JPH06172713A - フィルム接着剤およびその製造方法 - Google Patents

フィルム接着剤およびその製造方法

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JPH06172713A
JPH06172713A JP32501592A JP32501592A JPH06172713A JP H06172713 A JPH06172713 A JP H06172713A JP 32501592 A JP32501592 A JP 32501592A JP 32501592 A JP32501592 A JP 32501592A JP H06172713 A JPH06172713 A JP H06172713A
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JP
Japan
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bis
polyimide resin
aminophenoxy
mol
organic solvent
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JP32501592A
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English (en)
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Tatsuhiro Yoshida
達弘 吉田
Yoshitaka Okugawa
良隆 奥川
Toshio Suzuki
敏夫 鈴木
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Priority to KR1019940700340A priority patent/KR100262417B1/ko
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物aモルと3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物bモルとを酸成分とし、2,2-ビス(4-(4-アミ
ノフェノキシ)フェニル)プロパンcモルと、1,3-ビス(3
-アミノフェノキシ)ベンゼンとジメチルフェニレンジア
ミンの群から選ばれた1種類または2種類のジアミンd
モルと、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシ
ロキサンeモルとをアミン成分とし、a、b、c、d、
eのモル比が 0.5 ≦ a/(a+b)≦ 0.8、0.2 ≦
b/(a+b)≦ 0.5、かつ 0.05 ≦ e/(c+d+
e)≦ 0.5 であることを特徴とする有機溶剤に可溶な
ポリイミド樹脂を主たる構成成分とするフィルム接着
剤。 【効果】 不純物レベルが低く、加熱時に発生するガス
成分が極めて低いため、マイクロエレクトロニクス材
料、半導体実装材料として工業的に極めて利用価値が高
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低吸水性と耐熱性に優
れたエレクトロニクス用途、特に半導体実装材料として
適したシリコン基板や金属に対する接着力が優れ、低温
短時間で接着可能なフィルム接着剤とその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体チップが高機能大容量化に
よって大型化する一方、パッケージの大きさはプリント
回路設計上の制約、電子機器小型化の要求などから従来
と変わらない、あるいはむしろ小さな外形を要求されて
いる。この傾向に対応して半導体チップの高密度化と高
密度実装に対応した新しい実装方式が幾つか提案されて
いる。一つはメモリー素子に提案されているダイ・パッ
ドのないリードフレームの上にチップを載せるCOL
(チップ・オン・リード)構造とその発展形であるチッ
プの上にリードを載せるLOC(リード・オン・チッ
プ)構造である。一方論理素子には電源、グランドを別
フレームにし、さらに放熱のための金属プレートを多層
化した多層リードフレーム構造がある。これらによると
チップ内配線やワイヤー・ボンディングの合理化、配線
短縮による信号高速化、消費電力の増大に伴って発生す
る熱の放散等と素子サイズの小型化を図ることができ
る。
【0003】この新しい実装形態では、半導体チップと
リードフレーム、リードフレームとプレート、リードフ
レーム同士など同種異種材質の接着界面が存在し、その
接着信頼性が素子の信頼性に非常に大きな影響を与え
る。素子組立作業時の工程温度に耐える信頼性は勿論の
こと、吸湿時、湿熱時などの接着信頼性である。さらに
接着作業性も重要な項目である。
【0004】従来、これらの接着にはペースト状の接着
剤や耐熱性基材に接着剤を塗布したものが使用されてい
た。エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ゴム−フェノー
ル樹脂系の熱硬化性樹脂が接着剤として使用されている
が、イオン性不純物が多い、加熱硬化に高温長時間を必
要とし生産性が悪い、加熱硬化時に多量の揮発分が発生
しリードを汚染する、吸湿性が高い、など高信頼性接着
剤としての要求を満たしているとは言い難く、満足でき
る材料が見当らない。新しい実装形態に適した接着剤の
開発が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温短時間
で接着可能な低吸水性と耐熱性に優れたフィルム接着剤
を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定構造のポリイミ
ド樹脂が上記課題を解決することを見出し、本発明に到
達したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定構造のポ
リイミド樹脂を接着剤の主成分とするフィルム接着剤、
およびその製造法に関する。
【0007】本発明のポリイミド樹脂は、3,3',4,4'-ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物aモルと、3,3',4,
4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物bモルを
酸成分とし、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパンcモルと、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)
ベンゼンとジメチルフェニレンジアミンの群から選ばれ
た1種類または2種類のジアミンdモルと、α,ω-ビス
(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンeモルとを
アミン成分とし、a、b、c、d、eのモル比が 0.5
≦ a/(a+b)≦ 0.8、0.2 ≦ b/(a+b)≦
0.5、0.05 ≦ e/(c+d+e)≦ 0.5 の割合で両成
分を反応させてイミド閉環せしめた有機溶剤に可溶なポ
リイミド樹脂であり、また該ポリイミド樹脂の分子末端
を式(1)で表される酸無水物あるいは式(2)で表さ
れる芳香族アミンでエンドキャップしていることを特徴
とする有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂である。
【化1】 (式中、Xは
【化2】 のうちから選ばれた少なくとも1種類の基)
【化3】 (式中、Yは水素原子、あるいはメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、ブトキシ、もしくはフェノキシ基のうちから選ば
れた少なくとも1種類の基)
【0008】酸成分の主要な構成成分である3,3',4,4'-
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の量比は、得られ
るポリイミド樹脂の溶解性に極めて重要で、上記の範囲
内にないと低沸点溶剤に溶解するという本発明の特徴が
失われる。
【0009】一般式(3)で表されるα,ω-ビス(3-ア
ミノプロピル)ポリジメチルシロキサンは、n=0〜10
が好ましく、特にnの値が4〜10 の範囲が、ガラス転移
温度、接着性、耐熱性の点から好ましい。またn=0 と
上記n=4〜10 のものをブレンドして用いることは特に
接着性を重視する用途では好ましい。
【化4】
【0010】各成分の量比は上記範囲内にあることが重
要で、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロ
キサンが全アミン成分の5モル%未満では低吸湿性の特
徴が現れず、50モル%を越えるとガラス転移温度が著し
く低下し耐熱性に問題が生じる。2,2-ビス(4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル)プロパンの量比に関して、全アミ
ン成分の10モル%から90モル%の範囲であることが好ま
しく、上記の範囲を越えると溶解性や耐熱性に問題が生
じる。
【0011】ジメチルフェニレンジアミンを添加するこ
とにより、低沸点溶剤への溶解性を低下させずに耐熱性
を向上させることができる。ジメチルフェニレンジアミ
ンとしては、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4
-ジメチル-m-フェニレンジアミンが好ましい。また接着
剤用途として低温接着が要求される時は、1,3-ビス(3-
アミノフェノキシ)ベンゼンを加えることが有効であ
る。
【0012】ポリイミド樹脂の分子末端をエンドキャッ
プし分子量をコントロールすることにより、被着材との
接着に適した溶融粘度を得ることができ、濡れ性を向上
させ接着力を高めることができる。エンドキャップ剤で
ある酸無水物、あるいは芳香族アミンの量比については
上記範囲内にあることが重要で、1モル%未満では分子
量が高くなりすぎて、低沸点溶剤に溶けなくなる場合が
あり、また接着性を重視する用途では溶融粘度の増加に
より濡れ性が悪くなり好ましくない。また5モル%を越
えると分子量が著しく低下し耐熱性に問題が生じる。
【0013】エンドキャップ剤としては、一般式(1)
で表される酸無水物及び一般式(2)で表される芳香族
アミンが挙げられる。酸無水物としては、無水フタル
酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸など、芳香族アミ
ンとしては、p-メチルアニリン、p-メトキシアニリン、
p-フェノキシアニリンなどが用いられる。
【0014】重縮合反応における酸成分とアミン成分の
当量比は、得られるポリアミック酸の分子量を決定する
重要な因子である。ポリマの分子量と物性、特に数平均
分子量と機械的性質の間に相関があることは良く知られ
ている。数平均分子量が大きいほど機械的性質が優れて
いる。したがって、接着剤として実用的に優れた強度を
得るためには、ある程度高分子量であることが必要であ
る。本発明では、酸成分とアミン成分の当量比rが 0.900 ≦ r ≦ 1.06 より好ましくは、 0.975 ≦
r ≦ 1.06 の範囲にあることが好ましい。ただし、r=[全酸成分
の当量数]/[全アミン成分の当量数]である。rが0.
900未満では、分子量が低くて脆くなるため接着力が弱
くなる。また1.06を越えると、未反応のカルボン酸が加
熱時に脱炭酸してガス発生、発泡の原因となり好ましく
ないことがある。
【0015】このようにして得たポリアミック酸溶液
を、続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポ
リイミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環
反応を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に
加えて共沸させてディーン・スターク(Dean-Stark)管
などの装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない
有機溶剤としてはジクロルベンゼンが知られているが、
エレクトロニクス用として塩素成分が混入する恐れがあ
る。好ましくは前記芳香族炭化水素を使用する。また、
イミド化反応の触媒として無水酢酸、β-ピコリン、ピ
リジンなどの化合物を使用することは妨げない。イミド
化率が低いと接着時の熱でイミド化が起こり水が発生し
て好ましくないため、95%以上、より好ましくは98%以
上のイミド化率が達成できる条件であることが必要であ
る。
【0016】本発明では、得られたポリイミド溶液はそ
のまま支持体に塗布しても良いが、該ポリイミド溶液を
貧溶媒中に投入してポリイミド樹脂を再沈析出させて未
反応モノマを取り除いて精製することが好ましい。精
製、濾過、乾燥したポリイミド樹脂は再び有機溶剤に溶
解してワニスとする。この時使用する溶剤は反応溶媒と
同じでも良いが、塗布乾燥工程の作業性を考え沸点の低
い、好ましくは沸点が180℃以下の溶剤を選択すること
が好ましい。180℃以下の溶剤として、本発明ではケト
ン系溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノ
ンを、エーテル系溶剤として1,4-ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、ジグライムを挙げることができる。これら
の溶剤は単独で使用しても良いし、2種以上を混合して
用いることもできる。アミド系溶剤のN,N-ジメチルホル
ムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドは沸点200℃以下
で本発明のポリイミド樹脂を良く溶解するが、ポリイミ
ドとの相互作用が強く乾燥には250℃以上の高温を必要
とすること、また吸湿性が高いためワニス塗布時にフィ
ルムが白化することでその使用は好ましくない。
【0017】ポリイミド樹脂ワニスには表面平滑性を出
すための平滑剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添加
剤を必要に応じて添加することができる。また、溶剤の
蒸発速度を調節するために均一に溶解する範囲で芳香族
炭化水素系溶剤を使用することもできる。
【0018】フィルム接着剤とするには、ポリイミド樹
脂ワニスを流延成形してフィルム状にし、フィルム単体
あるいはフィルム支持体と一体にして使用する。ポリイ
ミド樹脂ワニスの流延成形は、フローコーター、ロール
コーターなどの塗布設備と熱風乾燥炉を組み合わせた装
置などを用いることができる。ポリイミド樹脂ワニスを
支持体に塗工後、熱風乾燥炉に導き、ワニスの溶剤を揮
散させるに十分な温度と風量でもって乾燥する。フィル
ム単体として使用する場合は、支持体より剥離し、支持
体と一体で使用する場合は、支持体の片面又は両面に付
けたまま使用する。本発明のフィルム接着剤の使用方法
は特に限定されるものではないが、所定の形状に切断し
て加熱したヒートブロックで熱圧着して接着するなど、
接着テープとして使用することができる。
【0019】
【作用】本発明のフィルム接着剤は、低沸点の有機溶剤
に可溶である特定構造の完全にイミド化されたポリイミ
ド樹脂を主たる構成成分とすることを特徴とする。接着
剤のポリイミド樹脂は再沈精製することによって極めて
低いイオン性不純物レベルを達成できると共に、低沸点
の溶剤を使用しイミド化されていることを合わせて加熱
時の発生ガスをほぼ完全に無くすことができる。
【0020】また、低吸水性と耐熱性に優れ、化学反応
を伴う熱硬化性接着剤に比べると極めて短時間に接着可
能である。テープ状に加工することにより、接着作業
性、接着部の寸法精度を優れたものにすることができ
る。以下実施例で本発明を詳細に説明するが、これらの
実施例に限定されるものではない。
【0021】
【実施例】
(実施例1)乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度計、撹
拌機を備えた四口フラスコに、脱水精製したNMP688
gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混ぜ
る。次に2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プ
ロパン(BAPP)65.6823g(0.160モル)、1,3-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)23.3869g
(0.08モル)、ジメチルフェニレンジアミン(DPX)
10.8957g(0.08モル)、α,ω-ビス(3-アミノプロピ
ル)ポリジメチルシロキサン(APPS)66.9600g(平
均分子量837、0.08モル)を投入し、系を60℃に加熱
し、均一になるまでかき混ぜる。均一に溶解後、無水フ
タル酸 2.3699g(0.016モル)を加え、1時間撹拌し
た。その後、系を氷水浴で5℃に冷却し、3,3',4,4'-ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物 91.7966g(0.312
モル)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物 25.7784g(0.08モル)を粉末状のまま15分間か
けて添加し、3時間撹拌を続けた。
【0022】その後、窒素ガス導入管と冷却器を外し、
キシレンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに
装着し、系にトルエン172gを添加した。油浴に代えて
系を175℃に加熱し発生する水を系外に除いた。4時間
加熱したところ、系からの水の発生は認められなくなっ
た。冷却後この反応溶液を大量のメタノール中に投入
し、ポリイミド樹脂を析出させた。固形分を濾過後、80
℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、257.32g(収率89.7
%)の固形樹脂を得た。KBr錠剤法で赤外吸収スペク
トルを測定したところ、環状イミド結合に由来する5.6
μmの吸収を認めたが、アミド結合に由来する6.06μm
の吸収を認めることはできず、この樹脂はほぼ100%イ
ミド化していることが確かめられた。この時の酸、アミ
ンのモル比は、それぞれa/(a+b+0.5f)= 0.7
8、b/(a+b+0.5f)= 0.2、e/(c+d+e)
= 0.2 である。
【0023】このようにして得たポリイミド樹脂をシク
ロヘキサノン/トルエン(90/10w/w%)に溶解し、
固形分25%のポリイミド樹脂ワニスを調製した。このワ
ニスをリバースロールコーターでポリイミドフィルム
(商品名ユーピレックスSGA、厚み50μm、宇部興産
(株)製)の片面に塗布し、接着剤層の厚みが30μmの接
着テープを得た。乾燥温度は最高180℃で乾燥時間6分
であった。この接着テープを35μm銅箔に熱プレスして
試験片を作製した。銅箔の処理面に250℃2秒間熱圧着
し、圧を開放後250℃で30秒間アニールした。接着面に
かかる圧力はゲージ圧力と接着面積から計算の結果4kgf
/cm2であった。この試験片の180度ピール強度は3.12kg
f/cmであり、優れた接着力を示した。破断面は接着樹
脂層が凝集破壊し、発泡は全く認められなかった。
【0024】(実施例2)実施例1のワニスを二軸延伸
ポリエステルフィルム(商品名ダイヤホイル、厚さ50μ
m、三菱レーヨン(株)製)に塗布し、乾燥温度は最高18
0℃で乾燥時間6分であった。乾燥後ポリエステルフィ
ルムから剥離し、30μm厚みの支持体なしの単層フィル
ムを得た。剥離は容易で特に支障はなかった。実施例1
と同様に銅箔光沢面に接着した結果を表1に示す。
【0025】(実施例3〜5)実施例1と同様にして反
応して可溶性ポリイミド樹脂を得た。これらのポリイミ
ド樹脂について得られた評価結果を第1表に示す。いず
れも接着テープとして優れた性能を持つことが分かる。
【0026】
【表1】
【0027】なお、第1表で、BPDAは3,3',4,4'-ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物を、BTDAは4,4'
-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を、PAは
無水フタル酸を、BAPPは2,2-ビス(4-(4-アミノフェ
ノキシ)フェニル)プロパンを、APBは1,3-ビス(3-ア
ミノフェノキシ)ベンゼンを、DPXは2,5-ジメチル-p-
フェニレンジアミンを、APPSはα,ω-ビス(3-アミ
ノプロピル)ポリジメチルシロキサンを、PPAはp-フ
ェノキシアニリンをそれぞれ略記したものである。
【0028】また、配合の数値はそれぞれの成分中の配
合当量比であり、吸水率は85℃85%RHの環境下で168
時間放置(HH-168処理)後のテープ全体の飽和吸水率
を、発生ガス、発生水分は250℃で15分間加熱した時に
発生するガスをGC−MS法で、水分はカール・フィッ
シャー法でそれぞれ定量したテープ全体の値を示す。
【0029】(比較例1)実施例1と同条件で、a/
(a+b+0.5f)= 0.5、b/(a+b+0.5f)=
0.475、c/(c+d+e)=1、e/(c+d+e)
=0の量比で反応し、ポリイミド樹脂を得た。この樹脂
をシクロヘキサノンに溶解しようとしたが、膨潤ゲル状
態となり、完全に溶解することができなかった。また、
DMF、DMACに対しても同様の状態となり、樹脂ワ
ニスを調製することができなかった。そこでNMPに溶
解してワニスを調製し、ポリイミド樹脂に塗工しテープ
とした。乾燥温度180℃では30分加熱しても熱重量分析
で200〜250℃で約6.8%の重量減少が認められた。これ
は残存溶媒のNMPが蒸発することによる。250℃30分
の乾燥で熱重量減少が認められなくなったが、樹脂のガ
ラス転移温度を大きく越えるため両面塗工テープを作る
ことは不可能であった。
【0030】(比較例2)比較例1のワニスを実施例2
と同様にポリエステルフィルムに塗工して支持体なしの
フィルムを作成しようとしたが、200℃を越える温度で
は支持体のポリエステルフィルムが収縮して不可能であ
り、200℃以下での乾燥温度では溶媒のNMPをとばす
ことができず、これもフィルムを作ることができなかっ
た。
【0031】(比較例3〜4)実施例1と同様に反応
し、得られたポリイミド樹脂について評価した結果を第
2表に示す。
【0032】
【表2】
【0033】なお、第2表においてPMDAは無水ピロ
メリット酸、PPDAはp-フェニレンジアミンを略記し
たものである。
【0034】以上の実施例から本発明により、有機溶剤
に可溶で耐熱性と低吸湿性に優れたポリイミド樹脂が得
られることが示される。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、低吸水性と耐熱性と接
着作業性を両立させた信頼性の高いフィルム接着剤を提
供することが可能である。特に、不純物レベルが低く、
加熱時に発生するガス成分が極めて低いため、マイクロ
エレクトロニクス材料、半導体実装材料として工業的に
極めて利用価値が高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】一般式(3)で表されるα,ω-ビス(3-ア
ミノプロピル)ポリジメチルシロキサンは、n=1〜10
が好ましく、特にnの値が4〜10 の範囲が、ガラス転移
温度、接着性、耐熱性の点から好ましい。またn=1 と
上記n=4〜10 のものをブレンドして用いることは特に
接着性を重視する用途では好ましい。
【化4】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸
    二無水物aモルと3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカル
    ボン酸二無水物bモルとを酸成分とし、2,2-ビス(4-(4-
    アミノフェノキシ)フェニル)プロパンcモルと、1,3-ビ
    ス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンとジメチルフェニレン
    ジアミンの群から選ばれた1種類または2種類のジアミ
    ンdモルと、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチ
    ルシロキサンeモルとをアミン成分とし、a、b、c、
    d、eのモル比が 0.5 ≦ a/(a+b)≦ 0.8、0.2
    ≦ b/(a+b)≦ 0.5、かつ 0.05 ≦ e/(c+d
    +e)≦ 0.5 の割合で両成分を反応させてイミド閉環
    せしめた有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を主成分とす
    るフィルム接着剤。
  2. 【請求項2】 3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸
    二無水物aモルと3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカル
    ボン酸二無水物bモルとを酸成分とし、2,2-ビス(4-(4-
    アミノフェノキシ)フェニル)プロパンcモルと、1,3-ビ
    ス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンとジメチルフェニレン
    ジアミンの群から選ばれた1種類または2種類のジアミ
    ンdと、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシ
    ロキサンeモルとをアミン成分とするポリイミド樹脂の
    分子末端を、一般式(1)で表される酸無水物fモルま
    たは一般式(2)で表される芳香族アミンgモルでエン
    ドキャップし、a、b、c、d、e、f、gのモル比が
    0.5 ≦ a/(a+b+0.5f)≦ 0.8、0.2 ≦ b/
    (a+b+0.5f)≦ 0.5、0.01 ≦ f/(a+b+0.5
    f)≦ 0.05、0.01 ≦ g/(c+d+e+0.5g)≦
    0.05、0.05 ≦ e/(c+d+e+0.5g)≦ 0.5 かつ
    fまたはgのどちらか一方は0である割合で両成分を反
    応させてイミド閉環せしめた有機溶剤に可溶なポリイミ
    ド樹脂を主成分とするフィルム接着剤。 【化1】 (式中、Xは 【化2】 のうちから選ばれた少なくとも1種類の基) 【化3】 (式中、Yは水素原子、あるいはメチル、エチル、プロ
    ピル、ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、プロポ
    キシ、ブトキシ、もしくはフェノキシ基のうちから選ば
    れた少なくとも1種類の基)
  3. 【請求項3】 ポリアミック酸を有機溶剤中で加熱脱水
    してイミド閉環反応を完結させたポリイミド樹脂の有機
    溶剤溶液を支持体の片面又は両面に流延成形する請求項
    1または請求項2記載のフィルム接着剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 沸点が180℃以下である有機溶剤を使用
    して支持体の上に流延成形、乾燥後、支持体から剥離し
    て得る請求項1または請求項2記載のフィルム接着剤の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013147598A (ja) * 2012-01-20 2013-08-01 Asahi Kasei E-Materials Corp 未硬化接着性樹脂、積層体及びプリント配線板の製造方法

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