JPH06172460A - 反応性ポリプロピレンの製造方法 - Google Patents
反応性ポリプロピレンの製造方法Info
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- JPH06172460A JPH06172460A JP35251492A JP35251492A JPH06172460A JP H06172460 A JPH06172460 A JP H06172460A JP 35251492 A JP35251492 A JP 35251492A JP 35251492 A JP35251492 A JP 35251492A JP H06172460 A JPH06172460 A JP H06172460A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 印刷性、接着性及び親水性等の反応性を付与
するために不飽和結合を導入した反応性ポリプロピレン
を製造する方法を提供する。 【構成】 ジエンモノマー又はトリエンモノマーをポリ
プロピレンにグラフト重合することによる、製造工程が
容易であり、かつ変性モノマーであるジエンモノマー又
はトリエンモノマーのグラフト率の調整が可能である変
性ポリプロピレンの製造方法。
するために不飽和結合を導入した反応性ポリプロピレン
を製造する方法を提供する。 【構成】 ジエンモノマー又はトリエンモノマーをポリ
プロピレンにグラフト重合することによる、製造工程が
容易であり、かつ変性モノマーであるジエンモノマー又
はトリエンモノマーのグラフト率の調整が可能である変
性ポリプロピレンの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反応性ポリプロピレンの
製造方法に関し、特に印刷性、接着性及び親水性等の反
応性を付与するために不飽和結合を導入した反応性ポリ
プロピレンを製造する方法に関する。
製造方法に関し、特に印刷性、接着性及び親水性等の反
応性を付与するために不飽和結合を導入した反応性ポリ
プロピレンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィンは、低コストで成形性、
絶縁性、耐薬品性及び機械的強度等に優れているため、
フィルム、繊維、成形品などとして各種の用途に広く用
いられている。しかしながら、ポリプロピレンはその構
造上、接着性、塗装性、印刷性及び親水性などの化学的
性質が劣っており、また反応性に乏しいことから、ポリ
プロピレンに二重結合等の反応性基を導入する試みが種
々なされている。
ロピレンなどのポリオレフィンは、低コストで成形性、
絶縁性、耐薬品性及び機械的強度等に優れているため、
フィルム、繊維、成形品などとして各種の用途に広く用
いられている。しかしながら、ポリプロピレンはその構
造上、接着性、塗装性、印刷性及び親水性などの化学的
性質が劣っており、また反応性に乏しいことから、ポリ
プロピレンに二重結合等の反応性基を導入する試みが種
々なされている。
【0003】例えば、特開昭56-36508号は、プロピレン
と、一般式:
と、一般式:
【化1】
【0004】(ただし、R1 は炭素数8以下のアルキル
基、R2 及びR3 は水素原子又は炭素数8以下のアルキ
ル基を表し、R2 及びR3 がともに水素原子である場合
を除く。)により表される分岐1,4-ジエンとを、チーグ
ラー・ナッタ触媒の存在下で共重合させることにより、
不飽和共重合体を製造する方法を開示している。同様に
分岐ジエンをプロピレンに共重合させる共重合体の製造
方法は特開昭62-115007 号、同62-115008 号及び特開平
2-145611号にも開示されている。
基、R2 及びR3 は水素原子又は炭素数8以下のアルキ
ル基を表し、R2 及びR3 がともに水素原子である場合
を除く。)により表される分岐1,4-ジエンとを、チーグ
ラー・ナッタ触媒の存在下で共重合させることにより、
不飽和共重合体を製造する方法を開示している。同様に
分岐ジエンをプロピレンに共重合させる共重合体の製造
方法は特開昭62-115007 号、同62-115008 号及び特開平
2-145611号にも開示されている。
【0005】しかしながら、上記共重合体の製造方法で
あるランダム重合反応は、高耐圧の重合装置が必要であ
るなど、その反応装置が煩雑であり、また得られたラン
ダム共重合体におけるジエンモノマーの含有率は、その
後変更することができないため、所望のジエンモノマー
の含有率の共重合体を使用用途に応じてその都度合成す
る必要があるという問題がある。
あるランダム重合反応は、高耐圧の重合装置が必要であ
るなど、その反応装置が煩雑であり、また得られたラン
ダム共重合体におけるジエンモノマーの含有率は、その
後変更することができないため、所望のジエンモノマー
の含有率の共重合体を使用用途に応じてその都度合成す
る必要があるという問題がある。
【0006】従って本発明の目的は、印刷性、接着性及
び親水性等の反応性を付与するために不飽和結合を導入
した反応性ポリプロピレンを製造する方法を提供するこ
とである。
び親水性等の反応性を付与するために不飽和結合を導入
した反応性ポリプロピレンを製造する方法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、ジエンモノマー又はトリエンモ
ノマーをポリプロピレンにグラフト重合して得られる反
応性ポリプロピレンは、反応性、特に印刷性、接着性及
び親水性等に優れているとともに、その製造が容易であ
り、かつ変性モノマーであるジエンモノマー又はトリエ
ンモノマーのグラフト率の調整が可能であることを見出
し、本発明に想到した。
の結果、本発明者らは、ジエンモノマー又はトリエンモ
ノマーをポリプロピレンにグラフト重合して得られる反
応性ポリプロピレンは、反応性、特に印刷性、接着性及
び親水性等に優れているとともに、その製造が容易であ
り、かつ変性モノマーであるジエンモノマー又はトリエ
ンモノマーのグラフト率の調整が可能であることを見出
し、本発明に想到した。
【0008】すなわち、本発明の反応性ポリプロピレン
の製造方法は、ポリプロピレンに、ジエンモノマー又は
トリエンモノマーをグラフト重合することを特徴とす
る。
の製造方法は、ポリプロピレンに、ジエンモノマー又は
トリエンモノマーをグラフト重合することを特徴とす
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、ポリプロピレンは、プロピレンのホモポリマー
に限らず、プロピレンとエチレン、ブテン-1などの他の
α−オレフィンとのブロックコポリマー、ランダムコポ
リマー、またはランダムブロックコポリマーを含む。こ
こで、他のα−オレフィンとしては、特にエチレンが好
ましい。コポリマーの場合、他のα−オレフィンの含有
量は10重量%以下である。このようなポリプロピレンは
通常0.1 〜1000g/10分のメルトフローレート(MFR 、JI
SK7210、荷重2.16kg、230 ℃) を有する。
おいて、ポリプロピレンは、プロピレンのホモポリマー
に限らず、プロピレンとエチレン、ブテン-1などの他の
α−オレフィンとのブロックコポリマー、ランダムコポ
リマー、またはランダムブロックコポリマーを含む。こ
こで、他のα−オレフィンとしては、特にエチレンが好
ましい。コポリマーの場合、他のα−オレフィンの含有
量は10重量%以下である。このようなポリプロピレンは
通常0.1 〜1000g/10分のメルトフローレート(MFR 、JI
SK7210、荷重2.16kg、230 ℃) を有する。
【0010】上記ポリプロピレンにグラフト重合させる
ジエンモノマーは、一般式:
ジエンモノマーは、一般式:
【化2】
【0011】(式中、R1 〜R4 はH又は炭素数1〜10
のアルキル基であり、nは0〜20の整数を表す。)で示
される共役ジエン又は非共役ジエンである。特にR1 〜
R4 が1〜6のアルキル基であり、nが0〜10の整数で
あるのが好ましい。
のアルキル基であり、nは0〜20の整数を表す。)で示
される共役ジエン又は非共役ジエンである。特にR1 〜
R4 が1〜6のアルキル基であり、nが0〜10の整数で
あるのが好ましい。
【0012】上記ジエンモノマーとしては、例えば、1,
3-ブタジエン、2-メチル−1,4 −ペンタジエン、1,4 −
ヘキサジエン、4-メチル-1,4−ヘキサジエン、4-エチル
-1,4−ヘキサジエン、1,4 −ヘプタジエン、4-メチル-
1,4−ヘプタジエン、4-エチル-1,4−ヘプタジエン、1,5
−ヘプタジエン、1,5 −オクタジエン、5-メチル-1,5
−ヘプタジエン、2-メチル−1,5 −ヘキサジエン、1,6-
オクタジエン、6-メチル-1,6- オクタジエン、7-メチル
-1,6- オクタジエン、2-メチル−1,6 −ヘプタジエン、
1,9-デカジエン、1,13- テトラデカジエンなどが挙げら
れる。その他、ビニルシクロヘキセン、ビニルノルボル
ネン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン
等の環状ジエンも用いることができる。これらの中では
非共役ジエンが好ましく、特に1,4 −ヘキサジエン、1,
9-デカジエン及び1,13- テトラデカジエン等が好まし
い。
3-ブタジエン、2-メチル−1,4 −ペンタジエン、1,4 −
ヘキサジエン、4-メチル-1,4−ヘキサジエン、4-エチル
-1,4−ヘキサジエン、1,4 −ヘプタジエン、4-メチル-
1,4−ヘプタジエン、4-エチル-1,4−ヘプタジエン、1,5
−ヘプタジエン、1,5 −オクタジエン、5-メチル-1,5
−ヘプタジエン、2-メチル−1,5 −ヘキサジエン、1,6-
オクタジエン、6-メチル-1,6- オクタジエン、7-メチル
-1,6- オクタジエン、2-メチル−1,6 −ヘプタジエン、
1,9-デカジエン、1,13- テトラデカジエンなどが挙げら
れる。その他、ビニルシクロヘキセン、ビニルノルボル
ネン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン
等の環状ジエンも用いることができる。これらの中では
非共役ジエンが好ましく、特に1,4 −ヘキサジエン、1,
9-デカジエン及び1,13- テトラデカジエン等が好まし
い。
【0013】また、1,3,7-オクタトリエン、1,5,9-デカ
トリエン等のトリエンモノマーをポリプロピレンにグラ
フト重合させることもできる。
トリエン等のトリエンモノマーをポリプロピレンにグラ
フト重合させることもできる。
【0014】上述したようなジエンモノマー又はトリエ
ンモノマーは、2種以上混合して用いることもできる。
ンモノマーは、2種以上混合して用いることもできる。
【0015】次に、このようなジエンモノマー又はトリ
エンモノマーをポリプロピレンにグラフト重合する方法
について説明する。
エンモノマーをポリプロピレンにグラフト重合する方法
について説明する。
【0016】グラフト重合は、溶液法又は溶融混練法の
いずれでも行うことができるが、特に溶液法が好まし
い。溶液法の場合、キシレン等の有機溶剤にポリプロピ
レン、ジエンモノマー又はトリエンモノマー、及び下記
のラジカル発生剤を溶解し、50〜200 ℃の温度で0.5 〜
5時間攪拌しながら行う。また溶融混練法の場合、上記
出発物質を、押出機や二軸混練機等に投入し、ポリプロ
ピレンの融点以上の温度、好ましくは190 〜250 ℃の温
度に加熱して溶融しながら3〜10分混練する。
いずれでも行うことができるが、特に溶液法が好まし
い。溶液法の場合、キシレン等の有機溶剤にポリプロピ
レン、ジエンモノマー又はトリエンモノマー、及び下記
のラジカル発生剤を溶解し、50〜200 ℃の温度で0.5 〜
5時間攪拌しながら行う。また溶融混練法の場合、上記
出発物質を、押出機や二軸混練機等に投入し、ポリプロ
ピレンの融点以上の温度、好ましくは190 〜250 ℃の温
度に加熱して溶融しながら3〜10分混練する。
【0017】上記ラジカル発生剤としては、例えば過酸
化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジターシャリ
ーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブチルペルオ
キシ安息香酸、過酸化ジクミル、ぺルオキシ安息香酸、
ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチルペルオキシピバレ
ート、2,5-ジメチル-2,5- ジターシャリーブチルペルオ
キシヘキシン、t-ブチルペルオキシベンゾエート等の過
酸化物類、アゾビスイソブチロニトリルなどのジアゾ化
合物類等が好ましい。ラジカル発生剤の添加量はジエン
モノマー又はトリエンモノマー100 重量部に対して1〜
50重量部の範囲が望ましい。
化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジターシャリ
ーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブチルペルオ
キシ安息香酸、過酸化ジクミル、ぺルオキシ安息香酸、
ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチルペルオキシピバレ
ート、2,5-ジメチル-2,5- ジターシャリーブチルペルオ
キシヘキシン、t-ブチルペルオキシベンゾエート等の過
酸化物類、アゾビスイソブチロニトリルなどのジアゾ化
合物類等が好ましい。ラジカル発生剤の添加量はジエン
モノマー又はトリエンモノマー100 重量部に対して1〜
50重量部の範囲が望ましい。
【0018】ポリプロピレンに対するジエンモノマー又
はトリエンモノマーの配合割合は、ポリプロピレン100
重量部に対して1〜100 重量部程度とするのが好まし
い。このような配合割合とすることにより、変性ポリプ
ロピレン100 モル%(プロピレン基準)に対して、0.01
〜20モル%のジエンモノマー又はトリエンモノマーがグ
ラフト重合した反応性ポリプロピレンを得ることができ
る。ジエンモノマー又はトリエンモノマーのグラフト率
が0.01モル%未満であると、得られる反応性ポリプロピ
レンの反応性が十分でなく、一方20モル%を越えると機
械的強度が低下する。特に好ましいグラフト率は0.1 〜
10モル%であり、さらに好ましくは0.1 〜5モル%であ
る。
はトリエンモノマーの配合割合は、ポリプロピレン100
重量部に対して1〜100 重量部程度とするのが好まし
い。このような配合割合とすることにより、変性ポリプ
ロピレン100 モル%(プロピレン基準)に対して、0.01
〜20モル%のジエンモノマー又はトリエンモノマーがグ
ラフト重合した反応性ポリプロピレンを得ることができ
る。ジエンモノマー又はトリエンモノマーのグラフト率
が0.01モル%未満であると、得られる反応性ポリプロピ
レンの反応性が十分でなく、一方20モル%を越えると機
械的強度が低下する。特に好ましいグラフト率は0.1 〜
10モル%であり、さらに好ましくは0.1 〜5モル%であ
る。
【0019】上述したようにして得られる反応性ポリプ
ロピレンは、0.01〜1000g/10 分、特に0.1 〜100 g/
10分のメルトフローレート (MFR 、230 ℃、2.16kg荷
重) を有する。
ロピレンは、0.01〜1000g/10 分、特に0.1 〜100 g/
10分のメルトフローレート (MFR 、230 ℃、2.16kg荷
重) を有する。
【0020】なお、本発明の方法においては上記反応性
ポリプロピレンに対して、再度ジエンモノマー又はトリ
エンモノマーをグラフト重合することにより、モノマー
のグラフト率を容易に調整することができる。また、グ
ラフト重合方法が溶融混練法の場合、グラフト重合後、
引き続いて溶融混練することにより得られた反応性ポリ
プロピレンに対して、架橋構造を容易に形成することが
できる。
ポリプロピレンに対して、再度ジエンモノマー又はトリ
エンモノマーをグラフト重合することにより、モノマー
のグラフト率を容易に調整することができる。また、グ
ラフト重合方法が溶融混練法の場合、グラフト重合後、
引き続いて溶融混練することにより得られた反応性ポリ
プロピレンに対して、架橋構造を容易に形成することが
できる。
【0021】また、本発明においてはポリプロピレンの
成形体の表面に、ジエンモノマーをグラフト重合するこ
ともできる。上記方法を用いることにより、ポリプロピ
レンが固形状物であっても、その表面を改質することが
できる。この場合、ジエンモノマー又はトリエンモノマ
ーの雰囲気中でポリプロピレン成形体に放射線を照射す
ることによりその表面にラジカルを発生させ、ジエンモ
ノマー又はトリエンモノマーをグラフト重合させればよ
い。放射線としてはα線、β線(電子線)、γ線等の電
離放射線を用いることができ、特にβ線(電子線)を用
いるのが好ましい。放射線の照射量は、一般に0.1 〜50
Mrad、好ましくは0.5 〜10Mradである。
成形体の表面に、ジエンモノマーをグラフト重合するこ
ともできる。上記方法を用いることにより、ポリプロピ
レンが固形状物であっても、その表面を改質することが
できる。この場合、ジエンモノマー又はトリエンモノマ
ーの雰囲気中でポリプロピレン成形体に放射線を照射す
ることによりその表面にラジカルを発生させ、ジエンモ
ノマー又はトリエンモノマーをグラフト重合させればよ
い。放射線としてはα線、β線(電子線)、γ線等の電
離放射線を用いることができ、特にβ線(電子線)を用
いるのが好ましい。放射線の照射量は、一般に0.1 〜50
Mrad、好ましくは0.5 〜10Mradである。
【0022】なお、上記ポリプロピレン成形体に対する
ジエンモノマー又はトリエンモノマーのグラフト率は、
電離放射線の照射量を調整することにより、適宜調整す
ることができる。
ジエンモノマー又はトリエンモノマーのグラフト率は、
電離放射線の照射量を調整することにより、適宜調整す
ることができる。
【0023】
【実施例】以下の具体的実施例により本発明をさらに詳
細に説明する。なお、各実施例及び比較例において、原
料及び添加剤としては、以下のものを使用した。 [1] ポリプロピレン ・HPP:プロピレンホモポリマー〔東燃化学(株)
製、PY201:メルトフローレート (MFR 230 ℃ 2.1
6 kg荷重) 1g/10 分〕 ・HPP:プロピレンホモポリマー〔東燃化学(株)
製、PJ215:メルトフローレート (MFR 230 ℃ 2.1
6 kg荷重) 15g/10 分〕 [2] ジエン ・1,9 −デカジエン:DD ・1,4 −ヘキサジエン:HD ・ビニルノルボルネン:VN [3] ラジカル発生剤 ・t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)
製、パーブチルZ)
細に説明する。なお、各実施例及び比較例において、原
料及び添加剤としては、以下のものを使用した。 [1] ポリプロピレン ・HPP:プロピレンホモポリマー〔東燃化学(株)
製、PY201:メルトフローレート (MFR 230 ℃ 2.1
6 kg荷重) 1g/10 分〕 ・HPP:プロピレンホモポリマー〔東燃化学(株)
製、PJ215:メルトフローレート (MFR 230 ℃ 2.1
6 kg荷重) 15g/10 分〕 [2] ジエン ・1,9 −デカジエン:DD ・1,4 −ヘキサジエン:HD ・ビニルノルボルネン:VN [3] ラジカル発生剤 ・t−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)
製、パーブチルZ)
【0024】実施例1 ポリプロピレン(HPP)100 gと、1,9 −デカジエ
ン(DD)40gとを120 ℃のキシレン1000mlに溶解させ
た後、過酸化物としてt−ブチルパーオキシベンゾエー
ト10gを添加し、窒素雰囲気下で4時間撹拌した。その
後、溶液をアセトンに滴下し、1,9 −デカジエンによる
反応性ポリプロピレンを得た。得られた反応性ポリプロ
ピレンの1,9 −デカジエンのグラフト率は1.7 モル%で
あった。この反応性ポリプロピレンの製造に使用したポ
リプロピレンの種類、変性モノマーの種類、配合量及び
そのグラフト率を第1表に示す。
ン(DD)40gとを120 ℃のキシレン1000mlに溶解させ
た後、過酸化物としてt−ブチルパーオキシベンゾエー
ト10gを添加し、窒素雰囲気下で4時間撹拌した。その
後、溶液をアセトンに滴下し、1,9 −デカジエンによる
反応性ポリプロピレンを得た。得られた反応性ポリプロ
ピレンの1,9 −デカジエンのグラフト率は1.7 モル%で
あった。この反応性ポリプロピレンの製造に使用したポ
リプロピレンの種類、変性モノマーの種類、配合量及び
そのグラフト率を第1表に示す。
【0025】実施例2 実施例1において1,9 −デカジエンの代わりに、1,4−
ヘキサジエン(HD)を用いた以外は同様にして反応性
ポリプロピレンを製造した。なお、得られた反応性ポリ
プロピレンの1,4−ヘキサジエンのグラフト率は2.1 モ
ル%であった。この反応性ポリプロピレンの製造に使用
したポリプロピレンの種類、変性モノマーの種類、配合
量及びそのグラフト率を第1表に示す。
ヘキサジエン(HD)を用いた以外は同様にして反応性
ポリプロピレンを製造した。なお、得られた反応性ポリ
プロピレンの1,4−ヘキサジエンのグラフト率は2.1 モ
ル%であった。この反応性ポリプロピレンの製造に使用
したポリプロピレンの種類、変性モノマーの種類、配合
量及びそのグラフト率を第1表に示す。
【0026】実施例3 実施例1において1,9 −デカジエンの代わりに、ビニル
ノルボルネン(VN)を用いた以外は同様にして反応性
ポリプロピレンを製造した。なお、得られた反応性ポリ
プロピレンのビニルノルボルネンのグラフト率は1.8 モ
ル%であった。この反応性ポリプロピレンの製造に使用
したポリプロピレンの種類、変性モノマーの種類、配合
量及びそのグラフト率を第1表に示す。
ノルボルネン(VN)を用いた以外は同様にして反応性
ポリプロピレンを製造した。なお、得られた反応性ポリ
プロピレンのビニルノルボルネンのグラフト率は1.8 モ
ル%であった。この反応性ポリプロピレンの製造に使用
したポリプロピレンの種類、変性モノマーの種類、配合
量及びそのグラフト率を第1表に示す。
【0027】実施例4 実施例1においてポリプロピレン(HPP)の代わり
に、ポリプロピレン(HPP)を用いた以外は同様に
して反応性ポリプロピレンを製造した。なお、得られた
反応性ポリプロピレンの1,9 −デカジエンのグラフト率
は1.6 モル%であった。この反応性ポリプロピレンの製
造に使用したポリプロピレンの種類、変性モノマーの種
類、配合量及びそのグラフト率を第1表に示す。
に、ポリプロピレン(HPP)を用いた以外は同様に
して反応性ポリプロピレンを製造した。なお、得られた
反応性ポリプロピレンの1,9 −デカジエンのグラフト率
は1.6 モル%であった。この反応性ポリプロピレンの製
造に使用したポリプロピレンの種類、変性モノマーの種
類、配合量及びそのグラフト率を第1表に示す。
【0028】実施例5 実施例1において、1,9 −デカジエン(DD)添加量を
10gとし、過酸化物の添加量を2gとした以外は同様に
して、1,9 −デカジエンによる反応性ポリプロピレンを
製造した。得られた反応性ポリプロピレンの1,9 −デカ
ジエンのグラフト率は0.3 モル%であった。この反応性
ポリプロピレンの製造に使用したポリプロピレンの種
類、変性モノマーの種類、配合量及びそのグラフト率を
第1表に示す。
10gとし、過酸化物の添加量を2gとした以外は同様に
して、1,9 −デカジエンによる反応性ポリプロピレンを
製造した。得られた反応性ポリプロピレンの1,9 −デカ
ジエンのグラフト率は0.3 モル%であった。この反応性
ポリプロピレンの製造に使用したポリプロピレンの種
類、変性モノマーの種類、配合量及びそのグラフト率を
第1表に示す。
【0029】実施例6 実施例4において、1,9 −デカジエン(DD)添加量を
20gとし、過酸化物の添加量を4gとした以外は同様に
して、1,9 −デカジエンによる反応性ポリプロピレンを
製造した。得られた反応性ポリプロピレンの1,9 −デカ
ジエンのグラフト率は0.8 モル%であった。この反応性
ポリプロピレンの製造に使用したポリプロピレンの種
類、変性モノマーの種類、配合量及びそのグラフト率を
第1表に示す。
20gとし、過酸化物の添加量を4gとした以外は同様に
して、1,9 −デカジエンによる反応性ポリプロピレンを
製造した。得られた反応性ポリプロピレンの1,9 −デカ
ジエンのグラフト率は0.8 モル%であった。この反応性
ポリプロピレンの製造に使用したポリプロピレンの種
類、変性モノマーの種類、配合量及びそのグラフト率を
第1表に示す。
【0030】 第 1 表 組成 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 ポリプロピレン 種類 HPP HPP HPP HPP HPP HPP 変性モノマー 種類 DD HD VN DD DD DD 配合量(1) 40 40 40 40 10 20 ラジカル発生剤の配合量(2) 25 25 25 25 20 20 変性モノマーのグラフト率(3) 1.7 2.1 1.8 1.6 0.3 0.8
【0031】(1) :ポリプロピレン100重量部に対す
る配合量(単位は重量部)。 (2) :変性モノマー100重量部に対する配合量(単位
は重量部)。 (3) :反応性ポリプロピレン100 モル%(プロピレン基
準)に対してグラフト重合した変性モノマーのグラフト
率を、赤外線分光光度法により反応性ポリプロピレン中
の二重結合を定量して算出(単位はモル%)。
る配合量(単位は重量部)。 (2) :変性モノマー100重量部に対する配合量(単位
は重量部)。 (3) :反応性ポリプロピレン100 モル%(プロピレン基
準)に対してグラフト重合した変性モノマーのグラフト
率を、赤外線分光光度法により反応性ポリプロピレン中
の二重結合を定量して算出(単位はモル%)。
【0032】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明においては、
ジエンモノマー又はトリエンモノマーを、ポリプロピレ
ンにグラフト重合することにより、反応性ポリプロピレ
ンを製造している。このようにして得られる反応性ポリ
プロピレンは、反応性、特に、印刷性、接着性及び親水
性等に優れている。また上記方法においては、得られた
反応性ポリプロピレンに再度ジエンモノマー又はトリエ
ンモノマーをグラフト重合させることにより、モノマー
のグラフト率を容易に調整することができる。さらにポ
リプロピレン成形体に対して、その表面にジエンモノマ
ー又はトリエンモノマーをグラフト重合することによ
り、表面改質が可能である。
ジエンモノマー又はトリエンモノマーを、ポリプロピレ
ンにグラフト重合することにより、反応性ポリプロピレ
ンを製造している。このようにして得られる反応性ポリ
プロピレンは、反応性、特に、印刷性、接着性及び親水
性等に優れている。また上記方法においては、得られた
反応性ポリプロピレンに再度ジエンモノマー又はトリエ
ンモノマーをグラフト重合させることにより、モノマー
のグラフト率を容易に調整することができる。さらにポ
リプロピレン成形体に対して、その表面にジエンモノマ
ー又はトリエンモノマーをグラフト重合することによ
り、表面改質が可能である。
【0033】このような本発明の方法による反応性ポリ
プロピレンは、印刷性、接着性等が要求される各種用途
に用いることができる他、さらに側鎖に不飽和カルボン
酸又はその無水物、エポキシ基含有モノマー等の種々の
極性基を導入することができる。また、ポリプロピレン
とシリコーンなどとの接着性組成物用や、各種樹脂組成
物との相溶化剤などとして好適である。
プロピレンは、印刷性、接着性等が要求される各種用途
に用いることができる他、さらに側鎖に不飽和カルボン
酸又はその無水物、エポキシ基含有モノマー等の種々の
極性基を導入することができる。また、ポリプロピレン
とシリコーンなどとの接着性組成物用や、各種樹脂組成
物との相溶化剤などとして好適である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリプロピレンに、ジエンモノマー又は
トリエンモノマーをグラフト重合することを特徴とする
反応性ポリプロピレンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35251492A JPH06172460A (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 反応性ポリプロピレンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35251492A JPH06172460A (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 反応性ポリプロピレンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172460A true JPH06172460A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18424590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35251492A Pending JPH06172460A (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 反応性ポリプロピレンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06172460A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110088155A (zh) * | 2016-12-28 | 2019-08-02 | 株式会社可乐丽 | 1,3,7-辛三烯与苯乙烯的共聚物和其氢化物、以及该共聚物的制造方法 |
WO2020184421A1 (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | 三井化学株式会社 | オレフィン系樹脂、その架橋物およびそれらの製造方法 |
US11795257B2 (en) | 2017-08-18 | 2023-10-24 | Si Group, Inc. | Insulation composition |
-
1992
- 1992-12-10 JP JP35251492A patent/JPH06172460A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110088155A (zh) * | 2016-12-28 | 2019-08-02 | 株式会社可乐丽 | 1,3,7-辛三烯与苯乙烯的共聚物和其氢化物、以及该共聚物的制造方法 |
US11795257B2 (en) | 2017-08-18 | 2023-10-24 | Si Group, Inc. | Insulation composition |
WO2020184421A1 (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | 三井化学株式会社 | オレフィン系樹脂、その架橋物およびそれらの製造方法 |
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