JPS63186033A

JPS63186033A - 摺動部材

Info

Publication number: JPS63186033A
Application number: JP1732087A
Authority: JP
Inventors: Tadaaki Takase; 高瀬　忠明; Eiji Sato; 英二佐藤; Hiroshi Suda; 博須田; Masaru Iwakura; 岩倉　勝; Takashi Maeda; 隆前田; Takeshi Furukido; 剛古城戸; Toshiyuki Nishio; 俊幸西尾; Kazuo Hirai; 一夫平井; Kazutsugu Kashima; 鹿島　和嗣
Original assignee: Oiles Industry Co Ltd
Current assignee: Oiles Industry Co Ltd
Priority date: 1987-01-29
Filing date: 1987-01-29
Publication date: 1988-08-01

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、耐熱性が要求される箇所に使用されて好適な
摺動部材に関するものである。

本発明において、「摺動部材」とは諸種の機械において
荷重と滑りとを受ける箇所に使用される軸受ブツシュ、
滑り板、あるいは荷重と滑りとに加えて密封機能をも要
求される、例えば自動車排気管の球面管継手に使用され
るシールリングなどを含むものである。

〔従来の技術〕

従来、この種類の摺動部材としては、金属材料や、黒鉛
その他のセラミックからなる非金属材料や、サーメット
などの複合材料や、更には四ふっ化エチレン樹脂（Ｐ　
Ｔ　Ｆ　Ｅ）や、ポリイミド樹脂などの耐熱プラスチッ
ク材料などが知られている。これらは、いずれも耐熱性
を有しているが、乾燥摩擦条件の下においては、摩擦や
摩耗に問題があったり、機械的強度、とくに衝撃強度に
２難点があったり、相手材となじみ性が必ずしも良好で
ないなどの問題が残されている。

既に、これらの問題を解決するために、例えば米国特許
第１１３７７３号明細書や、特公昭４４−２３９６６号
公報に開示されているように、黒鉛を特殊処理して得ら
れる膨張黒鉛を補強材（金属繊維など）と共に造形した
摺動部材が開発されているが、このものは、耐熱性を有
し、相手材とのなじみ性にすぐれている反面、乾燥摩擦
における摺動時に往々にして異常音を発生するという欠
点がある。

この他に、雲母や石綿などの耐熱材料を、同様に、補強
材と共に造形した摺動部材も知られているが、これらに
ついても同様の問題がある。

また、特開昭５７−３３２６７号公報には、グラフアト
と金属繊維との混合物をプレス成形によって形成した摺
動部材が開示されているが、このものもまた乾燥摩擦に
おける摺動時に往々にして異常音を発生するという欠点
がある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この異常音の発生原因について、本発明者らはあらゆる
角度から実験を行った結果、次ぎのことを見出した。

すなわち、乾燥摩擦条件の下における摺動において、該
部材を構成する補強材としての金属繊維が摺動面に微細
な摩耗粉となって堆積し、この摩耗粉が高温で酸化され
て酸化物となって摺動面に介在し、摺動面においてアブ
レッシプに作用して摩擦摩耗特性を著しく阻害するとと
もに異常音の発生を惹起するということである。また、
乾燥摩擦条件下では相手材表面への固体潤滑被膜の造膜
性の良否が摩擦摩耗特性に多大な影響を与えることも見
出した。

上述した知見に基づき本発明者らは、先に特願昭６１−
２８１９０２号において「黒鉛、二硫化モリブデンなど
の固体潤滑剤を主成分とし、これに金属製のワイヤー、
ファイバー、ウール、リボン、箔のチョップあるいは金
属粉末から選択される補強材と炭酸カルシウムおよびあ
るいは酸化ホウ素粉末および合成樹脂結合剤とを混合し
た混合粉末からなる摺動部材用組成物」　（以下、先行
技術という）を提案した。

上記先行技術の組成物からなる摺動部材は、とくに高温
時の摺動において異常音の発生はなく、前述した従来技
術の問題点を解決するものであったが、摩擦初期の段階
で若干の異常音の発生が認められた。

本発明は、上記先行技術の改良に係わるもので、摩擦摩
耗特性に優れ、とくに摩擦初期における異常音の発生を
防止し、常温から高温までの広い範囲にわたって異常音
の発生のない摺動部材を得ることを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上述した目的を達成するべくつぎの技術的手
段（構成）を採る。

すなわち、少なくとも摺動面は、固体潤滑剤と金属製の
ワイヤー、ファイバー、ウール、リボン、箔のチョップ
あるいは金属粉末から選択される補強材と炭酸カルシウ
ムおよびあるいは酸化ホウ素と潤滑油および合成樹脂結
合剤とが混然一体となった平滑な面に形成されているこ
とを特徴とする摺動部材である。

上述した構成において、固体潤滑剤としては、黒鉛、二
硫化モリブデン、二硫化タングステンなどが使用される
。

補強材としての金属製ワイヤー、ファイバー、ウール、
リボン、箔のチョップおよび金属粉末は、鉄又は鉄を主
成分とする鉄合金、例えば鉄鋼、ステンレス鋼が使用さ
れるが、これに銅又は銅を主成分とする銅合金、例えば
青銅、リン青銅、鉛青銅、黄銅、アルミ青銅などを混合
した混合物として使用することもできる。

補強材としてのワイヤー、ファイバーおよびウールのチ
ョップは、直径２０〜２００μ、長さ１００μ〜１０ｍ
ｍ、リボンおよび箔のチョップは、−辺が１００μ〜３
ｍｍの略方形状、金属粉末は４０〜４００メツシユのも
のが使用される。

これら補強材は４０〜８０重量％、好ましくは５０〜７
０重量％の割合で含まれている。４０重景％以下では、
補強材としての効果が乏しく、使用中に割れや形崩れを
生じやすく、また８０重量％以上では摺動面に露出する
割合が多（なり、相手材の摩擦面に損傷を与えるばかり
でなく固体潤滑剤の潤滑効果を低下させる。

炭酸カルシウム（ＣａＣＯ，）およびあるいは酸化ホウ
素（ＢｚＯ＋）はそれ自体何らの潤滑性を示さないが、
固体潤滑剤および補強材とともに存在することにより、
該固体潤滑剤の相手材への被膜の造膜性を助長し、摺動
部材の摩擦摩耗特性を向上させるとともに摩擦によって
生じる補強材の金属摩耗粉の酸化を防止し、該摩耗粉の
酸化に起因する酸化摩耗粉のアブレッシプな作用を抑制
するという効果を発揮するものである。この摩擦摩耗特
性の向上および酸化摩耗粉のアブレソシブな作用を抑制
するという働きは、とくに相手材との摩擦時間の経過と
ともに顕著に現れ、異常音の発生を防止するという効果
につながるものである。これらはそれぞれ単独で又は混
合物として２〜３０重量％、好ましくは５〜２０重景％
の割合で含有される。

２重量％以下では上記した効果が現れず、また３０重量
％以上では相手材摩擦面への固体潤滑剤被膜の移着量を
増大させ、かえって耐摩耗性を低下させる。

合成樹脂結合剤としては、フェノール樹脂が使用され、
摺動部材中に３〜１５重量％、好ましくは７〜１０重量
％の割合で含有されている。

潤滑油は、とくに摩擦初期の摺動において摺動面に介在
し、摩擦係数を低下させて異常音の発生を防止するとい
う効果を発揮するものである。該潤滑油は前述した各成
分とともに予め混合されて成形されるか、あるいは摺動
部材を形成したのち含油処理して該部材中に含有される
。該潤滑油は摺動部材の高温領域での使用において消失
するが、消失した残渣が摺動部材の摩擦摩耗特性に悪影
響を及ぼすことのないもの、また前記各成分とともに予
め混合されたのち成形する方法において結合剤としての
フェノール樹脂の加熱硬化処理の処理温度によって消失
しない程度の耐熱性を有するものが要求される。このよ
うな要求を満足する潤滑油としては、シリコン油、合成
炭化水素油などが挙げられる。該潤滑油は、摺動部材に
２〜１０重量％の割合で含有される。２重量％以下では
摩擦面に介在する量が少なく摩擦係数の低下に寄与せず
、また１０重量％以上では、とくに予め各成分と混合し
て成形する方法を使用した場合、強度を低下させるとい
う欠点が現れる。

上述した構成からなる摺動部材は、つぎの方法によって
製造される。

第１の方法は、固体潤滑剤と補強材と炭酸カルシウムお
よびあるいは酸化ホウ素と潤滑油および合成樹脂結合剤
をそれぞれ所定量計量し、ミキサーに投入して混合物を
形成したのち、所望の形状を有する金型中に装填し、プ
レス成形して成形体を製造する。ついで、該成形体を所
定の温度に設定された炉内に一定時間保持して該合成樹
脂結合剤を硬化処理させたのち、炉内から取り出し、潤
滑油が含有された摺動部材を得る方法である。

第２の方法は、前記第１の方法で得た混合物を摺動面に
摺動面層として形成させる方法で、まず母材を得るため
に、膨張黒鉛シート、雲母、アスベストなどのシート状
耐熱材料と補強材としての金網とを交互に重合わせて積
み重ねたものを渦巻状に捲回、あるいは金網を袋編みか
らなるものとし、シート状耐熱材料をこの袋状金網の中
に挿入し渦巻状に捲回して筒状母材を形成する。前記第
１の方法で得た混合物を別途に用意したシート状耐熱材
料の一方の面上に散布しロール掛けして一方の面に該混
合物を被着した複合シートを形成する。この複合シート
の混合物被着面を内側もしくは外側にして捲回し、筒状
体を形成する。この筒状体を前記筒状母材の内側もしく
は外側に位置させて筒状母材の軸方向から圧縮し、金網
を変形させて眉間の金網の絡み合いを生じさせることに
よって該母材の内側もしくは外側に該混合物の被着面を
備えた所望の形状・寸法を有する成形物を得る。このよ
うにして得た成形物を所定の温度に設定された炉内に所
定時間置き、合成樹脂結合剤を　　゛加熱硬化させて摺
動面に前記混合物からなる摺動面層を有する摺動部材を
得る方法である。

第３の方法は、前記第１の方法において潤滑油を除く各
成分を所定量計量し、ミキサーに投入して混合物を形成
したのち、該混合物を所望の形状を有する金型中に装填
し、プレス成形して成形体を製造する。ついで、該成形
体を所定の温度に設定された炉内に一定時間保持して該
合成樹脂結合剤を硬化処理させたのち、炉内から取り出
す。このようにして得られた成形体を油槽中に浸漬して
含油処理を施し、潤滑油が含有された摺動部材を得る方
法である。また、第４の方法は、前記第３の方法で得た
混合物をシート状耐熱材料の一方の面に被着して複合シ
ートを形成するほかは前記第２の方法と同様の方法で成
形物を形成する。合成樹脂結合剤を加熱硬化させたのち
、成形体を油槽中に浸漬して含油処理を施し、摺動面に
潤滑油を含有した前記混合物からなる摺動面層を有する
摺動部材を得る方法である。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例について説明する。

（実施例：■）直径１００μ、長さ２ｍｍのスチールウール・チョップ
６０重量％、炭酸カルシウムおよびあるいは酸化ホウ素
粉末５〜１０重量％、シリコン油５重量％、フェノール
樹脂粉末７重量％、残部黒鉛をミキサーに投入し混合し
て混合物を得た。

この混合物を金型中に装填し、プレス成形して一辺が２
Ｏｎ＋ｎ＋、厚さ５ＩＩＩＩＩ＋の方形状成形体を作成
した。ついで、この成形体を８０℃の温度に設定した炉
内に３０分分間−て予備加熱したのち、炉内の温度を１
８０℃に上げて該温度で２時間、フェノール樹脂を加熱
硬化させ、炉内から取り出して摺動部材を得た。

（実施例：■）直径ｔｏｏμ、長さ２■のスチールウール・チョップ６
０重量％、炭酸カルシウムおよびあるいは酸化ホウ素粉
束５〜２０重量％、フェノール樹脂粉末７重量％、残部
黒鉛をミキサーに投入し混合して混合物を得た。

この混合物を金型中に装填し、プレス成形して一辺が２
０ｍｍ、厚さ５ｍｍの方形状成形体を作成した。

ついで、この成形体を８０℃の温度に設定した炉内に３
０分分間−て予備加熱したのち、炉内の温度を１８０℃
に上げて該温度で２時間、フェノール樹脂を加熱硬化さ
せ、炉内から取り出した。

炉から取り出した加温された状態の成形体をシリコン油
槽中に１５分間浸漬して含油処理を行った。このように
して得た摺動部材中には、７重量部（６，５重量２）の
シリコン油が含有されていた。

（比較例：　（先行技術））直径１００μ、長さ２ｍｍのスチールウール・チョップ
６０重量％、炭酸カルシウムあるいは酸化ホウ素粉束５
型景％、フェノール樹脂粉末７重量％、残部黒鉛をミキ
サーに投入し混合して混合物を得た。

ついで、この成形体を８０℃の温度に設定した炉内に３
０分分間−て予備加熱したのち、炉内の温度を１８０℃
に上げて該温度で２時間、フェノール樹脂を加熱硬化さ
せ、炉内から取り出して摺動部材を得た。

上述した実施例および比較例からなる摺動部材の成分組
成（重量％）および摩擦摩耗特性を試験した結果を第１
表に示す。

（以下余白）表中、Ｎｏ、１ＳＮｏ、２、Ｎｏ、３は実施例：　Ｉ　
、Ｎｏ、４、Ｎ。

、５、Ｎ０９６は実施例：■、Ｎｏ、７、Ｎｏ、８は比
較例を示すものである。

また、表中の摩擦係数および摩耗量は下記の条件で行っ
た試験結果で、摩擦係数４は試験　開始後１時間後の値
、摩擦係数′″９は試験開始後１０時間後の値をもって
示し、摩耗量は試験開始後２０時間後の値をもって示し
である。

（試験条件）荷　重：　５　ｋｇ／ｃｍ”　　　すべり速度：　１２
　ｍ／ｍｉｎ雰囲気温度：　常温〜４００℃ 相手材：　５ＵＳ３０４　　　　試験：　スラスト試験
第２表は、上記した各試験片について異常音の発生の有
無を判定した結果を示すものである。

異常音の評価は、以下に示す通りである。

評価記号　Ｉ：通常の摩擦音だけで異常音の発生のない
もの。

評価記号　■：試験片に耳を近づけた状態で、摩擦音の
他にかすかに異常音が聴えるもの。

評価記号　■：定位置（試験片から１．５ｍ離れた位置
）では生活環境音に消されて、一般には判別しがたいが試験担当者には異常音として判別できるもの。

評価記号　■：定位置で誰でも異常音（不快音）として
識別できるもの。

第２表以上の試験結果から分かるように、本発明の摺動部材、
すなわちＮｏ、ｌ、　Ｎｏ、２、Ｎｏ、３、Ｎｏ、４、
Ｎｏ、５、Ｎｏ、６の摺動部材は、異常音については比
較例のＮｏ、７、Ｎｏ、８のものでは達成できなかった
摩擦初期（なじみ期間）においても異常音の発生は認め
られず試験期間中を通して極めて良好な評価を有してい
る。

これは、摺動部材中に含有された潤滑油が相手材との摩
擦面に介在して摩擦初期にその潤滑効果を発揮し、摩擦
係数を大幅に低下させて異常音の発生を防止し、試験時
間の経過とともに摺動部材中の炭酸カルシウムおよびあ
るいは酸化ホウ素の効果により相手材の摩擦面に黒鉛の
潤滑被膜を形成するとともに補強材の摩耗粉の酸化を防
ぎ、摩耗粉のアブレッシブな作用を抑制するという働き
によるものである。

第３表は、本発明の摺動部材を自動車排気管の球面継手
のシールリングに使用した時における揺動トルクと密封
機能について試験した結果を示すもので、前述した実施
例ＩのＮｏ、３および実施例■のＮｏ、６の成分組成か
ら外面に曲率半径３０ｍｍの凸球面部を有するシールリ
ングを作成し、該シールリングを一方の管端部に取りつ
け、これに他方の管端部に設けられたステンレス製の凹
球面部と次ぎの条件で摺接させた。

（試験条件）押圧力　　４０　Ｋｇ揺動角　　±４゜振　動　数　　　　２０ヘルツ雰囲気温度　　　　室温〜４００℃ 試験方法＝２０ヘルツの振動数で±４°の揺動運動を１
回として室温で４５．０００回行ったのち、該運動を′
ｍ続しながら雰囲気温度を４００℃まで昇温しく昇温中の揺動回数４５，０００回）、該雰囲気温度が４００℃
に到達した時点で１５５，０００回の揺動運動を行い、
ついで該運動を継続しながら雰囲気温度を室温まで降温（降温中の揺動回数４５．０００回）するとい
う全揺動回数２ｓｏ　、　ｏｏ。

回を１サイクルとして４サイクル行う。

第３表中の揺動トルクおよびガス漏れの値は各１サイク
ル終了時点で測定した値の平均値であり、ガス漏れは管
内ガス圧０．３ｋｇ／ｃｍ”の条件で測定したものであ
る。

第°　３　表本発明のＮｏ、３、Ｎｏ、６のものは、先行技術のＮｏ
、８のものよりやや向上が認められる。

また、この試験においても、先行技術のＮｏ、８は試験
開始初期（室温）において異常音の発生があったが、本
発明のＮｏ、３、Ｎｏ、６のものは、試験開始から試験
期間中を通して異常音の発生は全く認められなかった。

なお、実施例では前記第１の方法および第３の方法で形
成した摺動部材について述べたが、第２の方法および第
４の方法で形成した摺動部材においても同様の性能を発
揮する。

〔効　果〕

以上述べたように、本発明の摺動部材は、該部材中に含
まれている潤滑油および炭酸カルシウムおよびあるいは
酸化ホウ素の効果により、常温から高温までの広い範囲
にわたって異常音の発生がなく安定した摺動特性を発揮
する。

また、本発明の摺動部材は上記効果に加えて密封機能を
も有しているので、とくに自動車排気管継手におけるシ
ール体として使用することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

少なくとも摺動面は、固体潤滑剤と金属製のワイヤー、
ファイバー、ウール、リボン、箔のチョップあるいは金
属粉末から選択される補強材と炭酸カルシウムおよびあ
るいは酸化ホウ素と潤滑油および合成樹脂結合剤とが混
然一体となった平滑な面に形成されていることを特徴と
する摺動部材。