを変化させたときのC
I比(CI5/CI3)を近似値で表わしたグラフであ
る。
【図8】研磨材のメッシュを#2000、#3000、
#4000の三種類を用いて研磨加工を行った水晶板の
周波数ごとの三次オーバートーンのCI値と五次オーバ
ートーンのCI値を近似値で表わしたグラフである。
【図9】研磨材のメッシュを#2000、#3000、
#4000の三種類を用いて研磨加工を行った水晶板の
周波数ごとのCI比(CI5/CI3)を近似値で表わし
たグラフである。
【図10】45MHzの標準三次オーバートーン水晶振
動子と基本波抑制型三次オーバートーン水晶振動子と
の、CI値を基本波域と三次オーバートーン域と五次オ
ーバートーン域との三領域で比較したグラフである。
【図11】25MHzの標準三次オーバートーン水晶振
動子と基本波抑制型三次オーバートーン水晶振動子と
の、CI値を基本波域と三次オーバートーン域と五次オ
ーバートーン域との三領域で比較したグラフである。
【図12】本発明の第三の実施例を示す水晶板の平面図
である。
【図13】図12のX−X線に沿う断面図である。
【図14】本発明の第四の実施例を示す水晶板とサポー
トの正面図である。
【図15】図14のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1・・・水晶板 21a,23a・・・中央電極 31・・・電極不在部 41a,43a・・・周辺部電極 51a,53a・・・裏面電極 21b,41b,51b・・・リード電極 23b,43b,53b・・・リード電極 6・・・水晶板 7,74,75・・・励振電極 81,82・・・サポート 811・・・スリット 9・・・導電性接合材 O・・・水晶板重心 C,D・・・スリット両端部分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶板の片面に、三次オーバートーン振
    動の主振動を閉じ込める主振動エネルギ閉じ込め部を構
    成する中央部電極と、上記振動エネルギ伝搬部を構成す
    る電極不在部と、上記振動エネルギ吸収部を構成する周
    辺部電極が形成され、上記水晶板の他の片面のほぼ全面
    に電極が形成されている三次オーバートーン水晶振動子
    において、前記水晶板の表裏面を表面粗さ2μmから7
    μmに粗面加工した事を特徴とする三次オーバートーン
    水晶振動子。
  2. 【請求項2】 表裏面に電極が形成された水晶板と、水
    晶板を挿入するためのスリットが設けられ、かつ、ベー
    スのインナーリード側面に対向して設置されたサポート
    とを具備し、前記水晶板の重心から前記スリットの長手
    方向両端部への保持角度θを次式 70゜≦θ≦90゜ により設定し、導電性接合材で固着して三次オーバート
    ーン振動させた水晶振動子において、前記水晶板の表裏
    面を表面粗さ2μmから7μmに粗面加工した事を特徴
    とする三次オーバートーン水晶振動子。
  3. 【請求項3】 水晶板の片面に、三次オーバートーン振
    動の主振動を閉じ込める主振動エネルギ閉じ込め部を構
    成する中央部電極と、上記振動エネルギ伝搬部を構成す
    る電極不在部と、上記振動エネルギ吸収部を構成する周
    辺部電極が形成され、上記水晶板の他の片面のほぼ全面
    に電極が形成されている三次オーバートーン水晶振動子
    において、上記電極の厚みを通常の電極の厚みよりも厚
    くした事を特徴とする三次オーバートーン水晶振動子。
  4. 【請求項4】 表裏面に電極が形成された水晶板と、水
    晶板を挿入するためのスリットが設けられ、かつ、ベー
    スのインナーリード側面に対向して設置されたサポート
    とを具備し、前記水晶板の重心から前記スリットの長手
    方向両端部への保持角度θを次式 70゜≦θ≦90゜ により設定し、導電性接合材で固着して三次オーバート
    ーン振動させた水晶振動子において、上記電極の厚みを
    通常の電極の厚みよりも厚くした事を特徴とする三次オ
    ーバートーン水晶振動子。
JP35164692A 1992-12-07 1992-12-07 三次オーバートーン水晶振動子 Pending JPH06177700A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007205806A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Kyocera Kinseki Corp 微少質量測定用センサ素子の製造方法、及びその素子

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