JPH0617444B2 - 制振材用組成物 - Google Patents

制振材用組成物

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JPH0617444B2
JPH0617444B2 JP62092689A JP9268987A JPH0617444B2 JP H0617444 B2 JPH0617444 B2 JP H0617444B2 JP 62092689 A JP62092689 A JP 62092689A JP 9268987 A JP9268987 A JP 9268987A JP H0617444 B2 JPH0617444 B2 JP H0617444B2
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NEC Corp
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MITSUI SEKYU KAGAKU KOGYO KK
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【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明はエポキシ樹脂を基材とする制振材用組成物に関
し、さらに詳しくは制振性能に優れ、かつ機械的強度に
優れている制振材用組成物に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 振動源の振動が他の部分に伝わらないようにするため
に、振動源と他の部分との接触部に防振ゴムあるいは空
気バネを介在させることが従来から広く行なわれてい
る。しかし、これらの方法では振動の伝達は防止できて
も振動源の振動そのものを減衰させることは期待できな
い。
このため、振動体に制振材を密着させて、振動体の振動
そのものを減衰させる方法が採用されている。このよう
な制振材では、振動エネルギーを熱に変えることによっ
て、振動の減衰を図っている。
ところで、制振材を用いた振動体の振動抑制は、減衰正
弦波形における隣接する振動の振幅をそれぞれx、x
としたとき、次式(1)で示される対数減衰率δが大
きいほど、優れた振動抑制効果が得られる。
δ=1n(x/x)…(1) そして対数減衰率δは、損失係数ηを用いて、次式
(2)で表わされる。
δ=πη…(2) したがって、制振材としては、損失係数ηの大きいもの
ほど優れた特性を有しているということができる。
このような制振材を実際に使用するに際しては、制振材
を振動源に単純に貼り付けて用いる場合(非拘束型)
と、制振材を振動源と拘束板との間に挿入して用いる場
合(拘束型)とがある。
ところで制振材を振動体と拘束板との間に挿入して用い
る拘束型制振材では、振動体の損失係数ηは次式(3)
にて近似的に表わされる。
式中 E、Eはそれぞれ振動体と拘束板のヤング率であ
り、h、hはそれぞれ振動体と拘束板の厚さであ
り、h31=h+(h+h)/2であり、h
制振材の厚さであり、ηは制振材自体の損失係数であ
り、gは下記式(4)、(5)で示されるシェア・パラ
メータである。
ただしGは制振材の剛性率であり、ρは振動体の密
度である。
上記の式から、制振材としては、損失係数ηが大き
く、かつ剛性率の小さいものが好ましいことがわかる。
また制振材としては、上記のような制振性能に優れてい
るほか、成形性、機械的強度、耐水性、耐薬品性に優れ
ていることが求められている。
このような制振材を形成するための制振材用組成物とし
ては、従来、ポリアミド系樹脂またはポリ塩化ビニル系
樹脂またはエポキシ系樹脂を主成分としたものが用いら
れてきた。
しかしながら、ポリアミド系樹脂を主成分とした制振材
用組成物から成形した制振材は、耐水性、耐薬品性の点
で劣り、しかも機械的強度も小さいので、使用条件が限
定されるという問題点があった。また、ポリ塩化ビニル
系樹脂を主成分とした制振材用組成物は、複雑な形状の
制振材に成形するのが困難であり、さらに少量多品種の
制振材を製造するにはコスト高になるという問題点があ
った。さらにまたエポキシ系樹脂を主成分とした制振材
用組成物から成形した制振材は、機械的強度が大きくし
かも耐久性、成形性に優れたものを得ようとすると制振
性能に劣り、一方制振性能に優れたものを得ようとする
と機械的強度が小さく耐久性、成形性も劣ってしまうと
いう問題点があった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解決
しようとするものであって、優れた制振性能を有し、し
かも機械的強度、耐久性および成形性に優れているよう
な制振材用組成物を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る制振材用組成物は、(a)ポリオールまた
はその重合体のポリグリシジルエーテルであるエポキシ
樹脂、(b)硬化剤(C)芳香族炭化水素類、フェノー
ル類、またはこれらの内少なくとも1種類を主成分とす
る重合体であって、かつ軟化点が25℃以下の化合物よ
りなることを特徴としている。
本発明では、(a)ポリオールまたはその重合体のポリ
グリシジルエーテルであるエポキシ樹脂を(C)芳香族
炭化水素類、フェノール類、またはこれらの内の少なく
とも1種類を主成分とする重合体であってかつ軟化点が
25℃以下の化合物の存在下に、(b)硬化剤と反応さ
せることによって制振材が得られ、この制振材は、優れ
た制振性能を有し、しかも機械的強度、耐久性および成
形性に優れている。
発明の具体的説明 以下本発明に係る制振材用組成物について具体的に説明
する。
本発明に係る制振材用組成物は、(a)ポリオールまた
はその重合体のポリグリシジルエーテルであるエポキシ
樹脂、(b)硬化材および(C)芳香族炭化水素類、フ
ェノール類、またはこれらの内の少なくとも1種類を主
成分とする重合体であってかつ軟化点が25℃以下の化
合物とからなっている。このうちエポキシ樹脂(a)
は、上記のようにポリオールまたはその重合体のポリグ
リシジルエーテルであるが、具体的には、下記のような
化合物が用いられる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブチレン
グリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレング
リコール、ジ(1,4-ブチレングリコール)、ポリ(1,4-
ブチレングリコール)、ネオペンチルグリコール、1,6-
ヘキサンジオール、ジ(6-ヒドロキシヘキシル)エーテ
ル、1,8-オクタンジオール、ジ(8-ヒドロキシオクチ
ル)エーテル、1,10-デカンジオールジ(10-ヒドロキシ
デシル)エーテル、フェニルエチレングリコール、ジ
(フェニルエチレングリコール)などの炭素数2〜15
のポリオールのジグリシジルエーテルなど。
グリセロールトリグリシジルエーテル、ポリグリセロー
ルポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ
グリシジルエーテルなど。
トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物
のトリグリシジルエーテル ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加物の
トリグリシジルエーテルなど。
硬化剤(b)としては、アミン類、酸無水物類、ポリア
ミド類、ジシアンジアミド等が使用できる。具体的に
は、アミン類としては、N-アミノエチルピペラジン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリメ
チルヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、メ
タキシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジア
ミノジフェニルメタン等が用いられ、酸無水物類として
は、無水フタル酸、無水トリメリット酸、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、エチレ
ングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、無水
マレイン酸等が用いられる。
このような硬化剤(b)は、上記のようなエポキシ樹脂
に含まれるエポキシ基1当量に対して、硬化剤中のエポ
キシ基と反応する官能基が0.6〜1.4当量好ましく
は0.8〜1.2当量となるような量で用いられる。
また本発明に係る制振材用組成物での化合物(C)とし
ては、以下のようなものが用いられる。
(i)トルエン、キシレン、スチレン、α−メチルスチ
レン、ジビニルベンゼン、エチルベンゼン等またはこれ
らの混合物であって、軟化点が25℃以下の芳香族炭化
水素類。
(ii)クレゾール類、ビニルフェノール類、プロピルフ
ェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール
類、ノニルフェノール類、ジノニルフェノール類、ジメ
トキシ-4-メチルフェノール等またはこれらの混合物で
あって、軟化点が25℃以下のフェノール類。
(iii)上記の芳香族炭化水素類、フェノール類、また
はこれらの少なくとも1種の化合物を主成分とする混合
物と、ホルムアルデヒドとの縮合体であって、軟化点が
25℃以下のもの。
(IV)上記の芳香族炭化水素類、フェノール類またはこ
れらの少なくとも1種の化合物を主成分とする混合物の
重合体であって、軟化点が25℃以下のもの。
本発明に係る制振材用組成物には、それを硬化させて得
られる制振材の機械的強度を向上させるため、必要によ
り無機質あるいは有機質充填剤が添加される。無機質充
填剤としては、マイカ、ガラスフレーク、鱗片状酸化
鉄、アスベスト等が使用され、有機質充填剤としては合
成パルプ、ポリアミド繊維、カーボン繊維、ポリエステ
ル繊維等が使用される。
本発明に係る制振材用組成物は、上記の(a)エポキシ
樹脂(b)硬化剤および(C)芳香族炭化水素類、フェ
ノール類またはこれらの内の少なくとも1種類を主成分
とする重合体であってかつ軟化点が25℃以下の化合
物、さらに必要により可塑剤または充填剤を常法に従っ
て充分混合することにより調製され、この制振材用組成
物は、脱泡後に200℃程度までの温度で硬化させて所
望形状とするという通常の成形方法により制振材に成形
される。
発明の効果 本発明に係る制振材用組成物は、(a)ポリオールまた
はその重合体のポリグリシジルエーテルであるエポキシ
樹脂と、(b)硬化剤と、(C)芳香族炭化水素類、フ
ェノール類またはこれらの内の少なくとも1種類を主成
分とする重合体であってかつ軟化点が25℃以下の化合
物とからなり、この制振材用組成物を硬化させて得られ
る制振材は、優れた制振性能を有し、しかも機械的強
度、耐久性および成形性に優れている。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
実施例1 エポキシ当量150g/当量の1,6-ヘキサンジオールジ
グリシジルエーテル100gに、キシレンとホルムアル
デヒドの縮合体(平均分子量400,25℃で液体、粘
度750cps/50℃)100g、および4-メチル-1,2,
3,6テトラヒドロ無水フタル酸100重量部に対し、2,
4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール1重量
部が添加された硬化材100gを加え、室温で充分混合
して、制振材用組成物を調製した。
得られた制振材用組成物を、硬化条件120℃×3hrで
硬化させ、得られた制振材について、制振材の損失係数
η、アイゾット衝撃強さ、屈曲時の耐チッピング性を下
記のようにして測定した。
測定法は以下のとおりである。
(制振材自体の損失係数ηの測定条件) 装置:岩本製作所製、高周波粘弾性スペクトロメーター 測定温度:−50〜200℃;サンプル形状巾2mm×厚
1mm×長さ5mm 測定周波数:400Hz 測定法および原理:試料の一端を固定して他端に試料の
長さ方向の振動を与えようとする場合に、試料が縮む方
向では、たるんで測定ができない。そこで最初に試料に
一定の伸びを与えて、その伸びた点を中心にして振動歪
を与えながら測定する。この最初に与えた伸びを初期歪
(L)、初期歪を与えるときに生ずる張力を初期張力
(F)とよぶ。
初期歪よりも振動歪(Dynamic displacement)の振巾(Δ
o-p)が大きくなると試料がたるんで測定できなくな
る。このことは測定のときに注意しなければならない。
Dynamic displacement:ΔLo-p(cm)、試料に振動歪
を与えることにより生じる振動力(Dynamicforce):ΔF
o-p(dyne)、初期歪を与える前の試料の長さ(自然長L(c
m))、試料の断面積:A(cm2)、Dynamic displacement
とDynamicforceとの位相性(Deg)及び振動周波数(Hz)を
用いて、複素弾性率(ヤング率):E(dyne/cm2)を
下記式により計算する。
=(ΔFo-p/ΔLo−p)・(L/A)とすれば 動的貯蔵弾性率 E′=|E|cosδ (dyne/cm2) 動的貯損失弾性率 E″=|E|sinδ (dyne/cm2) 動的粘性率 η′=E″/ω (poise) 損失正接 tanδ=E″/E′=η ω=2πf =周波数(Hz) 以上のように初期歪および初期張力は計算には関係しな
い。E′、E″、E、δの関係は、第1図に示すよう
になる。
得られた損失係数の最大値をηmax、ηmaxとなる温度を
(Tηmaxで示す。
(アイゾット衝撃強さの測定法) JIS K6911の5.21に基づき、温度25±
0.2℃で行った。
(屈曲時の耐チッピング性の測定法) 1/2×1/2×5インチの角柱サンプルを両端の角が
90°になるまで曲げ、割れの発生の有無により判定し
た。割れの生じないものを合格とした。
制振材を、振動体に拘束型制振材として組立てたときの
制振性能を以下の方法で測定した。すなわち長さ300
mm、巾30mm、厚さ5mmのアルミニウム製振動板に振動
板と同一の面積で厚さ3mmの制振材および振動板と同一
の面積で厚さ2mmのアルミニウム製拘束板を取り付けた
サンドイッチ構造の拘束型制振材のサンプルを作成し、
振動数400Hzで拘束型制振材のηを測定した。得られ
たηの最大値を(ηmaxとした。
結果を表1に示す。
実施例2〜7 実施例1において、1,6-ヘキサンジオールジグリシジル
エーテルの代わりに、表1に示すようなエポキシ樹脂を
用いた以外は、実施例1と同様にした。
結果を表1に示す。
実施例8 実施例3で用いた硬化材の代わりに、ドデセニル無水コ
ハク酸100重量部に対し、2,4,6-トリス(ジメチルア
ミノメチル)フェノール1重量部が添加された硬化剤1
40gを用いた以外は、実施例1と同様にした。
結果を表2に示す。
実施例9 実施例8で用いたエポキシ樹脂の代わりに、ジプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル50gとトリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル50gの混合物を
用い、かつ硬化剤の量を136gに変えた以外は、実施
例8と同様にした。
結果を表2に示す。
実施例10 実施例9において硬化剤の使用量を106gに変えた以
外は、実施例9と同様にした。
結果を表2に示す。
実施例11〜12 酸無水物以外の硬化剤を用いた例を示す。実施例4にお
いて、硬化剤の種類とその使用量を表3に示すように変
えた以外は、実施例4と同様にした。
結果を表3に示す。
実施例13〜17 実施例3において、化合物(C)として用いた、キシレ
ンとホルムアルデヒドの縮合体に代え他の化合物を用い
た以外は、実施例3と同様に行った。
結果を表4に示す。
比較例1 ここでは化合物(C)を用いなかった場合の例を示す。
実施例3においてキシレンとホルムアルデヒドの縮合体
を用いなかった以外は、実施例3と同様の操作を行っ
た。
結果を表5に示す。
比較例2 ここでは化合物(C)として、本発明で特定する化合物
以外のものを用いた場合制振性能が劣る例を示す。
実施例1において、キシレンとホルムアルデヒドの縮合
体に代えてフタル酸ジオクチルを用いた以外は、実施例
1と同様の操作を行った。
結果を表5に示す。
化合物(C)を用いない比較例1よりむしろ制振性能が
劣っていることがわかる。
比較例3 実施例3において、エポキシ当量172g/当量のジプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテルに代えて、エ
ポキシ当量190g/当量のビスフェノールAジグリシ
ジルエーテルを用いた以外は、実施例3と同様に操作を
行った。
結果を表6に示す。
比較例4 実施例13において、エポキシ当量172g/当量のジ
プロピレングリコールジグリシジルエーテルに代えて、
エポキシ当量190g/当量のビスフェノールAジグリ
シジルエーテルを用いた以外は、実施例13と同様に操
作を行った。
結果を表6に示す。
比較例5 実施例14において、エポキシ当量172g/当量のジ
プロピレングリコールジグリシジルエーテルに代えて、
エポキシ当量190g/当量のビスフェノールAジグリ
シジルエーテルを用いた以外は、実施例14と同様に操
作を行った。
結果を表6に示す。
比較例6 実施例15において、エポキシ当量172g/当量のジ
プロピレングリコールジグリシジルエーテルに代えて、
エポキシ当量190g/当量のビスフェノールAジグリ
シジルエーテルを用いた以外は、実施例15と同様に操
作を行った。
結果を表6に示す。
比較例7 実施例17において、エポキシ当量172g/当量のジ
プロピレングリコールジグリシジルエーテルに代えて、
エポキシ当量190g/当量のビスフェノールAジグリ
シジルエーテルを用いた以外は、実施例17と同様に操
作を行った。
結果を表6に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、複素弾性率と、動的貯蔵弾性率と、動的損失
弾性率との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 文雄 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−151227(JP,A) 特開 昭61−181886(JP,A) 特開 昭61−293250(JP,A) 特開 昭62−161836(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)脂肪族ポリオールまたはその重合体
    のポリグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂と、 (b)硬化剤と、(c)芳香族炭化水素類、フェノール
    類またはこれらの内の少なくとも1種類を主成分とする
    重合体であって、かつ軟化点が25℃以下の化合物とか
    らなることを特徴とする拘束型制振材用組成物。
JP62092689A 1987-01-29 1987-04-15 制振材用組成物 Expired - Lifetime JPH0617444B2 (ja)

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