JP3360699B2 - 成形体溶着物の製造方法 - Google Patents

成形体溶着物の製造方法

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JP3360699B2
JP3360699B2 JP10406694A JP10406694A JP3360699B2 JP 3360699 B2 JP3360699 B2 JP 3360699B2 JP 10406694 A JP10406694 A JP 10406694A JP 10406694 A JP10406694 A JP 10406694A JP 3360699 B2 JP3360699 B2 JP 3360699B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形体溶着物の製造方
法であり、詳しくは高周波溶着により成形体溶着物を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂よりなるフィル
ム、およびシートの原料としては、ポリプロピレン、低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレンなどがある。これらのフィルム、およびシ
−トは、工業的に簡便な接着法である高周波溶着性に乏
しく、この方法による溶着が困難であった。従って、上
記成形体の接着に際しては、通常、外部加熱による熱溶
着法が採用されているが、この方法は、加熱が不均一に
なったり、加熱に時間がかかったりして充分満足できる
ものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の背景にあって本
発明は、ポリオレフィン系樹脂の成形体相互を高周波溶
着により良好に接着し、成形体溶着物を製造する方法を
開発することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成
を有するポリオレフィン系樹脂の有機過酸化物による分
解生成物を用いることにより、上記課題が解決できるこ
とを見いだし本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、ポリブテン成分、ポリプ
ロピレン成分、及びプロピレン−エチレンランダム共重
合体成分を含むブロック共重合体であって、ポリブテン
成分が0.01〜5重量%、ポリプロピレン成分が1〜
70重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成
分が25〜98.99重量%であり、該プロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分はエチレンに基づく単量体
単位を10〜40モル%、プロピレンに基づく単量体単
位を90〜60モル%含むものであるプロピレン系ブロ
ック共重合体の有機過酸化物による分解生成物からなる
成形体相互を、高周波溶着することを特徴とする成形体
溶着物の製造方法である。
【0006】本発明において、成形体原料となるプロピ
レン系ブロック共重合体(以下、単に「ブロック共重合
体」と略称する。)は、ポリブテン成分、ポリプロピレ
ン成分及びプロピレン−エチレン共重合体成分よりな
る。ここで、このポリブテン成分、ポリプロピレン成分
およびプロピレン−エチレンランダム共重合体成分それ
ぞれの成分割合は、ポリブテン成分が0.01〜5重量
%、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロピレン
−エチレンランダム共重合体成分が25〜98.99重
量%である。
【0007】本発明において、ブロック共重合体のポリ
ブテン成分は該共重合体粒子の粒子性状を良好とするた
めに必須である。特に、ポリプロピレン成分の含量が少
ないとき、例えば、30重量%以下のときには得られる
共重合体粒子が粘着しやすくなるが、そのようなときに
もポリブテン成分の存在により、良好な流動性の共重合
体粒子とすることができる。また、このポリブテン成分
は、得られる成形体を透明性に優れるものとするために
も必須である。ポリブテン成分が0.01重量%未満で
ある場合、得られる成形体の透明性が十分でなくなる。
また、重合により得られた共重合体粒子が堆積放置され
たときに、その荷重により固結し、更に共重合体粒子が
50〜70℃となった場合に著しく流動性に劣るために
好ましくない。一方、ポリブテン成分が5重量%を越え
る場合、却ってブロック共重合体の流動性が低下し好ま
しくない。ポリブテン成分の割合は、ブロック共重合体
粒子のより良好な流動性を勘案すると0.04〜3重量
%の範囲が好ましい。
【0008】また、プロピレン成分が1重量%よりも少
ないとプロピレン系樹脂組成物からなる成形体の強度及
び耐熱性が低下する。ポリプロピレン成分の割合が70
重量%を越えると、成形体の柔軟性、および低温耐衝撃
性が低下する。ポリプロピレン成分は、柔軟性、機械的
強度、耐熱性および低温耐衝撃性等を勘案すると、3〜
60重量%の範囲であることが好ましく、30重量%以
下のときには柔軟性および透明性が良好となる。
【0009】さらに、エチレン−プロピレンランダム共
重合体成分は25〜98.99重量%である。上記成分
が25重量%未満のときは低温衝撃性に劣り、98.9
9重量%を越えると、成形品の強度及び耐熱性などの機
械的物性に劣り好ましくない。エチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体成分は低温衝撃性や機械的強度、耐熱性
を勘案すると、40〜97重量%の範囲であることが好
ましい。
【0010】本発明で使用するブロック共重合体には、
ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分のいづれかひとつ以上に、
プロピレン系樹脂組成物の物性を阻害しない限り、他の
α−オレフィンが少量、例えば5モル%以下の範囲で共
重合されて含まれていてもよい。
【0011】本発明で使用するブロック共重合体は、ポ
リブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分の少なくとも2種以上が一
分子鎖中に配列したいわゆるブロック共重合体の分子鎖
と、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体成分のそれぞれ単独より
なる分子鎖とが機械的な混合では達成できない程度にミ
クロに混合しているものと考えられる。
【0012】本発明で使用するブロック共重合体中のポ
リブテン成分は、ブロック共重合体の粒子の固結防止、
高温時の流動性を良好にするためには、アイソタクティ
シティが0.90以上であることが好ましい。ポリ1−
ブテンのアイソタクティシティは13C−NMRにより測
定を行い、ポリマー・ジャーナル(Polymer
J.)第16巻(1984年)716〜726頁に基づ
いて帰属を行ったときのmmの値である。
【0013】前記のプロピレン−エチレンランダム共重
合体成分中におけるエチレンに基づく単量体単位及びプ
ロピレンに基づく単量体単位のそれぞれの含有割合は、
エチレンに基づく単量体単位10〜40モル%、好まし
くは15〜35モル%である。プロピレンに基づく単量
体単位は10〜60モル%、好ましくは85〜65モル
%である。エチレンに基づく単量体単位の含有割合が1
0モル%未満であり、プロピレンに基づく単量体単位の
含有割合が90モル%を越える場合、得られる成形体の
柔軟性、および低温耐衝撃性が十分でなくなり好ましく
ない。一方、エチレンに基づく単量体単位の含有割合が
40モル%を越え、プロピレンに基づく単量体単位の含
有割合が60モル%未満である場合、得られる成形体の
強度及び耐熱性が十分でなくなり好ましくない。
【0014】本発明で使用するブロック共重合体は、重
合により流動性に優れた粉状体で得られる。これは、本
発明で使用するブロック共重合体と同様のエチレン含量
である従来のプロピレン−エチレンランダム共重合体が
粒子同士の粘着により、塊状で得られることを考えると
驚異的なことである。
【0015】本発明で使用するブロック共重合体は、い
かなる方法によって得てもよい。特に好適に採用される
方法を例示すれば次の方法である。
【0016】即ち、下記成分A及びB、または、さらに
Cおよび/またはD A.チタン化合物 B.有機アルミニウム化合物 C.電子供与体 D.一般式(i) R−I (i) (但し、Rはヨウ素原子又は炭素原子数1〜7のアルキ
ル基又はフェニル基である。)で示されるヨウ素化合物 の存在下にプロピレンを0.1〜500gポリマー/g
・Ti化合物の範囲となるように予備重合を行って触媒
含有予備重合体を得て、次いで該触媒含有予備重合体の
存在下に1−ブテンの重合及びプロピレンの重合を経て
プロピレンとエチレンとの混合物のランダム共重合を順
次行い、高分子量の粉状物を得る方法が好適である。
【0017】かかる製造方法は、特開平5−28703
5号公報に詳述されており、本発明において上記ブロッ
ク共重合体は、該方法に準じて製造するのが好ましい。
なお、その場合、プロピレン−エチレンランダム共重合
体成分の重合にあたっては、共重合が、プロピレンに基
づく単量体単位が60〜90モル%、好ましくは65〜
85モル%、及びエチレンに基づく単量体単位が10〜
40モル%、好ましくは15〜35モル%の範囲となる
ように、プロピレンとエチレンとを混合して行うことが
必要である。そのためには、通常、プロピレンとエチレ
ンとの混合割合がガス状態でのエチレン濃度で3〜50
モル%、好ましくは4〜40モル%となるように選べば
好適である。
【0018】以上のような方法により製造されたブロッ
ク共重合体は、有機過酸化物により分解生成物とされ
る。この分解処理は、上記ブロック共重合体と有機過酸
化物とを溶融混練することにより容易に達成される。
【0019】ブロック共重合体を溶融混練する際に使用
する有機過酸化物としては、公知の化合物を何等制限な
く用いうるが、代表的なものを例示すると、例えば、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケ
トンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド
等のケトンパーオキサイド;イソブチリルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド等のジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルベン
ゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイ
ド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−
ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベン
ゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン
−3等のジアルキルパ−オキサイド;1,1−ジ−t−
ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ブタン
等のパーオキシケタール;t−ブチルパーオキシ−ピバ
レート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキ
ルパーエステル;t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート等のパーカーボネート類等を挙げることがで
きる。
【0020】上記した有機過酸化物の配合量は特に制限
されないが、一般には、ブロック共重合体100重量部
に対して、0.001〜5重量部、さらに0.002〜
3重量部の範囲であることが好ましい。
【0021】上記したブロック共重合体と有機過酸化物
の混練は、一般には、ブロック共重合体の融点且つ有機
過酸化物の分解温度以上の温度で公知の混練装置を使用
して行われる。例えば、スクリュー押出機、バンバリー
ミキサー、ミキシングロールなどを用いて、160〜3
30℃、好ましくは、170〜300℃で混練する方法
を採用することができる。また、溶融混練は、窒素ガス
などの不活性ガス気流下で行うこともできる。なお、溶
融混練前に公知の混合装置、例えば、タンブラー、ヘン
シェルミキサー等を使用して予備混合を行うこともでき
る。
【0022】上記したブロック共重合体と有機過酸化物
の混練時に公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定
剤、帯電防止剤、結晶核剤等を配合することは適宜行う
ことができる。さらに前記した各成分の他に無機充填材
をプロピレン系樹脂100重量部に対して1〜50重量
部、好ましくは3〜40重量部の範囲で添加することも
可能である。無機充填材としては、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、タルク、クレー、
シリカ、ガラス繊維、カーボン繊維等がある。
【0023】なお、本発明で用いる上記ブロック共重合
体の分解生成物は、かかる有機過酸化物による分解によ
り、そのメルトインデックス(MI)の範囲が、0.1
〜15(g/10min)、好ましくは1.0〜10(g/10mi
n)であることが好適である。さらに、分子量分布が特
定の値に狭くなっていることが好ましい。具体的には、
GPCで測定した重量平均分子量(Mw)/数平均分子
量(Mn)が1.5〜4、好適には1.7〜3.5の範
囲にあるものを用いるのが好ましい。この範囲において
得られる成形体は、高周波溶着性に最も優れたものとな
る。
【0024】以上のブロック共重合体の分解生成物に
は、他の樹脂が混合されても良い。こうした他の樹脂と
しては、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、およびそのケン化物、エチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、マ
レイン酸変性ポリオレフィン、塩素化ポリエチレン、ス
チレン−ブタジエン共重合体ゴム、水添スチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴム、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、エ
チレン−プロピレン共重合体ゴム等が挙げられる。
【0025】本発明では、特に上記ブロック共重合体の
分解生成物とポリプロピレンとを混合する態様が好適で
ある。かかるポリプロピレンは、公知のものが何等制限
なく使用できる。一般には、プロピレンの90モル%以
上とプロピレン以外のα−オレフィンの10モル%以下
とのランダム共重合体、またはブロック共重合体が挙げ
られる。ここで、上記α−オレフィンとしては、例え
ば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等が好適
である。
【0026】また、本発明では、上記ブロック共重合体
の分解生成物と、他の樹脂としてエチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体等の極性を有する樹
脂を混合することは、高周波溶着性を更に改善する上で
効果的である。
【0027】本発明において、上記ブロック共重合体の
分解生成物とこうした他の樹脂との配合割合は、成形体
の高周波溶着性等を勘案すれば、ブロック共重合体が1
00〜20重量%、好ましくは100〜60重量%であ
り、他の樹脂が0〜80重量%、好ましくは0〜40重
量%が良好である。
【0028】本発明において、上記ブロック共重合体の
分解生成物は、種々の成形体に成形される。しかして、
該成形体は、他のこうした成形体と高周波溶着により良
好に接着する。本発明において、上記成形体は、如何な
る形状のものであっても良いが、通常は、フィルムまた
はシートの形状であるのが良好である。ここで、このブ
ロック共重合体の分解生成物を、フィルム、およびシー
トに成形する方法は、公知の成形方法が特に制限される
ことなく採用できる。その際の成形温度は、メルトフラ
クチャーの発生やフィルムの成形性、樹脂の熱劣化等を
勘案すると、通常、200〜300℃、好ましくは22
0〜270℃であるのが好適である。成形方法として
は、通常、Tダイ成形、あるいはカレンダー成形やイン
フレーション成形等の成形方法が使用できる。なお、フ
ィルムおよびシートの厚みは、通常、20〜700μm
であるのが好適である。
【0029】本発明において、上記成形体相互の高周波
溶着は、一般に工業的に使用されている装置を使用した
公知の方法により制限なく行うことができる。溶着の条
件はサンプルの大きさによっても異なるが、一般には発
振周波数400K〜400MHz、高周波出力1〜5k
w、電圧100〜400Vから採用される。また、溶着
時間は、任意に設定できるが、通常、2〜12秒間であ
るのが好適である。また、ポリプロピレン等の他の樹脂
を多く含む硬質のフィルム、およびシートは、予め予熱
してから上記高周波溶着に供するのが好ましい。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ポリオレフィン
系樹脂である前記ブロック共重合体の分解生成物からな
る成形体を、高周波溶着により簡便に良好な強度で接着
することができる。従って、本発明は、従来、塩化ビニ
ル製等のフィルムまたはシートで実施されてきた高周波
溶着により成形体を接着させる種々の分野に好適に採用
することができる。例えば、文具用シート・フィルム、
防水シート、デスクマット、包装用フィルム等の分野に
おいて、成形体溶着物を製造する場合に良好に適用でき
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0032】以下の実施例において用いた測定方法につ
いて説明する。
【0033】1)重量平均分子量、分子量1万以下の割
合は、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ
ー)法により測定した。ウォーターズ社製GPC−15
0CによりO−ジクロルベンゼンを溶媒とし、135℃
で行った。用いたカラムは、東ソー製TSK gel
GMH6−HT、ゲルサイズ10〜15μである。較正
曲線は標準試料として重量平均分子量が950、290
0、1万、5万、49.8万、270万、675万のポ
リスチレンを用いて作成した。
【0034】2)プロピレン−エチレンランダム共重合
体成分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロピ
レンに基づく単量体単位のそれぞれ割合の測定方法及び
ポリブテン成分の割合の測定方法13 C−NMRスペクトルのチャートを用いて算出した。
即ち、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分にお
けるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合は、まず、ポリマー(P
olymer)第29巻(1988年)1848頁に記
載された方法により、ピークの帰属を決定し、次にマク
ロモレキュールズ(Macromolecules)第
10巻(1977年)773頁に記載された方法によ
り、エチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合を算出した。
【0035】次いで,プロピレンに基づいて単量体単位
中のメチル炭素に起因するピークと、ポリブテン成分中
のメチル炭素に起因するピークとの積分強度比からポリ
ブテン成分の重量と割合を算出した。
【0036】3)ポリ1−ブテンのアイソタクティシィ
ティーの測定13 C−NMRにより測定を行い、ポリマー・ジャーナル
(Polymer J.)第16巻(1984年)71
6〜726頁に基づいて行った。
【0037】4)MI JIS K7210に準じて測定した。
【0038】5)引張剥離テスト JIS Z1521(引張試験方法)に準じて測定し
た。
【0039】製造例1−1〜1−3 (予備重合)攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス
製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した
後、ヘプタン400mlを装入した。反応器内温度を2
0℃に保ち、ジエチレングリコールジメチルエーテル
0.18mmol、ヨウ化エチル22.7mmol、ジ
エチルアルミニウムクロライド18.5mmol、及び
三塩化チタン(丸紅ソルベイ化学社製「TOS−1
7」)22.7mmolを加えた後、プロピレンを三塩
化チタン1g当たり3gとなるように30分間連続的に
反応器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持
した。プロピレンの供給を停止した後、反応器内を窒素
ガスで十分に置換し、得られたチタン含有ポリプロピレ
ンを精製ヘプタンで4回洗浄した。分析の結果、三塩化
チタン1g当たり2.9gのプロピレンが重合されてい
た。
【0040】(本重合) 工程1:1−ブテンの重合 攪拌機を備えた内容量1リットルのステンレス製オート
クレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタ
ン400mlを装入した。反応器内温度を20℃に保
ち、ジエチルアルミニウムクロライド18.15mmo
l、ジエチレングリコールジメチルエーテル0.18m
mol、ヨウ化エチル22.7mmol、予備重合で得
られたチタン含有ポリプロピレンを三塩化チタンとして
22.7mmolを加えた後、1−ブテンを三塩化チタ
ン1g当たり15gとなるように2時間連続的に反応器
に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。
1−ブテンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで
置換し、チタン含有ポリ1−ブテン重合体を得た。分析
の結果、三塩化チタン1g当たり14gの1−ブテンが
重合されていた。
【0041】工程2:プロピレンの重合及びプロピレン
エチレンの共重合 N置換を施した2リットルのオートクレーブに、液体プ
ロピレンを1リットル、ジエチルアルミニウムクロライ
ド0.70mmolを加え、オートクレーブの内温を7
0℃に昇温した。チタン含有ポリ1−ブテン重合体を三
塩化チタンとして0.087mmol加え、70℃で6
0分間のプロピレンの重合を行った。この間水素は用い
なかった。次いでオートクレーブの内温を急激に55℃
に降温すると同時にエチルアルミニウムセスキエトキシ
ド(Et3Al2(OEt)3)0.50mmol及びメ
タクリル酸メチル0.014mmolの混合溶液を加
え、エチレンを供給し、気相中のエチレンガス濃度が、
7.0mol%となるようにし、55℃で120分間の
プロピレンとエチレンの共重合を行った。この間のエチ
レンガス濃度はガスクロマトグラフで確認しながら7.
0mol%を保持した。この間水素は用いなかった。重
合終了後、未反応モノマーをパージし、粒子性の重合体
を得た。重合槽内及び攪拌羽根への付着は全く認められ
なかった。収量は140gであり、全重合体の重合倍率
は7370g−ポリマー/g−三塩化チタンであった。
【0042】また、別に上記のプロピレンだけの重合を
行った結果、上記70℃、60分間で、三塩化チタン1
g当たり、1030gのプロピレンが重合されていた。
この結果、ブロック共重合体中のポリブテン成分は0.
19wt%、及びポリプロピレン成分は14wt%であ
ることがわかる。結果を表1に示した。
【0043】次に、得られた重合体30kgに、有機過
酸化物として1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼンを表2に示す割合で添加し、ま
た、酸化防止剤を0.1phr添加し、ヘンシェルミキ
サーで1分間混合した後、φ65mm単軸押出機で23
0℃の条件で溶融混練し、ペレットを得た。
【0044】製造例2,3 製造例1の1−ブテンの重合に於いて、1−ブテンの重
合量を三塩化チタン1g当たり、3g、50gとした以
外は、製造例1と同様の操作を行った。結果を表1に示
した。さらに、製造例1と同様にして表2に示した量の
有機過酸化物と溶融混練した。
【0045】製造例4,5 製造例1のプロピレンの重合に於いて、プロピレンの重
合を60℃で10分間、及び60℃で30分間とした以
外は製造例1と同様の操作を行った。別途の重合実験で
この時のプロピレンの重合倍率はそれぞれ240g−P
P/g−三塩化チタン及び540g−PP/g−三塩化
チタンであった。結果を表1に示した。さらに、製造例
1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混
練した。
【0046】比較製造例1 製造例1の本重合において、1−ブテンの重合を行わな
かった以外は製造例1と同様の操作を行った。結果を表
1に示した。さらに、製造例1と同様に表2に示した量
の有機過酸化物と溶融混練した。
【0047】比較製造例2 製造例1の本重合において、1−ブテンの重合を三塩化
チタン1gあたり、600gとした以外は、製造例1と
同様の操作を行った。結果を表1に示した。さらに、製
造例1と同様に表2に示した量の有機過酸化物と溶融混
練した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】実施例1〜9 製造例1〜5で得られたペレットを260℃に加熱され
た90mmφ押出機に供給し、Tダイにより表に示す厚
さのフィルム、およびシートを得た。得られたフィル
ム、およびシートをA4版に切り出し、2枚を重ねた状
態で、高周波溶着を行った。高周波溶着は、精電舎電子
工業製KW−3000Tを使用した。また、高周波溶着
の条件は、発振周波数40、68MHz、高周波出力3
kw、電圧200V、溶着時間3秒とした。
【0051】上記溶着フィルム、およびシートを溶着方
向に対して直角方向に幅10mmで切り出し、溶着面を中
心としてフィルム、およびシートの上面を上チャック、
下面を下チャックに取り付けて剥離試験を行った。結果
を表3に示した。
【0052】実施例10〜12 製造例1−2で得られたペレットとMIが2.0(g/10
min)のプロピレン単独重合体とを表3に示した配合割
合で混合し、この混合物から実施例1と同様にしてフィ
ルム、およびシートの高周波溶着を行い、次いで剥離試
験を行った。結果を表3に示した。
【0053】
【表3】
【0054】比較例1、2 比較製造例1、および2で製造したブロック共重合体を
実施例1と同様の方法で評価した。結果を表4に示し
た。
【0055】比較例3 プロピレン単独重合体を実施例1等と同様の方法で評価
した。結果を表4に示した。
【0056】比較例4〜6 プロピレン単独重合体とエチレン−プロピレン共重合体
ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム
(EPDM)、エチレン−ブテンゴム(EBM)を表4
に示した配合割合で混合し、この混合物から実施例1と
同様にしてフィルム、およびシートの高周波溶着を行
い、次いで剥離試験を行った。結果を表4に示した。
【0057】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23:02 C08L 23:02 (56)参考文献 特開 昭61−211306(JP,A) 特公 平5−18342(JP,B2) 特公 昭51−30102(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 65/00 - 65/82 C08J 5/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、及
    びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を含むブ
    ロック共重合体であって、ポリブテン成分が0.01〜
    5重量%、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロ
    ピレン−エチレンランダム共重合体成分が25〜98.
    99重量%であり、該プロピレン−エチレンランダム共
    重合体成分はエチレンに基づく単量体単位を10〜40
    モル%、プロピレンに基づく単量体単位を90〜60モ
    ル%含むものであるプロピレン系ブロック共重合体の有
    機過酸化物による分解生成物からなる成形体相互を、高
    周波溶着することを特徴とする成形体溶着物の製造方
    法。
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