JPH06174334A - 熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

熱交換器およびその製造方法

Info

Publication number
JPH06174334A
JPH06174334A JP32648692A JP32648692A JPH06174334A JP H06174334 A JPH06174334 A JP H06174334A JP 32648692 A JP32648692 A JP 32648692A JP 32648692 A JP32648692 A JP 32648692A JP H06174334 A JPH06174334 A JP H06174334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
pipe
brazing
tube
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP32648692A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2971685B2 (ja
Inventor
Masaru Ito
勝 伊東
Takashi Sawada
敬 澤田
Masao Noguchi
正夫 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP32648692A priority Critical patent/JP2971685B2/ja
Publication of JPH06174334A publication Critical patent/JPH06174334A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2971685B2 publication Critical patent/JP2971685B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 腐食性作動媒体に対する耐食性および動作圧
力に対する耐圧性を確保しつつ小型・軽量な熱交換器を
提供する。 【構成】 ステンレス鋼製で薄肉細径の伝熱管20に貫
通され、ろう接により接続された軽合金材料または銅系
材料等を用いた薄肉の伝熱フィン21と、ステンレス鋼
製で伝熱管20の端部にニッケル系ろう材にてろう接さ
れる接続管22、入口管23および出口管24とにより
発生器19(熱交換器)が構成されている。これによっ
て吸収式ヒートポンプ装置の動作圧力に対する耐圧性お
よび作動媒体であるアンモニアに対する耐食性が確保さ
れ、発生器19の小型・軽量化が可能となり、さらに吸
収式ヒートポンプ装置を小型・軽量化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンモニアを用いる吸
収式ヒートポンプ装置用発生器等の腐食性作動媒体を取
り扱う熱交換器およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、作動媒体としてアンモニアを用
い吸収液として水を用いる吸収式ヒートポンプ装置は図
9に示すような基本構成になっている。
【0003】燃焼ガスと作動媒体との熱交換器(以下、
発生器1と称する)においては、バーナ2により加熱さ
れポンプ3により加圧供給されるアンモニアを含有した
水(濃溶液)からアンモニアガスが発生する。発生器1
において発生し高温高圧状態下のアンモニアガスと、ア
ンモニアがガスとして分離したことにより濃度が低下し
た溶液(希溶液)は2相状態にて気液分離器4に流入
し、ここでガスと液体(希溶液)に分離される。分離さ
れたガス状態のアンモニアは凝縮器5に流入し、冷却さ
れて高圧状態の液化アンモニアとなる。液化アンモニア
は膨張弁6を通過することによりその圧力が下がり、蒸
発器7にて気化が行われて、この時の蒸発潜熱により冷
凍作用が発生する。蒸発器7にて気化し再びガスとなっ
たアンモニアは吸収器8に流入し、気液分離器4より絞
り弁9を介して吸収器8に流入するアンモニア濃度の低
い吸収液(希溶液水)に吸収されて吸収液のアンモニア
濃度は再び高くなり濃溶液となる。この時に発生する吸
収熱は、冷却手段により除去されるとともに低圧状態の
濃溶液としてポンプ3に吸入される。
【0004】ところで上述した吸収式ヒートポンプ装置
の動作を行い、蒸発器6における冷凍作用を発生させる
ためには、発生器1・気液分離器4・凝縮器5等の高圧
側圧力を15〜20気圧とし、蒸発器7・吸収器8の低
圧側圧力を1〜5気圧に保つ必要があった。そのため特
に高圧側に配置された要素部品には高い耐圧強度が要求
される。この要求に対し、凝縮器5は通常は比較的細い
パイプにて構成されるため、耐圧強度に関する問題は少
ないが、発生器1・気液分離器4は通常は比較的大きな
容積を持つ容器にて構成され、強度・重量等において課
題があった。
【0005】図10は、従来の吸収式ヒートポンプ装置
における発生器の一例を示したものであるが、この装置
においては図9の発生器1と気液分離器4が一体化した
構造となっている。すなわち内胴10と外胴11により
その内部空間に溶液溜め12を形成し、内胴10の内側
下部にはバーナ13が配置されるとともに内胴10には
伝熱面積を拡大するためのビード加工14が施されてい
る。また15は燃焼ガスから内胴10への伝熱を促進す
るためのバッフル板である。一方外胴11の上方には、
ポンプ吐出口に接続されアンモニア濃溶液が供給される
給液管16および発生したアンモニアガスが排出される
ガス吐出管17が開口しており、外胴11の下方には、
アンモニアがガスとして排出された事によりアンモニア
濃度を下げた希溶液の液吐出管18が開口している。
【0006】上記構成において、ポンプから供給される
アンモニア濃溶液は、給液管16より溶液溜め12に入
り液面を形成する。ここでバーナ13からの燃焼熱によ
り、アンモニアガスが分離され、ガスのみがガス吐出管
17より排出され、アンモニア濃度を下げた希溶液は液
吐出管18より流出することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしなからこの従来
例においては、内胴10は燃焼ガスの排気経路を形成す
るために比較的大きな管路とすることが必要であるとと
もに、その外側を溶液溜め12としていることから、外
胴11の外形はかなり大きくならざるを得なかった。し
かもこの発生器は15〜20気圧もの高圧経路内に配置
されることから、耐圧強度を確保するために内胴10お
よび外胴11を構成する材料の肉厚は厚くならざるを得
ず、また使用材料はアンモニアに対する耐食性を確保す
るために鉄系の材料を用いることから発生器重量はかな
り大きくならざるを得なかった。
【0008】本発明は上記課題を解決するもので、吸収
式ヒートポンプ装置の発生器として用いる熱交換器を、
耐圧強度を確保しつつ小型化・軽量化することを第1の
目的としている。
【0009】第2の目的は、吸収式ヒートポンプ装置の
作動媒体であるアンモニア等の腐食性流体に対する耐食
性を確保することにある。
【0010】第3の目的は、より安全性の高い熱交換器
を得ることにある。第4の目的は、異なる溶融温度の2
種類のろう材を用いて熱交換器を組み立てる製造方法を
提供することにある。
【0011】また第5の目的は、異なる溶融温度の2種
類のろう材を用いつつ、より能率的な熱交換器の製造方
法を提供することにある。
【0012】また第6の目的は、同一温度条件下でのろ
う接による熱交換器の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため本発明は、熱交換器である発生器を気液分離器と
分離するとともに、鉄系材料で薄肉細径の伝熱管と、軽
合金材料または銅系材料等の薄肉の伝熱フィンをろう接
により接続し、隣接する伝熱管の端部を接続するU字状
の接続管等をろう接により固定したものである。
【0014】また第2の目的を達成するため本発明は、
伝熱管と接続管・入口管等をニッケル系ろう材を用いて
ろう接・固定したものである。
【0015】また第3の目的を達成するため本発明は、
伝熱管を第1伝熱管の外周に閉塞された空間を配置した
2重管構成とし、この閉塞空間に温度検知手段および圧
力検知手段を臨ませたものである。
【0016】また第4の目的を達成するため本発明は、
伝熱管と伝熱フィンを低融点のろう材にてろう接後、冷
却手段にてこのろう接部分を冷却しつつ鉄系材料の接続
管等と伝熱管とをろう接するものである。
【0017】また第5の目的を達成するため本発明は、
伝熱管と伝熱フィンのろう接を行う低温度炉と伝熱管と
接続管等のろう接を行う高温度炉とを冷却遮熱体をかい
して隣接させ、伝熱管を冷却遮熱体により保持して伝熱
フィンと接続管等を同時に異なった温度の炉中に臨ませ
てろう接するようにしたものである。
【0018】また第6の目的を達成するため本発明は、
伝熱管と接続管等のろう接に用いるろう材とほぼ同じ融
点をもつろう材にて伝熱管を伝熱フィンをろう接するよ
うにしたものである。
【0019】またろう材をメッキにて伝熱管に担持さ
せ、伝熱フィンと接続管等を伝熱管にメッキされたろう
材にてろう接するようにしたものである。
【0020】
【作用】本発明は上記構成によって、各部品の確実な接
続が得られるとともに燃焼ガスから伝熱管への伝熱部が
コンパクトになるばかりか、耐圧強度を確保しつつ比較
的薄肉の材料にて伝熱管等を構成することが可能とな
り、熱交換器を小型化・軽量化することができる。
【0021】また、管路におけるろう接部のアンモニア
に対する耐食性を確保している。また2重管構成の伝熱
管の閉塞空間に臨んで配置された温度検知手段および圧
力検知手段は、腐食等による伝熱管の破損の検出を可能
としかつアンモニアの外部への流出を防止している。
【0022】さらに低融点のろう材にてろう接された伝
熱フィン部分を冷却しつつ接続管等と伝熱管とのろう接
を行う熱交換器の製造方法においては、融点の異なる2
種類のろう材を用いて伝熱フィンおよび接続管等のろう
接か可能となり、小型・軽量でありながらアンモニアに
対する管路内の耐食性を確保した熱交換器を製造するこ
とができる。
【0023】また低温度炉と高温度炉とを冷却遮熱体を
かいして隣接・配置し、伝熱フィンおよび接続管等と伝
熱管とのろう接を行う熱交換器の製造方法においては、
融点の異なる2種類のろう材を用いつつ同時ろう接が可
能となり、より短時間で効率的に熱交換器を製造するこ
とができる。
【0024】また接続管等のろう接用ろう材とほぼ同じ
融点のろう材を用いて伝熱フィンのろう接を行う熱交換
器の製造方法においては、2種類のろう材を用いつつ同
一炉中にて伝熱フィンおよび接続管等と伝熱管との同時
ろう接が可能となる。
【0025】さらに、ろう材を伝熱管にメッキ加工にて
担持させる熱交換器の製造方法においては、伝熱フィン
および接続管等を同一のろう材を用いた同時ろう接が可
能となる。
【0026】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面にもとずい
て説明する。
【0027】図1および図2において吸収式ヒートポン
プ装置の発生器19である熱交換器(以降、発生器19
と称する)は、複数で比較的に薄肉細径の伝熱管20
と、伝熱管20に貫通されるとともにほぼ平行に配置さ
れた複数で薄肉の伝熱フィン21と、隣接した伝熱管2
0の端部を接続して複数の伝熱管20を1本の管路に形
作るU字状の接続管22と、この形作られた管路の両端
に接続されるポンプからの入口管23および気液分離器
への出口管24により構成されている(ポンプおよび気
液分離器ともに図示せず)。また発生器19の下方には
バーナ25が配置され、発生器19への加熱を行ってい
る。26は燃焼室を形成するドラム、27は燃焼ファ
ン、28は燃料管である。
【0028】ここで伝熱管20と接続管22と入口管2
3および出口管24は、ステンレス鋼等の鉄系の材料に
て構成されており、吸収式ヒートポンプ装置の作動媒体
であるアンモニアに対する管路内の耐食性を確保してい
る。また伝熱フィン21は銅またはアルミニウム等の高
熱伝導率材料にて構成されており、燃焼ガスから伝熱管
20への伝熱を促進している。ここで伝熱管20への接
続管22および入口管23・出口管24の接続・固定
は、ニッケル系ろう材を用いたろう接加工により行われ
ており、アンモニアに対する耐食性を確保しつつ気密性
および接続の確実性を確保している。また鉄系材料の伝
熱管20への伝熱フィン21の接続・固定には、伝熱フ
ィン21がアルミニウムで構成されている場合にはアク
ミニウム系ろう材を用い、伝熱フィン21が銅で構成さ
れている場合には銅系またはニッケル系ろう材を用いた
ろう接加工が行われ、確実な接続により伝熱フィン21
から伝熱管20への熱抵抗が低減されている。
【0029】上記構成において、複数の伝熱管20と大
きな伝熱面積をもつ複数の伝熱フィン21をろう接によ
り熱抵抗を小さく接続したために、発生器19のコンパ
クト化が可能となるとともに、伝熱管20およびそれに
付随する接続管22を細径としたために耐圧強度を確保
しつつ薄肉化が可能となり、発生器を軽量化することが
できる。また図示はしていないが、発生器19の出口側
に接続される気液分離器も小型化・軽量化することがで
きるため、吸収式ヒートポンプ装置全体としての小型化
・軽量化が可能となる。
【0030】次に本発明の他の実施例を図3および図4
を用いて説明する。なお前記一実施例におけるものと同
部品は同番号を付し説明を省略する。図3および図4に
おいて前記実施例と異なる点は、伝熱管を第1伝熱管2
9と第1伝熱管29の外周に空間を隔てて配設された第
2伝熱管30との2重管式伝熱管とし、前記空間に第1
伝熱管29と第2伝熱管30とを熱的に抵抗小さく接続
する伝熱体31を設け、第2伝熱管30の両端部に閉鎖
板32を配設して前記空間を閉塞するとともに、この空
間に温度検知手段33および圧力検知手段34を臨ませ
たことにある。また前記実施例と同様の伝熱フィン21
が第2伝熱管30の外周に接続されており、第1伝熱管
29を鉄系材料を用いて前記実施例と同様に接続管22
および入口管23・出口管24に接続・構成している。
【0031】この構成においては、伝熱フィン21によ
り捕捉されたバーナ25からの燃焼熱は、第2伝熱管3
0と伝熱体31をかいして第1伝熱管29に伝えられ、
第1伝熱管29の中を流れる吸収式ヒートポンプ装置の
作動媒体であるアンモニアが加熱される。この構成によ
り、バーナ25により加熱されて運転中に、アンモニア
の腐食等により、第1伝熱管29に穴が開いてしまった
場合、第1伝熱管29と第2伝熱管30との間の空間に
高温高圧のアンモニアが流出し、この空間の温度および
圧力が急激に上昇することになる。そこで温度検知手段
33および圧力検知手段34によりこの温度および圧力
の変化を検出し、装置の故障としてバーナ25等の装置
の運転を停止することにより、安全を確保することがで
きる。また、第1伝熱管29に穴が開いても装置外部へ
のアンモニアの流出を防止することができるため、臭気
の発生・拡散を防止できる。
【0032】なお上述の一実施例および他の実施例につ
いての説明においては、アンモニアを用いた吸収式ヒー
トポンプ装置の発生器として用いた場合の説明を行った
が、他の腐食性流体の加熱を行う熱交換器あるいは通常
の水の加熱を行う熱交換器として用いても良いことは言
うまでもない。
【0033】図5〜図8は、鉄系の材料を用いた伝熱管
と軽合金または銅系の材料を用いた伝熱フィン、および
伝熱管と同じく鉄系の材料を用いた接続管または入口管
ないし出口管を、それぞれろう接により接続・固定し
て、熱交換器の成型・組み立てを行う製造方法を示すも
のである。
【0034】図5においては、ステンレス鋼製の伝熱管
20の外周にはあらかじめ、アルミニウムまたは銅の薄
板を用いた伝熱フィン21が炉中ろう付け加工により固
定されている。この時、伝熱フィン21がアルミニウム
である場合にはアルミニウム系ろう材が用いられ、銅で
ある場合には銅系ろう材が用いられている。図5は、こ
の状態の伝熱管20の端部に、伝熱管20と同じくステ
ンレス鋼製の接続管22および入口管23ないし出口管
を、それぞれろう接する場合を示したものである。
【0035】このろう接に使用するろう材は、吸収式ヒ
ートポンプ装置の媒体に用いられるアンモニアに対する
耐食性を確保するためにニッケル系ろう材が用いられる
が、このニッケル系ろう材の融点は約1000℃であ
る。これに対し伝熱フィン21のろう接に使用するろう
材の融点はアルミニウム系ろう材の場合で約600℃、
銅系ろう材の場合で約850℃である。このため、伝熱
管20の端部に接続管22および入口管23ないし出口
管をろう接する際に、単に約1000℃もの高温の雰囲
気炉に入れてしまうと、伝熱フィン21を伝熱管20に
固定していたろう材が溶けてろう接部が外れてしまうば
かりか、伝熱フィン21がアルミニウムである場合には
伝熱フィン21そのものが溶けてしまうという課題が発
生する。
【0036】これに対し本発明においては、約1000
℃まで上昇する高温雰囲気炉35の中に、あらかじめ伝
熱フィン21がろう接された伝熱管20と、その両端に
取り付けられた接続管22および入口管23等が配置さ
れるとともに、上冷却体36と下冷却体37が伝熱フィ
ン21と伝熱管20とのろう接部を覆うように配置され
ている。上冷却体36と下冷却体37の内部には冷却通
水路38、39がそれぞれ設けられており、高温雰囲気
炉35の外部から供給される水により冷却されている。
図中に示す矢印は、給水系統を示している。40は炉壁
である。
【0037】この製造方法により、伝熱管20の端部に
ニッケル系ろう材にて接続管22および入口管23等を
ろう接できるような高温の雰囲気にあっても、伝熱フィ
ン21および伝熱管20とのろう接部を低温に保持する
ことが可能となり、アルミニウム系ろう材とニッケル系
ろう材という異なった融点をもつ2種類のろう材を用い
てアンモニアに対する耐食性を確保しつつ、小型・軽量
な熱交換器を製造できる。
【0038】図6は図5に示す製造方法と同様に異なっ
た融点をもつ2種類のろう材を用いつつ、さらに能率的
に熱交換器を製造する他の製造方法を示したものであ
る。
【0039】図において中央の低温炉41の両脇には冷
却遮熱体42をかいして高温炉43が配置されていると
ともに、冷却遮熱体42は上下から伝熱管20を保持し
て、伝熱フィン21およびそのろう接部を低温炉41に
臨ませ、接続管22や入口管23等およびそのろう接部
(伝熱管20の端部)を高温炉43に臨ませている。ま
た冷却遮熱体42の内部には冷却通水路44がそれぞれ
設けられており、外部から供給される水により冷却して
いる。ここで低温炉41は伝熱フィン21をのろう接用
ろう材の融点まで昇温され、高温炉43は接続管22や
入口管23等のろう接用ろう材であるニッケル系ろう材
の融点まで昇温されるが、冷却遮熱体42によりお互い
の炉は断熱遮断されるとともに、伝熱管20も冷却遮熱
体42に保持されているためそれぞれの炉中に臨んでい
る部分の温度がそれぞれ影響し合うことがない。
【0040】この製造方法によって伝熱管20に同時に
異なった2種類の温度をかけることができるため、異な
った融点をもつ2種類のろう材を用いつつ、伝熱管20
への伝熱フィン21と接続管22および入口管23等の
同時ろう接が可能となり、能率的に熱交換器を製造する
ことができる。つまり図5に示す製造方法のように、伝
熱管20にあらかじめ伝熱フィン21をろう接・固定し
ておく必要がない。
【0041】図7は、2種類のろう材を用いつつ熱交換
器を製造する他の製造方法を示したものである。
【0042】この場合伝熱フィン21の材質は、伝熱管
20と接続管22および入口管23等のろう接に用いる
ニッケル系ろう材の融点では溶融しない材質(例えば、
銅や鉄)に限定される。
【0043】ここで伝熱フィン21と伝熱管20とのろ
う接に用いる伝熱フィン21用ろう材45は、ニッケル
系ろう材とほぼ同じ融点を持つろう材(例えば、銅系や
ニッケル系であるが、同じニッケル系でも接続管22お
よび入口管23等のろう接に用いるろう材46とは組成
や形態が異なる)を用いている。このため、2種類のろ
う材を用いていても同一温度雰囲気において伝熱管20
への伝熱フィン21と接続管22および入口管23等の
同時ろう接が可能であるとともに、図5および図6に示
す製造方法のような冷却手段を必要としないため、効率
よく短時間に熱交換器を製造することができる。
【0044】図8は発生器の組み立て・ろう接を行うた
めの、さらに他の製造方法を示したもので、あらかじめ
ニッケル系ろう材47をメッキ加工にて伝熱管20の外
周に担持させ、このろう材47を用いて伝熱管20への
伝熱フィン21と接続管22および入口管23等の同時
ろう接を行うものである。この方法によれば、図7にお
ける製造方法と同様に伝熱フィン21の材質に制限はあ
るものの、加熱炉48内に発生器を装填する前の仮組に
おいて、ろう材の挿入・塗布等の作業が不要となり効率
的に熱交換器をろう接・製造することができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次の効果
が得られる。 (1)発生器として用いる熱交換器を、鉄系材料で比較
的薄肉細径の伝熱管と、伝熱管に貫通されろう接により
接続された軽合金材料または銅系材料等を用いた薄肉の
伝熱フィンと、鉄系材料で伝熱管の端部に接続される接
続管、入口管および出口管とにより構成したので、吸収
式ヒートポンプ装置の動作圧力に対する耐圧性を確保し
つつ熱交換器の小型・軽量化が可能となるばかりか、吸
収式ヒートポンプ装置全体を小型・軽量化できる。 (2)伝熱管等の管路構成部材に鉄系材料を用いるとと
もに、伝熱管の端部に接続される接続管、入口管および
出口管をニッケル系ろう材を用いてろう接・固定したの
で、吸収式ヒートポンプ装置の作動媒体であるアンモニ
ア等の腐食性流体に対する耐食性を確保することができ
る。 (3)発生器として用いる熱交換器の伝熱管を、第1伝
熱管とその外周に閉塞された空間を隔てて配設された第
2伝熱管とによる2重管式伝熱管とし、この空間に温度
検知手段および圧力検知手段を臨ませたので、運転中に
おける第1伝熱管の腐食等による穴開き・破損を検出
し、吸収式ヒートポンプ装置の運転を停止して安全を確
保することができる。また、装置外部への作動媒体(ア
ンモニア等)の流出が防止され、臭気の発生・拡散を防
止できる。 (4)熱交換器の製造方法として、伝熱管と伝熱フィン
のろう接を行った後に、冷却手段にてこのろう接部分を
冷却しつつ、接続管および入口管・出口管と伝熱管とを
ろう接するようにしているため、異なった融点をもつ2
種類のろう材を用いてアンモニア等の腐食性流体に対す
る耐食性を確保しつつ小型・軽量な熱交換器を製造でき
る。 (5)熱交換器の製造方法として、低温加熱炉と高温加
熱炉とを冷却遮熱体を介して隣接して設け、伝熱管を冷
却遮熱体にて保持し、伝熱フィン部分を前記低温加熱炉
内に臨ませ、かつ接続管・入口管・出口管部分を前記高
温加熱炉内に臨ませるようにしているため、異なった融
点をもつ2種類のろう材を用いつつ同時ろう接が可能と
なり、能率的に熱交換器う製造することができる。 (6)熱交換器の製造方法として、伝熱フィンろう接用
ろう材を接続管ろう接用ろう材の融点とほぼ同じ融点の
ろう材とし、同一温度雰囲気にて伝熱管への伝熱フィン
や接続管等のろう接を行うようにしているため、冷却手
段を用いることなく2種類のろう材を用いた同時ろう接
が可能となり、効率よく短時間に熱交換器を製造するこ
とができる。 (7)熱交換器の製造方法として、伝熱管の外周にろう
材をメッキ加工にて担持させ、伝熱管への伝熱フィン・
接続管等のろう接を同時に行うようにしているため、加
熱炉内への装填時におけるろう材の挿入・塗布等の作業
が不要となり、能率的に熱交換器をろう接・製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における熱交換器の要部平面
断面図
【図2】同熱交換器の縦断面図
【図3】本発明の他の実施例における熱交換器の要部断
面図
【図4】同熱交換器の縦断面図
【図5】本発明における熱交換器の製造方法の第1の実
施例を示す概略図
【図6】同方法の第2の実施例を示す概略図
【図7】同方法の第3の実施例を示す概略図
【図8】同方法の第4の実施例を示す概略図
【図9】吸収式ヒートポンプ装置の概略ブロック図
【図10】従来の吸収式ヒートポンプ装置用発生器の概
略縦断面図
【符号の説明】
19 発生器 20 伝熱管 21 伝熱フィン 22 接続管 23 入口管 24 出口管 29 第1伝熱管 30 第2伝熱管 31 伝熱体 32 閉鎖板 33 温度検知手段 34 圧力検知手段 36 上冷却体 37 下冷却体 38、39 冷却通水路 41 低温炉 42 冷却遮熱体 43 高温炉 44 冷却通水路 45 伝熱フィン用ろう材 46、47 ニッケル系ろう材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄系材料で構成される複数の伝熱管と、こ
    の伝熱管に貫通されろう接により接続される軽合金材料
    または銅系材料等の複数の伝熱フィンと、互いに隣接す
    る前記伝熱管の端部をろう接によって、互いに接続し前
    記複数の伝熱管を1本の管路に形成する鉄系材料の接続
    管と、前記管路の端部にろう接によってそれぞれ接続さ
    れる鉄系材料の入口管および出口管とから成る熱交換
    器。
  2. 【請求項2】伝熱管、接続管、入口管および出口管のそ
    れぞれの接続部をニッケル系ろう材を用いてろう接した
    請求項1記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】吸収式ヒートポンプ装置の作動媒体に接す
    る第1伝熱管と、この第1伝熱管の外周に空間を隔てて
    配設され外周に前記伝熱フィンを配置した第2伝熱管
    と、前記空間に配設され前記第1伝熱管と前記第2伝熱
    管とを接続する伝熱体と、前記第2伝熱管の両端部に配
    設され前記空間を閉塞する閉鎖板とにより2重管式伝熱
    管を構成し、すくなくとも前記第1伝熱管に鉄系材料を
    用い、前記空間に温度検知手段および圧力検知手段を臨
    ませた請求項1記載の熱交換器。
  4. 【請求項4】伝熱フィンと伝熱管とを前記伝熱フィンの
    溶融温度以下の融点をもつろう材にてろう接を行った
    後、冷却手段にてこのろう接部分をろう材の融点以下の
    温度に保持して、ろう接を行う請求項1記載の熱交換器
    の製造方法。
  5. 【請求項5】伝熱フィンの溶融温度以下で伝熱フィンと
    伝熱管とをろう接するろう材の融点以上の温度に保持さ
    れた低温加熱炉と、鉄系材料の伝熱管・接続管・入口管
    および出口管の溶融温度以下でこれらをろう接するろう
    材の融点以上の温度に保持された高温加熱炉とを冷却遮
    熱体を介し隣接して設けるとともに、前記伝熱フィンと
    前記接続管との間および前記伝熱フィンと前記入口管・
    出口管との間の伝熱管部分を冷却遮熱体にて保持し、前
    記伝熱フィンの部分を前記低温加熱炉内に臨ませ、かつ
    前記それぞれの接続管・入口管・出口管の部分を前記高
    温加熱炉内に臨ませることにより、前記伝熱管と前記そ
    れぞれの伝熱フィン・接続管・入口管・出口管とのろう
    接を同時に行う請求項1記載の熱交換器の製造方法。
  6. 【請求項6】伝熱管と伝熱フィンをろう接するろう材
    を、伝熱管と接続管および伝熱管と入口管・出口管をろ
    う接するろう材の融点とほぼ同じ融点を持つろう材と
    し、同一温度雰囲気にて伝熱管と伝熱フィン・接続管・
    入口管・出口管のろう接を同時に行う請求項1記載の熱
    交換器の製造方法。
  7. 【請求項7】伝熱管の外周にろう材をメッキ加工にて担
    持させ、伝熱管と伝熱フィン・接続管・入口管・出口管
    のろう接を同時に行う請求項1記載の熱交換器の製造方
    法。
JP32648692A 1992-12-07 1992-12-07 熱交換器およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2971685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32648692A JP2971685B2 (ja) 1992-12-07 1992-12-07 熱交換器およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32648692A JP2971685B2 (ja) 1992-12-07 1992-12-07 熱交換器およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06174334A true JPH06174334A (ja) 1994-06-24
JP2971685B2 JP2971685B2 (ja) 1999-11-08

Family

ID=18188363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32648692A Expired - Fee Related JP2971685B2 (ja) 1992-12-07 1992-12-07 熱交換器およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2971685B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008070005A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Denso Corp 吸着器および吸着器の製造方法
JP2008121912A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Denso Corp 吸着モジュールおよび吸着モジュールの製造方法
JP2009204165A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Showa Denko Kk 二重管式熱交換器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008070005A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Denso Corp 吸着器および吸着器の製造方法
JP4577286B2 (ja) * 2006-09-12 2010-11-10 株式会社デンソー 吸着器の製造方法
JP2008121912A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Denso Corp 吸着モジュールおよび吸着モジュールの製造方法
JP2009204165A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Showa Denko Kk 二重管式熱交換器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2971685B2 (ja) 1999-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20150004177A (ko) 쉘 튜브 열교환기 및 그 제조방법
JP3757166B2 (ja) 熱交換器及びこれを形成する方法
JP2971685B2 (ja) 熱交換器およびその製造方法
US6793121B2 (en) Clasp having a flange to couple a heat exchanger to a device in a cooling system
CN206637898U (zh) 一种双冷却的冷凝器
JP2006300415A (ja) 熱交換装置
JP2004125340A (ja) 熱交換器
CN109945718A (zh) 一种防止高温冷却器前级支撑板过热的冷却装置
JPH09133491A (ja) 熱交換器の製造方法
JP3759549B2 (ja) 液管対流式燃焼加熱炉
JPH0776653B2 (ja) 直接接触型凝縮器およびこれを用いた熱サイクル装置
JPH05157486A (ja) 熱交換器
JPS58138993A (ja) 熱交換器
WO2023017373A1 (en) Integrated circuit for circulating fluids for gas-absorption heat pumps
JPH01131891A (ja) 熱交換器
WO2023017369A1 (en) Flame tube exchanger for absorption heat pumps
JPH01196471A (ja) 熱交換方法および熱交換器
JPH06281386A (ja) 熱交換器およびその製造方法
JP3054565B2 (ja) 水素ガス排出装置
JP3734949B2 (ja) 水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの容器、およびその容器への水素充填方法
JPH0674610A (ja) 冷媒加熱熱交換器
JPH0777366A (ja) 縦型低温再生器
JPH10267205A (ja) 液管対流式燃焼加熱炉
EP0273073A1 (en) Heat Exchanger
JP2004011930A (ja) 吸収冷凍機の冷凍ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070827

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees