JPH0617340Y2 - 密封ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は密封ケースに係わり、特に浴室内で使用される
リモコン用ケース等の防湿防水構造を備えた密封ケース
に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の密封ケースは、内部にプリント配線板，
ランプ，電気信号に応じて表示動作を行う各種表示器
等、電気部品を収納するものであって、上ケースと下ケ
ースとの合わせ目にゴム等から形成されたパッキンを介
して両ケースを固定することにより、密封状態を得てい
る。そして、一般的に、このような密封ケースは、製造
ラインから大量生産される場合、組付完了後の製品の中
から抜き打ちで選択する数個の密封ケースについて密封
度の良否を検査するようにしている。この密封検査は、
様々な検査方法が知られており、例えばケースに密封検
査孔を形成し、この密封検査孔からケース内に所定圧の
空気を供給し、この後、密封検査孔を封止し、この状態
で放置してケース内空気の気圧の変化を測定するか、あ
るいはケースを液体中に入れて気泡が発生するか否かを
みて密封状態の検査を行うようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来技術においては、製造ラインによって組付けら
れた多数の密封ケースのうち数個の密封ケースを選択的
に抜き出して密封検査を行うものであるため、密封検査
孔を形成することによる商品価値の低下が生じても、そ
の数が少ないことから問題にはならない。

ところで、製造ラインによって組付けられた全てもしく
は相当数の密封ケースに対し密封検査を実施する場合が
あり、商品価値の低下を防ぐことが必要であった。

しかしながら、密封検査された製品は、密封検査孔の封
止が不完全になり易いとともに封止作業も容易でなく、
また密封検査孔が外部に表れるため体裁が悪くなり商品
価値が低下するという問題が予想される。

そこで本考案は密封検査孔の封止を容易かつ確実に行な
えるとともに密封検査孔が外部に表れず、製品化される
全てのケースに対して密封検査を行うことが可能な密封
ケースを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はケースの壁部に密封検査孔を形成し、この密封
検査孔に封止部材を固定し、前記壁部の外面に前記密封
検査孔を被うようにラベルを貼着して構成される。

〔作用〕

上記構成によって、密封検査孔に固定された封止部材お
よびラベルによって密封検査孔を少なくとも二重に封止
することができるとともに、通常ケースに貼り付けるラ
ベルにより密封検査孔が目隠しされる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。

第１図および第２図は本考案の第１実施例であり、同図
において１は合成樹脂製のケースであり、これは上ケー
ス２と下ケース３との合わせ目にゴム等から形成された
パッキン４を介在させて図示しないビス等の固定部材に
よって前記上下ケース２，３を固定して密封構造を得て
いる。また、図示しないがケース１内部には例えばプリ
ント配線板や電気信号を受けて表示動作を行う各種表示
器，ＬＥＤ等の電気部品を収納している。５は前記下ケ
ース３の底壁６の外面に形成された凹部であり、この凹
部５内に位置して前記底壁６に貫通孔状の密封検査孔７
が形成されている。８は封止部材であるタッピングスク
リューであり、これは密封検査終了後雌螺子部を設けな
い前記密封検査孔７にその内壁を削りながら締め付け固
定され、かつその頭部９が接着剤10で接着することによ
りシールされている。11は製品の定格を表示するための
合成樹脂製または金属製等のラベルであり、前記底壁６
の外面に前記凹部５を被うようにして貼着されている。

そして、製造ラインで組付けられた全てのケース１に対
し密封検査を行い、検査後密封検査孔７にタッピングス
クリュー８を固定して密封検査孔７を封止し、かつタッ
ピングスクリュー８を接着剤10によりシールし、さらに
密封検査孔７を被うようにしてラベル11を底壁６の外面
に貼着して製品化する。

このように上記実施例においては、密封検査孔７がタッ
ピングスクリュー８を締め付け固定するだけの簡単な取
付作業にて封止することができるとともに、このタッピ
ングスクリュー８，接着剤10によるシール及びラベル11
の貼着によって三重の確実な封止構造を得ることがで
き、さらに密封検査孔７は特別な被覆部品を用いずに、
通常使用されるラベル11によって目隠しされているため
製品を使用する者には密封検査孔７が存在することを知
らせずに体裁も良好である。而して、密封検査孔７の封
止が確実で体裁も良好な状態で密封検査孔７を形成でき
るので製造ラインで組付けられた全てもしくは相当数の
密封ケースに対して商品価値を低下することなく密封検
査を実施することができ、密封効果の信頼性が高められ
る。

第３図は本考案の第２実施例を示し、この例では前記第
１実施例で示す凹部５を形成しないものであり、密封検
査孔７に雌螺子部12を設け、封止部材である工具溝13を
有する封止用雄螺子14を螺着し、この封止用雄螺子14の
外端部を接着剤10によりシールし、密封検査孔７を被う
ようにして底壁６の外面にラベル11を貼着している。そ
して、この例においても密封検査孔７が封止用雄螺子14
の螺着と接着剤10によるシールとラベル11の貼着とによ
って確実に封止され、密封検査孔７はラベル11により目
隠しされる。これにより、商品価値を低下することなく
全てもしくは相当数の密封ケースに対し密封検査を実施
することができ密封効果の信頼性が高められる。

第４図は本考案の第３実施例を示し、この例では封止部
材として金属性の封止ピン15を用いたものであり、密封
検査孔７には雌螺子部が形成されず、密封検査孔７の外
面開口部に誘込み用のテーパ面16が形成されている。そ
して、密封検査孔７内には前記テーパ面16で案内するよ
うにして封止ピン15が圧入固定され、この封止ピン15の
外端部を接着剤10によってシールし、密封検査孔７を被
うようにラベル11が貼着されている。而して、この例に
おいても密封検査孔７が封止ピン15の圧入固定と接着剤
10によるシールとラベル11の貼着とによって確実に封止
され、これにより全ての密封ケースに対し密封検査を実
施することが可能になり密封効果の信頼性が高められ
る。

なお本考案は上記実施例に限定されるものではなく本考
案の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能であ
る。例えば封止部材、ラベルの種類は適宜選定すればよ
く、また、接着剤によるシールは必要に応じて行えばよ
い。

〔考案の効果〕

本考案はケースの壁部に密封検査孔を形成し、この密封
検査孔に封止部材を固定し、前記壁部の外面に前記密封
検査孔を被うようにラベルを貼着することにより、密封
検査孔の封止を簡単確実に行なえるとともにその密封検
査孔が外部に表れず、製品化される全てのケースに対し
密封検査を行うことが可能な密封ケースを提供できる。

【図面の簡単な説明】 第１図および第２図は本考案の第１実施例を示し、第１
図は密封ケースの斜視図、第２図は第１図のＡ−Ａ線拡
大断面図、第３図は本考案の第２実施例を示す要部の断
面図、第４図は本考案の第３実施例を示す要部の断面図
である。 １……ケース、６……底壁（壁部） ７……密封検査孔、８……タッピングスクリュー（封止
部材） 11……ラベル 14……封止用雄螺子（封止部材） 15……封止ピン（封止部材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】防湿防水構造を備えた密封ケースにおい
   て、ケースの壁部に密封検査孔を形成し、この密封検査
   孔に封止部材を固定し、前記壁部の外面に前記密封検査
   孔を被うようにラベルを貼着したことを特徴とする密封
   ケース。