JPH06175023A - ズームレンズ系 - Google Patents

ズームレンズ系

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JPH06175023A
JPH06175023A JP4331712A JP33171292A JPH06175023A JP H06175023 A JPH06175023 A JP H06175023A JP 4331712 A JP4331712 A JP 4331712A JP 33171292 A JP33171292 A JP 33171292A JP H06175023 A JPH06175023 A JP H06175023A
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JP
Japan
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focusing
lens group
lens
cam
zooming
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Application number
JP4331712A
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English (en)
Inventor
Kiyotaka Inatome
清隆 稲留
Masahiro Nakatsuji
雅裕 中辻
Haruo Sato
治夫 佐藤
Hideo Sugano
英夫 菅野
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Priority to US08/148,070 priority patent/US5517361A/en
Priority to EP93117987A priority patent/EP0601337A3/en
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B15/00Optical objectives with means for varying the magnification
    • G02B15/14Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective
    • G02B15/144Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only
    • G02B15/1441Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only the first group being positive
    • G02B15/144113Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only the first group being positive arranged +-++

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
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  • Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構造でありながら、複数のレンズ群の移
動による、インナーフォーカス、又はリア・フォーカス
が可能なズームレンズを提供する。 【構成】変倍と合焦の両方の機能を持ち、変倍あるいは
合焦のいずれかの際に、異なる移動をする複数の合焦レ
ンズ群を有すズームレンズ系において、各合焦レンズ群
の移動軌跡は、各合焦用移動カムと対応する変倍補正用
移動カムとの合成により形成され、同時に合焦に関与し
ない非合焦レンズ群の移動軌跡は、各非合焦レンズ群に
対応する変倍用移動カムと前記変倍補正用移動カムのい
ずれかとの合成により形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はズームレンズ鏡筒、特に
その合焦方式に関し、レンズ系内の複数のレンズ群の移
動による、所謂インナーフォーカス、又はリア・フォー
カス方式に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラレンズのオートフォーカス
化に伴って、ズームレンズの小型化、高性能化のため
に、前玉繰り出し方式以外の様々な合焦方式が検討され
ている。特に高性能化のために、レンズ系内の複数のレ
ンズ群の移動による、所謂フローティング的なインナー
フォーカス、又はリア・フォーカス方式が有効なことが
知られている。実際に光学設計的には、様々な方式が提
案されているが、機械設計的にこれを簡単な構造で、し
かも所謂マニュアルフォーカスを実現することは困難で
あった。この原因としては、所謂フローティングを行な
うために、複数のレンズ群が合焦のために、それぞれ独
立に移動するばかりでなく、変倍の状態によってその合
焦ための移動量が変化してしまうためであった。このた
めに、合焦と変倍の状態による、各合焦レンズ群に必要
な移動量を機械構造的に達成することを極めて困難なも
のにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、レンズ系内の複数のレンズ群の移動による、所謂フ
ローティング的なインナーフォーカス、又はリア・フォ
ーカス方式を簡単な構造で構成し、オートフォーカスの
みならず、所謂マニュアルフォーカスの可能な、小型軽
量で、しかも操作性の良い高性能なズームレンズを提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、本発明と同一
出願人による特願平3-304887号において提案したズーム
レンズの鏡筒構造を応用し、更に拡充したものである。
特願平3-304887号において提案したのは、変倍の際に可
動で、かつ変倍と合焦の両方の機能を持つ合焦レンズ群
を含む複数のレンズ群を有するズームレンズ系におい
て、変倍のための所定の移動軌跡をレンズ群の光軸方向
の移動量を規定するための回転鏡筒の回転角を変数とし
て表現するときに、前記合焦レンズ群の移動軌跡は、合
焦用移動カムと変倍補正用移動カムとの合成により形成
され、同時に合焦に関与しない可動の非合焦レンズ群の
移動軌跡は、前記変倍補正用移動カムと各非合焦レンズ
群に対応する各変倍用移動カムとの合成により形成され
ることを特徴とするズームレンズ系であった。
【0005】そこで本発明においては、ズームレンズ系
内の複数のレンズ群の移動による、インナーフォーカ
ス、又はリア・フォーカス方式の所謂マニュアルフォー
カスを可能にするために、以下のような構造で構成した
ものである。つまり、変倍と合焦の両方の機能を持ち、
変倍あるいは合焦のいずれかの際に、共に異なる移動を
する合焦レンズ群を少なくとも2つ含む複数のレンズ群
を有するズームレンズ系において、変倍のための所定の
移動軌跡をレンズ群の光軸方向の移動量を規定するため
の回転鏡筒の回転角を変数として表現するときに、第1
合焦レンズ群の移動軌跡は、第1合焦用移動カムと第1
変倍補正用移動カムとの合成により形成され、第n合焦
レンズ群の移動軌跡は、第n合焦用移動カムと第n変倍
補正用移動カムとの合成により形成され、同時に合焦に
関与しない可動の非合焦レンズ群の移動軌跡は、前記第
1変倍補正用移動カムから第n変倍補正用移動カムのい
ずれかと各非合焦レンズ群に対応する各変倍用移動カム
との合成により形成されることを特徴とするズームレン
ズ系である。
【0006】従って、合焦レンズ群が2つで、双方が変
倍あるいは合焦のいずれかの際に、異なる移動をする場
合には、第1合焦レンズ群の移動軌跡は、第1合焦用移
動カムと第1変倍補正用移動カムとの合成により形成さ
れ、第2合焦レンズ群の移動軌跡は、第2合焦用移動カ
ムと第2変倍補正用移動カムとの合成により形成され、
同時に合焦に関与しない可動の非合焦レンズ群の移動軌
跡は、前記第1変倍補正用移動カムあるいは、第2変倍
補正用移動カムのいずれかと各非合焦レンズ群に対応す
る各変倍用移動カムとの合成により形成されることにな
る。
【0007】また、合焦レンズ群が3つで、その3つの
合焦レンズ群が変倍あるいは合焦のいずれかの際に、異
なる移動をする場合には、第1合焦レンズ群の移動軌跡
は、第1合焦用移動カムと第1変倍補正用移動カムとの
合成により形成され、第2合焦レンズ群の移動軌跡は、
第2合焦用移動カムと第2変倍補正用移動カムとの合成
により形成され、第3合焦レンズ群の移動軌跡は、第3
合焦用移動カムと第3変倍補正用移動カムとの合成によ
り形成され、同時に合焦に関与しない可動の非合焦レン
ズ群の移動軌跡は、前記第1変倍補正用移動カムあるい
は、第2変倍補正用移動カム、または第3変倍補正用移
動カムのいずれかと各非合焦レンズ群に対応する各変倍
用移動カムとの合成により形成されることになる。
【0008】具体的には、最初に各合焦レンズ群が、そ
れぞれの合焦用移動カムを用いて合焦を行なうときに、
特定の撮影距離に関しては同一回転角で変倍の状態に応
じた合焦のための繰り出し量が確保され、同時に任意の
焦点距離、任意の撮影距離において結像点の変位量が充
分に小さくなるように、各合焦用移動カムの形状を決定
する。
【0009】そして次に各合焦用移動カムにしたがっ
て、対応する各変倍補正用移動カムとの合成が、変倍の
際の各合焦レンズ群の移動軌跡となるように、各変倍補
正用移動カムを決定する。最後に、可動の非合焦レンズ
群に関しては、前記いずれかの変倍補正用移動カムとの
合成が、変倍の際の各非合焦レンズ群の移動軌跡となる
ように、各非合焦レンズ群に対応する各変倍用移動カム
を決定する。
【0010】従って、各合焦レンズ群の移動軌跡は、各
合焦用移動カムと対応する各変倍補正用移動カムとの合
成により形成され、同時に合焦に関与しない可動の各非
合焦レンズ群の移動軌跡は、前記変倍補正用移動カムの
いずれかと、各非合焦レンズ群に対応する各変倍用移動
カムとの合成により形成される。前記カム構造を採用す
ることで従来の固定筒とカム筒に新たに別のカム筒を付
加するだけの簡単な構成で、複数のレンズ群が合焦のた
めに、それぞれ独立に移動するズームレンズのマニュア
ルフォーカスを実現することができる。
【0011】そして合焦の際には、各合焦レンズ群が各
合焦用移動カム上をそれぞれ同じ回転角だけ移動するこ
とにより、光軸方向に所望の繰り出し量だけ動いて合焦
がなされる。一方、変倍の際には、回転鏡筒の回転によ
り各合焦レンズ群は、前記合焦用移動カム上を移動しな
がら、対応する各変倍補正用移動カムの回転移動と合成
され、光軸方向に所望の量だけ動く。また同時に、合焦
に関与しない可動の各非合焦レンズ群は、回転鏡筒の回
転により各変倍用移動カム上を移動しながら、前記変倍
補正用移動カムのいずれかの回転移動と合成され、光軸
方向に所望の量だけ動いて変倍がなされる。
【0012】
【作用】前述した如く、本発明の構造によれば、前記カ
ム構造を採用することで従来の固定筒とカム筒に新たに
別のカム筒を付加するだけの簡単な構成で、複数のレン
ズ群が合焦のために独立に移動するばかりでなく、変倍
の状態により、合焦のための繰り出し量が変化するフロ
ーティング方式内焦ズームレンズのマニュアルフォーカ
スを実現することができる。
【0013】つまり各合焦レンズ群は、それぞれの合焦
用移動カムを用いて合焦を行なうときに、特定の撮影距
離に関しては同一回転角で変倍の状態に応じた合焦のた
めの繰り出し量が確保されるように、各合焦用移動カム
の形状を決定してあるので、合焦の際には、各合焦レン
ズ群は、各合焦用移動カム上をそれぞれ同じ回転角だけ
移動することにより、マニュアルフォーカスを含めた合
焦を実現することができる。
【0014】一方、変倍の際には、回転鏡筒の回転によ
り各合焦レンズ群は、前記合焦用移動カム上を移動しな
がら、対応する各変倍補正用移動カムの回転移動と合成
され、光軸方向に所望の量だけ動く。また同時に、合焦
に関与しない可動の各非合焦レンズ群は、回転鏡筒の回
転により各変倍用移動カム上を移動しながら、前記変倍
補正用移動カムのいずれかの回転移動と合成され、光軸
方向に所望の量だけ動いて変倍がなされることになる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明する。 〔実施例1〕実施例1のズームレンズは、図1に示した
如く物体側から順に、正屈折力の第1レンズ群G1、負
屈折力の第2レンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G
3、及び正屈折力の第4レンズ群G4からなり、広角か
ら望遠への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レン
ズ群G2の空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3
レンズ群G3の空気間隔、及び第3レンズ群G3と第4
レンズ群G4の空気間隔が減少するように、全てのレン
ズ群が光軸に沿って移動し、合焦に際しては第2レンズ
群G2と第3レンズ群G3が光軸上をそれぞれ独立に物
体側に移動する構成である。
【0016】各レンズ群の構成について説明すれば、正
屈折力の第1レンズ群G1は物体側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズL1 とこれに接合された両凸レンズ
2 、更に物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL
3 からなり、負屈折力の第2レンズ群G2は像側により
曲率の強い面を向けた負メニスカスレンズL4 、両凹負
レンズL5 とこれに接合された正メニスカスレンズ
6 、そして両凸レンズL7 、更に物体側により曲率の
強い面を向けた負メニスカスレンズL8 からなり、正屈
折力の第3レンズ群G3は両凸正レンズL9 とこれと接
合された負メニスカスレンズL10、更に両凸正レンズL
11、及びこれと接合された負メニスカスレンズL 12から
なり、正屈折力の第4レンズ群G4は正レンズL13とこ
れと接合された負メニスカスレンズL14、物体側により
曲率の強い面を向けた正メニスカスレンズL15、そして
両凹負レンズL16、更に両凸レンズL17から構成されて
いる。尚、絞りSは第3レンズ群G3の物体側において
第3レンズ群G3と一体的に配置されている。
【0017】実施例1のズームレンズの諸元を表1に示
す。実施例の諸元表中のfは焦点距離(mm)、FNはFナン
バーを表す。表1において、rは各レンズ面の曲率半径
(mm)、dはレンズ面間隔(mm)、n及びνは各レンズの屈
折率及びアッベ数をそれぞれ表し、添数字は物体側から
の順序を表す。表1の中段は、第2レンズ群G2中の物
体側レンズ面r6 と第4レンズ群G17中の物体側レン
ズ面r30に形成された非球面の形状を表す各係数の値を
示している。
【0018】非球面は光軸からの高さをhとし、そのh
における非球面の頂点の接平面からの距離をx、円錐定
数をk、第2次、第4次、第6次、第8次、第10次の
非球面係数をそれぞれ順にA2 、A4 、A6 、A8 、A
10とし、近軸の曲率半径をrとするとき、以下のような
非球面式で表現されている。
【0019】
【数1】
【0020】表1のレンズ系の諸元表の中段において、
左から順に、円錐定数k、第2次、第4次、第6次、第
8次、第10次の非球面係数A2 、A4 、A6 、A8
10の値が順次記載されている。尚、非球面係数の値に
おけるE-nは10-nを表している。また、表1の下段は、
広角端から望遠端に至る3つの変倍状態(f=36.0、6
0.0、102.0mm )において、撮影距離無限遠と890.0mm
に対応する各レンズ群の間隔と合焦のための繰り出し量
を示している。合焦のための繰り出し量は、合焦レンズ
群で異なるばかりか、変倍の状態により、その移動比も
異なっている。
【0021】そして、図1の中段には変倍の際の各レン
ズ群の移動軌跡( g1 、g2 、g3、g4)を回転鏡筒の
回転角を変数として示した。そして、その移動軌跡を表
す数値を表2に示す。表中、左端は回転鏡筒の回転角θ
(ANGLE)を、右側4列は各レンズ群の光軸方向の移動
量、そして右端は対応する焦点距離 (F)を表している。
尚、本実施例では表に示されるごとく広角から望遠への
変倍のための回転角θは 55°に設定されている。
【0022】また、図1の下段には本発明ズームレンズ
の回転鏡筒に実際に設けられるカム形状を示した。図中
2F、g3Fはそれぞれ合焦レンズ群である第2レンズ
群、及び第3レンズ群の合焦用移動カムを、g1Z
4Z、はそれぞれ、第1レンズ群、第4レンズ群の変倍
用移動カムを示す。そしてg2Hは、第2レンズ群の変倍
補正用移動カムを、g3Hは第1レンズ群、第3レンズ群
及び第4レンズ群に共通の変倍補正用移動カムを示す。
【0023】尚、実際の変倍に際しては、合焦レンズ群
である第2レンズ群及び第3レンズ群の移動軌跡g2
3 は、それぞれ合焦用移動カムg2F、g3Fと変倍補正
用移動カムg2H、g3Hとの合成により形成される。同時
に、合焦に関与しない第1レンズ群と第4レンズ群の移
動軌跡g1 、g4は、それぞれ、第1レンズ群、第4レ
ンズ群の変倍用移動カムg1Z、g4Zと変倍補正用移動カ
ムg3Hとの合成により形成される。
【0024】表3には、合焦用移動カムg2F、g3Fのカ
ム軌跡を表す数値をに示した。表中、左端と5列目は回
転鏡筒の回転角θ (ANGLE)を、2列目と3列目及び6列
目と7列目はそれぞれ第2レンズ群と第3レンズ群の光
軸方向の移動量、そして4列目と8列目は対応する焦点
距離 (F)を表している。表中、合焦用移動カムg2F、g
3Fの回転鏡筒の回転角θは、変倍のための回転角 55°
の2倍の 110°に設定されている。これは合焦のための
回転角が、変倍のための回転角と同じ 55°に設定され
ているためである。従って、合焦用移動カムg2F、g3F
の回転鏡筒の回転角θは、変倍と合焦のための回転角が
合成されて 110°となっている。
【0025】次に、この合焦用移動カムの決定の方法に
ついて図2を用いて説明する。合焦のための回転角は、
変倍のための回転角と同じ 55°に設定されているため
に、合焦用移動カムg2F、g3Fの形状は具体的には、表
1に示される広角端での合焦のための繰り出し量を規定
する合焦用カム軌跡に、望遠端での合焦のための繰り出
し量を規定する合焦用カム軌跡を結合した形状になる。
従っていま、図2中で合焦のための第2レンズ群と第3
レンズ群の繰り出し量を広角端と望遠端でそれぞれ、Δ
2 f=36.R=890、ΔX3 f=36.R=890、ΔX
2 f=102.R=890 、ΔX3 f=10 2.R=890 としたときに、広
角端無限遠に対応する座標をそれぞれ、(X2 ;θ)=
( 0;0 )、(X3 ;θ)=( 0;0 )、広角端撮影距
離R=890.0mm に対応する座標を、それぞれ(X2
θ)=(ΔX2 f=36.R=890;55 )=( 1.724;55
)、(X3 ;θ)=(ΔX3 f=36.R=890;55 )=(
0.345; 55 )とすると、望遠端無限遠に対応する座標
は、それぞれ(X2 ;θ)=( 1.724; 55 )、
(X3 ;θ)=( 0.345; 55 )、望遠端撮影距離R=
890.0mm に対応する座標は、それぞれ、(X2 ;θ)=
(ΔX2 f=36.R=890+ΔX2 f=102.R=890 ;110 )=
(10.338;110 )、(X3 ;θ)=(ΔX3 f=36.R=890
+ΔX3 f=102.R= 890 ;110 )=( 3.016;110 )とな
る。ただし図中、R=unは撮影距離が無限遠(unendli
ch) であることを表している。更に、前記3点以外の合
焦用移動カムg2F、g3Fの形状は、任意の変倍状態、撮
影距離(例えばf=60.0mm、R=890.0mm )で必要な合
焦のための繰り出し量が得られるように最適化の方法等
を利用して、表3の如く決定される。
【0026】表4には、第1レンズ群G1、第4レンズ
群G4の変倍用移動カムg1Z、g4Zのカム軌跡を表す数
値を示した。表中、左端は回転鏡筒の回転角θ (ANGLE)
を、2列目と3列目はそれぞれ第1レンズ群と第4レン
ズ群の光軸方向の移動量、そして右端は対応する焦点距
離 (F)を表している。ただし、本実施例においては、第
1レンズ群G1、第4レンズ群G4は一体移動をしてい
るので、これらのカム軌跡は同じ数値を示している。
尚、広角から望遠への変倍のための回転角θは表2と同
じ 55°に設定されている。
【0027】表5には、第2レンズ群の変倍補正用移動
カムg2Hと、第1レンズ群、第3レンズ群及び第4レン
ズ群に共通の変倍補正用移動カムg3Hのカム軌跡を表す
数値を示した。表中、左端は回転鏡筒の回転角θ (ANGL
E)を、2列目と3列目はそれぞれ第2レンズ群の光軸方
向の移動量と、第1レンズ群、第3レンズ群及び第4レ
ンズ群の光軸方向の移動量を、そして右端は対応する焦
点距離 (F)を表している。
【0028】本実施例では、変倍の際に合焦レンズ群で
ある第2レンズ群及び第3レンズ群の移動軌跡g2 、g
3 は、それぞれ合焦用移動カムg2F、g3Fと変倍補正用
移動カムg2H、g3Hとの合成により形成され、合焦に関
与しない第1レンズ群と第4レンズ群の移動軌跡g1
4 は、それぞれ、第1レンズ群、第4レンズ群の変倍
用移動カムg1Z、g4Zと変倍補正用移動カムg3Hとの合
成により形成されるので、表3、表4の光軸方向の移動
量をそれぞれ対応する表5の光軸方向の移動量に加算す
ると、表2における光軸方向の移動量に一致することに
なる。
【0029】また、合焦の際には、合焦レンズ群である
第2レンズ群及び第3レンズ群が、合焦用移動カム
2F、g3F上をそれぞれ同じ回転角だけ移動することに
より、合焦がなされるので、実際に、表3の合焦用移動
カムを用いて合焦した際の焦点距離f=36, 50, 60, 7
0, 85, 102 mmの各変倍状態における撮影距離R=0.89,
1.2, 1.5, 2.0, 3.0 mのときの合焦のための回転鏡筒
の回転角、及びこの回転角に対応する合焦レンズ群の実
際の繰り出し量 (DX) 、更に繰り出し量 (DX) を与えた
ときの結像点の変位量 (BF) を表6に示す。
【0030】表6の上段が各変倍状態における前記撮影
距離Rについての結像点の変位量 (BF) を示し、中段は
各撮影距離Rに対応する回転鏡筒の回転角を示してい
る。また、下段は各合焦用回転角に対応する各合焦レン
ズ群の実際の繰り出し量 (DX)の値を、焦点距離f=36,
50, 60, 70, 85, 102 mmの各変倍状態における撮影距
離R=0.89, 1.2, 1.5, 2.0, 3.0 mの各場合について示
している。下段において、左端の数字は全系の焦点距離
Fを、右端は撮影距離Rを示し、これらの中間の数字は
順に第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群、及び
第4レンズ群についての実際の繰り出し量 (DX) の値で
ある。尚、いずれの値についても、物体側へ移動する場
合を正の値としている。
【0031】この表6から、それぞれの焦点距離、撮影
距離で結像点の変位量が小さく、どの変倍状態において
も、またいずれの撮影距離に対しても結像点の変位量は
焦点深度内に収まっていることがわかる。つまり、第2
レンズ群と第3レンズ群によるフローティング方式内焦
ズームレンズのマニュアルフォーカスが可能となる。次
に、図3は、実施例1の広角端(f=36.0mm)と中間焦
点距離(f=60.0mm)の撮影距離無限遠状態での諸収差
図、図4は、望遠端(f=102.0mm )の撮影距離無限遠
状態と広角端(f=36.0mm)の撮影距離R=890.0mm の
状態での諸収差図、そして図5は、中間焦点距離(f=
60.0mm)と望遠端(f=102.0mm )の撮影距離R=890.
0mm の状態での諸収差図を示す。各収差図において、H
は入射高、FNはFナンバー、Yは像高、Aは主光線の入
射角を示し、各収差図はd線(λ=587.6nm)に対応する
ものである。
【0032】これらの諸収差図から、本実施例は無限遠
撮影時の全ての変倍域において良好な性能を維持してい
ることは勿論、至近距離撮影状態においても近距離収差
変動の少ない優れた結像性能を有していることが明らか
である。尚、本実施例では、合焦に関与しない第1レン
ズ群と第4レンズ群の移動軌跡g1 、g4 は、それぞ
れ、第1レンズ群、第4レンズ群の変倍用移動カム
1Z、g4Zと変倍補正用移動カムg3Hとの合成により形
成される如き構成を取っているが、第2レンズ群の変倍
補正用移動カムg2Hとの合成により、移動軌跡g1 、g
4 が形成される構成を取ることも可能である。
【0033】この場合、第1レンズ群、第4レンズ群の
変倍用移動カムg1Z、g4Zの形状は当然のことながら、
表4とは異なってくる。そこで、変倍補正用移動カムg
2Hと合成されるときの、変倍用移動カムg1Z、g4Zの形
状を表7に示す。次に、実施例1光学系に対応するズー
ムレンズ鏡筒の実施例を図6と図7で説明する。1は固
定筒でカメラボディ側端部には、カメラボディ(図示せ
ず)に装着するためのマウント部1a が一体に設けられ
ている。固定筒1の大径部1b の外周部には、ズームリ
ング2及び絞りリング3がそれぞれ所定角度回転可能に
嵌合している。また、固定筒1の小径部1c の外周部に
は距離リング4が所定角度回転可能に嵌合している。
【0034】固定筒1の小径部1c の内周部には、カム
リング5とカムリング5’が所定角度回転可能でかつ光
軸方向に所定量移動可能に嵌合している。カムリング5
には前述の変倍補正用移動カムに相当するカム溝5a が
設けられていて、カムリング5’には第2の変倍補正用
移動カムに相当するカム溝5a'が設けられている。カム
溝5a には固定筒1の小径部1c の内周面に植設された
カムピン6が、カム溝5a'にはカムピン6’がそれぞれ
嵌入している。また、カムリング5には連動ピン5b が
外周外向に植設されていて、固定筒1の逃げ溝1d を貫
通して、ズームリング2の内周部光軸方向に伸張してい
る連動キー2a と係合している。更に、カムリング5の
左方端には、光軸方向に伸張したキー部5c が設けられ
ていて、カムリング5’の外周部に設けられた突起5c'
と係合している。従って、カムリング5、カムリング
5’はズームリング2と回転方向には一体的になって回
転する。
【0035】カム溝5、カム溝5’の内周部には、第1
レンズ群G1、第4レンズ群G4を保持する第1レンズ
群保持枠8が嵌合している。第1レンズ群保持枠8の外
周部にはカムピン8b が植設されていて、カムリング5
のカム溝5d を貫通して固定筒1の小径部1c に設けら
れた案内溝1e にその先端部が嵌入しているため、第1
レンズ群保持枠8は光軸方向に所定量直進可能になって
いる。
【0036】第1レンズ群保持枠8の内周部には、第2
レンズ群保持枠10と第3レンズ群保持枠11がそれぞ
れ嵌合し、第2レンズ群保持枠10の外周部にはカムピ
ン13が植設されていて、第1レンズ群保持枠8を貫通
して、カムリング5’に設けられた第2レンズ群G2の
合焦用移動カムに相当するカム溝5e'に嵌入し、更に固
定筒1の小径部1c に設けられた逃げ溝を貫通して、距
離リング4の内筒部に設けられた光軸と平行な案内溝4
a に嵌入している。また同様に、第3レンズ群保持筒1
1の外周部にはカムピン14が植設されていて、第1レ
ンズ群保持枠8を貫通して、カムリング5に設けられた
第3レンズ群G3の合焦用移動カムに相当するカム溝5
e に嵌入し、更に固定筒1の小径部1c に設けられた逃
げ溝を貫通して、距離リング4の内筒部に設けられた光
軸と平行な案内溝4a に嵌入している。 (レンズ鏡筒の動作説明)次に、上述の構成を有するレ
ンズ鏡筒の動作を説明する。
【0037】先ず、変倍動作について説明する。ズーム
リング2を回転させると、連動キー2a 及び連動ピン5
b を介してカムリング5が回転する。この時、カムリン
グ5は、固定筒1の小径部1c に植設されたカムピン6
により、カム溝5a の変倍補正用移動カムに従って、回
転しながら光軸方向に移動する。同時にカムリング5’
は、キー部5c と突起5c'により回転方向にはカムリン
グ5と一体的になっているので、カムリング5’も同時
に回転する。カムリング5’が回転すると、固定筒1の
小径部1c に植設されたカムピン6’により、カム溝5
a'の第2変倍補正用移動カムに従って、回転しながら光
軸方向に移動する。
【0038】カムリング5が回転しながら光軸方向に移
動すると、第1レンズ群保持筒8は外周部に植設された
カムピン8b により、カムリング5に設けられたカム溝
5dの変倍用移動カムに従って、固定筒1の案内溝1e
に案内されて光軸方向に直進する。同様に第3レンズ群
保持筒11も植設されているカムピン14がカムリング
5に設けられたカム溝5e の合焦用移動カムに従って、
静止している距離リング4の内筒部に設けられた光軸と
平行な案内溝4a に案内されることにより、光軸方向に
移動する。
【0039】更に、同様に第2レンズ群保持筒10も植
設されているカムピン13がカムリング5’に設けられ
たカム溝5e'の合焦用移動カムに従って、静止している
距離リング4の内筒部に設けられた光軸と平行な案内溝
4a に案内されることにより、光軸方向に直進する。第
1レンズ群保持枠8の光軸方向の移動量は、カムリング
5のカム溝5aの変倍補正用移動カムにカム溝5d の変
倍用移動カムを合算した値になる。また、第3レンズ群
保持枠11の光軸方向の移動量は、カムリング5のカム
溝5aの変倍補正用移動カムにカム溝5e の合焦用移動
カムを合算した値になる。更に、第2レンズ群保持枠1
0の光軸方向の移動量は、カムリング5’のカム溝5a'
の変倍補正用移動カムにカム溝5e' の合焦用移動カム
を合算した値になる。
【0040】次に、合焦動作について説明する。距離リ
ング4を回転させると、内筒部の光軸と平行な案内溝4
a に第2レンズ群保持筒10に植設されているカムピン
13と第3レンズ群保持枠11の外周部に植設されてい
るカムピン14がそれぞれ嵌入して、更にカムピン1
3、14は静止しているカムリング5’のカム溝5e'、
カムリング5のカム溝5e に嵌入しているので、第3レ
ンズ群保持枠11はカム溝5e 、第2レンズ群保持枠1
0はカム溝5e'の合焦用移動カムに従って、回転しなが
ら光軸方向に移動する。
【0041】以上の動作により、前述の図に示した第2
レンズ群、第3レンズ群の合焦の際の移動軌跡が達成さ
れる。尚、本実施例では、変倍補正用移動カム5aと5
a'をそれぞれカムリング5とカムリング5’に設ける構
成としたが、これらを共に固定筒1に設ける構成とする
ことも可能である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】〔実施例2〕実施例2のズームレンズは、
図8に示した如く物体側から順に、負屈折力の第1レン
ズ群G1、正屈折力の第2レンズ群G2、負屈折力の第
3レンズ群G3、及び正屈折力の第4レンズ群G4から
なり、広角から望遠への変倍に際して、第1レンズ群G
1と第2レンズ群G2の空気間隔が減少し、第2レンズ
群G2と第3レンズ群G3の空気間隔が増加し、第3レ
ンズ群G3と第4レンズ群G4の空気間隔が減少するよ
うに、全てのレンズ群が光軸に沿って移動し、合焦に際
しては第3レンズ群G3と第4レンズ群G4が光軸上を
それぞれ独立に物体側に移動する構成である。
【0050】各レンズ群の構成について説明すれば、負
屈折力の第1レンズ群G1は物体側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズL1 、同じく物体側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズL2 、更に物体側に凸面を向けた正メニ
スカスレンズL3 からなり、正屈折力の第2レンズ群G
2は物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4 、こ
れに接合された正レンズL5 、更に両凸正レンズL6
らなり、負屈折力の第3レンズ群G3は像側に凸面を向
けた正メニスカスレンズレンズL7 、及びこれと接合さ
れた負レンズL8 からなり、正屈折力の第4レンズ群G
4は両凸正レンズL9 、物体側に凸面を向けた負メニス
カスレンズL10、そして像側に凸面を向けた正メニスカ
スレンズレンズL11、更に像側により曲率の強い面を向
けた正レンズL12、及びこれと接合された負メニスカス
レンズL13から構成されている。尚、絞りSは第3レン
ズ群G3の物体側において第3レンズ群G3と一体的に
配置されている。実施例2のズームレンズの諸元を表8
に示す。実施例の諸元表中のfは焦点距離(mm)、FNはF
ナンバーを表す。表8において、rは各レンズ面の曲率
半径(mm)、dはレンズ面間隔(mm)、n及びνは各レンズ
の屈折率及びアッベ数をそれぞれ表し、添数字は物体側
からの順序を表す。 表8の中段は、第1レンズ群G1
中の物体側レンズ面r1 に形成された非球面の形状を表
す各係数の値を示している。そして左から順に、非球面
の円錐定数k、第2次、第4次、第6次、第8次、第1
0次の非球面係数A2 、A4 、A6 、A8 、A10の値が
順次記載されている。尚、非球面係数の値におけるE-n
は10-nを表している。
【0051】また、表8の下段は広角端から望遠端に至
る3つの変倍状態(f=16.4、24.0、27.3mm)におい
て、撮影距離無限遠と500.0mm に対応する各レンズ群の
間隔と合焦のための繰り出し量を示している。合焦のた
めの繰り出し量は、実施例1と同じように、合焦レンズ
群で異なるばかりか、変倍の状態により、その移動比も
異なっている。そして、図8の中段には変倍の際の各レ
ンズ群の移動軌跡( g1 、g2 、g3、g4)を回転鏡筒
の回転角を変数として示した。そして、その移動軌跡を
表す数値を表9に示した。表中、左端は回転鏡筒の回転
角θ (ANGLE)を、右側4列は各レンズ群の光軸方向の移
動量、そして右端は対応する焦点距離 (F)を表してい
る。尚、本実施例では表に示されるごとく広角から望遠
への変倍のための回転角θは実施例1と同様に 55°に
設定されている。
【0052】また、図8の下段には本発明ズームレンズ
の回転鏡筒に実際に設けられるカム形状を示した。図
中、g3F、g4Fはそれぞれ合焦レンズ群である第3レン
ズ群、及び第4レンズ群の合焦用移動カムを、g1Z、g
2Zはそれぞれ、第1レンズ群、第2レンズ群の変倍用移
動カムを示す。そして、g3Hは第1レンズ群と第3レン
ズ群に共通の変倍補正用移動カムを、g4Hは第2レンズ
群と第4レンズ群に共通の変倍補正用移動カムを示す。
【0053】尚、実際の変倍に際しては、合焦レンズ群
である第3レンズ群及び第4レンズ群の移動軌跡g3
4 は、それぞれ合焦用移動カムg3F、g4Fと変倍補正
用移動カムg3H、g4Hとの合成により形成される。同時
に、合焦に関与しない第1レンズ群の移動軌跡g1 は第
1レンズ群の変倍用移動カムg1Zと変倍補正用移動カム
3Hとの合成により、また、第2レンズ群の移動軌跡g
2 は第2レンズ群の変倍用移動カムg2Zと変倍補正用移
動カムg4Hとの合成により形成される。
【0054】表10には、合焦用移動カムg3F、g4F
カム軌跡を表す数値を示した。表中、左端と5列目は回
転鏡筒の回転角θ (ANGLE)を、2列目と3列目及び6列
目と7列目はそれぞれ第3レンズ群と第4レンズ群の光
軸方向の移動量、そして4列目と8列目は対応する焦点
距離 (F)を表している。表中、合焦用移動カムg3F、g
4Fの回転鏡筒の回転角θは、実施例1と同様に変倍のた
めの回転角 55°の2倍の 110°に設定されている。
【0055】表11には、第1レンズ群G1、第2レン
ズ群G2の変倍用移動カムg1Z、g 2Zのカム軌跡を表す
数値を示した。表中、左端は回転鏡筒の回転角θ (ANGL
E)を、2列目と3列目はそれぞれ第1レンズ群と第2レ
ンズ群の光軸方向の移動量、そして右端は対応する焦点
距離 (F)を表している。尚、広角から望遠への変倍のた
めの回転角θは表9と同じ 55°に設定されている。
【0056】表12には、第1レンズ群と第3レンズ群
に共通の変倍補正用移動カムg3Hと、第2レンズ群と第
4レンズ群に共通の変倍補正用移動カムg4Hのカム軌跡
を表す数値を示した。表中、左端は回転鏡筒の回転角θ
(ANGLE)を、2列目と3列目はそれぞれ第1レンズ群、
第3レンズ群と第2レンズ群、第4レンズ群の光軸方向
の移動量を、そして右端は対応する焦点距離 (F)を表し
ている。
【0057】実施例2でも、変倍の際に合焦レンズ群で
ある第3レンズ群及び第4レンズ群の移動軌跡g3 、g
4 は、それぞれ合焦用移動カムg3F、g4Fと変倍補正用
移動カムg3H、g4Hとの合成により形成され、合焦に関
与しない第1レンズ群と第2レンズ群の移動軌跡g1
2 はそれぞれ、変倍用移動カムg1Z、g2Zと変倍補正
用移動カムg3H、g4Hとの合成により形成されるので、
表10、表11の光軸方向の移動量をそれぞれ対応する
表12の光軸方向の移動量に加算すると、表9における
光軸方向の移動量に一致することになる。
【0058】また、合焦の際には、合焦レンズ群である
第3レンズ群及び第4レンズ群が、合焦用移動カム
3F、g4F上をそれぞれ同じ回転角だけ移動することに
より、合焦がなされるので、実際に、表10の合焦用移
動カムを用いて合焦した際の焦点距離f=16.4, 18.0,
20.0, 22.0, 24.0, 27.3 mm の各変倍状態における撮影
距離R=0.5, 0.8, 1.2, 2.0, 3.0 m のときの合焦のた
めの回転鏡筒の回転角、及びこの回転角に対応する合焦
レンズ群の実際の繰り出し量(DX)、更に繰り出し量
(DX)を与えたときの結像点の変位量(BF)を表13に
示した。
【0059】表13の上段が各変倍状態における前記撮
影距離Rについての結像点の変位量(BF)を示し、中段
は各撮影距離Rに対応する回転鏡筒の回転角を示してい
る。また、下段は各合焦用回転角に対応する各合焦レン
ズ群の実際の繰り出し量(DX)の値を、焦点距離f=1
6.4, 18.0, 20.0, 22.0, 24.0, 27.3 mm の各変倍状態
における撮影距離R=0.5, 0.8, 1.2, 2.0, 3.0 m の各
場合について示している。下段において、左端の数字は
全系の焦点距離Fを、右端は撮影距離Rを示し、これら
の中間の数字は順に第1レンズ群、第2レンズ群、第3
レンズ群、及び第4レンズ群についての実際の繰り出し
量(DX)の値である。尚、いずれの値についても物体側
へ移動する場合を正の値としている。
【0060】この表13から、それぞれの焦点距離、撮
影距離で結像点の変位量が小さく、どの変倍状態におい
ても、またいずれの撮影距離に対しても結像点の変位量
は焦点深度内に収まっていることがわかる。つまり、第
3レンズ群と第4レンズ群によるフローティング方式リ
ア・フォーカスズームレンズのマニュアルフォーカスが
可能となる。
【0061】次に、図9は、実施例2の広角端(f=1
6.4mm)と中間焦点距離(f=24.0mm)の撮影距離無限
遠状態での諸収差図、図10は、望遠端(f=27.3mm)
の撮影距離無限遠状態と広角端(f=16.4mm)の撮影距
離R=500.0mm の状態での諸収差図、そして図11は、
中間焦点距離(f=24.0mm)と望遠端(f=27.3mm)の
撮影距離R=500.0mm の状態での諸収差図を示す。各収
差図において、Hは入射高、FNはFナンバー、Yは像
高、Aは主光線の入射角を示し、各収差図はd線(λ=5
87.6nm)に対応するものである。
【0062】これらの諸収差図から、本実施例は無限遠
撮影時の全ての変倍域において良好な性能を維持してい
ることは勿論、至近距離撮影状態においても近距離収差
変動の少ない優れた結像性能を有していることが明らか
である。
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】
【表10】
【0066】
【表11】
【0067】
【表12】
【0068】
【表13】
【0069】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、レンズ系
内の複数のレンズ群の移動による、所謂フローティング
的なインナーフォーカス、又はリア・フォーカスを簡単
な構造で構成し、しかも所謂マニュアルフォーカスが可
能なズームレンズを提供することができる。
【0070】つまり本発明によれば、非合焦レンズ群の
移動軌跡は、合焦レンズ群の変倍補正用移動カムと非合
焦レンズ群に対応の変倍用移動カムの合成により形成さ
れるので、結果的に合焦レンズ群の変倍補正用移動カム
が、非合焦レンズ群にも共通の変倍補正用移動カムとし
て用いることが可能となっている。従って、合焦レンズ
群の合焦用移動カムと非合焦レンズ群の変倍用移動カム
とは、変倍に際しては共に全く同じ機能を有することに
なる。
【0071】そして、合焦に際しては合焦用移動カムの
みを利用することになるため、機械設計的には、実施例
の中で説明したように、例えば、任意の合焦レンズ群の
合焦用移動カムと変倍補正用移動カム、そして非合焦レ
ンズ群の変倍用移動カムをカム筒に、他の合焦レンズ群
の変倍補正用移動カムと合焦用移動カムを、新たに付加
したカム筒に切るだけで済むことになる。(前述した如
く、変倍補正用移動カムを固定筒に設けることも可能で
ある。)以上のことから、ズームレンズの複数のレンズ
群の移動による、本来は複雑な合焦方式を機械設計的に
は、所謂前玉繰り出し方式のズームレンズの基本構成で
ある固定筒とカム筒に、新たに別のカム筒を付加するだ
けで構成できることになる。
【0072】さらに、変倍の際に像面に対して固定の合
焦レンズ群が存在する場合は、その合焦レンズ群の合焦
用移動カムと変倍補正用移動カムのカム形状は、変倍の
領域に関しては回転鏡筒の回転方向に関して対称にな
る。しかしながら、この場合、光学設計的には固定で
も、機械設計的には可動の合成となるので、変倍の際に
像面に対して固定の合焦レンズ群とするよりも、積極的
に可動群として利用した方が光学設計的に有利である。
【0073】また、変倍の際に像面に対して固定で、合
焦にも関与しないレンズ群が存在する場合には、変倍補
正用移動カムにより光軸方向への移動補正を受けないよ
うに、固定筒に該固定レンズ群を保持する保持筒を直結
する構造にすればよい。なお、本発明は実施例で示した
如きズームレンズの合焦方式に限定されず、特開平2-25
6011号公報に示される第3、4レンズ群を合焦レンズ群
とする正負正正4群ズームレンズ、あるいは第3、4、
5レンズ群を合焦レンズ群とする正負正負正5群ズーム
レンズの如く、複数のレンズ群が独立移動することによ
り合焦がなされる、あらゆる変倍方式のズームレンズに
適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例1のズームレンズのレンズ
構成を示す構成図と各レンズ群の変倍のための移動軌
跡、そして変倍と合焦を規定する合焦用移動カム、変倍
用移動カムと変倍補正用移動カムの形状を示す図。
【図2】本発明による実施例1のズームレンズの合焦用
移動カムを決定するための説明図。
【図3】実施例1の広角端(f=36.0mm)と中間焦点距
離(f=60.0mm)の撮影距離無限遠状態での諸収差図。
【図4】実施例1の望遠端(f=102.0mm )の撮影距離
無限遠状態と広角端(f=36.0mm)の撮影距離R=890.
0mm の状態での諸収差図。
【図5】実施例1の中間焦点距離(f=60.0mm)と望遠
端(f=102.0mm )の撮影距離R=890.0mm の状態での
諸収差図。
【図6】本発明によるズームレンズ鏡筒の実施例の縦断
面図。
【図7】本発明によるズームレンズ鏡筒の実施例のカム
溝及び案内溝の展開図。
【図8】本発明による実施例2のズームレンズのレンズ
構成を示す構成図と各レンズ群の変倍のための移動軌
跡、そして変倍と合焦を規定する合焦用移動カム、変倍
用移動カムと変倍補正用移動カムの形状を示す図。
【図9】実施例2の広角端(f=16.4mm)と中間焦点距
離(f=24.0mm)の撮影距離無限遠状態での諸収差図。
【図10】実施例2の望遠端(f=27.3mm)の撮影距離
無限遠状態と広角端(f=16.4mm)の撮影距離R=500.
0mm の状態での諸収差図。
【図11】実施例2の中間焦点距離(f=24.0mm)と望
遠端(f=27.3mm)の撮影距離R=500.0mm の状態での
諸収差図。
【主要部分の符号の説明】
1 ・・・第1レンズ群 G2 ・・・第2レンズ群 G3 ・・・第3レンズ群 G4 ・・・第4レンズ群 g1 ・・・第1レンズ群の変倍移動軌跡 g2 ・・・第2レンズ群の変倍移動軌跡 g3 ・・・第3レンズ群の変倍移動軌跡 g4 ・・・第4レンズ群の変倍移動軌跡 g1Z・・・第1レンズ群の変倍用移動カム g2Z・・・第2レンズ群の変倍用移動カム g4Z・・・第4レンズ群の変倍用移動カム g2F・・・第2レンズ群の合焦用移動カム g3F・・・第3レンズ群の合焦用移動カム g4F・・・第4レンズ群の合焦用移動カム g2H・・・第2レンズ群の変倍補正用移動カム g3H・・・第3レンズ群の変倍補正用移動カム g4H・・・第4レンズ群の変倍補正用移動カム 1・・・固定筒 1a・・・マウント部 1b・・・固定筒1の大径部 1c・・・固定筒1の小径部 1d・・・固定筒1の逃げ溝 1e、4a・・・案内溝 2・・・ズームリング 2a・・・ズームリング2の連動キー 3・・・絞りリング 4・・・距離リング 5、5’・・・カムリング 5a、5a’、5d、5e、5e’・・・カム溝 5b・・・カムリング5の連動ピン 5c・・・カムリング5のキー部 5c’・・・カムリング5’の突起 6、6’、8b、13、14・・・カムピン 8・・・第1レンズ群(第4レンズ群)保持筒 10・・・第2レンズ群保持筒 11・・・第3レンズ群保持筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 英夫 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変倍と合焦の両方の機能を持ち、変倍ある
    いは合焦のいずれかの際に、共に異なる移動をする合焦
    レンズ群を少なくとも2つ含む複数のレンズ群を有する
    ズームレンズ系において、 変倍のための所定の移動軌跡をレンズ群の光軸方向の移
    動量を規定するための回転鏡筒の回転角を変数として表
    現するときに、第1合焦レンズ群の移動軌跡は、第1合
    焦用移動カムと第1変倍補正用移動カムとの合成により
    形成され、第n合焦レンズ群の移動軌跡は、第n合焦用
    移動カムと第n変倍補正用移動カムとの合成により形成
    され、同時に合焦に関与しない可動の非合焦レンズ群の
    移動軌跡は、前記第1変倍補正用移動カムから第n変倍
    補正用移動カムのいずれかと各非合焦レンズ群に対応す
    る各変倍用移動カムとの合成により形成されることを特
    徴とするズームレンズ系。
  2. 【請求項2】変倍の際に固定の合焦レンズ群を少なくと
    もひとつ含むことを特徴とする、請求項1に記載のズー
    ムレンズ系。
  3. 【請求項3】全ての変倍補正用移動カムのいずれとも合
    成されない、変倍の際に固定で合焦にも関与しない非合
    焦レンズ群を有することを特徴とする、請求項1及び2
    に記載のズームレンズ系。
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