JPH0617544B2 - 冷間鍛造用マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

冷間鍛造用マルテンサイト系ステンレス鋼

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JPH0617544B2
JPH0617544B2 JP61079884A JP7988486A JPH0617544B2 JP H0617544 B2 JPH0617544 B2 JP H0617544B2 JP 61079884 A JP61079884 A JP 61079884A JP 7988486 A JP7988486 A JP 7988486A JP H0617544 B2 JPH0617544 B2 JP H0617544B2
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less
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stainless steel
steels
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義信 本蔵
秀樹 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、船舶用スチームタービン、ブレード材、ネ
ジ、ボルト等に用いられる、焼なまし状態で優れた冷間
鍛造性を有し、かつ耐食性と、焼入硬化能が著しく優れ
た高強度マルテンサイト系ステンレス鋼に関する。
(従来技術) マルテンサイト系ステンレス鋼として、一般にSUS 403
(0.1C−12Cr)が耐食性と強度を有することから船
舶用スチームタービン、ブレード材、ネジ、ボルト等に
広く使用されている。
(解決するための問題点) しかし、前記SUS 403 は焼なまし状態での引張強さが55
kg/mm2程度と高いため、冷間鍛造性については必ずし
も充分ではなかった。
また耐食性についても苛酷な腐食条件では錆が発生する
など、耐食性についても改善が求められていた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、前記のSUS 403 の上記欠点を鑑みて、12%Cr
ステンレス鋼について、焼なまし状態での引張強さに及
ぼすC、Si、Mn、Cr、N等の合金元素の影響について鋭
意研究を重ねた結果、C量を0.07%以下と極力低下させ
ることにより、焼なまし状態で引張強さ47kg/mm2以下
とし、冷鑑鍛造性を改善するとともに焼入、焼もどし状
態での引張強さを60kg/mm2以上とし、低C量であるが
現用のSUS 403 と同等の強度を得ることができ、さらに
耐食性についても大幅に改善できることに成功したもの
である。
すなわち、第1図に示したように、12%Cr鋼において、
C量と焼なまし状態での引張強さとの関係を調査し、C
量を0.07%以下に抑制することにより引張強さを47kg/
mm2以下となし、優れた冷間鍛造性を得ること、また、
第2図はC量と50℃、海水に体する腐食速度との関係を
調査し、C量を0.07%以下とすることにより腐食速度を
25g/m2・Hr以下とし、耐食性を改善すること、さら
に、第3図はCr当量とγ→M相変態量との関係を調査
し、Cr当量を10.5以下とすることにより、γ→M相変態
量を100%とし得ること、また第4図はγ→M相変態量1
00%の鋼においてC量と焼入、焼もどし状態での引張強
さとの関係を調査し、C量が0.01%で引張強さ60kg/m
m2以上となし、高強度とすること、さらに第5図はCr当
量と1100℃における絞り値との関係を調査したもので、
Cr当量を9.0以上とすることにより絞り値を85%以上
とし、熱間加工性を改善することを見出したものであ
る。
本発明はこれらの知見を基に、焼なまし状態で優れた冷
間鍛造性を有し、かつ耐食性と焼入硬化能が著しく優れ
た鋼を得るためのC、Si、Cr、Nの最適含有量を見出し
たものである。
本発明は、重量比にしてC 0.07 %以下、Si 0.40%以
下、Mn 0.10 〜1.0 %、Cr 10.0 〜13.0%、N 0.02 %
以下を含有し、残部Feならびに不純物元素からなり、か
つCr当量が9.0 〜10.5であるもので、第2発明鋼は第1
発明鋼のSを0.003%以下、Oを0.0040%以下とし、第
1発明鋼の冷間鍛造性をさらに改善したものであり、第
3発明鋼は第1発明鋼に、さらにNi 0.50 %以下、Cu
0.50%以下、Mo 1.5%以下、Ti 0.20 %以下、V0.15%
以下、Nb 0.10 %以下のうち1種ないし2種以上を含有
させ第1発明鋼の耐食性をさらに改善したものである。
なお、Cr当量は次式によって算出したものである。Cr当
量=Cr+2Si -Mn -30 C- 25 N -2 Ni- 0.3 Cu+1.5(Mo
+Ti)+1.75Nb+5V 以下に本発明鋼の成分限定理由を説明する。
Cは焼なまし状態での引張強さを高め、冷間鍛造性を低
下させる元素であり、その含有量を極力低下させる必要
があり、上限を0.07%とした。
Siは脱酸に効果のある元素であるが、強力なフェライト
生成元素でもあり、また、冷間鍛造性を低下させる元素
でもあり、その上限を0.40%とした。
Mnは脱酸に効果のある元素であるとともに強力なオース
テナイト生成元素でもあり、下限を0.10%とした。しか
し多量に含有すると焼なまし状態での引張強さを増加す
るので、その上限を1.00%とした。
Crはステンレス鋼の耐食性を付与する基本元素であり、
この効果を得るには10.0%以上含有させる必要があり下
限を10.0%とした。しかしCrは強力なフェライト生成元
素でもあり、焼入性を損なうのでその上限を13.0%とし
た。
Nは焼なまし状態での引張強さを高める元素であり、そ
の含有量を規制する必要があり上限を0.020 %とした。
SはMnS を生成して冷間鍛造性を著しく低下させる元素
であり、その含有量の上限を0.003 %とした。
OはAl2O3等の酸化物を生成して冷間鍛造性を著しく低
下させる元素であり、その含有量の上限を0.0040%とし
た。
Ni、Cuは耐食性を向上する元素であるが、反面、焼なま
し状態での引張強さを高める元素でもありその上限をNi
は0.50%、Cuは0.50%とした。
Mo、Ti、V、Nbは焼もどし状態での引張強さの改善に寄
与す元素であるが、反面、強力なフェライト生成元素で
焼入性を損なうのでその上限をMoは1.5 %、Tiは0.20
%、Vは0.15%、Nbは0.10%とした。
Cr当量を10.5以下としたのはγ→M相変態量100%を得
るためであり、9.0 未満では熱間加工性が低下し、また
10.5を越えると所望の焼もどし硬さが得られないためで
ある。
(実施例) つぎに本発明鋼の特徴を従来鋼、比較鋼と比べて実施例
でもって明らかにする。
第1表はこれらの供試鋼の化学成分を示すものである。
第1表において、A〜S鋼は本発明鋼で、A〜F鋼は第
1発明鋼、G〜I鋼は第2発明鋼、J〜S鋼は第3発明
鋼、T〜W鋼は比較鋼で、Xは従来鋼でSUS 403 であ
る。
第2表は第1表の供試鋼について、900℃×1Hr保持
し、冷却速度25℃/Hrで600 ℃まで炉冷し、ついで空冷
という条件で焼なましを施したもの、第3表は970 ℃×
30分保持し、油焼入れし、ついで600 〜750 ℃×2Hr焼
もどしを行ったものについて、硬さと機械的性質を示し
たものである。
0.2 %、耐力、引張り強さ、伸び、絞りについてはJI
S4号試験片を作製して測定した。
第2表より明らかなように、従来鋼であるX鋼は焼なま
し状態での硬さがHv 160、また0.2 %耐力が32.5kg/m
m、引張強さが55.6kg/mmと高く、さらに絞り値が73.1
%と冷間鍛造性が劣るものであり、また比較鋼であるX
鋼は絞り値が78.1%と低く冷間鍛造性が劣るものであ
り、さらにU、V、W鋼は硬さがHv 145〜156 、また引
張強さが45.6〜51.9kg/mmと高く、従来鋼であるX鋼と
同様に冷間鍛造性が劣るものである。
これらに対して、本発明鋼であるA〜S鋼は焼なまし状
態での硬さがHv 111〜139 、0.2%耐力が21.5〜25.7
kg/mm、引張強さが39.3〜46.5 kg/mmと低く、また
絞り値が79.8〜85.1%と高く冷間鍛造性が優れたもので
ある。
また、第3表から明らかなように、焼入、焼もどし状態
での従来鋼であるX鋼の腐食速度は65.3g/mhrと速
く、耐食性については満足し得るものでなかった。また
比較鋼であるT、U、V鋼についても腐食速度が29.5〜
42.0g/mhrと速く、耐食性については低いものであ
り、さらにW鋼の腐食速度は60.5g/mhrと従来鋼と
同様に速く、耐食性については劣るものである。
これらに対して、本発明鋼であるA〜S鋼は硬さがHv 2
05〜232 と高く、また0.2 %耐力は45.1〜56.7kg/m
m、引張強さが66.1〜74.9kg/mmと高く、強度につい
ては優れたものであり、また腐食速度については12.0〜
22.0g/mhrと少なく、耐食性についても優れたもの
である。
(本発明の効果) 本発明は、上述のような焼なまし状態での引張強さが47
kg/mm以下と低く、冷間鍛造性については優れたもの
であり、また焼入、焼もどし状態での引張強さが60kg/
mm以上と高く、強度についても優れたものであり、さ
らに耐食性についても優れたものであり、本発明鋼は船
舶用スチームタービン、ブレード材、ネジ、ボルトなど
に好適なマルテンサイト系ステンレス鋼である。
【図面の簡単な説明】
第1図はC量と焼なまし状態での引張強さとの関係を示
した線図で、第2図はC量と焼入、焼もどし状態での腐
食速度との関係を示した線図で、第3図はCr当量と相変
態量との関係を示した線図で、第4図はC量と焼入、焼
もどし状態での引張強さとの関係を示した線図で、第5
図はCr当量と1100℃での絞り値との関係を示した線図で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比にしてC 0.07%以下、Si 0.40 %
    以下、Mn 0.10 〜1.0 %、Cr 10.0〜13.0%、N 0.02
    %以下を含有し、残部Feならびに不純物元素からなり、
    かつCr当量が9.0 〜10.5であることを特徴とする冷
    間鍛造用マルテンサイト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】重量比にしてC 0.07 %以下、Si 0.40 %
    以下、Mn 0.10 〜1.0 %、Cr 10.0 〜13.0%、N 0.02
    %以下を含有し、さらにS 0.003%以下、O0.0040%以
    下であり、残部Feならびに不純物元素からなり、かつCr
    当量が9.0 〜10.5であることを特徴とする冷間鍛造
    用マルテンサイト系ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】重量比にしてC 0.07 %以下、Si 0.40 %
    以下、Mn 0.10 〜1.0 %、Cr 10.0 〜13.0%、N 0.02
    %以下を含有し、さらにNi 0.50 %以下、Cu0.50%以
    下、Mo 1.5%以下、Ti 0.2%以下、V 0.15%以
    下、Nb 0.10 %以下のうち1種ないし2種以上を含有
    し、残部Feならびに不純物元素からなり、かつCr当量が
    9.0 〜10.5であることを特徴とする冷間鍛造用マルテン
    サイト系ステンレス鋼。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3004495U (ja) * 1994-05-23 1994-11-15 メーコー工業株式会社 椅 子

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JPS5113463A (en) * 1974-07-24 1976-02-02 Sharp Kk Shitsukikokantaino seizohoho
JPS58174554A (ja) * 1982-04-07 1983-10-13 Nippon Steel Corp 溶接部の延性及び耐食性のすぐれたステンレス鋼

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