JPH0617554B2 - 超音波接合性に優れた銅細線の製造方法 - Google Patents
超音波接合性に優れた銅細線の製造方法Info
- Publication number
- JPH0617554B2 JPH0617554B2 JP61218726A JP21872686A JPH0617554B2 JP H0617554 B2 JPH0617554 B2 JP H0617554B2 JP 61218726 A JP61218726 A JP 61218726A JP 21872686 A JP21872686 A JP 21872686A JP H0617554 B2 JPH0617554 B2 JP H0617554B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、超音波接合分野において例えばダイオード、
整流素子、パワートランジスタなどの電子部品に適用さ
れる超音波接合性に優れた銅細線の製造方法特に、高純
度銅の強度を限界にまで低下させて、接続時の銅細線の
プルカット性を容易にした超音波接合性に優れた銅細線
の製造方法に関する。
整流素子、パワートランジスタなどの電子部品に適用さ
れる超音波接合性に優れた銅細線の製造方法特に、高純
度銅の強度を限界にまで低下させて、接続時の銅細線の
プルカット性を容易にした超音波接合性に優れた銅細線
の製造方法に関する。
(従来技術) 超音波接合により電気的、機械的接合を行う分野は多岐
にわたるが、一例として、整流素子、パワートランジス
ターなどの電子部品に適用されている超音波接合につい
て述べると、これらの接合用の細線には、従来、アルミ
ニウム線およびアルミニウム合金線が使用されている。
にわたるが、一例として、整流素子、パワートランジス
ターなどの電子部品に適用されている超音波接合につい
て述べると、これらの接合用の細線には、従来、アルミ
ニウム線およびアルミニウム合金線が使用されている。
電子部品における超音波接合は、被接合部に治具を用い
て線を押しつけ、超音波振動を加えることにより接合を
行ない、必要な接合が終ると、線を切断(以下、プルカ
ットと称す)し次の接合作業を連続的に行なう。これら
のアルミニウム線およびアルミニウム合金線は、耐食
性、導電性、熱伝導性および細線加工性において、金細
線や銅細線と較べて材質的に問題を残していることは確
かである。さりとて、代替金属材料としての金は高価で
あり、銅は導電性、熱伝導性、細線加工性に優れた特性
を有するが、強度が大きすぎるため、連続接続作業時の
線のプルカットに支障をきたすと共に接続強度も十分で
なかったので銅とは代替されなかった。
て線を押しつけ、超音波振動を加えることにより接合を
行ない、必要な接合が終ると、線を切断(以下、プルカ
ットと称す)し次の接合作業を連続的に行なう。これら
のアルミニウム線およびアルミニウム合金線は、耐食
性、導電性、熱伝導性および細線加工性において、金細
線や銅細線と較べて材質的に問題を残していることは確
かである。さりとて、代替金属材料としての金は高価で
あり、銅は導電性、熱伝導性、細線加工性に優れた特性
を有するが、強度が大きすぎるため、連続接続作業時の
線のプルカットに支障をきたすと共に接続強度も十分で
なかったので銅とは代替されなかった。
一方、使用するアルミ・ボンディング線の表面が清浄で
ないと、プルカット時および細線を導通する治具、キャ
ピラリーにアルミ粉が堆積するため、該ボンディング線
の表面清浄処理を十分に施す加工上の問題と半導体製品
の信頼性における故障モードのボンディング管理上の問
題がある。
ないと、プルカット時および細線を導通する治具、キャ
ピラリーにアルミ粉が堆積するため、該ボンディング線
の表面清浄処理を十分に施す加工上の問題と半導体製品
の信頼性における故障モードのボンディング管理上の問
題がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、アルミニウムおよびアルミニウム合金線の代
替として、導電性、熱伝導性にすぐれ、表面清浄な銅細
線を超音波接合法で使用できることを目的とするもの
で、銅の有する強度を限界まで低下させた超音波接合性
に優れた銅細線の製造方法を提供することにある。
替として、導電性、熱伝導性にすぐれ、表面清浄な銅細
線を超音波接合法で使用できることを目的とするもの
で、銅の有する強度を限界まで低下させた超音波接合性
に優れた銅細線の製造方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の目的を解決するために鋭意検討を
重ねた結果、高純度銅(銅純度99.999重量%以上)を用
いて冷間伸線加工した後、特定の温度以下に放置して時
効軟化させ、その強度の低下が飽和に達した後、焼鈍す
ることによって高純度銅を極軟質に調質できることを見
出して本発明を完成させたものである。
重ねた結果、高純度銅(銅純度99.999重量%以上)を用
いて冷間伸線加工した後、特定の温度以下に放置して時
効軟化させ、その強度の低下が飽和に達した後、焼鈍す
ることによって高純度銅を極軟質に調質できることを見
出して本発明を完成させたものである。
本発明の構成は、銅純度が99.999重量%以上の高純度銅
塊を用いて圧延、冷間伸線し、目的線径まで加工して、
該銅細線を100℃以下の雰囲気に放置させて、その引
張強さを25kg/mm2以下として焼鈍を施し、引張強さを
23kg/mm2未満に調質したことを特徴とするものであ
る。
塊を用いて圧延、冷間伸線し、目的線径まで加工して、
該銅細線を100℃以下の雰囲気に放置させて、その引
張強さを25kg/mm2以下として焼鈍を施し、引張強さを
23kg/mm2未満に調質したことを特徴とするものであ
る。
次に、本発明の構成を更に説明すると、銅純度99.999重
量%以上の高純度銅を用いて、目的線径まで冷間伸線す
ると、銅細線は硬化し、その引張強さは大約50kg/mm2
となるが、これを100℃以下の雰囲気に放置すると、
時効軟化によって引張強さは徐々に低下し、その値は2
0kg/mm2程度となって飽和に達するが、銅純度が99.9〜
99.99 重量%の範囲の銅細線では、時効軟化を生じな
い。
量%以上の高純度銅を用いて、目的線径まで冷間伸線す
ると、銅細線は硬化し、その引張強さは大約50kg/mm2
となるが、これを100℃以下の雰囲気に放置すると、
時効軟化によって引張強さは徐々に低下し、その値は2
0kg/mm2程度となって飽和に達するが、銅純度が99.9〜
99.99 重量%の範囲の銅細線では、時効軟化を生じな
い。
これらの両者に焼鈍処理を施すと、引張強さに大きな差
異を生じ、前者では23kg/mm2未満、後者では23kg/m
m2以上となる。この強度の差は、超音波接合用の細線と
して使用した場合、接続時の圧力変形能およびプルカッ
ト性の特性上の差異として顕著に示される。
異を生じ、前者では23kg/mm2未満、後者では23kg/m
m2以上となる。この強度の差は、超音波接合用の細線と
して使用した場合、接続時の圧力変形能およびプルカッ
ト性の特性上の差異として顕著に示される。
プルカット性を容易にするためには、時効軟化後の焼鈍
において、伸び値を15%以下とするのが好ましい。
において、伸び値を15%以下とするのが好ましい。
(実施例) 以下、実施例の一例を比較例と対比して説明する。
銅純度99.9996重量%の高純度銅を真空溶解鋳造し、そ
の鋳塊を圧延した後、常温で冷間伸線加工を行なって最
終線径を100μmの銅細線とした。これを室温および
加熱雰囲気温度に放置して時効軟化を起させて、次い
で、不活性ガス雰囲気で連続焼鈍(例えば、温度250
〜500℃、線速10〜100m/分)を施して、第1表
に示す機械特性の銅細線とし、超音波接合機で半導体素
子と外部リード端子間との接続を1000個のデバイス
について行ない、超音波接合性とプルカット性を調べ
た。結果を第1表に示す。
の鋳塊を圧延した後、常温で冷間伸線加工を行なって最
終線径を100μmの銅細線とした。これを室温および
加熱雰囲気温度に放置して時効軟化を起させて、次い
で、不活性ガス雰囲気で連続焼鈍(例えば、温度250
〜500℃、線速10〜100m/分)を施して、第1表
に示す機械特性の銅細線とし、超音波接合機で半導体素
子と外部リード端子間との接続を1000個のデバイス
について行ない、超音波接合性とプルカット性を調べ
た。結果を第1表に示す。
比較例1は、銅純度99.999重量%の高純度銅を真空溶解
鋳造し、その鋳塊を圧延した後、常温で冷間伸線加工を
行って最終線径を100μmの銅細線とした。これを1
10℃の雰囲気温度に放置して時効軟化を起こさせて、
次いで不活性ガス雰囲気で連続焼鈍(上記実施例と同様
条件)を施して、第1表に示される通りの、銅細線とし
た。要するところ、冷間加工後の放置温度だけを異なら
しめ、その他の上記実施例と同様条件としたものであ
る。また、比較例2は、時効軟化後の破断強度を27Kg
f/mm2とし、他は全て、第1表に示される通りの、上記
実施例と同様条件にして焼鈍したものである。
鋳造し、その鋳塊を圧延した後、常温で冷間伸線加工を
行って最終線径を100μmの銅細線とした。これを1
10℃の雰囲気温度に放置して時効軟化を起こさせて、
次いで不活性ガス雰囲気で連続焼鈍(上記実施例と同様
条件)を施して、第1表に示される通りの、銅細線とし
た。要するところ、冷間加工後の放置温度だけを異なら
しめ、その他の上記実施例と同様条件としたものであ
る。また、比較例2は、時効軟化後の破断強度を27Kg
f/mm2とし、他は全て、第1表に示される通りの、上記
実施例と同様条件にして焼鈍したものである。
比較例3は、上記実施例に用いた同様の銅鋳塊から得た
最終線径100μmの硬質銅細線を時効軟化させない
で、実施例と同様条件で焼鈍したものである。比較例4
は、通常、電線に使用する銅純度99.99重量%のタフピ
ッチ銅のワイヤロットを冷間伸線して最終線径100μ
mとし、直ちに実施例と同様条件で焼鈍したものであ
る。
最終線径100μmの硬質銅細線を時効軟化させない
で、実施例と同様条件で焼鈍したものである。比較例4
は、通常、電線に使用する銅純度99.99重量%のタフピ
ッチ銅のワイヤロットを冷間伸線して最終線径100μ
mとし、直ちに実施例と同様条件で焼鈍したものであ
る。
結果から、本発明にかかる銅ボンディング線は、アルミ
ニウム、アルミニウム合金線と同様な超音波接合性を有
するものといえる。上記実施例では、線径100μmに
ついて説明したが、50μm以下の銅細線としてIC、
LSIなどのボンディング線としても使用できることは
いうまでもない。
ニウム、アルミニウム合金線と同様な超音波接合性を有
するものといえる。上記実施例では、線径100μmに
ついて説明したが、50μm以下の銅細線としてIC、
LSIなどのボンディング線としても使用できることは
いうまでもない。
(発明の効果) 以上説明した如く、本発明に係る製造方法によれば、超
音波法による接合性及びプルカット性が共に良好となる
ため、通常の銅純度を有する銅細線では実現し得なかっ
たアルミニウム、アルミニウム合金線との代替を可能に
した。従って従来よりアルミニウム、アルミニウム合金
線に要求されていた耐食性、導電性、熱伝導性を飛躍的
に向上させ得るので、半導体素子などの電子部品の性能
もより向上させ得る利点があり、産業上にも大きく寄与
する。
音波法による接合性及びプルカット性が共に良好となる
ため、通常の銅純度を有する銅細線では実現し得なかっ
たアルミニウム、アルミニウム合金線との代替を可能に
した。従って従来よりアルミニウム、アルミニウム合金
線に要求されていた耐食性、導電性、熱伝導性を飛躍的
に向上させ得るので、半導体素子などの電子部品の性能
もより向上させ得る利点があり、産業上にも大きく寄与
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 栄一 大阪府東大阪市岩田町2丁目3番1号 タ ツタ電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−104061(JP,A) 特開 昭62−89853(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】銅純度99.999重量%以上の高純度銅から圧
延、冷間伸線によって、目的線径とし、該銅細線を10
0℃以下の雰囲気に放置し、その引張強さを25kg/mm
2以下として焼鈍を施し、引張強さを23kg/mm2未満と
することを特徴とする超音波接合性に優れた銅細線の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61218726A JPH0617554B2 (ja) | 1986-09-16 | 1986-09-16 | 超音波接合性に優れた銅細線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61218726A JPH0617554B2 (ja) | 1986-09-16 | 1986-09-16 | 超音波接合性に優れた銅細線の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6372858A JPS6372858A (ja) | 1988-04-02 |
JPH0617554B2 true JPH0617554B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=16724472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61218726A Expired - Fee Related JPH0617554B2 (ja) | 1986-09-16 | 1986-09-16 | 超音波接合性に優れた銅細線の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0617554B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01258812A (ja) * | 1988-04-08 | 1989-10-16 | Nippon Mining Co Ltd | 極細線の製造方法 |
WO2006134724A1 (ja) | 2005-06-15 | 2006-12-21 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | 超高純度銅及びその製造方法並びに超高純度銅からなるボンディングワイヤ |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08958B2 (ja) * | 1985-10-16 | 1996-01-10 | 田中電子工業株式会社 | 半導体素子のボンディング用仕上熱処理銅線の製造方法 |
JPH0713273B2 (ja) * | 1985-10-30 | 1995-02-15 | タツタ電線株式会社 | 半導体素子用ボンディング線およびその製造方法 |
-
1986
- 1986-09-16 JP JP61218726A patent/JPH0617554B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6372858A (ja) | 1988-04-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |