JPH08311469A - マイカ−グラファイト系自己潤滑性複合材料 - Google Patents
マイカ−グラファイト系自己潤滑性複合材料Info
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- JPH08311469A JPH08311469A JP11737495A JP11737495A JPH08311469A JP H08311469 A JPH08311469 A JP H08311469A JP 11737495 A JP11737495 A JP 11737495A JP 11737495 A JP11737495 A JP 11737495A JP H08311469 A JPH08311469 A JP H08311469A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 特に低摩擦係数を有し強度に優れたマイカ−
グラファイト系自己潤滑性複合材料を得る。 【構成】 40〜70 vol%のマイカマトリックス中に
固体潤滑成分として30〜60 vol%のグラファイト粒
子と0〜30 vol%の六方晶窒化ホウ素粒子を均一分散
した自己潤滑性複合材料(a)、aのグラファイトと六
方晶窒化ホウ素の粒界に全体の1〜10 vol%の錫、
銅、ニッケル等の前記物質に不活性な金属を分散し、摺
動特性を高めた自己潤滑性複合材料(b)、aの固体潤
滑剤とマイカマトリックスの粒界の一部全部がLiF、
CaO、B2 O3 、SiO2 など1〜4族非遷移金属の
酸化物またはハロゲン化物のガラス相により結合し機械
的特性に優れた自己潤滑性複合材料(c)、並びにbと
cを組合せて摺動特性と機械的特性に優れた自己潤滑性
複合材料。
グラファイト系自己潤滑性複合材料を得る。 【構成】 40〜70 vol%のマイカマトリックス中に
固体潤滑成分として30〜60 vol%のグラファイト粒
子と0〜30 vol%の六方晶窒化ホウ素粒子を均一分散
した自己潤滑性複合材料(a)、aのグラファイトと六
方晶窒化ホウ素の粒界に全体の1〜10 vol%の錫、
銅、ニッケル等の前記物質に不活性な金属を分散し、摺
動特性を高めた自己潤滑性複合材料(b)、aの固体潤
滑剤とマイカマトリックスの粒界の一部全部がLiF、
CaO、B2 O3 、SiO2 など1〜4族非遷移金属の
酸化物またはハロゲン化物のガラス相により結合し機械
的特性に優れた自己潤滑性複合材料(c)、並びにbと
cを組合せて摺動特性と機械的特性に優れた自己潤滑性
複合材料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気中、真空中及び各
種ガス雰囲気中で使用される各種機械の軸受け、ベアリ
ングの保持器等の摺動部材として用いられる自己潤滑性
複合材料に関するものである。
種ガス雰囲気中で使用される各種機械の軸受け、ベアリ
ングの保持器等の摺動部材として用いられる自己潤滑性
複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グラファイトや六方晶窒化ホウ素は固体
潤滑剤として広く使用されている。使用の形態は、多く
の場合摩擦面に粉体のまま塗布したり、油中に分散させ
るなど、不定形の潤滑剤として使用される場合が多い。
近年、これらの固体潤滑剤を、金属(例えば特願平6−
241487号、特願平7−011801号)やセラミ
ックス(例えば特願平5−301773号)マトリック
ス中に均一分散した定形の自己潤滑性複合材料が開発、
実用化されてきた。
潤滑剤として広く使用されている。使用の形態は、多く
の場合摩擦面に粉体のまま塗布したり、油中に分散させ
るなど、不定形の潤滑剤として使用される場合が多い。
近年、これらの固体潤滑剤を、金属(例えば特願平6−
241487号、特願平7−011801号)やセラミ
ックス(例えば特願平5−301773号)マトリック
ス中に均一分散した定形の自己潤滑性複合材料が開発、
実用化されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、グラファイト
や六方晶窒化ホウ素等の固体潤滑剤は難焼結材料であ
り、また焼結や高温での使用の際にマトリックスの元素
と反応して摺動特性を低下させたり、強度が低下する問
題があった。
や六方晶窒化ホウ素等の固体潤滑剤は難焼結材料であ
り、また焼結や高温での使用の際にマトリックスの元素
と反応して摺動特性を低下させたり、強度が低下する問
題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは数々の固体潤
滑剤とマトリックス物質の焼結性及び反応性を調査し、
また焼結体の組成範囲と微細構造と諸特性との関係を研
究した結果、摺動特性と機械的特性の両立した自己潤滑
性複合材料を得るにいたった。
滑剤とマトリックス物質の焼結性及び反応性を調査し、
また焼結体の組成範囲と微細構造と諸特性との関係を研
究した結果、摺動特性と機械的特性の両立した自己潤滑
性複合材料を得るにいたった。
【0005】すなわち、本発明の第一の発明は、30〜
60 vol%のグラファイト層状粒子周囲が1〜30 vol
%薄片状六方晶窒化ホウ素粒子によって包まれた複合固
体潤滑粒子を、40〜70 vol%のマイカマトリックス
中に均一に分散したことを特徴とする自己潤滑性複合材
料である。本材料の組成範囲を示す3元系図を図1に示
す。
60 vol%のグラファイト層状粒子周囲が1〜30 vol
%薄片状六方晶窒化ホウ素粒子によって包まれた複合固
体潤滑粒子を、40〜70 vol%のマイカマトリックス
中に均一に分散したことを特徴とする自己潤滑性複合材
料である。本材料の組成範囲を示す3元系図を図1に示
す。
【0006】グラファイトも六方晶窒化ホウ素も代表的
な固体潤滑剤であるが、ここでグラファイト層状粒子周
囲が薄片状六方晶窒化ホウ素粒子によって包まれた複合
固体潤滑粒子を潤滑成分として用いる理由は次の通りで
ある。グラファイト単一の添加でも用途によって十分な
特性が得られるが、六方晶窒化ホウ素を添加することに
よって、摺動特性及び、高温での耐酸化性を改善するこ
とができる。しかし、六方晶窒化ホウ素は焼結を阻害す
るために、その添加量は30 vol%を超えてはならな
い。グラファイトの添加量を30〜60 vol%としたの
は、これより少ない場合、十分な潤滑性が得られず、ま
たこれを超えた量を添加した場合、潤滑性はほとんど改
善されず、強度の低下が著しくなるためである。
な固体潤滑剤であるが、ここでグラファイト層状粒子周
囲が薄片状六方晶窒化ホウ素粒子によって包まれた複合
固体潤滑粒子を潤滑成分として用いる理由は次の通りで
ある。グラファイト単一の添加でも用途によって十分な
特性が得られるが、六方晶窒化ホウ素を添加することに
よって、摺動特性及び、高温での耐酸化性を改善するこ
とができる。しかし、六方晶窒化ホウ素は焼結を阻害す
るために、その添加量は30 vol%を超えてはならな
い。グラファイトの添加量を30〜60 vol%としたの
は、これより少ない場合、十分な潤滑性が得られず、ま
たこれを超えた量を添加した場合、潤滑性はほとんど改
善されず、強度の低下が著しくなるためである。
【0007】また、マイカをマトリックス材として選択
したのは、固体潤滑剤であるグラファイトや六方晶窒化
ホウ素と反応せず、かつ適度な焼結性を持つためであ
る。マイカの比率を40 vol%以上としたの、これ未満
の量では、マイカが連続したネットワークを組むことが
困難で、焼結体の強度が低下してしまうためであり、ま
た70 vol%以下としたのは、これを超える比率では全
体に占める固体潤滑剤の量が少なすぎて、十分な摺動特
性を得られないためである。
したのは、固体潤滑剤であるグラファイトや六方晶窒化
ホウ素と反応せず、かつ適度な焼結性を持つためであ
る。マイカの比率を40 vol%以上としたの、これ未満
の量では、マイカが連続したネットワークを組むことが
困難で、焼結体の強度が低下してしまうためであり、ま
た70 vol%以下としたのは、これを超える比率では全
体に占める固体潤滑剤の量が少なすぎて、十分な摺動特
性を得られないためである。
【0008】図2に本発明の自己潤滑性複合材料の微細
構造の概念図を示す。グラファイト層状粒子は薄片状六
方晶窒化ホウ素粒子を介して周囲をマイカマトリックス
で囲まれており、ホットプレスの加圧によって扁平に配
向している。これらの図に示すグラファイトの理想的な
大きさは、面方向で5〜100μm、厚み方向で1〜1
0μmである。このような構造を持った複合材料はオイ
ルやグリース等の潤滑剤のない環境で、優れた摺動特性
を示す。
構造の概念図を示す。グラファイト層状粒子は薄片状六
方晶窒化ホウ素粒子を介して周囲をマイカマトリックス
で囲まれており、ホットプレスの加圧によって扁平に配
向している。これらの図に示すグラファイトの理想的な
大きさは、面方向で5〜100μm、厚み方向で1〜1
0μmである。このような構造を持った複合材料はオイ
ルやグリース等の潤滑剤のない環境で、優れた摺動特性
を示す。
【0009】本発明の第二の発明は、前記複合材料のグ
ラファイトと六方晶窒化ホウ素の粒界に、全体の1〜1
0 vol%の錫、銅、ニッケル等の前記物質に不活性な金
属を分散し、摺動特性を高めたことを特徴とする自己潤
滑性複合材料である。グラファイトと六方晶窒化ホウ素
の粒界に挟まれた錫、銅、ニッケル等の金属は、摺動に
伴うせん断力の吸収材となり、特に高速摺動において優
れた特性を発揮する。添加量を1 vol%以上としたの
は、これ未満の添加量では顕著な効果が現れず、また1
0 vol%以下としたのは、これを超えて金属を添加する
と、焼結過程において溶けた金属がしみ出してしまった
り、また焼結体内に金属の粗大な固まりを作る可能性が
あるためである。本材料の微細構造の概念図を図3に示
す。
ラファイトと六方晶窒化ホウ素の粒界に、全体の1〜1
0 vol%の錫、銅、ニッケル等の前記物質に不活性な金
属を分散し、摺動特性を高めたことを特徴とする自己潤
滑性複合材料である。グラファイトと六方晶窒化ホウ素
の粒界に挟まれた錫、銅、ニッケル等の金属は、摺動に
伴うせん断力の吸収材となり、特に高速摺動において優
れた特性を発揮する。添加量を1 vol%以上としたの
は、これ未満の添加量では顕著な効果が現れず、また1
0 vol%以下としたのは、これを超えて金属を添加する
と、焼結過程において溶けた金属がしみ出してしまった
り、また焼結体内に金属の粗大な固まりを作る可能性が
あるためである。本材料の微細構造の概念図を図3に示
す。
【0010】本発明の第三の発明は、前記複合材料の複
合固体潤滑粒子とマイカマトリックスの粒界の一部また
は全部が1〜10 vol%のLiF、CaO、B2 O3 、
SiO2 など、1〜4族非遷移金属の酸化物またはハロ
ゲン化物のガラス相によって結合され、機械的特性に優
れたことを特徴とする自己潤滑性複合材料である。1〜
4族非遷移金属の酸化物またはハロゲン化物は焼結過程
において一旦液相となって焼結を促進すると共に、焼結
後はマイカマトリックスと固体潤滑剤の界面にガラス相
として残留し、この部分の結合をより強固なものとし
て、中低温での強度を改善することができる。1〜4族
非遷移金属の酸化物またはハロゲン化物の添加量を1 v
ol%以上とするのは、それ未満の添加量では明確な強度
改善効果が出ないためであり、また10 vol%以下とす
るのは、これを超えて添加した場合、マイカとの反応が
生じてしまい、焼結体の摺動特性を低下させてしまうた
めである。図4に本材料の微細構造の概念図を示す。
合固体潤滑粒子とマイカマトリックスの粒界の一部また
は全部が1〜10 vol%のLiF、CaO、B2 O3 、
SiO2 など、1〜4族非遷移金属の酸化物またはハロ
ゲン化物のガラス相によって結合され、機械的特性に優
れたことを特徴とする自己潤滑性複合材料である。1〜
4族非遷移金属の酸化物またはハロゲン化物は焼結過程
において一旦液相となって焼結を促進すると共に、焼結
後はマイカマトリックスと固体潤滑剤の界面にガラス相
として残留し、この部分の結合をより強固なものとし
て、中低温での強度を改善することができる。1〜4族
非遷移金属の酸化物またはハロゲン化物の添加量を1 v
ol%以上とするのは、それ未満の添加量では明確な強度
改善効果が出ないためであり、また10 vol%以下とす
るのは、これを超えて添加した場合、マイカとの反応が
生じてしまい、焼結体の摺動特性を低下させてしまうた
めである。図4に本材料の微細構造の概念図を示す。
【0011】本発明の第四の発明は、前記複合材料のグ
ラファイトと六方晶窒化ホウ素の粒界に全体の1〜10
vol%の錫、銅、ニッケル等の前記物質に不活性な金属
を分散し、複合固体潤滑粒子とマイカマトリックスの粒
界の一部または全部が1〜10 vol%のLiF、Ca
O、B2 O3 、SiO2 など、1〜4族非遷移金属の酸
化物またはハロゲン化物のガラス相によって結合され、
摺動特性並びに機械特性に優れたことを特徴とする自己
潤滑性複合材料である。これはマイカと固体潤滑剤を主
たる材料とした自己潤滑性複合材料の、高速摺動特性と
中低温での強度を同時に高めた材料で、それぞれの添加
物の作用並びに添加範囲を定義した理由は、上記と同様
である。本材料の微細構造の概念図を図5に示す。
ラファイトと六方晶窒化ホウ素の粒界に全体の1〜10
vol%の錫、銅、ニッケル等の前記物質に不活性な金属
を分散し、複合固体潤滑粒子とマイカマトリックスの粒
界の一部または全部が1〜10 vol%のLiF、Ca
O、B2 O3 、SiO2 など、1〜4族非遷移金属の酸
化物またはハロゲン化物のガラス相によって結合され、
摺動特性並びに機械特性に優れたことを特徴とする自己
潤滑性複合材料である。これはマイカと固体潤滑剤を主
たる材料とした自己潤滑性複合材料の、高速摺動特性と
中低温での強度を同時に高めた材料で、それぞれの添加
物の作用並びに添加範囲を定義した理由は、上記と同様
である。本材料の微細構造の概念図を図5に示す。
【0012】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明する。本実施例並びに比較例の材料の製造に用いた
原料の諸元を表1に示す。製造条件は、特に記述のない
限り次の通りである。原料粉は、ボールミルを用いて2
4時間混合した。混合粉は表面に離型剤として窒化ホウ
素を塗布したグラファイト製の60×90mmのダイス
に、焼結体の厚みが10〜15mmとなるように充填し、
上下から20〜40MPa の圧力を加え、アルゴン雰囲気
中、700〜1300℃の温度で30〜120分間ホッ
トプレス焼結した。得られた焼結体は、各種測定のため
にダイヤモンドカッターによって加工、必要に応じて研
磨加工を行った。
説明する。本実施例並びに比較例の材料の製造に用いた
原料の諸元を表1に示す。製造条件は、特に記述のない
限り次の通りである。原料粉は、ボールミルを用いて2
4時間混合した。混合粉は表面に離型剤として窒化ホウ
素を塗布したグラファイト製の60×90mmのダイス
に、焼結体の厚みが10〜15mmとなるように充填し、
上下から20〜40MPa の圧力を加え、アルゴン雰囲気
中、700〜1300℃の温度で30〜120分間ホッ
トプレス焼結した。得られた焼結体は、各種測定のため
にダイヤモンドカッターによって加工、必要に応じて研
磨加工を行った。
【0013】特性評価の方法は次の通りである。まず焼
結体密度はアルキメデス法を用いて測定した。圧縮強度
は、ホットプレス軸方向の強度を、10×10×10mm
の試験片を用い、0.5mm/minの加圧速度にて測定し
た。耐酸化性は、10×10×10mmの試験片を大気中
で加熱し、100時間保持後の体積増減が1%以内で、
かつ外観上変化が生じない限界温度とした。摩擦係数は
二線式トライボメータを用い、SUS304製の直径2
0mmのシリンダーを相手材として測定した。
結体密度はアルキメデス法を用いて測定した。圧縮強度
は、ホットプレス軸方向の強度を、10×10×10mm
の試験片を用い、0.5mm/minの加圧速度にて測定し
た。耐酸化性は、10×10×10mmの試験片を大気中
で加熱し、100時間保持後の体積増減が1%以内で、
かつ外観上変化が生じない限界温度とした。摩擦係数は
二線式トライボメータを用い、SUS304製の直径2
0mmのシリンダーを相手材として測定した。
【0014】(実施例1)マイカ50 vol%、グラファ
イト40 vol%及び六方晶窒化ホウ素10 vol%をボー
ルミルで混合し、その混合粉を35MPa 、1050℃の
条件にてホットプレス焼結した。得られた焼結体の諸特
性を表2に示す。また摩擦係数と摺動速度との関係を図
6に、摩擦係数と荷重との関係を図7にそれぞれ示す。
本材料が特に高荷重、高摺動速度において0.1を切る
低摩擦係数を示すことがわかる。本材料は固体潤滑剤と
してグラファイトと六方晶窒化ホウ素両方を含むもので
あるが、グラファイトのみを含む比較例1に比べて、摩
擦係数が極めて低いことがわかる。
イト40 vol%及び六方晶窒化ホウ素10 vol%をボー
ルミルで混合し、その混合粉を35MPa 、1050℃の
条件にてホットプレス焼結した。得られた焼結体の諸特
性を表2に示す。また摩擦係数と摺動速度との関係を図
6に、摩擦係数と荷重との関係を図7にそれぞれ示す。
本材料が特に高荷重、高摺動速度において0.1を切る
低摩擦係数を示すことがわかる。本材料は固体潤滑剤と
してグラファイトと六方晶窒化ホウ素両方を含むもので
あるが、グラファイトのみを含む比較例1に比べて、摩
擦係数が極めて低いことがわかる。
【0015】(実施例2)マイカ40 vol%、グラファ
イト30 vol%及び六方晶窒化ホウ素30 vol%をボー
ルミルで混合し、その混合粉を40MPa 、1080℃の
条件にてホットプレス焼結した。得られた焼結体の諸特
性を表2に示す。本材料は実施例の中で最も高い耐酸化
性を示した。
イト30 vol%及び六方晶窒化ホウ素30 vol%をボー
ルミルで混合し、その混合粉を40MPa 、1080℃の
条件にてホットプレス焼結した。得られた焼結体の諸特
性を表2に示す。本材料は実施例の中で最も高い耐酸化
性を示した。
【0016】(実施例3)マイカ50 vol%、グラファ
イト37 vol%、六方晶窒化ホウ素10 vol%、及び銅
と錫の7:3混合粉体3 vol%をボールミルで混合し、
その混合粉を40MPa 、1050℃の条件にてホットプ
レス焼結した。得られた焼結体の諸特性を表2に示す。
本材料は摩擦係数が低く、特に高速時にそれが顕著であ
った。
イト37 vol%、六方晶窒化ホウ素10 vol%、及び銅
と錫の7:3混合粉体3 vol%をボールミルで混合し、
その混合粉を40MPa 、1050℃の条件にてホットプ
レス焼結した。得られた焼結体の諸特性を表2に示す。
本材料は摩擦係数が低く、特に高速時にそれが顕著であ
った。
【0017】(実施例4)マイカ50 vol%、グラファ
イト35 vol%、六方晶窒化ホウ素10 vol%、及び酸
化ホウ素5 vol%をボールミルで混合し、その混合粉を
35MPa 、1050℃の条件にてホットプレス焼結し
た。得られた焼結体の諸特性を表2に示す。また摩擦係
数と摺動速度との関係を図6に示す。本材料は酸化ホウ
素を含まない他の実施例に比べて強度が著しく高い。
イト35 vol%、六方晶窒化ホウ素10 vol%、及び酸
化ホウ素5 vol%をボールミルで混合し、その混合粉を
35MPa 、1050℃の条件にてホットプレス焼結し
た。得られた焼結体の諸特性を表2に示す。また摩擦係
数と摺動速度との関係を図6に示す。本材料は酸化ホウ
素を含まない他の実施例に比べて強度が著しく高い。
【0018】(実施例5)マイカ50 vol%、グラファ
イト32 vol%、六方晶窒化ホウ素10 vol%、銅と錫
の7:3混合粉体3 vol%、及び酸化ホウ素5 vol%を
ボールミルで混合し、その混合粉を35MPa 、1050
℃の条件にてホットプレス焼結した。得られた焼結体の
諸特性を表2に示す。また摩擦係数と摺動速度との関係
を図6に、荷重との関係を図7にそれぞれ示す。本材料
は機械的強度、摩擦係数、耐酸化性、いずれにおいても
最も優れた値を示した。
イト32 vol%、六方晶窒化ホウ素10 vol%、銅と錫
の7:3混合粉体3 vol%、及び酸化ホウ素5 vol%を
ボールミルで混合し、その混合粉を35MPa 、1050
℃の条件にてホットプレス焼結した。得られた焼結体の
諸特性を表2に示す。また摩擦係数と摺動速度との関係
を図6に、荷重との関係を図7にそれぞれ示す。本材料
は機械的強度、摩擦係数、耐酸化性、いずれにおいても
最も優れた値を示した。
【0019】(比較例1)マイカ50 vol%とグラファ
イト50 vol%をボールミルで混合し、その混合粉を3
0MPa 、1030℃の条件にてホットプレス焼結した。
得られた焼結体の諸特性を表2に示す。
イト50 vol%をボールミルで混合し、その混合粉を3
0MPa 、1030℃の条件にてホットプレス焼結した。
得られた焼結体の諸特性を表2に示す。
【0020】(比較例2)マイカ20 vol%、グラファ
イト20 vol%、及び六方晶窒化ホウ素60 vol%を混
合し、40MPa 、1050℃の条件にてホットプレス焼
結した。得られた焼結体の諸特性を表2に示す。六方晶
窒化ホウ素の添加量が本発明の範囲より大きく、マイカ
の量が少ない本材料は、強度が低く、また摩擦係数も実
施例よりもかなり高い。
イト20 vol%、及び六方晶窒化ホウ素60 vol%を混
合し、40MPa 、1050℃の条件にてホットプレス焼
結した。得られた焼結体の諸特性を表2に示す。六方晶
窒化ホウ素の添加量が本発明の範囲より大きく、マイカ
の量が少ない本材料は、強度が低く、また摩擦係数も実
施例よりもかなり高い。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明により、摺動部材として用いるこ
とのできる、高強度で耐熱性に優れた自己潤滑性複合材
料が得られる。
とのできる、高強度で耐熱性に優れた自己潤滑性複合材
料が得られる。
【図1】本発明の第一の発明の組成範囲を示す三元系図
である。
である。
【図2】本発明の自己潤滑性複合材料の概念図である。
【図3】金属添加物を含む、本発明の自己潤滑性複合材
料の概念図である。
料の概念図である。
【図4】酸化物を含む、本発明の自己潤滑性複合材料の
概念図である。
概念図である。
【図5】金属添加物及び酸化物双方を含む、本発明の自
己潤滑性複合材料の概念図である。
己潤滑性複合材料の概念図である。
【図6】本発明材料の摩擦係数と摺動速度の関係を示す
図である。
図である。
【図7】本発明材料の摩擦係数と荷重の関係を示す図で
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 103/04 C10M 103/04 // C10N 10:02 10:04 10:08 10:16 40:02 50:08
Claims (4)
- 【請求項1】 30〜60 vol%のグラファイト層状粒
子周囲が1〜30 vol%薄片状六方晶窒化ホウ素粒子に
よって包まれた複合固体潤滑粒子を、40〜70 vol%
のマイカマトリックス中に均一に分散したことを特徴と
するマイカ−グラファイト系自己潤滑性複合材料。 - 【請求項2】 グラファイトと六方晶窒化ホウ素の粒界
に全体の1〜10 vol%の錫、銅、ニッケル等の前記物
質に不活性な金属を分散し、摺動特性を高めたことを特
徴とする請求項1記載の自己潤滑性複合材料。 - 【請求項3】 複合固体潤滑粒子とマイカマトリックス
の粒界の一部または全部が1〜10 vol%のLiF、C
aO、B2 O3 、SiO2 など、1〜4族非遷移金属の
酸化物またはハロゲン化物のガラス相によって結合さ
れ、機械的特性に優れたことを特徴とする請求項1記載
の自己潤滑性複合材料。 - 【請求項4】 グラファイトと六方晶窒化ホウ素の粒界
に全体の1〜10 vol%の錫、銅、ニッケル等の前記物
質に不活性な金属を分散し、複合固体潤滑粒子とマイカ
マトリックスの粒界の一部または全部が1〜10 vol%
のLiF、CaO、B2 O3 、SiO2 など、1〜4族
非遷移金属の酸化物またはハロゲン化物のガラス相によ
って結合され、摺動特性並びに機械的特性に優れたこと
を特徴とする請求項1記載の自己潤滑性複合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11737495A JPH08311469A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | マイカ−グラファイト系自己潤滑性複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11737495A JPH08311469A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | マイカ−グラファイト系自己潤滑性複合材料 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08311469A true JPH08311469A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14710077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11737495A Pending JPH08311469A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | マイカ−グラファイト系自己潤滑性複合材料 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH08311469A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009072295A1 (ja) * | 2007-12-05 | 2009-06-11 | Oiles Corporation | 球帯状シール体及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-05-16 JP JP11737495A patent/JPH08311469A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009072295A1 (ja) * | 2007-12-05 | 2009-06-11 | Oiles Corporation | 球帯状シール体及びその製造方法 |
CN101889159A (zh) * | 2007-12-05 | 2010-11-17 | 奥依列斯工业株式会社 | 球形环密封件及其制造方法 |
JP2013100902A (ja) * | 2007-12-05 | 2013-05-23 | Oiles Corp | 球帯状シール体及びその製造方法 |
JP5347970B2 (ja) * | 2007-12-05 | 2013-11-20 | オイレス工業株式会社 | 球帯状シール体及びその製造方法 |
US8602420B2 (en) | 2007-12-05 | 2013-12-10 | Oiles Corporation | Spherical annular seal member and method of manufacturing the same |
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