JPH0617689B2 - 摺動部材用組成物 - Google Patents

摺動部材用組成物

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JPH0617689B2
JPH0617689B2 JP61281902A JP28190286A JPH0617689B2 JP H0617689 B2 JPH0617689 B2 JP H0617689B2 JP 61281902 A JP61281902 A JP 61281902A JP 28190286 A JP28190286 A JP 28190286A JP H0617689 B2 JPH0617689 B2 JP H0617689B2
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英二 佐藤
博 須田
勝 岩倉
隆 前田
忠明 高瀬
剛 古城戸
俊幸 西尾
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性が要求される箇所に使用されて好適な
摺動部材用組成物に関するものである。
本発明において、「摺動部材」とは諸種の機械において
荷重と滑りとを受ける箇所に使用される軸受ブッシュ、
すべり板、あるいは荷重と滑りとに加えて密封機能をも
要求される、例えば自動車排気管の球面管継手に使用さ
れるシールリングなどを含むものである。
〔従来の技術〕
従来、この種類の摺動部材としては、金属材料や、黒鉛
その他のセラミックからなる非金属材料や、サーメット
などの複合材料や、更には、四ふっ化エチレン樹脂(P
TFE)や、ポリイミド樹脂などの耐熱プラスチック材
料などが知られている。
これらは、いずれも、耐熱性を有しているが、乾燥摩擦
条件の下においては、摩擦や摩耗に問題があったり、機
械的強度、特に、衝撃強度に難点があったり、相手材と
なじみ性が必ずしも良好でないなどの問題が残されてい
る。
既に、これらの問題を解決するために、例えば、米国特
許第113773号明細書や、特公昭44−23966
号公報に開示されているように、黒鉛を特殊処理して得
られる膨張黒鉛を補強材(金属繊維など)と共に造形し
た摺動部材が開発されているが、このものは、耐熱性を
有し、相手材とのなじみ性にすぐれている反面、乾燥摩
擦における摺動時に往々にして異常音を発生するという
欠点がある。
この他に、雲母や石綿などの耐熱材料を、同様に、補強
材と共に造形した摺動部材も知られているが、これらに
ついても同様の問題がある。
また特開昭57−33267号公報には、グラファイト
と金属繊維綿との混合物をプレス成形によって形成した
摺動部材が開示されているが、このものもまた乾燥摩擦
における摺動時に往々にして異常音を発生するという欠
点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この異常音の発生原因について、本発明者らはあらゆる
角度から実験を行った結果、次のことを見出した。
すなわち、この種の摺動部材において、該部材を構成す
る補強材としての金属繊維が摺動面に微細な摩耗粉とし
て堆積し、この摩耗粉が高温で酸化されて酸化物となっ
て摺動面に介在し、摺動面においてアブレッシブに作用
して摩擦摩耗特性を著しく阻害するとともに異常音の発
生を惹起するということである。また、乾燥摩擦条件下
では相手材表面への固体潤滑被膜の造膜性の良否が摩擦
摩耗特性に多大な影響を与えることも見出した。
本発明は、摺動面に油あるいはワックスなどの潤滑油剤
の適用が困難な用途、例えば、常温から高温(300℃
以上)までの広い温度範囲にわたって乾燥摩擦条件の下
において使用するのに適し、上記の条件の下における使
用の際に、摩擦摩耗特性に優れ、異常音の発生のない摺
動部材用組成物を得ることを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上述した目的を達成するべく次の技術的手段
(構成)を採る。
すなわち、鉄または鉄を主成分とする鉄合金から成るワ
イヤー、ファイバー、ウール、リボン、箔のチヨップあ
るいは粉末から選択される補強材40〜80重量%と炭酸カ
ルシウムおよびあるいは酸化ホウ素粉末2〜30重量%と
フェノール樹脂結合剤3〜15重量%と残部固体潤滑剤粉
末とを混合した混合粉末から成る摺動部材用組成物であ
る。
上述した構成において、主成分をなす固体潤滑剤として
は、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステンなど
が使用され、組成物中に10〜35重量%の割合で混合
される。
補強材としての金属製ワイヤー、ファイバー、ウール、
リボン、箔のチヨップおよび粉末は、鉄又は鉄を主成分
とする鉄合金、例えば鉄鋼、ステンレス鋼が使用される
が、これに銅又は銅を主成分とする銅合金、例えば青
銅、リン青銅、鉛青銅、黄銅、アルミ青銅などを混合し
た混合物として使用することもできる。
補強材としてのワイヤー、ファイバーおよびウールのチ
ヨップは、直径20〜200μ、長さ100μ〜10m
m、リボン及び箔のチヨップは、一辺が100μ〜3mm
の略方形状、金属粉末は40〜400メッシュのものが
使用される。
これら補強材は組成物中に40〜80重量%、好ましく
は50〜70重量%の割合で混合される。40重量%以
下では補強材としての効果が乏しく、使用中に割れや形
崩れを生じやすく、また80重量%以上では摺動面に露
出する割合が多くなり主成分をなす固体潤滑剤の潤滑効
果を低下させる。
組成物中の炭酸カルシウム(CaCo)およびあるい
は酸化ホウ素(B)粉末はそれ自体何らの潤滑性
を示さないが、固体潤滑剤および補強材に混合されて該
固体潤滑剤の相手材への被膜の造膜性を助長し、摺動部
材の摩擦摩耗特性を向上させるとともに摩擦によって生
じる補強材の金属摩耗粉の酸化を防止し、該摩耗粉の酸
化に起因する該酸化摩耗粉のアブレッシブな作用を抑制
するという極めて重要な効果を発揮するものである。こ
の摩擦摩耗特性の向上および酸化摩耗粉のアブレッシブ
な作用を抑制するという働きは、摩擦における異常音を
防止するという効果につながるものである。これらはそ
れぞれ単独で又は混合物として組成物中に混合すること
ができ、組成物中に2〜30重量%、好ましくは5〜2
0重量%の割合で混合される。2重量%以下では上記し
た効果が現れず、また30重量%以上では主成分をなす
固体潤滑剤の潤滑効果を低下させる。
合成樹脂結合剤としては、フェノール樹脂が使用され、
組成物中に3〜15重量%、好ましくは7〜10重量%
の割合で混合される。
つぎに、上述した摺動部材用組成物の適用方法について
以下に述べる。
第1の適用方法は、上記摺動部材用組成物を所望の形状
を有する金型中に充填し、プレス成形して所望の形状を
有する摺動部材とするものである。
また、第2の適用方法は、摺動母材の表面(摺動面)に
すべり層として適用するものである。
すなわち、膨張黒鉛、雲母、石綿などの耐熱材料を金属
繊維、金属ワイヤー又はこれらを織ったり編んだりして
得られる金網からなる補強材料と一体となるように造形
して得られる摺動母材の表面(摺動面)に上記摺動部材
用組成物を一様に被着形成させて摺動部材とするもので
ある。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例) 直径100μ、長さ2mmのスチールウールチヨップ60
〜70重量%、炭酸カルシウムおよびあるいは酸化ホウ
素粉末5〜20重量%、フェノール樹脂粉末7重量%、
残部黒鉛をミキサーに投入し混合して摺動部材用組成物
を作成した。
この組成物を金型中に装填し、プレス成形して一辺が2
0mm、厚さ5mmの方形状の予備成形体を作成した。
ついで、この予備成形体を80℃の温度に設定した炉内
に30分間置き予備加熱した後、180℃の温度で2時
間、フェノール樹脂を加熱硬化させたのち炉内から取り
出し、一体となった摺動部材を得た。
このようにして得た摺動部材の成分組成を第1表に示
す。
表中のNo.7は比較例を示すものである。
また、表中の摩擦係数および摩擦量(mm)は下記の条件
で行った試験結果で、摩擦係数は試験開始後1時間後の
値をもって示し、摩擦量は試験開始後20時間後の値を
もって示してある。
(試験条件) 荷重 5kg/cm2 滑り速度 12m/min 雰囲気温度 400℃ 相手材 SUS304 試験 スラスト試験 第2表は、上記した試験片について異常音の発生の有無
を判定した結果を示すものである。
異常音の評価は、以下に示すとおりである。
評価記号 I:通常の摩擦音だけで異常音の発生のない
もの。
評価記号 II:試験片に耳を近づけた状態で、摩擦音の
他にかすかに異常音が聴えるもの。
評価記号 III:定位置(試験片から1.5m離れた位置)
では生活環境音に消され、一般には判別しがたいが試験
担当者には異常音として判別できるもの。
評価記号 IV:定位置で誰でも異常音(不快音)として
識別できるもの。
以上の試験結果から分かるように、本発明の組成物から
なる摺動部材は、比較例(No.7)に対して摩擦量が大幅
に低減されるとともに異常音については試験期間中を通
して極めて良好な評価を有している。
異常音の発生について、摩擦初期(なじみ期間)では本
発明にものと比較例のものとは大差ないが、試験時間の
経過とともに異常音の発生に顕著な差が現れた。
これは、試験時間の経過とともに摩擦面に補強材のスチ
ールの摩耗粉が堆積し、酸化されて酸化摩耗粉となり、
この酸化摩耗粉の摩擦面でのアブレッシブな作用によ
り、とくに耐摩耗性を著しく阻害し、異常音の発生にい
たらしめたものである。試験後、摺動部材の表面を観察
したところ、比較例のものはスチールの酸化により赤茶
色に変色しているのが確認された。
また、相手材の表面は、本発明のものは固体潤滑剤(黒
鉛)の薄い被膜が一様に形成されていたのに対し、比較
例のものは表面に酸化摩耗粉による引っ掻き傷のごとき
損傷が全面にわたって認められた。
第3表は、本発明の組成物を自動車排気管の球面管継手
のシールリングに使用した時における揺動トルクと密封
機能について試験した結果を示すもので、曲率半径30
mmの凸球面部を有するシールリングを一方の管端部に取
りつけ、これに他方の管端部に設けられたステンレス製
の凹球面部とつぎの条件で摺接させた。
押圧力 60kgf 管内ガス圧 0.3kg/cm2 揺動角 ±4° 振動数 20ヘルツ 10万サイクル 雰囲気温度 室温〜400℃(交番) 本発明品は、揺動トルクにおいて効果が現れており、密
封機能においても、ほぼ同程度か、やや向上が見られ
る。
また、この試験においても、比較品(No.7)は試験開始
直後から試験時間中を通して異常音の発生があったが、
本発明品のNo.2、No4については試験開始直後に若干の
異常音の発生が認められたもののその後は全く認められ
ず、No.6については異常音の発生は全く認められなかっ
た。
〔効果〕 上述した本発明の摺動部材用組成物は、以下の特有の効
果を有する。
本発明の摺動部材用組成物から構成された摺動部材
は、成分中の炭酸カルシウムおよびあるいは酸化ホウ素
が摺動部材と相手材との摺接において、成分中の固体潤
滑剤の相手材表面への潤滑被膜の造膜性を助長する作用
をなし、結果として該摺動部材の摩擦摩耗特性を向上さ
せる。
成分中の炭酸カルシウムおよびあるいは酸化ホウ素は
摩擦によって生じる成分中の補強材の金属摩耗粉の酸化
を防止し、該摩耗粉の酸化に起因する摺動面での酸化摩
耗粉のアブレッシブな作用を抑制する作用を発揮するた
め、酸化摩耗粉のアブレッシブな作用に起因する摺動面
間における異常音の発生は防止される。
本発明の摺動部材用組成物から構成された摺動部材は
上記効果に加えて密封機能をも有しているので、とくに
自動車用排気管継手におけるシール材として使用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 俊幸 神奈川県藤沢市石川1632 オイレス工業株 式会社藤沢寮 審判の合議体 審判長 横田 和男 審判官 西村 敏彦 審判官 石井 淑久 (56)参考文献 特開 昭58−34230(JP,A) 特開 昭59−231212(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄または鉄を主成分とする鉄合金から成る
    ワイヤー、ファイバー、ウール、リボン、箔のチョップ
    あるいは粉末から選択される補強材40〜80重量%と炭酸
    カルシウムおよびあるいは酸化ホウ素粉末2〜30重量%
    とフェノール樹脂結合剤3〜15重量%と残部固体潤滑剤
    粉末とを混合した混合粉末から成る摺動部材用組成物。
JP61281902A 1986-11-28 1986-11-28 摺動部材用組成物 Expired - Lifetime JPH0617689B2 (ja)

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GB2234560B (en) * 1989-08-04 1993-08-18 Glacier Metal Co Ltd A magnetic bearing shaft assembly having a bearing to support the shaft in the event of failure of the magnetic bearing
US5958847A (en) * 1997-12-19 1999-09-28 United Technologies Corporation Environmentally compatible solid film lubricant

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