JPH0617286A - 亜鉛系めっきアルミニウム板の製造方法 - Google Patents

亜鉛系めっきアルミニウム板の製造方法

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JPH0617286A JP17520492A JP17520492A JPH0617286A JP H0617286 A JPH0617286 A JP H0617286A JP 17520492 A JP17520492 A JP 17520492A JP 17520492 A JP17520492 A JP 17520492A JP H0617286 A JPH0617286 A JP H0617286A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加工性、塗装後の耐食性、接着耐久性に優れ、
りん酸塩処理性においても問題のないZn系めっきAl板を
製造する。 【構成】アルミニウムまたはアルミニウム合金板の表面
に、まず電気めっき法により付着量が 0.1〜10g/m2の亜
鉛系めっきの一次めっきを施し、次いで酸性液中に浸漬
する処理を施し、さらに電気めっき法によって付着量が
1〜80g/m2の亜鉛系めっきの二次めっきを施すことを特
徴とする亜鉛系めっきアルミニウムまたはアルミニウム
合金の板の製造方法。一次めっきの亜鉛系めっきは、例
えば5〜20%のNiを含む亜鉛合金、二次めっきの亜鉛系
めっきは、例えば5〜20%のFeまたはNiを含む亜鉛合金
である。 【効果】この方法で製造されるめっきAl板は、軽量化と
耐食性改善を課題とする自動車用の材料として好適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の車体等に使
用される表面処理を施したアルミニウムまたはその合金
の板(以下「Al板」と総称する)に関し、特にりん酸塩
処理を施して使用される用途に好適な亜鉛系めっきが施
されており、そのめっき層の密着性が優れ、かつ接着接
合性にも優れたAl板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用材料には寒冷地における
凍結防止剤散布による車体の塩害腐食に対する防錆対
策、および環境保護の観点からの燃費向上を目的とした
車体の軽量化対策が強く求められている。その対策の一
つとして、亜鉛または亜鉛系合金めっき等の表面処理を
施した鋼板、あるいは素材としての高張力鋼板等の採用
が進められてきている。しかし、軽量化の観点からは、
高張力鋼板の採用では自ずからその効果には限界があ
る。
【0003】そこで最近では、一層の車体軽量化を狙っ
て、非鉄材料とりわけAl板を車体の構造材の一部に使用
する傾向が強くなっている。その場合、Alの素材価格の
問題もあって、通常は従来の鋼材とAl板とを併用するこ
とが多い。この場合、表面処理や成形加工等の製造ライ
ンも従来の鋼材を使用する場合の設備がそのまま使用さ
れることになる。
【0004】従来の亜鉛系めっき鋼板を用いる自動車の
車体製造ラインにおいては、プレス加工により所定の形
状に成形し、各部品を組み立て、その後りん酸亜鉛処
理、電着塗装およびスプレー塗装が施されるのが一般的
である。Al板を併用する場合には、上記の一連の工程の
中で、Al板も亜鉛系めっき鋼板と同様に処理できること
が必要とされる。
【0005】しかしAl板を従来の鋼板を処理するライン
で同様に処理するのは難しい場合があり、特にりん酸亜
鉛処理工程において次のような問題を生じる。すなわち
Al板にりん酸亜鉛処理を施した場合、Al板表面に良好な
りん酸亜鉛皮膜が形成されないばかりでなく、Al板表面
が溶解して、りん酸亜鉛処理浴中にAlイオンが溶出して
しまう。その結果、りん酸亜鉛処理浴中のAlイオン濃度
がわずか数PPI になっただけでも鋼板表面にも良好なり
ん酸亜鉛処理皮膜が形成されなくなる。
【0006】上記の問題を解決するための「りん酸塩処
理性に優れたAl鋼板」が特開昭61−157693号公報によっ
て提案されている。そのAl板は、表面に亜鉛めっき層、
亜鉛系合金めっき層もしくは鉄系合金めっき層のいずれ
かを1g/m2以上の付着量で形成しておくものであり、こ
のように亜鉛めっき層等を形成しておくことによって、
後のりん酸亜鉛処理時にAl板からのAlイオンの処理浴中
への溶出が防がれ、鋼板とAl板とを同じラインで処理し
た場合でも双方に良好なりん酸亜鉛皮膜を生成すること
ができる。しかし、単に亜鉛等をめっきしたAl板では、
母材の表面に残存する強固な酸化物によりめっき層の密
着性が十分でなく、プレス加工時にめっきが剥離しやす
い、即ち加工性に劣るという問題があり実用化は未だ困
難である。
【0007】上記のめっき層の密着性を向上させる方法
として、本出願人は「予めジンケート処理、即ち、亜鉛
の置換めっきを施した後に所望のめっきを施したAl板お
よびその製造方法」を開発し、先に特許出願を行った
(特願平3−335229号) 。
【0008】しかし、ジンケート処理には比較的時間が
かかり、かつ、それを従来の連続電気めっき設備に所望
のめっきを施するために通板する場合、アルカリ洗浄で
ジンケート皮膜が溶解する等の工程的に困難かつ不合理
な面がある上、性能的にも下層のジンケート皮膜が塗装
後の耐食性を劣化させる等の問題があった。
【0009】一方、最近では自動車車体材料の接合に、
溶接に変えて接着剤を用いる接着接合法が採用されつつ
ある。しかし、従来のAl板に亜鉛めっきを施したものは
腐食環境下での接着強度の経時劣化が大きい。即ち、接
着耐久性が劣る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前述
の「ジンケート処理後に亜鉛または亜鉛系合金を電気め
っきする」という方法の工程上の不合理性および不経済
性を無くし、めっき層の母材との密着性を高めて、塗装
後の耐食性、接着耐久性、プレス加工性能等の性能面で
も改良された表面処理Al板を製造する方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、『アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金材の表面に、まず電気めっき
法により付着量が 0.1〜10g/m2の亜鉛系めっきの一次め
っきを施し、次いで酸性液中に浸漬する処理を施し、さ
らに電気めっき法によって付着量が1〜80g/m2の亜鉛系
めっきの二次めっきを施すことを特徴とする亜鉛系めっ
きアルミニウムまたはアルミニウム合金板の製造方法』
を要旨とする。
【0012】上記本発明の方法において、特に望ましい
条件は下記の諸条件である。
【0013】(1) 一次めっきを40〜70℃の硫酸塩系酸性
浴中で、陰極電流密度10A/dm2 以上として行うこと。
【0014】(2) 一次めっきの後の浸漬処理を40〜70℃
でpHが1〜3.5 の範囲の硫酸塩系酸性液中で行うこと。
【0015】(3) 一次めっきの後の浸漬処理の時間T
(秒)と一次めっきのめっき付着量W(g/m2)との関係
をT/W=5〜20とすること。
【0016】(4) 一次めっきの亜鉛系めっきを5〜20%
のNiを含む亜鉛合金とすること。
【0017】(5) 二次めっきの亜鉛系めっきを5〜20%
のFeまたはNiを含む亜鉛合金とすること。
【0018】これらの条件は、単独で、あるいは組み合
わせて採用することができる。
【0019】本発明方法が適用されるAl板とは、1000系
の純アルミニウムおよび自動車車体用として用いられる
Mn、Cu、Mgを主な合金成分とする5000系または6000系の
アルミニウム合金等の板である。
【0020】一次めっきされる亜鉛系めっきとは、Ni、
Fe、Cr、Mn、Cu、Co等の1種以上をおよそ25% (本発明
において、合金成分の含有量の%は重量%を意味する)
以下含有し、残部が実質的にZnからなるものである。そ
の中で最も望ましいのが、上記(4) の5〜20%のNiを含
むZn−Ni合金めっきである。
【0021】二次めっきされる亜鉛系めっきは、上記の
一次めっきと同じような組成のものであり、望ましいの
は (5)の5〜20%のFeまたはNiを含むNi−Zn合金または
Ni−Fe合金のめっきである。
【0022】
【作用】前述のジンケート処理と電気めっきの組合せで
製造されたAl板が塗装後の耐食性において劣るのは、塩
基性溶液を用いるジンケート処理過程でAlの表面に存在
する安定な酸化皮膜が溶解して活性なAl金属面が露出
し、置換析出したZnと界面を接することが原因であると
考えられる。即ち、ジンケート処理なしに直接亜鉛系電
気めっきを施した場合にはAlの表面の酸化膜が残留し、
このためAl表面は不活性であり亜鉛系電気めっき層との
間に局部電池を形成しにくい。従って塗装後の耐食性に
優れるものと考えられる。しかし、この場合は酸化膜が
介在するためにめっき層の密着性が低下し加工性は非常
に劣る。
【0023】本発明方法においては、Al板表面に先ず薄
い亜鉛系電気めっき(一次めっき)を施し、これを酸性
液に(通電することなく)浸漬する。その後さらに亜鉛
系電気めっき(二次めっき)を施す。この方法よりめっ
き層の密着性に優れ、塗装後耐食性、接着耐久性、さら
にめっき皮膜の加工性に優れた亜鉛系めっきAl板が得ら
れるのである。
【0024】上記の効果が得られるメカニズムは、未だ
十分には解明できていないが、およそ次のようなもので
あろうと推定される。即ち、一次めっきの薄層はAl板表
面を完全には覆っておらず、部分的にAl表面(その表面
には酸化膜が存在する)の微細な露出部分がある。この
部分は次の酸性液中での無通電浸漬過程で浸食されず酸
化膜が残る。一方、一次めっきが析出した部分ではAl板
表面の酸化物層と一次めっき層とが同時に浸食され酸化
膜が失われる。従って、酸性液浸漬工程を経た後のAl板
表面は全体として酸化膜が部分的に残存し、いわば、前
処理としてジンケート処理をした場合としない場合の中
間的な状態になっているものと考えられる。このような
表面に二次めっきを施すことによって、耐食性、加工
性、さらに接着接合性に優れたものが得られるものと考
えられる。
【0025】この発明の方法を適用するAl板は、一般的
な方法で脱脂した後、さらに例えば20%硝酸等の酸によ
り酸洗する等の工程で前処理を施しておくのが望まし
い。
【0026】めっき工程としては、まず第一にZn2+およ
び必要なカチオンを含有する電解浴中で 0.1〜10g/m2
付着量の亜鉛系合金めっきによる一次めっきを施す。亜
鉛系電気めっきとしてはおよそ25%以下のFe、Cr、Mn、
Cu、Co等を含有するZn合金めっきが採用できるが、合金
元素としてはNiが好適であり、もっとも望ましいのは5
〜20%のNiを含むZn−Ni合金めっきである。
【0027】一次めっきの付着量が 0.1g/m2未満の場合
には、前記の浸食後に残る酸化物層が多く、めっき密着
性が不十分で加工剥離を起こしやすい。一方、10 g/m2
を超える付着量になると、浸食後に残る酸化物層が少な
すぎて塗装後の耐食性が十分でなくなる。
【0028】なお、一次めっきのめっき条件として、40
〜70℃の温度の硫酸塩系酸性浴を使用し、陰極電流密度
を10A/dm2 以上とする場合がもっと安定な電気めっきと
なり、電解効率も良好である。
【0029】一次電気めっきを施したAl板は酸性液に浸
漬される。このときは通電せず単に所定時間浸漬するだ
けである。酸性液は pH(ペーハー) が1〜3.5 の範囲の
ものが好適である。一次めっきを行う電解浴がこの範囲
の酸性浴であれば、一次めっきの電解液をそのまま用い
るのが設備上も操業上も簡便である。この酸性液は一次
めっきの液に限らず、二次めっきの液が上記のような酸
性浴ならば、それを使用してもよく、さらにいずれの浴
とも異なる処理浴を別に設けてもよい。
【0030】上記の浸漬処理の時間T(秒)は、一次め
っきのめっき付着量W(g/m2)と関連づけて決めるのが
望ましい。本発明者の実験結果によれば、T/Wが5〜
20の範囲である場合に製品Al板は良好な性能を示した。
この値が5未満ではめっき皮膜の加工密着性が悪く、一
方、20を超える場合は接着耐久性が低下する傾向が見ら
れた。
【0031】酸性液中での浸漬処理において、亜鉛系め
っきからなる一次めっき層には一部においてZnの選択溶
解が生じ、めっき被膜自体の組成変化と応力暖和が生じ
るとともに、一次めっき層で覆われた部分の酸化膜の除
去、即ち活性化をひきおこすものと考えられる。従っ
て、一次めっき厚が厚く、しかも上記浸漬処理の時間が
短い場合は、このエッチング効果が不十分となり、その
逆の場合は過度のエッチングにより一次めっきの亜鉛が
ほとんど溶解してしまい、いずれの場合も所期の効果が
得られない。
【0032】浸漬処理を施した後のAl板には二次亜鉛系
電気めっきが施される。この二次めっきの付着量は1〜
80g/m2の範囲とする。二次めっきの組成は、一次めっき
と同じくNi、Fe、Cr、Mn、Cu、Co等の1種以上をおよそ
25%以下含有し、残部が実質的にZnからなるものであ
る。但し、二次めっきは一次めっきと同一でなくともよ
い。二次めっきとして望ましいのは、5〜20%のFeまた
はNiを含み残部が実質的にZnからなる合金めっきであ
る。FeまたはNiが5%未満のめっきでは摩擦係数が大き
くなりプレス加工に悪影響を与える。一方、これらの合
金成分が20%を上回ると塗装後の耐食性が低下する。
【0033】二次めっきの付着量が1g/m2より少ないと
塗装後の耐食性および燐酸亜鉛処理性が不十分である。
他方、80g/m2を超えてめっきしても性能的向上の効果が
飽和して不経済になる。上記のように二次めっきは一次
めっきと同一である必要はないが、操業面および設備面
からは一次めっきと同一の方が都合がよい。
【0034】二次めっきの上に更に第三層またはそれ以
上のめっきを施すことも任意である。例えば、摩擦係数
を低減し、プレス加工時の焼き付きや型かじり等を抑制
する目的で、本発明方法で得られた製品の最表面に比較
的硬度の高いFe系めっきやNi系めっき(例えばFe−35%
Zn、Fe−5%Zn、Fe−1%Mn、Fe−0.5 %P、等の合金
めっき) を更に施してもよい。これらも本発明の実施態
様の一つである。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果を具体的
に説明する。
【0036】Mg添加Al合金 (JIS 5182相当材) の1mm厚
の板を供試素材として用いた。この素材をトリクロロエ
タン蒸気中で溶剤洗浄した後、さらに20%硝酸中で20秒
の酸洗を行い表2に示すような一次めっきと二次めっき
を施した。めっきはZn−Ni合金めっき、またはZn−Fe合
金めっきであり、それらのめっきの基本条件は表1に示
すとおりである。めっき皮膜の合金組成は電流密度、液
流速および液組成を調整することで変化させた。また、
一次めっきと二次めっきの間の浸漬処理は、どちらかの
めっき浴を用いて行った。
【0037】なお、比較例 (表2のNo.1〜3)として硫酸
塩浴を用いる通常の方法によって亜鉛めっきを施した。
また、同じく比較例 (表2のNo.29 〜31) としてNaOH:1
50g/リットルとZn0:90g/リットルからなる溶液(30 ℃)
に供試材を30秒浸漬するジンケート処理を行った。
【0038】
【表1】
【0039】得られためっき板の性能については下記の
項目の評価を行った。
【0040】(A) めっき皮膜の加工密着性、成形性 供試材を直径90mmの円盤状に切り出し、ポンチ径50mmの
円筒深絞り (絞り高さ25mm) を行って次のように評価し
た。
【0041】 ○ : めっき層のパウダリングが殆どない。 △ : めっき層に若干のパウダリングとフレーキングあ
り。 × : めっき層のフレーキング剥離顕著。
【0042】(B) 塗装後の耐食性 供試材を次の〜の手順で処理した。
【0043】 リン酸亜鉛処理(Chemfil 社、CF168 処理液使用) カチオン電着塗装 (PPG 社 Uniprime 塗料使用。膜
厚30μm) 中塗り塗装 (同社製エポキシエステル系塗料使用。
膜厚15μm) 上塗り塗装( 同社製アクリル・エナメル系塗料使
用。膜厚45μm) その後、図1に示すサイクルの複合腐食試験を30サイク
ル実施し、予め入れておいたカット部のブリスター幅に
より次のように評価した。
【0044】 ○ : 最大ブリスター幅が1mm未満。 △ : 最大ブリスター幅が1mm以上、5mm未満。 × : 最大ブリスター幅が5mm以上。
【0045】(C) 接着耐久性: 作製しためっきAl板から調整した幅25mm、長さ 100mmの
供試材2を2枚1組とし、図2に示すように接着剤3を
介してめっき面を重ね合わせ、175 ℃×30分の条件で加
熱・乾燥して接着し、単純重ね合わせ継ぎ手(JIS−K685
0 に準ずる)1を作製した。さらに、リン酸塩化成処理
後カチオン電着塗装を施した。この試料を図1に示した
複合腐食試験にかけ、10サイクル毎に試料を取り出し、
剪断引張り試験により接着耐久性を評価した。接着剤と
しては1液型エポキシ系アラルダイトXB 3062(日本チバ
ガイギー社製)を用い、厚みが 100μm となるように接
着した。接着部は幅25mmとした。ここで用いたリン酸塩
処理およびカチオン電着塗装の種類と条件は、カチオン
電着塗装の膜厚を10μm とした点以外は前記および
と同様である。なお、引張り試験は25℃において引張り
速度50m/分で行った。接着性の評価は、剥離面中の接着
剤が凝集破壊した部分の面積率により行った。この値が
大きい程、接着性は良好である。評価基準は次の通りで
ある。
【0046】 ○ : 凝集破壊した部分の面積率が90%以上 △ : 凝集破壊した部分の面積率が70%以上で90%未
満 × : 凝集破壊した部分の面積率に70%未満 これらの評価結果を表2に示す。
【0047】
【表2(1)】
【0048】
【表2(2)】
【0049】表2の評価欄から明らかなように、本発明
の方法で作製されたAl板は、いずれもめっき層の加工密
着性、塗装後の耐食性および接着耐久性のすべてにおい
て優れている。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法によれば、加工性、塗装後
の耐食性、接着耐久性に優れ、りん酸塩処理性において
も問題のないZn系めっきAl板を製造することができる。
このような材料は、特に軽量化と耐食性改善が焦眉の課
題とされている自動車用の材料として実用性の高いもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合腐食試験の工程と試験条件を説明する図で
ある。
【図2】接着耐久性試験に用いた単純重ね合わせ継ぎ手
の形状を示す図である。
【符号の説明】
1: 単純重ね合わせ継ぎ手、2:供試材(めっきAl
板)、3:接着剤
フロントページの続き (72)発明者 保母 芳彦 和歌山県和歌山市湊1850番地住友金属工業 株式会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 池田 洋 東京都港区新橋5丁目11番3号住友軽金属 工業株式会社内 (72)発明者 相武 隆男 東京都港区新橋5丁目11番3号住友軽金属 工業株式会社内 (72)発明者 宇都 秀之 東京都港区新橋5丁目11番3号住友軽金属 工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウム合金板の
    表面に、まず電気めっき法により付着量が 0.1〜10g/m2
    の亜鉛系めっきの一次めっきを施し、次いで酸性液中に
    浸漬する処理を施し、さらに電気めっき法によって付着
    量が1〜80g/m2の亜鉛系めっきの二次めっきを施すこと
    を特徴とする亜鉛系めっきアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金板の製造方法。
  2. 【請求項2】一次めっきを温度40〜70℃の硫酸塩系酸性
    浴中で、陰極電流密度を10A/dm2 以上として行う請求項
    1の方法。
  3. 【請求項3】一次めっきの後の浸漬処理を温度が40〜70
    ℃でpHが1〜3.5 の範囲の硫酸塩系酸性液中で行う請求
    項1または2の方法。
  4. 【請求項4】一次めっきの後の浸漬処理の時間T(秒)
    と一次めっきの付着量W(g/m2)との関係がT/W=5
    〜20である請求項1〜3のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】一次めっきの亜鉛系めっきが5〜20%のNi
    を含むNi−Zn合金めっきである請求項1〜4のいずれか
    の方法。
  6. 【請求項6】二次めっきの亜鉛系めっきが5〜20%のFe
    またはNiを含むFe−Zn合金めっきまたはNi−Zn合金めっ
    きである請求項1〜5のいずれかの方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7453528B2 (en) 2004-05-18 2008-11-18 Samsung Co., Ltd. Plasma display apparatus
DE112009004614T5 (de) 2009-03-31 2013-01-24 Mitsubishi Electric Corp. Plattenbefestigungsstruktur

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US7453528B2 (en) 2004-05-18 2008-11-18 Samsung Co., Ltd. Plasma display apparatus
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