JP4577286B2 - 吸着器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸着剤が気相冷媒を吸着する作用を用いて冷媒を蒸発させ、その蒸発潜熱により冷凍能力を発揮する吸着器の製造方法に関する。
従来この種の吸着器の製造方法としては、例えば、特許文献1に示されたものが知られている。この製造方法の手順は、まず、チューブ、フィン、タンク、および配管を組み立て、これらの各部品をろう付け接合することにより、吸着器を構成する蒸発器/凝縮コアおよび吸着コアを個々に製作する。次に、吸着器の外枠を構成するケーシングの内部に、個々に製作された蒸発器/凝縮コアと吸着コアを収納した状態で、ケーシングと、当該蒸発器/凝縮コアおよび当該吸着コアのそれぞれとを一体ろう付けして吸着器を製作するものであった。
特開2002−336959号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の吸着器の製造方法においては、蒸発器/凝縮コアおよび吸着コアのそれぞれを個々に製作した後に、これらを一体化して吸着器を形成するため、多くの工程を要するという問題があった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、製造工程数を低減した効率的な吸着器の製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。すなわち、熱交換媒体が流れるチューブ(13、21、36)と、このチューブ(13、21、36)に焼結体として結合された銅粉と、チューブ(13、21、36)の周辺部(14、22、37)に存在する吸着剤と、を有する吸着コア(15、24、33)をケーシング(1、17、33)内部に備えた吸着器の製造方法であり、
チューブ(13、21)をケーシング(1、17、33)内部に配置して組み立てる組立工程と、ケーシング(1、17、33)内部に銅粉および吸着剤を入れて、銅粉および吸着剤をチューブ(13、21、36)の周辺部(14、22、37)に位置させる銅粉および吸着剤の投入工程と、この投入工程において銅粉および吸着剤を入れた投入口を少なくとも閉じて、ろう付け前状態の吸着器本体を形成するろう付け準備完了工程と、ろう付け前状態の上記吸着器本体を炉の中に入れて加熱することにより、吸着器本体を構成する部品同士をろう付け接合するとともに上記銅粉を焼結して焼結体を形成する炉中ろう付け工程と、を有することを特徴としている。
この発明によれば、吸着器を構成する部品同士をろう付け接合する工程、チューブの周辺部で銅粉を焼結する工程、および吸着剤が吸着作用を発揮できる状態にする工程を炉中ろう付け工程によって実施するので、製造工程数を低減した効率的な製造方法を提供できる。
さらに上記組立工程においては、ケーシング(1、17)内部の一方側に吸着コア(15、24)を設けるように組み立て、ろう付け前状態の上記吸着器本体は、上記ケーシング(1、17)内部の一方側に上記吸着コア(15)が配置され、他方側にチューブ(10、30)を備えた熱交換器(12、25)が配置されている構成であり、上記炉中ろう付け工程においては上記吸着コア(15、24)が下側に位置し、上記熱交換器(12、25)が上側に位置する状態に配置した上記吸着器本体を炉の中で加熱し、炉中ろう付け工程の後に、上記熱交換器(12、25)のチューブ(10、30)の周辺部(11、31)に位置させる冷媒を、上記熱交換器(12、25)が上記吸着コア(15、24)よりも下側に位置するように上記吸着器本体を配置した状態でケーシング(1、17)内部に封入することが好ましい。
この発明によれば、一方側に吸着コアが配置され、他方側に熱交換器が配置される構造の吸着器を製造する場合に、炉中ろう付け工程における銅粉の焼結と、炉中ろう付け工程後における熱交換器のチューブ周辺部に冷媒を封入する工程と、を正確に実施することができる。
さらに組立工程においては、上記吸着コア(15)を構成するチューブ(13)をその全体が一方向に伸長するように上記ケーシング(1)の内側面に沿って配置することが好ましい。
この発明によれば、チューブ内の熱交換媒体(冷媒)が流れる方向に対して直角方向に並んで配置される吸着コアおよび熱交換器を備えた効率的な吸着器の製造方法を提供することができる。
また、組立工程においては、上記吸着コア(24)を構成するチューブ(21)に略U字状のチューブを用い、このチューブ(21)を上記ケーシング(1)内部の一方側に配置することが好ましい。
この発明によれば、それぞれ略U字状のチューブを有してケーシング内で一方側と他方側に分かれて配置される吸着コアおよび熱交換器を備えた効率的な吸着器の製造方法を提供することができる。
さらに上記炉中ろう付け工程においては、銅粉および吸着剤が上記熱交換器(12、25)を構成するチューブ(10、30)に接触しないように、上記吸着器本体を炉の中に配置することが好ましい。
この発明によれば、炉中ろう付け工程で焼結される銅粉が熱交換器を構成するチューブに付着して焼結されてしまうことを防止する製造方法を提供することができる。
さらに上記すべての発明のいずれかにおいて、上記炉中ろう付け工程で上記部品同士をろう付け接合するために用いられるろう材の溶融温度は、700℃から1000℃の範囲に含まれることが好ましい。
この発明によれば、700℃から1000℃の範囲は銅粉が焼結する温度であるので、吸着器本体を炉の中に一度通すことにより、ろう付け接合と焼結を同時に実施することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態における吸着器および吸着器の製造方法を図1〜図5を用いて説明する。図1は本実施形態と後述する第2実施形態および第3実施形態における吸着器の製造工程を示した流れ図である。図2は図1に示すステップS30の工程を行った後の吸着器本体の内部状態を示した模式的な断面図である。図3は図2に示す切断面をIII方向からみたときの断面図である。図4は図1に示すステップS40の工程における、吸着器本体内部の状態を示した断面図である。図5は図1に示すステップS50の工程を行った後の吸着器本体の内部状態を示した一部破断の模式的断面図である。
以下にその製造方法を説明する吸着器は、その内部に含む吸着剤が気相冷媒を吸着する作用を用いて冷媒を蒸発させてその蒸発潜熱により冷凍能力を発揮することを利用して吸着式冷凍機に使用されるものであり、車両用などの空調装置に適用することもできる。この吸着器は、筐体を構成するケーシング内に少なくとも吸着コアを備えている。吸着コアは、熱交換媒体(冷媒)が流れるチューブと、チューブに焼結体として結合した銅粉と、焼結体とともにチューブの周辺部に存在する吸着剤と、を含んでいる。
この吸着器は、本実施形態のように吸着剤が保持された吸着コアをケーシング内の上方側に収納し、下方側に、チューブ内を流れる熱交換媒体とケーシング内に封入された冷媒との間で熱交換を行う熱交換器を収納する構成でもよいし、後述する第3実施形態のように吸着コアを熱交換器と別体にしてケーシング内に吸着コアのみを備える構成としてもよい。また、ケーシングおよびチューブは、その径方向断面が円筒形状、楕円形状、矩形状のいずれの形状であってもよい。
図1に示すように、吸着器の製造工程は、ケーシング1内に銅粉および吸着剤を投入する工程(ステップS20)の前に各構成部品を組み立てる工程(ステップS10)と、ケーシング1内に銅粉および吸着剤を投入する工程(ステップS20)と、銅粉および吸着剤を投入した投入口を少なくとも閉じてろう付け準備を完了する工程(ステップS30)と、吸着器本体を炉の中に入れてろう付けする工程(ステップS40)と、ケーシング1内に冷媒を注入して、熱交換器12を構成するチューブ10の周辺部11に冷媒を封入する工程(ステップS50)と、を有するものである。
ステップS10の組立工程は、ステップS20の銅粉および吸着剤をケーシング1内に投入する工程前の準備工程であり、銅粉および吸着剤を投入する前に組み立て可能な構成部品をできるだけ組み立てておくことが好ましい。
ステップS10の工程においては、吸着コア15の構成部品である複数本のチューブ13の一端をヘッダに貫通して保持させた状態で当該チューブ13を箱体状のケーシング1内部の一方側に配置し、さらに熱交換器12の構成部品である複数本のチューブ10の一端を同ヘッダに貫通して保持させた状態で当該チューブ10をケーシング1内部の他方側に配置する。つまり、ケーシング1内部では、チューブ10および13が伸長する長手方向に対して直角方向に吸着コア15と熱交換器12が並んで配置されることになる。さらに、ヘッダに流入口7および流出口5を設けたカバーを組み付けタンク3を形成する。
隣り合うチューブ13は互いに所定間隔をあけて設けられ、各チューブ13のまわりには空間である周辺部14が形成されている。同様に、隣り合うチューブ10も互いに所定間隔をあけて設けられ、各チューブ10のまわりには空間である周辺部11が形成されている。複数本のチューブ13がヘッダからタンク3内部に突出する空間と複数本のチューブ10がヘッダからタンク3内部に突出する空間は、仕切り板9によって区画されており、チューブ13、チューブ10の内部とそれぞれ連通するとともに、タンク3に設けられた流入口7と流出口5にそれぞれ連通している。このようして、組立工程においては、吸着コア15を構成するチューブ13およびチューブ10は、その全体が一方向(ケーシング1の長手方向)に伸長するようにケーシング1の内側面に沿って配置されて組み立てられる。
次に実施するステップS20の投入工程は、吸着コア15のチューブ13の周辺部14に焼結させる銅粉および保持させる吸着剤を、ケーシング1内部に投入する工程である。吸着剤としては、ゼオライトを採用し、特にアルミノリン酸系のゼオライトを採用することが好ましい。この吸着剤は、後のステップS40の工程で焼結された銅粉が形成する多孔部に入り込んで保持される。そして、吸着剤は、冷却される状態において、例えば水蒸気やアルコール水溶液等の吸着質を吸着し、吸着質を吸着することにより吸着能力が低下していくが、さらに加熱される状態におかれることにより、吸着していた吸着質を脱離して吸着能力が再生されることになる。
この銅粉および吸着剤を投入するための投入口は、ケーシング1のタンク3に対して反対側の位置に別途設けた開口であり、例えば、この開口は熱交換器12側のケーシング1の側面に設ける。この場合、当該別途設けた開口は、銅粉および吸着剤の投入用であり、後のステップS30において蓋等により閉じる工程を実施する。
また、銅粉および吸着剤は、タンク3と反対側に位置する長手方向端部に設けられるタンク2を組み立てる前に投入してもよい。この場合は、銅粉および吸着剤を投入後、複数本のチューブ10およびチューブ13の他端をヘッダに貫通させて保持し、さらに、ヘッダに流入口4および流出口6を設けたカバーを組み付けタンク2を形成する。タンク2の内部では、複数本のチューブ10がヘッダから突出している空間と、複数本のチューブ13がヘッダから突出している空間とが、仕切り板8によって区画されており、チューブ10、チューブ13の内部とそれぞれ連通するとともに、タンク2に設けられた流入口4と流出口6にそれぞれ連通している。
次に実施するステップS30の工程は、炉中ろう付け接合が必要となる構成部品をS40のろう付け工程前にすべて組み立てておくろう付け前準備完了工程である。図2に示すように、ろう付け前準備完了工程を行った後の吸着器本体は、吸着コア15を地側、熱交換器12を天側になるように置かれることにより、銅粉および吸着剤が吸着コア15のチューブ13の周辺部14に存在するようにすることができる。
また、吸着器本体の内部構造をケーシング1の長手方向に対して垂直な平面について図2のIII方向からみると、図3に示すように、円筒形状断面のケーシング1の水平方向中心線Xよりも下方(地側)に吸着コア15、チューブ13、銅粉および吸着剤が配置され、水平方向中心線Xよりも上方(天側)に熱交換器12およびチューブ10が配置されることになる。特に、銅粉および吸着剤の投入量は、銅粉および吸着剤が熱交換器12のチューブ10に接触しない程度の量にしている。また、複数本のチューブ10およびチューブ13は、ケーシング1の鉛直方向中心線Yについて左右対称となるように配置されている。
なお、銅粉および吸着剤の投入時に、熱交換器12側のチューブ10等の構成部品に銅粉等が付着した場合には、これを振り落とす作業を行うことが好ましい。これは、後の炉中ろう付け工程において銅粉を熱交換器12側で焼結させないためである。また、ろう材の供給については、ろう付けを必要とする箇所にろう材を塗布したり、ろう材が被覆されたクラッド材をタンク、チューブ、ケーシング、ヘッダ等の構成部品の材料として使用したりすることにより対応する。
次に実施するステップS40の炉中ろう付け工程は、吸着器を構成する部品同士のろう付け接合と、ステップS20で投入された銅粉の焼結と、投入された吸着剤の定着と、を行う工程である。投入されている銅粉の焼結温度は700℃〜1000℃の範囲であるので、ろう材は700℃〜1000℃の範囲に含まれる溶融温度を備えるものを使用する。例えば、ろう材は銅系または銀系の材料を使用する。さらに、吸着剤は、炉の中で上記高温雰囲気にさらされるため、炉内温度(700℃以上)において破壊されないものを使用する。
炉の中で吸着器本体は、図4に示すように、吸着コア15が熱交換器12よりも下方に位置するように設置することとし、銅粉等が熱交換器12のチューブ10に接触しない程度まで吸着器本体を傾けて設置してもよい。例えば、吸着器本体を傾けた設置状態(図4参照)の水平方向中心線X1および鉛直方向中心線Y1と、吸着器本体を傾ける前の設置状態(図3参照)の水平方向中心線Xおよび鉛直方向中心線Yとがなす角度αは、銅粉等が熱交換器12のチューブ10に接触しない角度αとすることが好ましい。
ここで、tanα < b/aの関係にあり、図4に示すように、aは当該中心線Xに最も近い位置にあるチューブ10の外周部と吸着器本体の断面中心(XとYの交点)との距離、つまり、当該断面中心と当該チューブ10との接線の長さであり、bは当該接線に対して直角な接点を通る線と中心線Xとの交点から当該接点までの距離である。
炉中ろう付け工程が施された吸着器本体の吸着コア15には、銅粉が焼結体としてチューブ13の周辺部14に存在し、チューブ13の表面に結合している。この焼結体は、多孔部を備える微細な構造体であり、多大な表面積を有し伝熱を促進するフィンの機能を備えている。吸着剤はこの構造体の多孔部に定着して保持されている。
焼結体は、ろう材のろう付け温度と同じ温度を焼結温度とする焼結材料により構成されている。焼結体は、ケーシング1内の壁面を外郭として、その内壁面によって成形された形状を有している。また、ケーシング1の内壁面は焼結体の成形器具の働きを有する。
よって、焼結体の塊の外側表面のうち、ケーシング1内の壁面と対向する部分は、切削などの加工痕のない焼結しただけの面であって、ケーシング1内の壁面と対向し、相似の形状をもっている。焼結体の塊の外側表面のうち、ケーシング1内の壁面と対向しない部分は、焼結材料である銅粉が堆積しただけの、切削などの加工痕のない面となっている。焼結体の内部においては、焼結材料である銅粉が堆積した状態で焼結されている。焼結体は、その内部に堆積により生じる密度分布を有することができる。
次に実施するステップS50の工程は、熱交換器12のチューブ10の周辺部11に冷媒(例えば、水)を封入する工程である。冷媒は、熱交換器12を吸着器15よりも地側(下方)に位置させた状態で、あらかじめ冷媒注入用に設けられた注入口からケーシング1内部に所定量注入され、ケーシング1内部の熱交換器12が占有する空間の全体を満たさない程度にチューブ10の周辺部11に満たされる。そして、所定量の冷媒の注入が完了すると、上記注入口を封止して冷媒が封入されることになる。
以上の工程を経て製造された吸着器16は、図5に示すように、銅粉の焼結体を備える吸着コア15を天側(上方)に位置させ、チューブ10の周辺部11に冷媒が存在する熱交換器12を地側(下方)に位置させた状態で使用される。熱交換器12に存在する冷媒は、吸着剤の吸着質に対する吸着作用および脱離作用により、蒸発、凝縮を一定サイクルで繰り返し、このとき蒸発に伴う冷熱や凝縮に伴う加熱はチューブを介して熱交換媒体(冷媒)に伝達される。つまり、熱交換器12は、吸着器16が蒸発、吸着状態にあるときは蒸発器として機能し、吸着器16が凝縮、脱離状態にあるときは凝縮器として機能することになる。
このように本実施形態における吸着器16の製造方法は、チューブ13をケーシング1内部に配置して組み立てる組立工程(S10)と、ケーシング1内部に銅粉および吸着剤を入れて、銅粉および吸着剤をチューブ13の周辺部14に位置させる銅粉および吸着剤の投入工程(S20)と、この投入工程において銅粉および吸着剤を入れた投入口を少なくとも閉じて、ろう付け前状態の吸着器本体を形成するろう付け準備完了工程(S30)と、ろう付け前状態の吸着器本体を炉の中に入れて加熱することにより、吸着器本体を構成する部品同士をろう付け接合するとともに銅粉を焼結して焼結体を形成する炉中ろう付け工程(S40)と、を有している。
この製造方法によれば、吸着器16を構成する部品同士をろう付け接合する工程、銅粉を焼結体にする工程、および吸着剤が吸着作用を発揮できる状態にする工程を一つの工程によって実施することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の製造方法を図1、および図6〜図8を用いて説明する。本実施形態において製造する吸着器32は、第1実施形態の吸着器16に対して、吸着コア24を構成するチューブ21および熱交換器25を構成するチューブ30がともに略U字状の複数本のチューブであり、吸着コア24と熱交換器32とが吸着器32の長手方向に並ぶように配置されている点が異なる。なお、本実施形態の吸着器32の製造工程は、図1に示す工程と同様であり、以下に、各工程の詳細および作用効果について第1実施形態の方法と異なる点のみを説明する。
図1のステップS10の工程では、吸着コア24の構成部品である複数本の略U字状のチューブ21の両端部をヘッダに貫通して保持させた状態で当該チューブ21をケーシング17内部の一方側に配置する。隣り合うチューブ21は互いに所定間隔をあけて設けられ、各チューブ21のまわりには空間である周辺部22が形成されている。チューブ21の流入側端部がヘッダからタンク18の内部に突出する空間とチューブ21の流出側他端部がヘッダからタンク18内部に突出する空間は、仕切り板23によって区画されており、チューブ21の内部にともに連通するとともに、タンク18に設けられた流入口19と流出口20にそれぞれ連通している。このようして、組立工程においては、吸着コア24を構成する略U字状のチューブ21は、ケーシング17内部の一方側に配置されて組み立てられる。
次に実施するステップS20の投入工程では、吸着コアのチューブ36の周辺部37に焼結させる銅粉および保持させる吸着剤を投入する。この銅粉および吸着剤を投入するための投入口は、ケーシング33のタンク39に対して反対側の位置に別途設けた開口40である。この場合、当該別途設けた開口40は、銅粉および吸着剤の投入用であり、後のステップS30において蓋等により開口40を閉じる工程を実施する。図9は、銅粉および吸着剤を投入口から投入している状態を示している。
また、銅粉および吸着剤は、タンク39と反対側に位置するタンク35を組み立てる前に投入してもよい。この場合は、銅粉および吸着剤を投入後、複数本のチューブ36の他端部をヘッダに貫通させて保持し、さらに、ヘッダに流入口34を設けたカバーを組み付けタンク35を形成する。タンク35の内部空間では、複数本のチューブ36がヘッダから突出している。
次に実施するステップS30の工程は、炉中ろう付け接合が必要となる構成部品をS40のろう付け工程前にすべて組み立てるろう付け前準備完了工程である。
以降のステップS40の工程については、第1実施形態に記載の説明と同様に実施する。そして、すべての製造工程を経て完成した吸着器32は、図8に示すように、銅粉が焼結体となり吸着剤が焼結体に保持される内部状態を呈する。
以上の工程を経て製造された吸着器32は、図8に示すように、銅粉の焼結体を備える吸着コア24を天側(上方)に位置させ、チューブ30の周辺部31に冷媒が存在する熱交換器25を地側(下方)に位置させた状態で使用される。熱交換器25に存在する冷媒は、吸着剤の吸着質に対する吸着作用および脱離作用により、蒸発、凝縮を一定サイクルで繰り返し、このとき蒸発に伴う冷熱や凝縮に伴う加熱はチューブを介して熱交換媒体(冷媒)に伝達される。つまり、熱交換器25は、吸着器24が蒸発、吸着状態にあるときは蒸発器として機能し、吸着器24が凝縮、脱離状態にあるときは凝縮器として機能することになる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態の製造方法を図1、図9、および図10を用いて説明する。本実施形態において製造する吸着器41は、第1実施形態の吸着器16に対して、熱交換器がケーシング33の内部に存在せず別体としてシステム上に存在するものであり、ケーシング33の内部には吸着コアのみが設けられている点が異なる。なお、本実施形態の吸着器41の製造工程は、図1に示すステップS10〜S40までの工程と同様であり、当然のことながら熱交換器を有していないためステップS50の工程は実施しない。以下に、各工程の詳細および作用効果について第1実施形態の方法と異なる点のみを説明する。
図1のステップS10の工程では、吸着コアの構成部品である複数本のチューブ36の一端部を流出口38を有するタンク39のヘッダに貫通して保持させた状態でケーシング33の一方側端部に配し、当該チューブ36の他端部を流入口34を有するタンク35のヘッダに貫通して保持させた状態でケーシング33の他方側端部に配する。これにより、ケーシング33内部の全体に渡って伸長するチューブ36がケーシング33内部に配置されることになる。また、隣り合うチューブ36は、互いに所定間隔をあけてケーシング33の長手方向に伸長するように設けられ、各チューブ36のまわりには空間である周辺部37が形成されている。
次に実施するステップS20の投入工程では、チューブ36の周辺部37に焼結させる銅粉および保持させる吸着剤を投入する。この銅粉および吸着剤を投入するための投入口は、ケーシング36のタンク18と反対側の開口である。銅粉および吸着剤の投入量は、銅粉および吸着剤が熱交換器25を構成するチューブ30に接触しない程度の量にしている。このようにステップS20の投入工程後のケーシング17の内部状態を示したものが図6である。
次に実施するステップS30の工程は、吸着コア24と対向するように組み立てた熱交換器25をケーシング17内部の他方側に配置するとともに、炉中ろう付け接合が必要となる構成部品をS40のろう付け工程前にすべて組み立てるろう付け前準備完了工程である。
この熱交換器25は、複数本の略U字状のチューブ30の両端部をヘッダに貫通して保持させた状態で当該チューブ30をケーシング17内部の他方側に配置する。隣り合うチューブ30は互いに所定間隔をあけて設けられ、各チューブ30のまわりには空間である周辺部31が形成されている。チューブ30の流入側端部がヘッダからタンク26の内部に突出する空間とチューブ30の流出側他端部がヘッダからタンク26の内部に突出する空間は、仕切り板27によって区画されており、チューブ30の内部にともに連通するとともに、タンク26に設けられた流入口29と流出口28にそれぞれ連通している。
なお、ステップS20の投入工程は、ケーシング17に対して吸着器24および熱交換器25の両方を組み立てた後に行ってもよい。この場合は、熱交換器12側のケーシング17の側面に別途開口を設け、この開口から銅粉および吸着剤をケーシング17の内部に投入する。この開口は、第1実施形態と同様に、銅粉および吸着剤の投入用であり、後のステップS30において蓋等により閉じる工程を実施する。
以降のステップS40の工程については、吸着器本体を炉の中に安定した状態で設置してろう付けを実施するのみであり、特に設置方向に制約はない。そして、すべての製造工程を経て完成した吸着器41は、図10に示すように、銅粉が焼結体となり吸着剤が焼結体に保持される内部状態を呈する。
本発明のすべての実施形態における吸着器の製造方法について、製造工程を示した流れ図である。 本発明の第1実施形態における吸着器の製造方法について、図1に示すステップS30の工程を行った後の吸着器本体の内部状態を示した模式的な断面図である。 図2に示す切断面をIII方向からみたときの断面図である。 図1に示すステップS40の工程における、吸着器本体内部の状態を示した断面図である。 図1に示すステップS50の工程を行った後の吸着器本体の内部構成を示した一部破断の模式的断面図である。 第2実施形態における吸着器の製造方法について、図1に示すステップS20の工程を行った後の吸着器本体の内部状態を示した模式的な断面図である。 第2実施形態について、図1に示すステップS30の工程を行った後の吸着器本体の内部状態を示した模式的な断面図である。 第2実施形態について、図1に示すステップS50の工程を行った後の吸着器本体の内部状態を示した模式的な断面図である。 第3実施形態における吸着器の製造方法について、図1に示すステップS20の工程を行った後の吸着器本体の内部状態を示した模式的な断面図である。 第3実施形態について、図1に示すステップS40の工程を行った後の吸着器本体の内部状態を示した模式的な断面図である。
符号の説明
1、17…ケーシング
10、30…チューブ
11、31…周辺部
12、25…熱交換器
13、21、36…チューブ
14、22、37…周辺部
15、24…吸着コア
33…ケーシング(吸着コア)

Claims (6)

  1. 熱交換媒体が流れるチューブ(13、21、36)と、前記チューブ(13、21、36)に焼結体として結合された銅粉と、前記チューブ(13、21、36)の周辺部(14、22、37)に存在する吸着剤と、を有する吸着コア(15、24、33)をケーシング(1、17、33)内部に備えた吸着器の製造方法であって、
    前記チューブ(13、21)を前記ケーシング(1、17、33)内部に配置して組み立てる組立工程と、
    前記ケーシング(1、17、33)内部に銅粉および吸着剤を入れて、前記銅粉および吸着剤を前記チューブ(13、21、36)の周辺部(14、22、37)に位置させる銅粉および吸着剤の投入工程と、
    前記投入工程において前記銅粉および吸着剤を入れた投入口を少なくとも閉じて、ろう付け前状態の吸着器本体を形成するろう付け準備完了工程と、
    ろう付け前状態の前記吸着器本体を炉の中に入れて加熱することにより、前記吸着器本体を構成する部品同士をろう付け接合するとともに前記銅粉を焼結して焼結体を形成する炉中ろう付け工程と、
    を有することを特徴とする吸着器の製造方法。
  2. 前記組立工程においては前記ケーシング(1、17)内部の一方側に前記吸着コア(15、24)を設けるように組み立てることとし、
    前記ろう付け前状態の前記吸着器本体は、前記ケーシング(1、17)内部の一方側に前記吸着コア(15)が配置され、他方側にチューブ(10、30)を備えた熱交換器(12、25)が配置されている構成であり、
    前記炉中ろう付け工程においては前記吸着コア(15、24)が下側に位置し、前記熱交換器(12、25)が上側に位置する状態に配置した前記吸着器本体を炉の中で加熱することとし、
    前記炉中ろう付け工程の後に、前記熱交換器(12、25)の前記チューブ(10、30)の周辺部(11、31)に位置させる冷媒を、前記熱交換器(12、25)が前記吸着コア(15、24)よりも下側に位置するように前記吸着器本体を配置した状態で前記ケーシング(1、17)内部に封入することを特徴とする請求項1に記載の吸着器の製造方法。
  3. 前記組立工程においては、前記吸着コア(15)を構成する前記チューブ(13)をその全体が一方向に伸長するように前記ケーシング(1)の内側面に沿って配置して組み立てることを特徴とする請求項2に記載の吸着器の製造方法。
  4. 前記組立工程においては、前記吸着コア(24)を構成する前記チューブ(21)に略U字状のチューブを用い、前記チューブ(21)を前記ケーシング(1)内部の一方側に配置して組み立てることを特徴とする請求項2に記載の吸着器の製造方法。
  5. 前記炉中ろう付け工程においては、前記銅粉および吸着剤が前記熱交換器(12、25)を構成する前記チューブ(10、30)に接触しない状態で前記吸着器本体を炉の中に配置してろう付けを行うことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の吸着器の製造方法。
  6. 前記炉中ろう付け工程において前記部品同士をろう付け接合するために用いられるろう材の溶融温度は、700℃から1000℃の範囲に含まれることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の吸着器の製造方法。
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