JPH06174692A - 固体電解質SOxセンサ - Google Patents

固体電解質SOxセンサ

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JPH06174692A
JPH06174692A JP4222018A JP22201892A JPH06174692A JP H06174692 A JPH06174692 A JP H06174692A JP 4222018 A JP4222018 A JP 4222018A JP 22201892 A JP22201892 A JP 22201892A JP H06174692 A JPH06174692 A JP H06174692A
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sox
sensor
tube
glass
zro2
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JP4222018A
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Noboru Yamazoe
昇 山添
Norio Miura
則雄 三浦
Yoichi Shimizu
陽一 清水
Eitetsu Gen
永鉄 厳
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Figaro Engineering Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体電解質ガスセンサにより、SOxを高感
度かつ高速応答で検出する。 【構成】 試験管状のMgO安定化ZrO2チューブの
先端に、Li2SO4−CaSO4等の2成分系硫酸塩層
を設け、硫酸塩層と安定化ZrO2チューブの内側に電
極を接続する。好ましくは硫酸塩化合物層にケイ酸塩系
等のガラスを含有させ、微細なポアを塞ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、固体電解質を用いた、
SO2やSO3等のSOxガスのセンサに関する。
【0002】
【従来技術】SO2やSO3等のSOxは典型的な有害ガ
スであり、大気汚染の原因となり、また酸性雨の原因と
なる。これらのガスの検出は大気汚染の測定や、ボイラ
ー等のコントロールに必要である。SOxセンサとし
て、K2SO4やNa2SO4,Li2SO4,Ag2SO4等
の硫酸塩化合物を用い、SOxとの接触でこれらの硫酸
塩化合物に生じる起電力からSOxを測定することが知
られている。しかしながらこれらのセンサの起電力は不
安定で、しばしば経時的にドリフトする。発明者の追試
によると、その原因はこれらの硫酸塩化合物を緻密に焼
結することが困難なため参照極と検出極との間でガスリ
ークが生じることと、電極の界面付近にピロ硫酸塩等が
生成することにあると考えられる。これとは別にNa−
β−Al2O3やNASICON等の陽イオン導電性固体
電解質に、金属硫酸塩化合物を被覆したSOxセンサが
提案されている。しかしながらこれらのセンサはSOx
を含有する雰囲気では不安定であり、かつその応答速度
も低い。
【0003】
【発明の課題】この発明の課題は、SOxを高感度で検
出することにあり、特に安定で信頼性が高く、かつ参照
ガスと検出対象ガスとの分離が容易な、SOxセンサを
提供することにある。この発明の副次的課題は、SOx
との接触後のセンサの回復応答を早めると共に、センサ
の動作温度の下限を低下させSOxに対する感度を向上
させることにある。
【0004】
【発明の構成】この発明は、試験管状のZrO2チュー
ブの先端部の外表面を被覆するように設けた硫酸塩化合
物層と、この硫酸塩化合物層に接続した電極と、ZrO
2チューブの先端部の内表面に接続した電極とを設け
た、固体電解質SOxセンサにある。ここで好ましく
は、前記のZrO2チューブをMgOで安定化したZr
O2のチューブとする。また好ましくは、前記の硫酸塩
化合物を、金属成分が異なる2種の硫酸塩の混合物とす
る。
【0005】好ましくは硫酸塩化合物層に、ガラスを含
有させる。ガラスの原料には例えば石英や石英ガラス、
シリカゲル、シリカゾル等を用い、硫酸塩化合物の溶融
時に硫酸塩化合物と反応させて、例えばケイ酸塩系のガ
ラスを形成させる。この反応は、例えばLi2SO4とC
aSO4の混合物を硫酸塩化合物とする場合以下の反応
式で表され、生成物はシリカ−カルシア−酸化リチウム
のガラスである。 Li2SO4+CaSO4+SiO2→Li2O−CaO−
SiO2+2SO3↑ このようなケイ酸塩ガラスの生成反応は、アルカリ成分
をLiとする場合に限らず、アルカリ成分にNa2SO4
等の他のアルカリ金属の硫酸塩を用いても良い。またア
ルカリ土類成分に、MgSO4やSrSO4,BaSO4
等の他のアルカリ土類の硫酸塩を用いても良い。ガラス
生成反応はLi2SO4等の単味の硫酸塩とSiO2との
反応でも進行するが、硫酸塩化合物をLi2SO4−Ca
SO4等の2成分系とすると、ガラス生成温度が低下し
より容易に進行する。
【0006】好ましいガラス組成には前記のもの以外
に、例えばNa2O−Al2O3−SiO2やCaO−Al
2O3−SiO2,Na2O−B2O3−SiO2等の、アル
カリ金属やアルカリ土類金属と、アルミナやB2O3等
と、シリカの系がある。ガラス原料の内で、Na2Oや
CaO等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物
は、原則として硫酸塩から供給する。これらのガラスは
いずれもケイ酸塩系のガラスで、かつガラスとして最も
代表的なものであり、Li2SO4やNa2SO4,CaS
O4等の硫酸塩と反応して容易に生成する。
【0007】ケイ酸塩系以外のガラスとしては、WO3
−Li2O,WO3−Na2O,WO3−CaO等の、WO
3とアルカリやアルカリ土類の酸化物のガラス、あるい
はLa2O3−Na2O,La2O3−Li2O,La2O3−
CaO等の、La2O3とアルカリやアルカリ土類の酸化
物とのガラス等がある。
【0008】
【発明の作用】発明者は、ZrO2チューブの外表面に
硫酸塩化合物層を設けたセンサをSOxの検出に用い得
ることを見い出した。ZrO2チューブは機械的にも化
学的にも安定で、酸素センサ用に広く用いられている。
そしてZrO2チューブでは参照極と検出極とのガス拡
散の遮断は容易で、2電子反応に反ったネルンストの式
に応じた起電力が得られる。
【0009】SiO2等の化合物を硫酸塩化合物に混合
して溶融すると、SiO2等の化合物と硫酸塩化合物と
が反応してガラスが発生する。発生したガラスは硫酸塩
化合物層内の微細なポアを塞ぎ、硫酸塩化合物層の内部
へSOxが浸入することを防止し、SOxとの接触後の
回復応答を早める。センサの回復応答を早めるとセンサ
を低温で動作させることが可能になり、センサの熱的劣
化を防止するとともに、SOxに対する感度を向上させ
る。感度が向上するのは、SOxに対する感度がネルン
ストの式に従い、絶対温度に反比例するからである。
【0010】
【実施例】図1に実施例のSOxセンサを示す。図にお
いて2は安定化ZrO2のチューブであり、ここではM
gOで安定化したZrO2を用いた。ZrO2チューブ2
の組成はMgO15mol%/ZrO285mol%で
あり、好ましいMgO含有量は4mol%〜20mol
%程度である。
【0011】4は硫酸塩化合物の層であり、例えばLi
2SO4,Na2SO4等のアルカリ金属の硫酸塩、あるい
はCaSO4やSrSO4,BaSO4等のアルカリ土類
金属の硫酸塩、更にはこれらの混合物を用いる。6はZ
rO2チューブの内外の有底先端部に設けたプラチナの
メッシュから成る電極で、8はZrO2チューブの内側
の先端に付着させたPt黒である。また10は内外のP
tのメッシュ電極に接続した、Ptのワイヤリードであ
る。ここでは電極にPtメッシュを用いたが、これ以外
にPt薄膜そのもの、あるいは金やRh,Ir,Ru,
Pd等の他の貴金属でも良い。さらにはSrTiO3や
La2Ti2O7等の金属酸化物半導体電極も用いること
ができる。
【0012】実施例のガスセンサは次のようにして製造
した。O2センサ用のMgOで安定化したZrO2チュー
ブの内側の先端にPt黒の粉末を押し付け、900℃で
アニールして付着させた。ついでZrO2チューブ2の
内側の先端にPtメッシュ6を押し付け、機械的にPt
メッシュ6をPt黒8に結合した。この後Li2SO4や
CaSO4等の硫酸塩の溶融塩内に前記のZrO2チュー
ブを浸漬し、引き上げて空気中で冷却し硫酸塩層4を形
成した。さらにPtワイヤ10を結合したPtのメッシ
ュ6を硫酸塩層6の外側に当て、Ptワイヤ10をZr
O2チューブ2の根本側に引いて機械的にPrメッシュ
6を硫酸塩層6に結合した。ここで示したSOxセンサ
の製造方法は一例であり、製造方法自体は任意である。
【0013】SOxセンサの特性は次のようにして測定
した。ZrO2チューブ2の内側には乾燥したSOxを
含まない標準空気を接触させ、内側のPt電極を参照極
とした。ZrO2チューブ2の外側にはSOxを含有す
る乾燥空気を接触させ、内外のPt電極の間に生じる起
電力をセンサ出力とした。
【0014】図2〜図5に実施例のSOxセンサの特性
を示す。図2の特性は、硫酸塩層4に単味のLi2SO4
を用いた際の800℃での応答波形である。SOxには
SO2を用い、ここでは23ppm〜197ppmの範
囲で濃度を変化させた。図に示すようにSOxを含まな
い雰囲気からSOxを含む雰囲気にに変えた際の応答は
きわめて速い。これに対してSOxを含む雰囲気からS
Oxを含まない雰囲気への変化に伴う応答はきわめて遅
く、かつこの応答はSOxを除去した直後の速い応答
と、その後の緩慢な応答との2つの応答から成る。
【0015】図3に硫酸塩層4としてLi2SO4を用い
た際の、700℃と800℃でのSO2濃度と起電力と
の関係を示す。得られた起電力は2電子過程に対するネ
ルンストの式に一致し、このことは外側のPt電極でS
O3に酸化されたSO2が2電子還元される過程が含まれ
ていることを示している。
【0016】SOxを含む雰囲気からSOxを含まない
雰囲気に切り替えた際の応答速度を改善するため、硫酸
塩層4に2成分系を用いることを検討した。図4に単味
のLi2SO4と,Li2SO4とCaSO4の混合物に対
する700℃での応答波形を示す。図の8:2や6:4
等の記号は、Li2SO4とCaSO4のmol比での混
合比を示す。図から明らかなように、2成分系を用いる
ことによりSOxを除いた後の応答速度が改善される。
【0017】単味の硫酸塩化合物を用いた場合には、S
Ox除去後の応答が遅いため、動作温度の下限は700
℃程度となる。これに対して2成分系の硫酸塩化合物を
用いた場合には、SOx除去後の応答が改善されるため
動作温度の下限は600℃程度となる。図5に、Li2
SO4とCaSO4とのmol比で8:2の2成分系に対
する、650℃と700℃でのSO2濃度と起電力との
関係を示す。ここでも起電力はネルンストの式に沿って
変化し、関与する電子数は2である。
【0018】実施例のSOxセンサは電気化学的には式
(1)のように表すことができる。 SO2,air,Pt,| metal sulphate ‖ zirconia |Pt,air (1) (検出極) (Li+またはNa+導電体) (O2-導電体) (対極) 実施例のセンサをZrO2酸素センサと比較した場合、
硫酸塩層4は補助的な検出極材料と考えることができ
る。しかしながら硫酸塩層4に対しては、Liイオンや
Naイオン等の陽イオン導電体としての性質が重要であ
る。また外側のPt電極6の役割の1つは、SO2を式
2の沿ってSO3に酸化する触媒である。 SO2+1/2O2=SO3 (2) この結果、硫酸塩層4は平衡濃度のSO3と接触する。
外側の検出極での反応は例えば式(3)のようになる。 2Li++SO3+1/2O2+2e-=Li2SO4 (3) 一方ZrO2チューブ2の内側の対極での反応は、例え
ば式(4)のようになる。 O2-=1/2O2+2e- (4) 硫酸塩層4とZrO2チューブ2との間で電気化学的な
接続があるとすると、その界面にはLiイオン等の金属
陽イオンとO2-イオンの双方を含む補助的な層が存在す
ることになる。これは例えば式(5)で表せるようなLi2
ZrO3の生成反応を伴うものであろう。 2Li++O2-+ZrO2=Li2ZrO3 (5) すると実施例のセンサは、SOx電極とO2電極とから
なる2つの半電池を、Li2ZrO3等の界面の微量生成
物を参照極として直列に結合したものと考えることがで
きる。この系の起電力は、上記の2つの半電池からの寄
与を加味して式(6)で表すことができる。 E=E0+RT/4F・ln(PSO2/PCO2) +RT/2F・lnPSSO3 (6) ここにPSO3やPO2はそれぞれSO3やO2の分圧を表
し、添え字のSやCは検出極と対極とを表し、Rはガス
常数、Tは絶対温度、Fはファラデー常数を表す。SO
3の生成を伴う式(2)に対して平衡を仮定すると、検出極
側でのSO3分圧は式(7)で表すことができる。 PSSO3=K(PSO2)1/2/(1+K(PSO2)1/2)×(PSO2)in (7) ここでKは平衡定数であり、(PSO2)inは検出対象ガ
ス中でのSO2分圧である。ZrO2チューブ内外での酸
素濃度が等しいとすると、式(6)の起電力は式(8)に単純
化することができる。 E=E′0+RT/2F・ln(PSO2)in (8) そしてこれは2電子過程に対するネルンストの式であ
り、図3や図5の結果と一致する。
【0019】ここではLi2SO4とCaSO4との2成
分系を示したが、例えばNa2SO4−BaSO4,Na2
SO4−CaSO4,Li2SO4−BaSO4,Li2SO
4−SrSO4等の2成分系でも良い。これらの2成分系
混合物の組成は、Li2SO4等のアルカリ金属の硫酸塩
とCaSO4等のアルカリ土類金属の硫酸塩のmol比
で、例えば1:9〜9:1程度の範囲が好ましい。
【0020】次に図3,図5のデータで、ネルンストの
式(8)に一致する起電力が得られたことは、ZrO2チュ
ーブ2を介してのSO2のリークが無視し得ることを示
している。さらに発明者は1カ月程度の間実施例のセン
サを連続駆動したが、応答波形にも起電力特性にもドリ
フトは生じず安定であった。
【0021】発明者はMgOで安定化したZrO2チュ
ーブ以外に、例えばCaOで安定化したZrO2チュー
ブについても同様の実験を行った。しかしCaOで安定
化したZrO2では、溶融塩からの引き上げ時にZrO2
チューブにクラックが頻発した。発明者はさらに、Yで
安定化したZrO2チューブを用いることを検討した。
しかしながらこの場合には、SOxに対する満足すべき
感度が得られなかった。なおCaOで安定化したZrO
2チューブや、Yで安定化したZrO2チューブに関する
問題点を示したが、これらは現在の実験での結果であ
り、今後の改良によりYやCaで安定化したZrO2チ
ューブも使用し得る可能性がある。
【0022】図6にLi2SO4−CaSO4(6:4)の
センサの、650〜800℃での130ppmのSO2
に対する応答波形を示す。SO2への感度はセンサ温度
が低いほど大きい。これはセンサの感度がネルンストの
式に従い、絶対温度に反比例するためである。SO2と
の接触時の応答はいずれの温度でも充分に早い。問題は
SO2との接触後の回復応答であり、これにはSO2を除
去した直後の早い応答とその後に引き続いて起こる遅い
応答との2種類が混合している。ここで問題となるのは
SO2を除去した後の遅い応答である。そこで仮に、こ
の遅い応答を早めることができれば、センサをより低温
で動作させ、SOxに対する感度を向上させることがで
きる。
【0023】図7にLi2SO4−CaSO4(6:4)の
650〜800℃でのSO2濃度と起電力との関係を示
す。いずれの温度でも起電力は電子数2のネルンストの
式にほぼ一致する。
【0024】発明者は、SOxとの接触後の回復応答が
遅い(図2,図6)原因を、次のように推定した。硫酸
塩化合物層4内に微細なポアが存在すると、SOxがポ
アの内部に拡散し、SOxを除去した後もポア内からの
SOxの脱離が遅れる。このために回復応答が遅れる。
発明者はこのような推定に基づき、硫酸塩化合物層4に
ガラスを含有させてポアを塞ぎ、SOxとの接触後の回
復応答を改善することに成功した。
【0025】Li2SO4−CaSO4等の2成分系の硫
酸塩化合物で回復応答が速かったので、Li2SO4−C
aSO4にガラス形成物質としてSiO2を添加した。セ
ンサの製造時のLi2SO4とCaSO4の混合物の溶融
塩中に、SiO2として石英の粉末を添加し、ケイ酸カ
ルシウムリチウム系のガラスを生成させた。溶融塩の組
成は、モル比でLi2SO4:4,CaSO4:4,Si
O2:2の4:4:2とした。SiO2等のガラスの出発
原料は、硫酸塩化合物層4の全量に対して、0.1〜5
0mol%とすることが好ましく、より好ましくは1〜
40mol%、最も好ましくは5〜30mol%とす
る。
【0026】図8にLi2SO4−CaSO4−SiO2
(mol比で4:4:2)の系の、700℃と750℃で
のSO2に対する応答波形を示す。いずれの温度でもセ
ンサの応答は充分に速く、700℃ではSO2との接触
時にオーバーシュートが生じる。SO2との接触後の遅
い回復応答も、いずれの温度でも著しく改善されてい
る。
【0027】図9に、Li2SO4−CaSO4−SiO2
(mol比で4:4:2)の系の、SO2濃度と起電力と
の関係を示す。700℃と750℃のいずれの温度で
も、この系は電子数2のネルンストの式に従う。
【0028】ここではガラス生成物質の例としてSiO
2を示したが、これに限るものではなく、SiO2の添加
形態は石英に限らず、シリカゲルやシリカゾル等でも良
い。実施例の場合、添加した石英はLi2SO4やCaS
O4と反応してガラスを生成し、硫酸塩を2成分系とす
ることによりガラス生成温度を低下させている。もちろ
んSiO2は、Li2SO4単味やNa2SO4単味等の1
成分系の硫酸塩化合物に添加しても良い。次にガラス生
成物質はSiO2に限らず、Al2O3−SiO2,B2O3
−SiO2,Al2O3−B2O3−SiO2,Al2O3−M
gO−SiO2等の、2成分系や3成分系等のケイ酸化
合物としても良い。硫酸塩化合物とガラスを生成し易い
物質には、SiO2を含んだケイ酸塩ガラスの他に、W
O3やLa2O3等を含んだタングステン酸系や酸化ラン
タン系等のガラスがある。
【0029】これ以外に発明者は、B2O3をSiO2に
代えて添加した。しかしB2O3の添加では、過剰のB2
O3がセンサ表面に析出し吸湿性を示したため、好まし
くなかった。またP2O5系のガラスも考えられるが、B
2O3と同様に吸湿性が高く好ましくない。GeO2系ガ
ラスは、水分と反応しGeO2系の結晶に変化し易く好
ましくはない。これ以外にV2O5系のガラスが考えられ
るが、電子導電性で好ましくはない。これらのために、
最も好ましいガラスはSiO2を含有するケイ酸塩系の
ガラスであり、次に好ましいものはWO3やLa2O3を
含有するガラスである。
【0030】電極についてはPtを示したが、外側の電
極はSO2をSO3に酸化させる能力を持つ電極であれば
良く、Pt以外にRhやPd,Ir,Ru等も使用可能
であり、あるいはSrTiO3やLa2Ti2O7等の金属
酸化物半導体電極等も使用可能である。また内側の電極
はO2センサの電極として用いることができるものであ
れば良く、Pt以外に種々の電極を用いることができ
る。
【0031】
【発明の効果】この発明では、20〜200ppm程度
のSOxを600〜800℃程度の温度で、速やかに検
出することができる。またセンサ出力のドリフトが小さ
く、かつ参照ガスと検出対象ガスの分離が容易である。
さらにZrO2チューブは安定なものの入手が容易であ
る。硫酸塩化合物層に、Li2SO4とCaSO4等の2
成分系の硫酸塩化合物を用いれば、SOxとの接触後の
センサの回復応答が促進される。この結果、センサをよ
り低温で動作させ、SOxに対する感度を向上させるこ
とができる。
【0032】硫酸塩化合物層にガラスを含有させ、硫酸
塩化合物層内の微細なポアを塞ぐと、SOxとの接触後
のセンサの回復応答を早めることができる。ガラスの添
加はLi2SO4−CaSO4等の2成分系の硫酸塩化合
物に対して行うのが好ましく、SOxとの接触後の回復
応答を著しく促進することができる。2成分系の硫酸塩
化合物にガラス生成物質を添加すると、ガラス生成温度
を低下させ、ガラス生成を容易にすることができる。S
Oxとの接触後のセンサの回復応答を促進すると、低温
でセンサを動作させることができ、センサの熱的劣化を
防止すると共に、SOxに対する感度を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のSOxセンサの断面図
【図2】 Li2SO4を用いた実施例のSOxセンサ
の、800℃での応答波形を示す特性図
【図3】 Li2SO4を用いた実施例のSOxセンサ
の、700℃(a)と800℃(b)での起電力とSO2濃
度との関係を示す特性図
【図4】 Li2SO4の1成分系とLi2SO4−Ca
SO4の2成分系との、700℃での130ppmのS
O2への応答波形を示す、実施例のSOxセンサの特性
【図5】 Li2SO4−CaSO4(8:2)系の実施
例のSOxセンサでの、650℃(a)と700℃(b)で
のSO2濃度と起電力の関係を示す特性図
【図6】 Li2SO4−CaSO4(6:4)系の実施
例のSOxセンサでの、650〜800℃での130p
pmのSO2に対する応答波形を示す特性図
【図7】 Li2SO4−CaSO4(6:4)系の実施
例のSOxセンサでの、SO2濃度と起電力との関係を
示す特性図
【図8】 Li2SO4−CaSO4−SiO2(4:
4:2)系の実施例のSOxセンサでの、SO2への応答
波形を示す特性図
【図9】 Li2SO4−CaSO4−SiO2(4:
4:2)系の実施例のSOxセンサでの、SO2濃度と起
電力との関係を示す特性図
【符号の説明】
2 安定化ZrO2チューブ 4 硫酸塩層 6 Pt電極 8 Pt黒 10 Ptワイヤ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験管状のZrO2チューブの有底先端
    部の外表面を被覆するように設けた硫酸塩化合物層と、
    この硫酸塩化合物層に接続した電極と、ZrO2チュー
    ブの有底先端部の内表面に接続した電極とを設けた、固
    体電解質SOxセンサ。
  2. 【請求項2】 前記のZrO2チューブをMgOで安定
    化したZrO2のチューブとしたことを特徴とする、請
    求項1に記載の固体電解質SOxセンサ。
  3. 【請求項3】 前記の硫酸塩化合物を、金属成分が異な
    る2種の硫酸塩の混合物としたことを特徴とする、請求
    項1に記載の固体電解質SOxセンサ。
  4. 【請求項4】 前記の硫酸塩化合物層に、ガラスを含有
    させたことを特徴とする、請求項1に記載の固体電解質
    SOxセンサ。
  5. 【請求項5】 前記のガラスをケイ酸塩ガラスとしたこ
    とを特徴とする、請求項4に記載の固体電解質SOxセ
    ンサ。
JP4222018A 1992-03-09 1992-07-28 固体電解質SOxセンサ Pending JPH06174692A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100344967C (zh) * 2004-12-08 2007-10-24 东北大学 一种定硫探头及制作其辅助电极的方法
JP2013205349A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Nippon Soken Inc ガスセンサ素子、ガスセンサおよび排ガス浄化装置

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