JPH06172865A - 高強度耐サワー鋼管の熱処理方法 - Google Patents

高強度耐サワー鋼管の熱処理方法

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JPH06172865A
JPH06172865A JP32923792A JP32923792A JPH06172865A JP H06172865 A JPH06172865 A JP H06172865A JP 32923792 A JP32923792 A JP 32923792A JP 32923792 A JP32923792 A JP 32923792A JP H06172865 A JPH06172865 A JP H06172865A
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JP
Japan
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steel pipe
surface side
heat treatment
treatment method
high strength
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Application number
JP32923792A
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English (en)
Inventor
Yasutoshi Sujita
康稔 筋田
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼管の内面側は低硬度で耐サワー性に優れ、
かつ鋼管全体としては高強度となる耐サワー鋼管製造時
の熱処理方法の提案。 【構成】 鋼管1の外面側を順次高周波加熱焼入れを施
すとともに鋼管1の内面側は常に所定の温度以上になら
ないように強制冷却を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】H2S を含んだサワー環境で使用さ
れる鋼管は、水素誘起割れ防止の観点から、硬さの上限
が規定されている。この硬さ上限値としてはロックウェ
ル硬さ22以下(ビッカース硬さHv248 以下) と規定され
ることが一般的である。本発明は、鋼管の内面側の硬さ
が上記硬さ以下となる耐水素誘起割れ性に優れる高強度
耐サワー鋼管の熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐水素誘起割れ性に優れる鋼管として
は、前述したように硬さをHv248 以下にする必要があ
る。API規格X65グレード以下の低強度鋼は一般に制
御圧延材又は制御圧延材を加速冷却した材料を造管後熱
処理なしで用い、その組織はフェライトとベイナイトの
混合組織であるが、マクロ組織的にも、またミクロ組織
すなわちベイナイトの硬さもHv248 以下にすることは可
能である。しかし、API規格X70以上の高強度鋼では
低強度鋼と同じ製造方法を採用し、その組織をフェライ
トとベイナイトの混合組織にしても、マクロ組織的な硬
さをHv248 以下にすることは可能であるが、ミクロ組織
的な硬さをHv248 以下にすることは難しく、現状商業ベ
ースで耐サワー用鋼管として使用されているのはAPI
規格X65のグレードまでの低強度鋼のみである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】耐水素誘起割れ性の観
点から要求されるビッカース硬さは、鋼管の板厚方向全
体に対して 248Hv以下を満足する必要があるわけではな
く、サワー環境にさらされる鋼管の内面側が重要とされ
ている。これは湿潤H2S 環境で鋼が腐蝕したときに発生
し鋼中に侵入する水素の拡散と水素濃度の観点から言え
ることであり、例えば英国の規格であるBS規格(BS
4515)では、鋼管の内面側はビッカース硬さHv250 以下
の規定に対し、鋼管の外面側はビッカース硬さHv275 以
下としている。また強度の観点からは、鋼管全体として
規定の強度を保有しておれば実用上問題なく、必ずしも
鋼管の強度が板厚方向に均一である必要はない。
【0004】本発明は上記の観点から、鋼管の内面側は
低硬度で耐サワー性に優れ、かつ鋼管全体としては高強
度となる、高強度耐サワー鋼管を製造できる熱処理方法
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、高
強度耐サワー鋼管の熱処理方法において、鋼管の外面側
から高周波誘導加熱により外表面温度がAC3変態点以上
に順次加熱して焼入れするとともに、該鋼管の内面側は
常に所定の温度以上にならないように強制冷却すること
を特徴とする高強度耐サワー鋼管の熱処理方法である。
【0006】
【作用】本発明の方法によれば、高強度耐サワー鋼管の
熱処理方法において、鋼管の内面側は強制冷却を行うこ
とによって、所定の温度以下例えば鋼管内面温度を元の
材質特性(例えば硬度)が保持できる最高温度以下に保
持しつつ、一方鋼管の外面側からは表面加熱の行い易い
高周波誘導加熱によって、外表面温度がAC3変態点以上
になるまで加熱を行った後、外面から例えば液噴射焼入
れを行うようにしたので、内面の材質例えば硬度を耐サ
ワー鋼管の耐水素誘起割れ性の観点から要求されるビッ
カース硬さHv248 以下に保持しつつ鋼管の外面側を焼入
れ硬化せしめて鋼管全体としては高強度の耐サワー鋼管
を製造することができる。
【0007】
【実施例】図1は本発明の熱処理方法を鋼管に用いる適
した装置の1例であり、図2はその拡大要部断面図であ
る。鋼管1はスキューロール5により矢印Aの方向にス
キュー回転しながら矢印Bの方向へ進行し、高周波誘導
加熱コイル2により外面側から加熱される。この高周波
誘導加熱により鋼管の外表面はAC3変態点以上所定の温
度T0 まで加熱された後、外面側冷却装置3の内周の高
圧水噴射ノズル6から高圧水7を噴射することにより急
冷焼入れされる。この時鋼管の内面側は、鋼管の内面に
配置した冷却装置4の先端外周の内面冷媒噴射ノズル8
から噴射される冷媒ジェット9により冷却されるため、
所定の温度以下に保持されている。このようにして鋼管
の外表面は焼入れ処理が施され、鋼管の内表面は実質的
に熱処理前の元の特性が保持される。
【0008】図3は鋼管外表面温度が最高温度に達する
位置における本熱処理方法による鋼管の板厚方向の加熱
温度の分布の1例を示した図である。鋼管1の外表面は
その材料のAC3点以上の温度T0 に加熱され、その後の
急冷処理で焼入れされる。また内表面は常に冷却をし、
その材料の元の特性が保持できる最高温度TIU以下に保
持する。
【0009】前記した装置においては、鋼管の搬送方法
としてスキュー回転による方法を示したが、この搬送方
法を特に限定する必要はなく、必ずしも回転せずに熱処
理する方法も可能である。また鋼管を固定し、熱処理装
置が移動する方式でもかまわない。さらに内面に配置し
た冷却装置の噴射冷却媒体は特に限定する必要はなく、
外表面の加熱目標温度、鋼管の板厚、材質や鋼管内面許
容加熱温度により水、ガス等その接続を使い分けたり噴
射流量を調節して最も適する方法を選択すればよい。ま
た熱処理方法としては、本熱処理方法単独に限定する必
要はなく、本熱処理方法と焼戻し熱処理を組み合わせる
ことも可能である。
【0010】上記の熱処理装置を用い表1に示す組成を
有しC当量0.37、肉厚22mmの鋼管に表2に示す本発明の
熱処理を施した。その特性を表2に併せて示す。また、
比較例として実施例の圧延のままのものの特性も表2に
併せて示した。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】この実施例はAPI5L規格のグレードX
70を満足している。内面は圧延のままであるため硬さは
Hv183 、外面側はHv265 でパイプ全厚ではグレードX70
の規格値であるYS≧482MPa、TS≧565MPaを満足してい
る。それに対して比較例は、実施例の圧延のままのもの
であり、硬さは全厚Hv248以下であるが熱処理なしであ
るため強度はグレードX70を満足できず、グレードはX
65相当となっている。なお、X65の規格値はYS≧448MP
a、TS≧530MPaである。
【0014】
【発明の効果】本発明方法により鋼管の内面側は低硬度
を保持しつつ、鋼管全体として例えばAPI規格のグレ
ードX70以上の高強度の耐サワー用鋼管を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理方法を行う装置の一実施例の全
体側面図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】本発明の熱処理方法による鋼管板厚方向の加熱
温度の分布を示す概念図である。
【符号の説明】
1 鋼管 2 高周波誘導加熱コイル 3 外面側噴射冷却装置 4 内面側冷却装置 5 スキューロール 6 高圧噴射ノズル 7 高圧水ジェット 8 内面冷媒噴射ノズル 9 内面冷媒噴射ジェット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高強度耐サワー鋼管の熱処理方法におい
    て、鋼管の外面側から高周波誘導加熱により外表面温度
    がAC3変態点以上に順次加熱して焼入れするとともに、
    該鋼管の内面側は常に所定の温度以上にならないように
    強制冷却することを特徴とする高強度耐サワー鋼管の熱
    処理方法。
JP32923792A 1992-12-09 1992-12-09 高強度耐サワー鋼管の熱処理方法 Pending JPH06172865A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100670158B1 (ko) * 2005-08-31 2007-01-17 오종한 수평 이송식 고주파 열처리장치
KR100724724B1 (ko) * 2005-08-31 2007-06-04 오종한 고주파 열처리용 워크코일
CN100335662C (zh) * 2005-01-28 2007-09-05 三一重工股份有限公司 混凝土输送管生产工艺
KR100930733B1 (ko) * 2008-11-19 2009-12-09 주식회사 티엠시 콘크리트 펌프카용 콘크리트 슬러리 이송 파이프

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WO2010058965A3 (ko) * 2008-11-19 2010-07-22 주식회사 티엠시 콘크리트 펌프카용 콘크리트 슬러리 이송 파이프

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