JPH06177571A - 電子機器用きょう体およびその製造方法 - Google Patents
電子機器用きょう体およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH06177571A JPH06177571A JP32195492A JP32195492A JPH06177571A JP H06177571 A JPH06177571 A JP H06177571A JP 32195492 A JP32195492 A JP 32195492A JP 32195492 A JP32195492 A JP 32195492A JP H06177571 A JPH06177571 A JP H06177571A
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- JP
- Japan
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- corrosion
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- layer
- casing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、電子機器を内部に収容するための
きょう体、特に樹脂製のきょう体基体表面に電磁波シー
ルド用皮膜を設けたきょう体とその製造方法に関し、コ
ストを低く抑えながら安定したシールド効果を確保する
ことを目的とする。 【構成】 電子機器を内部に収容するためのきょう体に
おいて、樹脂製のきょう体基体(1)の該内部側表面ま
たは両面に、乾式法により形成された実質的に銅から成
る下層(2)と、乾式法により形成され該銅の下層を腐
食から保護する耐食性金属または合金から成る上層
(3)とから成る電磁波シールド用皮膜(4)を設けて
構成する。
きょう体、特に樹脂製のきょう体基体表面に電磁波シー
ルド用皮膜を設けたきょう体とその製造方法に関し、コ
ストを低く抑えながら安定したシールド効果を確保する
ことを目的とする。 【構成】 電子機器を内部に収容するためのきょう体に
おいて、樹脂製のきょう体基体(1)の該内部側表面ま
たは両面に、乾式法により形成された実質的に銅から成
る下層(2)と、乾式法により形成され該銅の下層を腐
食から保護する耐食性金属または合金から成る上層
(3)とから成る電磁波シールド用皮膜(4)を設けて
構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器を内部に収容
するためのきょう体、特に樹脂製のきょう体基体表面に
電磁波シールド用皮膜を設けたきょう体およびその製造
方法に関する。情報機器を始めとする各種電子機器は、
それを取り巻く外界に存在する種々の通信・放送用電波
あるいは周囲で使用されている他の電子機器や放電を伴
う機器等が発する電磁波に常に曝されており、それによ
る電磁障害(EMI:electromagnetic interference)
から電子機器を保護するために、有害な電磁波の侵入を
遮断する電磁波シールドを設ける必要がある。また電磁
波シールドは電子機器から外部への電磁波の漏れを防ぐ
ためにも必要である。
するためのきょう体、特に樹脂製のきょう体基体表面に
電磁波シールド用皮膜を設けたきょう体およびその製造
方法に関する。情報機器を始めとする各種電子機器は、
それを取り巻く外界に存在する種々の通信・放送用電波
あるいは周囲で使用されている他の電子機器や放電を伴
う機器等が発する電磁波に常に曝されており、それによ
る電磁障害(EMI:electromagnetic interference)
から電子機器を保護するために、有害な電磁波の侵入を
遮断する電磁波シールドを設ける必要がある。また電磁
波シールドは電子機器から外部への電磁波の漏れを防ぐ
ためにも必要である。
【0002】電子機器を使用に適した形態で収容するき
ょう体として、鋼等の金属製きょう体に比べて成形性、
耐食性、軽量性、外観等の多くの点で優れる各種樹脂製
のきょう体が多用されている。しかし、金属製きょう体
はそれ自体が優れた電磁波シールド効果を持つのに対し
て、樹脂製きょう体はそれ自体では電磁波シールド効果
が無いため、きょう体の構成基体である樹脂部分の表面
に電磁波シールド性を有する各種の皮膜を設けることが
必要である。
ょう体として、鋼等の金属製きょう体に比べて成形性、
耐食性、軽量性、外観等の多くの点で優れる各種樹脂製
のきょう体が多用されている。しかし、金属製きょう体
はそれ自体が優れた電磁波シールド効果を持つのに対し
て、樹脂製きょう体はそれ自体では電磁波シールド効果
が無いため、きょう体の構成基体である樹脂部分の表面
に電磁波シールド性を有する各種の皮膜を設けることが
必要である。
【0003】
【従来の技術】従来、このような電子機器用きょう体の
樹脂基体表面に電磁波シールド用皮膜を形成する方法と
しては、亜鉛溶射、導電塗装、無電解ニッケルメッキ、
アルミニウム蒸着等が行われている。一方、主として個
人用に用いられる携帯型の電子機器がこの数年で急激に
増加し、外観上および低価格化の要請が強くなるのに伴
い、きょう体の外部表面は被覆せずに樹脂面をそのまま
残し、きょう体の内部表面のみに電磁波シールド用皮膜
を形成することが行われている。
樹脂基体表面に電磁波シールド用皮膜を形成する方法と
しては、亜鉛溶射、導電塗装、無電解ニッケルメッキ、
アルミニウム蒸着等が行われている。一方、主として個
人用に用いられる携帯型の電子機器がこの数年で急激に
増加し、外観上および低価格化の要請が強くなるのに伴
い、きょう体の外部表面は被覆せずに樹脂面をそのまま
残し、きょう体の内部表面のみに電磁波シールド用皮膜
を形成することが行われている。
【0004】きょう体の樹脂基体の内部側表面のみに電
磁波シールド皮膜を形成する方法としては、湿式無片面
皮膜メッキ、片面アルミニウム蒸着および導電塗装が考
えられる。しかしこれらの方法はいずれも次の点で欠点
がある。すなわち(1)湿式片面皮膜メッキは、メッキ
触媒として粘度の低いプライマを塗布後無電解メッキを
行うため、プライマ用マスク治具の作成が煩雑且つ困難
であり、製造コストが高くなり、(2)片面アルミニウ
ム蒸着は、密着性および耐食性が低い上に表面酸化によ
る抵抗増加が大きいために信頼性が乏しく、(3)導電
塗装は、そもそもシールド性能が低いので片面のみでは
十分なシールド効果は得られない。
磁波シールド皮膜を形成する方法としては、湿式無片面
皮膜メッキ、片面アルミニウム蒸着および導電塗装が考
えられる。しかしこれらの方法はいずれも次の点で欠点
がある。すなわち(1)湿式片面皮膜メッキは、メッキ
触媒として粘度の低いプライマを塗布後無電解メッキを
行うため、プライマ用マスク治具の作成が煩雑且つ困難
であり、製造コストが高くなり、(2)片面アルミニウ
ム蒸着は、密着性および耐食性が低い上に表面酸化によ
る抵抗増加が大きいために信頼性が乏しく、(3)導電
塗装は、そもそもシールド性能が低いので片面のみでは
十分なシールド効果は得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
欠点を解消し、コストを低く抑えながら安定してシール
ド効果が得られる電磁波シールド用皮膜を樹脂製きょう
体基体表面に形成した電子機器用きょう体およびその製
造方法を提供することを目的とする。
欠点を解消し、コストを低く抑えながら安定してシール
ド効果が得られる電磁波シールド用皮膜を樹脂製きょう
体基体表面に形成した電子機器用きょう体およびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は本発明によ
れば、電子機器を内部に収容するためのきょう体におい
て、樹脂製のきょう体基体の該内部側表面または両面
に、乾式法により形成された実質的に銅から成る下層
と、乾式法により形成され該銅の下層を腐食から保護す
る耐食性金属または合金から成る上層とから成る電磁波
シールド用皮膜を設けたことを特徴とする電子機器用き
ょう体によって達成される。
れば、電子機器を内部に収容するためのきょう体におい
て、樹脂製のきょう体基体の該内部側表面または両面
に、乾式法により形成された実質的に銅から成る下層
と、乾式法により形成され該銅の下層を腐食から保護す
る耐食性金属または合金から成る上層とから成る電磁波
シールド用皮膜を設けたことを特徴とする電子機器用き
ょう体によって達成される。
【0007】また本発明の電子機器用きょう体を製造す
る方法は、電子機器を内部に収容するためのきょう体を
製造する方法において、樹脂製のきょう体基体の該内部
側表面または両面に、実質的に銅から成る下層を乾式法
により形成した後、この下層上に、この下層を腐食から
保護する耐食性金属または合金から成る上層を乾式法に
より形成することにより、これら下層および上層から成
る電磁波シールド用皮膜を形成する工程を含むことを特
徴とする。
る方法は、電子機器を内部に収容するためのきょう体を
製造する方法において、樹脂製のきょう体基体の該内部
側表面または両面に、実質的に銅から成る下層を乾式法
により形成した後、この下層上に、この下層を腐食から
保護する耐食性金属または合金から成る上層を乾式法に
より形成することにより、これら下層および上層から成
る電磁波シールド用皮膜を形成する工程を含むことを特
徴とする。
【0008】
【作用】本発明の電子機器用きょう体は、電磁波シール
ド用皮膜を乾式法、特にイオンプレーティングにより、
実質的に銅から成る下層とこれを腐食から保護する上層
とから成る2層構造として形成することにより、従来の
アルミニウム蒸着では不可避的に存在した皮膜内部のピ
ンホールを著しく少なくすることができ、優れた耐食性
および密着性が得られ、安定した電磁波シールド効果が
確保される。
ド用皮膜を乾式法、特にイオンプレーティングにより、
実質的に銅から成る下層とこれを腐食から保護する上層
とから成る2層構造として形成することにより、従来の
アルミニウム蒸着では不可避的に存在した皮膜内部のピ
ンホールを著しく少なくすることができ、優れた耐食性
および密着性が得られ、安定した電磁波シールド効果が
確保される。
【0009】本発明の電磁波シールド用皮膜は、下層お
よび上層共にイオンプレーティングにより形成すること
が、製造コスト上からも膜密度および密着性の観点から
も最も望ましい。ただし、イオンプレーティングのみに
限定する必要はなく、真空蒸着法等の他の乾式法にによ
り形成することもできる。本発明の電磁波シールド用皮
膜の上層は、異種の耐食性金属または合金から成る複数
の層から構成してもよい。これにより上記耐食・密着効
果を更に高めることができる。
よび上層共にイオンプレーティングにより形成すること
が、製造コスト上からも膜密度および密着性の観点から
も最も望ましい。ただし、イオンプレーティングのみに
限定する必要はなく、真空蒸着法等の他の乾式法にによ
り形成することもできる。本発明の電磁波シールド用皮
膜の上層は、異種の耐食性金属または合金から成る複数
の層から構成してもよい。これにより上記耐食・密着効
果を更に高めることができる。
【0010】上層の材質は、銅下層を腐食から保護し得
る耐食性金属または合金であればよいが、銅下層による
電磁波シールド作用の補助としての電磁波シールド性を
有するものが望ましく、必要なシールド周波数特性を持
った磁性材料や導電性の良い金属としてニッケル、錫、
パーマロイ、ミューメタル、金および銀等が特に望まし
い。
る耐食性金属または合金であればよいが、銅下層による
電磁波シールド作用の補助としての電磁波シールド性を
有するものが望ましく、必要なシールド周波数特性を持
った磁性材料や導電性の良い金属としてニッケル、錫、
パーマロイ、ミューメタル、金および銀等が特に望まし
い。
【0011】以下に、添付図面を参照して、実施例によ
り本発明を更に詳細に説明する。
り本発明を更に詳細に説明する。
【0012】
【実施例】本発明の電磁波シールド用皮膜を形成する典
型的な手順は、先ず樹脂基体の表面をプラズマエッチン
グにより洗浄し、その上にイオンプレーティングにより
銅の下層を例えば0.1μm以上の厚さに形成した後、
この銅下層上にニッケル等の耐食且つシールド用金属ま
たは合金の上層をイオンプレーティングにより形成す
る。上層の厚さは必要な耐食性および皮膜全体としての
シールド性能に応じて設定すればよい。銅下層を1μm
程度とした場合、上層の厚さは0.2〜0.3μm程度
とすれば通常は十分である。 〔実施例1〕本発明に従って、樹脂基体表面に電磁波シ
ールド用シールド皮膜を形成して電子機器用きょう体を
作製した。図1に、作製したきょう体の内部側表面付近
の断面構造を示す。
型的な手順は、先ず樹脂基体の表面をプラズマエッチン
グにより洗浄し、その上にイオンプレーティングにより
銅の下層を例えば0.1μm以上の厚さに形成した後、
この銅下層上にニッケル等の耐食且つシールド用金属ま
たは合金の上層をイオンプレーティングにより形成す
る。上層の厚さは必要な耐食性および皮膜全体としての
シールド性能に応じて設定すればよい。銅下層を1μm
程度とした場合、上層の厚さは0.2〜0.3μm程度
とすれば通常は十分である。 〔実施例1〕本発明に従って、樹脂基体表面に電磁波シ
ールド用シールド皮膜を形成して電子機器用きょう体を
作製した。図1に、作製したきょう体の内部側表面付近
の断面構造を示す。
【0013】図1のきょう体は下記手順により作製し
た。すなわち、必要なきょう体形状に成形されたPC/
ABS樹脂基体1の表面をプラズマエッチングにより洗
浄した後、イオンプレーティングにより内部側表面のみ
に銅の下層2を厚さ1μmに形成し、次にこの銅下層2
の上にイオンプレーティングによりニッケルの上層3を
厚さ0.25μmに形成した。これにより銅下層2とニ
ッケル上層3とから成る電磁波シールド用皮膜4が形成
された。
た。すなわち、必要なきょう体形状に成形されたPC/
ABS樹脂基体1の表面をプラズマエッチングにより洗
浄した後、イオンプレーティングにより内部側表面のみ
に銅の下層2を厚さ1μmに形成し、次にこの銅下層2
の上にイオンプレーティングによりニッケルの上層3を
厚さ0.25μmに形成した。これにより銅下層2とニ
ッケル上層3とから成る電磁波シールド用皮膜4が形成
された。
【0014】銅下層2およびニッケル上層3を形成する
際には、特性試験用の試料(PC/ABS樹脂板:厚さ
3mm×幅80mm×長さ125mm)も一緒にしてイ
オンプレーティングを行った。 〔実施例2〕実施例1と同様にして、図1に示す皮膜構
造の本発明による電子機器用きょう体を作製した。但
し、上層3としてはニッケルの代わりに錫の層3を厚さ
0.25μmに形成した。 〔実施例3〕実施例1と同様にして、図1に示す皮膜構
造の本発明による電子機器用きょう体を作製した。但
し、上層としてはニッケルの代わりにパーマロイの層3
を厚さ0.25μmに形成した。 〔比較例〕比較のため、同じ樹脂基体表面にアルミニウ
ム蒸着による電磁波シールド用皮膜を形成したきょう体
を作製した。図2に、作製したきょう体の内部側表面付
近の断面構造を示す。
際には、特性試験用の試料(PC/ABS樹脂板:厚さ
3mm×幅80mm×長さ125mm)も一緒にしてイ
オンプレーティングを行った。 〔実施例2〕実施例1と同様にして、図1に示す皮膜構
造の本発明による電子機器用きょう体を作製した。但
し、上層3としてはニッケルの代わりに錫の層3を厚さ
0.25μmに形成した。 〔実施例3〕実施例1と同様にして、図1に示す皮膜構
造の本発明による電子機器用きょう体を作製した。但
し、上層としてはニッケルの代わりにパーマロイの層3
を厚さ0.25μmに形成した。 〔比較例〕比較のため、同じ樹脂基体表面にアルミニウ
ム蒸着による電磁波シールド用皮膜を形成したきょう体
を作製した。図2に、作製したきょう体の内部側表面付
近の断面構造を示す。
【0015】図2のきょう体は下記手順により作製し
た。すなわち、実施例1と同様の洗浄済PC/ABS樹
脂基体1上に蒸着によりアルミニウムの層5を厚さ2.
5μmに形成した。この蒸着は、実施例1と同様の特性
試験用試料も一緒にして行った。実施例1〜3および比
較例において作製された本発明および従来法によるきょ
う体について、上記各試料を用いて温湿度10サイクル
試験(MIL試験規格による)を実施し、耐食性、密着
性、抵抗値を評価した。試験結果を表1にまとめて示
す。
た。すなわち、実施例1と同様の洗浄済PC/ABS樹
脂基体1上に蒸着によりアルミニウムの層5を厚さ2.
5μmに形成した。この蒸着は、実施例1と同様の特性
試験用試料も一緒にして行った。実施例1〜3および比
較例において作製された本発明および従来法によるきょ
う体について、上記各試料を用いて温湿度10サイクル
試験(MIL試験規格による)を実施し、耐食性、密着
性、抵抗値を評価した。試験結果を表1にまとめて示
す。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示したように、従来のアルミニウム
蒸着による皮膜は、ピンホールが多いため、温湿度10
サイクル試験において、数サイクル程度で皮膜が変色し
始め、表面抵抗は初期値より2〜10倍以上に増加し、
テープピール試験で剥離してしまい良好な密着性および
耐食性が得られない状態であった。これに対して本発明
のイオンプレーティングにより銅下層と耐食性上層から
成る2層構造にした皮膜は、ピンホールが著しく少なく
なり、温湿度10サイクル試験において、下層の銅によ
り表面抵抗が低く、テープピール試験でも全く剥離する
ことがなく良好な密着性および耐食性が得られる状態で
あった。
蒸着による皮膜は、ピンホールが多いため、温湿度10
サイクル試験において、数サイクル程度で皮膜が変色し
始め、表面抵抗は初期値より2〜10倍以上に増加し、
テープピール試験で剥離してしまい良好な密着性および
耐食性が得られない状態であった。これに対して本発明
のイオンプレーティングにより銅下層と耐食性上層から
成る2層構造にした皮膜は、ピンホールが著しく少なく
なり、温湿度10サイクル試験において、下層の銅によ
り表面抵抗が低く、テープピール試験でも全く剥離する
ことがなく良好な密着性および耐食性が得られる状態で
あった。
【0018】また、本発明の電磁波シールド用皮膜は、
通常のイオンプレーティングにより形成することができ
るので、両面無電解ニッケルメッキ等と比較してもむし
ろコスト上有利である。上記実施例においては、従来技
術に対して特に有利な場合として、きょう体内面にのみ
電磁波シールド皮膜を被覆する例を説明したが、本発明
はきょう体内面のみに限定する必要はなく、きょう体の
内部・外部両面に適用できることは当業者に容易に理解
されるはずである。
通常のイオンプレーティングにより形成することができ
るので、両面無電解ニッケルメッキ等と比較してもむし
ろコスト上有利である。上記実施例においては、従来技
術に対して特に有利な場合として、きょう体内面にのみ
電磁波シールド皮膜を被覆する例を説明したが、本発明
はきょう体内面のみに限定する必要はなく、きょう体の
内部・外部両面に適用できることは当業者に容易に理解
されるはずである。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
樹脂製きょう体基体表面に、表面抵抗が低く、良好な密
着性および耐食性を有し、コストを低く抑えながら安定
してシールド効果が得られる電磁波シールド用皮膜を具
備した電子機器用きょう体が得られる。
樹脂製きょう体基体表面に、表面抵抗が低く、良好な密
着性および耐食性を有し、コストを低く抑えながら安定
してシールド効果が得られる電磁波シールド用皮膜を具
備した電子機器用きょう体が得られる。
【図1】イオンプレーティングにより2層構造の電磁波
シールド用皮膜を形成した本発明の電子機器用きょう体
の内部側表面付近を示す断面図である。
シールド用皮膜を形成した本発明の電子機器用きょう体
の内部側表面付近を示す断面図である。
【図2】蒸着により単層構造の電磁波シールド用皮膜を
形成した従来の電子機器用きょう体の内部側表面付近を
示す断面図である。
形成した従来の電子機器用きょう体の内部側表面付近を
示す断面図である。
1…PC/ABS樹脂基体 2…イオンプレーティングによる銅下層 3…イオンプレーティングによるニッケル、錫、または
パーマロイ等の上層 4…下層2と上層3から成る2層構造の本発明の電磁波
シールド用皮膜 5…アルミニウム蒸着層単層から成る従来の電磁波シー
ルド用皮膜
パーマロイ等の上層 4…下層2と上層3から成る2層構造の本発明の電磁波
シールド用皮膜 5…アルミニウム蒸着層単層から成る従来の電磁波シー
ルド用皮膜
Claims (8)
- 【請求項1】 電子機器を内部に収容するためのきょう
体において、樹脂製のきょう体基体の該内部側表面また
は両面に、乾式法により形成された実質的に銅から成る
下層と、乾式法により形成され該銅の下層を腐食から保
護する耐食性金属または合金から成る上層とから成る電
磁波シールド用皮膜を設けたことを特徴とする電子機器
用きょう体。 - 【請求項2】 前記下層および上層がイオンプレーティ
ングにより形成されていることを特徴とする請求項1に
記載の電子機器用きょう体。 - 【請求項3】 前記上層が異種の耐食性金属または合金
から成る複数の層から成ることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の電子機器用きょう体。 - 【請求項4】 前記上層が、ニッケル、錫、パーマロ
イ、ミューメタル、金および銀から成る群から選択され
た耐食性金属または合金から成る層を含むことを特徴と
する請求項1から3までのいずれか1項に記載の電子機
器用きょう体。 - 【請求項5】 電子機器を内部に収容するためのきょう
体を製造する方法において、樹脂製のきょう体基体の該
内部側表面または両面に、実質的に銅から成る下層を乾
式法により形成した後、該下層上に、該銅の下層を腐食
から保護する耐食性金属または合金から成る上層を乾式
法により形成することにより、該下層および上層から成
る電磁波シールド用皮膜を形成する工程を含むことを特
徴とする電子機器用きょう体の製造方法。 - 【請求項6】 前記下層および上層をイオンプレーティ
ングにより形成することを特徴とする請求項5に記載の
電子機器用きょう体の製造方法。 - 【請求項7】 前記下層上に、異種の耐食性金属または
合金から成る複数の層を形成して前記上層とすることを
特徴とする請求項5または6に記載の電子機器用きょう
体の製造方法。 - 【請求項8】 前記上層を構成する少なくとも一層を、
ニッケル、錫、パーマロイ、ミューメタル、金および銀
から成る群から選択された耐食性金属または合金から成
る層として形成することを特徴とする請求項5から7ま
でのいずれか1項に記載の電子機器用きょう体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32195492A JPH06177571A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 電子機器用きょう体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32195492A JPH06177571A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 電子機器用きょう体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06177571A true JPH06177571A (ja) | 1994-06-24 |
Family
ID=18138287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32195492A Pending JPH06177571A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 電子機器用きょう体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06177571A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11121961A (ja) * | 1997-10-13 | 1999-04-30 | Etsumi Kogaku:Kk | 電磁波シールド成形品 |
JP2000216591A (ja) * | 1999-01-25 | 2000-08-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | シ―ルド材 |
WO2004032590A1 (ja) * | 2002-10-01 | 2004-04-15 | Fcm Co., Ltd. | シールド層を形成した電磁波シールド材 |
JP2009172904A (ja) * | 2008-01-25 | 2009-08-06 | Nikon Corp | 筐体、電気機器及びカメラ |
-
1992
- 1992-12-01 JP JP32195492A patent/JPH06177571A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11121961A (ja) * | 1997-10-13 | 1999-04-30 | Etsumi Kogaku:Kk | 電磁波シールド成形品 |
JP2000216591A (ja) * | 1999-01-25 | 2000-08-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | シ―ルド材 |
WO2004032590A1 (ja) * | 2002-10-01 | 2004-04-15 | Fcm Co., Ltd. | シールド層を形成した電磁波シールド材 |
JP2009172904A (ja) * | 2008-01-25 | 2009-08-06 | Nikon Corp | 筐体、電気機器及びカメラ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010731 |