JPH06174196A - 金属水素化物スラリを用いた水素の吸蔵または放出方法 - Google Patents

金属水素化物スラリを用いた水素の吸蔵または放出方法

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JPH06174196A
JPH06174196A JP4324375A JP32437592A JPH06174196A JP H06174196 A JPH06174196 A JP H06174196A JP 4324375 A JP4324375 A JP 4324375A JP 32437592 A JP32437592 A JP 32437592A JP H06174196 A JPH06174196 A JP H06174196A
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slurry
metal hydride
stirrer
autoclave
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Daishin Ito
大伸 伊藤
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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    • C01B3/001Reversible uptake of hydrogen by an appropriate medium, i.e. based on physical or chemical sorption phenomena or on reversible chemical reactions, e.g. for hydrogen storage purposes ; Reversible gettering of hydrogen; Reversible uptake of hydrogen by electrodes characterised by the uptaking medium; Treatment thereof
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度制御が容易で、金属水素化物の微粒化に
よるトラブルを回避し、しかも水素の吸蔵・放出速度を
任意に制御することができる水素の吸蔵・放出方法を提
供する。 【構成】 30〜300μmに粉砕したランタンニッケ
ル800gと、これに不活性のシリコンオイル2000
gとを混練した、ランタンニッケル30重量%のスラリ
2800gをオートクレーブ12に充填し、スラリ循環
ライン19によってスラリをオートクレーブ12と熱交
換器13との間を循環させて30℃に調整し、この状態
で水素入口11から10atmの水素を導入し、攪拌機
15を500〜2000rpmで回転させ、回転数に応
じて水素吸蔵速度を制御する。またスラリを80℃に調
節し、オートクレーブ12の気相部18を大気圧まで降
圧し、攪拌機15の回転数を500〜2000rpmで
回転し、回転数に応じて水素放出速度を制御する。 【効果】 水素の吸蔵・放出速度を任意に制御すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属水素化物スラリを
用いた水素の吸蔵または放出方法に係り、特に水素の貯
蔵用タンク、冷暖房装置、蓄熱装置等に適用できる、水
素の吸蔵または放出時に吸熱または発熱する特性がある
金属水素化物スラリを用いた水素の吸蔵または放出方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の、金属水素化物を用いた
水素の吸蔵または放出方法に用いる装置の説明図であ
る。この装置は、水素の給排出口21、熱媒体の流入口
22および流出口23を有するステンレス製の円筒容器
24と、該円筒容器24内を水素の給排出口21側の水
素側スペース25と、熱媒体流入口22および流出口2
3が設けられた、熱媒体流路26となる熱媒体スペース
とに分割する仕切板27と、該仕切り板27を貫通し、
開放端が水素側スペース25内、閉塞端が熱媒体流路2
6内となるように、円筒容器24の長さ方向に沿って複
数配置された収納パイプ30と、該収納パイプ30の収
納部29と、収納パイプ30の開放端に金属水素化物の
充填口31を形成するとともに、前記収納部29の端部
壁となる堰またはフィルター32とから主として構成さ
れており、前記金属水素化物の収納部29には数百μm
に粉砕された粒状金属水素化物28が充填されている。
【0003】このような装置を用い、熱媒体流路26に
熱媒体を流通させて収納パイプ30に充填された粒状金
属水素化物28を、例えば30℃に調節した後、水素給
排出口21から、例えば10気圧の水素が導入される。
導入された水素は、水素側スペース25を流れ、各収納
パイプ30の充填口31を経て収納部29に流入し、こ
こで粒状金属水素化物28に吸蔵される。一方、水素を
放出する際は、金属水素化物28の充填層を、例えば8
0℃とし、収納部29内を大気圧に減圧することによ
り、前記吸蔵された水素が放出され、水素給排出口21
を経て回収される。
【0004】このような従来技術において、金属水素化
物による水素の吸蔵または放出速度の調整は、熱媒体に
よる金属水素化物充填層の温度を制御することにより行
われるが、金属水素化物の熱伝導率が1〜1.5kca
l/mh℃程度、圧密された粒状金属水素化物の熱伝導
率は0.5kcal/mh℃と低いことから、水素の吸
蔵、放出に伴う反応熱による温度変化を熱媒体で制御す
ることが困難となる。従って、金属水素化物の充填部に
温度分布が生じ、水素の吸蔵および放出がスムーズに行
われないという問題があった。
【0005】また、水素の吸蔵または放出により、金属
水素化物の粒径は数〜数十μmに微細化されるので、こ
の微細金属水素化物の微粒子が飛散することによるトラ
ブルが発生し、さらに空気中の酸素と直接接触した場合
は自然着火する危険性があった。また、上記従来技術に
使用される装置は、伝熱面積を広くとる必要があるため
に金属水素化物の収納部の形状を複雑にする必要がある
こと、放出される水素と熱媒体との混合を防止するため
に容器内に仕切板を設けなければならないこと等装置作
成時に多大な労力が必要となるという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、金属水素化物の温度コント
ロールが容易で、微粒化によるトラブルの発生がなく、
しかも水素の吸蔵または放出速度を任意に制御すること
ができる、金属水素化物スラリを用いた水素の吸蔵また
は放出方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、金属水素化
物の温度コントロール性を向上するためには、粒状金属
水素化物を攪拌する必要があること、微粒化した金属水
素化物の飛散を防止するためには該粒状金属水素化物を
これと化学的に反応しない溶媒と混合してスラリ化すれ
ばよいこと等に着目し、前記粒状金属水素化物とこれに
不活性の溶媒とを混練したスラリと、水素ガスとを前記
スラリの攪拌下に接触させることにより、該スラリの攪
拌速度に応じて水素の吸蔵または放出速度を制御できる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち本願の第1の発明は、粒状の金属
水素化物と該金属水素化物に対して不活性の溶媒とを混
練した金属水素化物スラリを用いた水素の吸蔵または放
出方法において、前記金属水素化物スラリと水素ガスと
を該金属水素化物スラリの攪拌下に接触させ、その攪拌
速度に基いて水素の吸蔵または放出速度を制御すること
を特徴とする。
【0009】第2の発明は、前記第1の発明において、
金属水素化物スラリを、水素を吸蔵または放出するスラ
リ貯槽と熱交換器との間で循環させることにより、該金
属水素化物スラリの水素吸蔵温度または水素放出温度を
調節することを特徴とする。
【0010】
【作用】粒状金属水素化物と、これと不活性の溶媒とを
混練したスラリを水素の吸蔵剤として用いたことによ
り、前記溶媒が粒状金属水素化物に対して熱媒体として
も機能するので、熱効率が向上し、前記金属水素化物ス
ラリ(以下、単にスラリという)の温度制御性が著しく
改善される。従って水素の吸蔵・放出がスムーズとな
り、スラリの攪拌速度(攪拌機の回転数)を変化させる
ことによって水素の吸蔵および放出速度を制御すること
ができる。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例によってさらに詳細に説
明する。図1は、本発明の一実施例に用いた水素吸蔵・
放出装置の説明図である。この装置は、水素の入口1お
よび出口7を有する内容量1500mlのステンレス製
のオートクレーブ2と、該オートクレーブ2の温度を調
節するヒータ3と、8枚タービン翼を有する攪拌機5
と、該攪拌機5を回転するモータ6とから主として構成
されており、オートクレーブ2には所定量のスラリが充
填されている。このスラリは、数十〜数百μmに粉砕さ
れた金属水素化物、例えばランタンニッケルと、該ラン
タンニッケルとは化学的に不活性のシリコンオイルを、
前記ランタンニッケル濃度が70重量%になるように混
合してスラリ化したものである。
【0012】このような装置およびスラリを用い、スラ
リの充填量を866g、スラリ温度を30℃とし、この
状態で水素の入口1から、例えば10atmの水素ガス
を投入し、攪拌機5を300〜1200rpmで回転し
てレイノルズ数が1500以上の乱流域を形成したとこ
ろ、攪拌機5の回転数に応じて指数関数的に水素の吸蔵
速度が変化した。
【0013】図2は、本実施例で得られた攪拌機5の回
転数と水素の吸蔵速度との関係を示す図である。図にお
いてスラリ1g当りの水素の吸蔵速度は、 水素吸蔵速度(Ncc/min)=A・log(攪拌機
の回転数n)+B A、Bは金属水素化物、溶媒、温度、攪拌機等によって
決まる定数で示されることが分かる。
【0014】一方、スラリ温度を80℃とし、オートク
レーブ2の気相部8の圧力を大気圧(1atm)に減圧
し、攪拌機5を300〜1200rpmで回転してレイ
ノルズ数が1500以上の乱流域を形成したところ、水
素出口7から前記攪拌機5の回転数に応じた速度で水素
が放出された。図3は、本実施例で得られた攪拌機5の
回転数と水素の放出速度との関係を示す図である。図に
おいて、スラリ1g当りの水素放出速度は、 水素放出速度(Ncc/min)=A・log(攪拌機
の回転数n)+B A、Bは金属水素化物、溶媒、温度、攪拌機等によって
決まる定数で示されることが分かる。本実施例によれ
ば、攪拌機の回転数を可変することにより、水素の吸蔵
・放出速度を任意に制御することが可能となる。
【0015】本実施例において、スラリの攪拌速度とし
て攪拌機の回転数を用いた。本実施例において金属水素
化物としては、ランタンニッケル系をはじめ、チタン鉄
(TiFe)系、TiCo系、ミッシュメタル系金属水
素化物等が使用できる。金属水素化物の粒径は100〜
300μmが好ましい。また金属水素化物と反応しない
溶媒は金属水素化物の種類によって異なるが、シリコン
オイルの外、例えばn−ウンデカンのような高沸点炭化
水素等を使用することができる。スラリ中の金属水素化
物の濃度は、金属水素化物または溶媒の種類によって異
なるが、例えば10〜70wt%が好ましい。
【0016】また、本発明において、スラリの加熱、冷
却効果をより向上させるため、熱交換器を設け、スラリ
を熱交換器とスラリタンク間で循環させることもでき
る。図4は、本発明の他実施例に使用される水素吸蔵・
放出装置である。この装置は、水素の入口11および出
口17を有する、内容量960mlのステンレス製のオ
ートクレーブ12と、該オートクレーブ12に設けられ
た、8枚のタービン翼を有する攪拌機15と、該攪拌機
15を回転するモータ16と、前記オートクレーブ12
の底部から流出し、熱交換器13を経て側部に流入する
スラリ循環ライン19と、該スラリ循環ライン19に設
けられたスラリポンプ20とから主として構成されてい
る。18はオートクレーブ12内の気相部である。
【0017】このような構成の装置を用い、30〜30
0μmに粉砕したランタンニッケル800gとシリコン
オイル2000gとを混練した、ランタンニッケル30
重量%のスラリ2800gをオートクレーブ12に充填
し、スラリ循環ライン19によって前記スラリをオート
クレーブ12と熱交換器13との間で41ml/min
の流量で循環して該スラリを30℃に調整した。この状
態で水素入口11から10atmの水素を導入し、攪拌
機15を500〜2000rpmで可変して攪拌したこ
とろ、図2と同じように攪拌機15の回転数に応じてス
ラリ1g当りの水素吸蔵速度が変化した。また、前記熱
交換器13の熱媒体を制御して前記スラリを80℃と
し、オートクレーブ12の気相部18の圧力を大気圧
(1atm)にし、この状態で攪拌機15の回転数を可
変したところ、図3と同じように攪拌機15の回転数に
応じてスラリ1g当りの水素放出速度が変化した。
【0018】本実施例によれば、攪拌機の回転数に応じ
て任意の水素吸蔵または放出速度を得ることができる。
従って本発明を、例えば冷暖房装置、蓄熱装置に適用す
ることにより、より細かい温度コントロールが可能とな
る。また水素吸蔵タンクとして利用すれば、一定量の水
素の供給が可能となる。本実施例によれば、水素の吸蔵
・放出剤として粒状金属水素化物と溶媒とを混練したス
ラリを用いたことにより、輸送および取り扱いが容易と
なるだけでなく、前記溶媒が金属水素化物への熱媒体と
しても機能するので、伝熱効率が向上し、熱コントロー
ルが容易となる。従って水素の吸蔵または放出がスムー
ズなものとなる。また、熱交換器13における総括伝熱
係数も大きくなる。さらに、従来のように固体−気体接
触でなく、気体−液体接触となるので、タンクおよび熱
交換器として構造の簡単なものを使用することができ
る。
【0019】また本実施例によれば、水素の吸蔵・放出
によって金属水素化物の粒径が数〜数十μmに粉砕され
るが、溶媒と混練した金属水素化物スラリを用いたこと
により、粒状金属水素化物の気相中への飛散を防止する
ことができる。従って、金属水素化物粉末がガス配管中
に飛散することによって生じるトラブルを回避すること
ができる。また、微粒化した金属水素化物が直接空気と
接触することがないので、該金属水素化物が自然着火す
る危険性を回避することができる。
【0020】本実施例において、スラリポンプとしてラ
ジアルベーンポンプを、また熱交換器としてステンレス
製のコイル式熱交換器を使用したが、ポンプとして、例
えばネジ式ポンプ、熱交換器として、例えば、シェルア
ンドチューブを使用してもよい。
【0021】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、粒状金属水
素化物と、これと不活性の溶媒を混練したスラリを用い
て水素の吸蔵・放出を行なうことにより、水素の吸蔵・
放出速度を攪拌機の回転数によって任意に制御すること
ができるので、例えば冷暖房装置、蓄熱装置等に適用し
た場合、冷暖房量または蓄熱量のより細かいコントロー
ルが可能となる。
【0022】本願の第2の発明によれば、上記第1の発
明の効果に加え、水素吸蔵合金スラリの温度コントロー
ルが容易となり、水素の吸蔵または放出をさらにスムー
ズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】、
【図2】、
【図3】本発明の一実施例を示す説明図。
【図4】本発明の他の実施例に使用する装置の説明図。
【図5】従来技術の説明図。
【符号の説明】
1…水素入口、2…オートクレーブ、3…ヒータ、4…
金属水素化物スラリ、5…攪拌機、6…モータ、7…水
素出口、8…気相部、11…水素入口、12…オートク
レーブ、13…熱交換器、14…金属水素化物スラリ、
14…攪拌機、16…モータ、17…水素出口、18…
気相部、19…スラリ循環ライン、20…スラリポン
プ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状の金属水素化物と該金属水素化物に
    対して不活性の溶媒とを混練した金属水素化物スラリを
    用いた水素の吸蔵または放出方法において、前記金属水
    素化物スラリと水素ガスとを該金属水素化物スラリの攪
    拌下に接触させ、その攪拌速度に基いて水素の吸蔵また
    は放出速度を制御することを特徴とする金属水素化物ス
    ラリを用いた水素の吸蔵または放出方法。
  2. 【請求項2】 前記金属水素化物スラリを、水素を吸蔵
    または放出するスラリ貯槽と熱交換器との間で循環させ
    ることにより、該金属水素化物スラリの水素吸蔵温度ま
    たは水素放出温度を調節することを特徴とする請求項1
    記載の金属水素化物スラリを用いた水素の吸蔵または放
    出方法。
JP4324375A 1992-12-03 1992-12-03 金属水素化物スラリを用いた水素の吸蔵または放出方法 Pending JPH06174196A (ja)

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