JPH0617181A - 高強度で引裂き荷重が低く成形性に優れたアルミニウム合金硬質板およびその製造法 - Google Patents

高強度で引裂き荷重が低く成形性に優れたアルミニウム合金硬質板およびその製造法

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JPH0617181A
JPH0617181A JP18297791A JP18297791A JPH0617181A JP H0617181 A JPH0617181 A JP H0617181A JP 18297791 A JP18297791 A JP 18297791A JP 18297791 A JP18297791 A JP 18297791A JP H0617181 A JPH0617181 A JP H0617181A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Mg1.3〜3%,Cu0.05〜0.5%,Mn0.5〜1.8%,Fe0.2
〜1%,Si0.1〜0.5%を含有することを必須とし、Cr<0.3%,
Zr<0.3%,V<0.3%,Zn<0.5%のうち1種または2種以上を含
有し残部実質的にAlおよび不純物とし、直径が0.5μm以
下の金属間化合物が400μm2当り2500個以下でかつ材料
の表面近傍で直径1μm以上の金属間化合物が0.2mm2視野
内で平均径が2〜6μmの範囲内で500個以上存在するアルミニ
ウム合金硬質板。 【効果】 塗装焼付け後の強度が高くかつ曲げ性・引き
裂き性に優れ、材料の異方性も少なく、しかもリサイク
ル性にも優れたアルミニウム合金板およびその製造法を
提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてアルミニウム
缶用材料として用いられる成形用の高強度アルミニウム
合金硬質板およびその製造方法に関し、より詳しくは、
塗装焼付け後の強度が高くかつ曲げ性・引き裂き性に優
れ、かつ材料の異方性も少なく、しかも2ピース缶の蓋
材に用いた場合にリサイクル性にも優れたアルミニウム
合金板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のようにアルミニウム2ピース缶の
缶体は、DI加工による缶胴(DI缶胴)と缶蓋(エン
ド)とによって組立てられ、また通常のイージーオープ
ンエンドの場合は缶蓋にタブが取付けられている。これ
らのうち、缶体の胴材としては、深絞り性、しごき性、
さらにはDI加工−塗装焼付け後のネッキング加工性、
フランジング加工性等に優れていることが要求され、一
般にはAl−Mn系の3004合金H19材やH39材
が使用されている。近年の薄肉化の要求に伴ない、胴材
としてもより高強度化が要求されるようになっている
が、従来の3004合金缶胴材でも塗装焼付け後の耐力
で270N/mm2以上の強度が得られるようなってい
る。一方缶体の蓋材としては、ビールその他の炭酸飲料
用の缶体の蓋材、すなわち内圧が高くなる用途の缶体の
蓋材では、近年の薄肉化の傾向に伴ない、塗装焼付け後
の耐力で300N/mm2以上の高強度が要求され、そ
こで一般にはAl−Mg系の5182合金のH18材や
H38材が多用されており、このほか特に高強度が要求
されない蓋材では5082合金や5052合金も使用さ
れ、さらに一部ではAl−Mn系の3004合金も使用
されることがある。なおタブ材は、特に高強度は要求さ
れず、耐力250N/mm2以上で曲げ性に優れていれ
ば良く、5182合金、5082合金、5052合金、
3004合金のいずれも上述の強度は得られ、かつ低加
工度であるため、曲げ性に対しても特に問題はない。そ
のほか、深絞り缶や食缶用のDRD缶(絞り−再絞り
缶)には、5052合金のH18材もしくはH38材、
あるいは3004合金のH38材が多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年に至り、資源の再
利用および自然環境保護の観点から、アルミニウム缶に
ついても回収して再生使用する動き、すなわちリサイク
ル化の動きが強まっている。ところが、使用済みのアル
ミニウム缶を回収して再溶解する際には、缶の胴部と蓋
部とが混在したまま溶解して鋳塊(再生塊)を得ること
になる。そのため缶胴と缶蓋とが異なる成分組成の合金
で構成されている場合には、目的とする缶胴材または缶
蓋材を製造するためには成分調整を行なう必要があり、
そのためコスト増大を招かざるを得ない。例えば、前述
のように従来のアルミニウム2ピース缶の胴材としては
Al−Mn系の3004合金が一般的であり、蓋材とし
ては内圧が加わる用途ではAl−Mg系の5182合金
が主流であるが、このように3004合金からなる胴材
と5182合金からなる蓋材を組合せたアルミニウム缶
を回収して再溶解し、再び胴材用3004合金もしくは
蓋材用5182合金を溶製するためには、新たな純アル
ミ地金やMg添加用の母合金、その他の合金成分調整用
材料を添加して成分調整を行なわなければならなかっ
た。そこで最近では缶胴と缶蓋とを同一成分組成の合金
で構成するいわゆるユニアロイ化の試みがなされている
が、同一成分組成の合金で缶胴に要求される成形性、特
にDI加工に必要なしごき性を得ると同時に、缶蓋の成
形に要求される成形性、開蓋時の良好な曲げ性、低い開
蓋荷重、および内圧が加わる用途で要求される高強度と
を得ることは極めて困難であった。従って従来は実際に
はユニアロイ化を達成することは困難とされていた。ま
た従来から蓋材に使用されている5182合金では強度
異方性が大きく、そのため次のような問題があった。す
なわち5182合金圧延板では、強度はL方向(圧延方
向)、C方向(圧延方向に直行する方向)、45゜方向
(L方向、C方向に対し45゜の方向)で異なり、一般
にはL方向で最大、45゜方向で最小となり、その差は
耐力値で20N/mm2に及ぶ。このように強度異方性
が大きい板を缶蓋に用いれば、缶胴と缶蓋を取付けた後
に圧力を加えれば45゜方向からバックリングが生じて
しまうおそれがあり、また蓋の外形を打抜く際に充分な
真円度が得られなかったり、蓋にタブを取付けてリベッ
ト部を成形する際にリベット部に充分な真円度が得られ
なかったりする問題がある。本発明は以上の事情を背景
としてなされたもので、アルミニウム缶用の蓋材として
用いた場合に缶のリサイクルが容易であって、しかも塗
装焼付け処理後の強度は従来高強度蓋材として用いられ
ていた5182合金と同程度の強度及び曲げ特性を有し
ており、しかも5182合金より強度異方性が格段に少
なく、かつ引裂き荷重が低く、その他の成形性にも優れ
た成形用アルミニウム合金硬質板を提供することを目的
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは前記問題点を
解決するために合金元素、組織並びに製造方法を鋭意研
究した結果、本発明に至った。
【0005】すなわち請求項1記載の発明は、Mg1.
3〜3%,Cu0.05〜0.5%,Mn0.5〜1.
8%,Fe0.2〜1%,Si0.1〜0.5%を含有
することを必須とし、Cr<0.3%,Zr<0.3
%,V<0.3%,Zn<0.5%のうち1種または2
種以上を含有し残部実質的にアルミニウムおよび不可避
不純物からなるアルミニウム合金硬質板において、長手
方向の直径が0.5μm以下の金属間化合物が400μ
2当り2500個以下で、かつ材料の表面近傍におけ
る直径1μm以上の金属間化合物を画像解析装置により
0.2mm2の視野で調べて、その平均径が2〜6μm
の範囲内で500個以上存在することを特徴とする塗装
焼付け後の強度低下が少なく成形性にすぐれしかも引裂
き性に優れたアルミニウム合金硬質板であり、請求項2
記載の発明は、Mg1.3〜3%,Cu0.05〜0.
5%,Mn0.5〜1.8%,Fe0.2〜1%,Si
0.1〜0.5%を含有することを必須とし、Cr<
0.3%,Zr<0.3%,V<0.3%,Zn<0.
5%のうち1種または2種以上を含有し残部実質的にア
ルミニウムおよび不可避不純物からなるアルミニウム合
金を、半連続鋳造法で鋳造した後、560〜630℃で
4時間以上の加熱を行ない、その後常法に従い圧延を行
なって中間板厚とし、さらに1℃/sec以上の加熱速
度で450〜620℃の温度に加熱して保持なしもしく
は2分以内の保持後1℃/sec以上の冷却速度で冷却
する中間焼鈍を行ない、その後圧延率40%以上、コイ
ル巻取温度110℃以下となるように冷間圧延を施し、
その後100℃/h以下の加熱速度で100〜200℃
の温度に加熱して、30分以上の保持を施すことによ
り、長手方向の直径が0.5μm以下の金属間化合物が
400μm2当り2500個以下で、かつ材料の表面近
傍における直径1μm以上の金属間化合物を画像解析装
置により0.2mm2の視野で調べて、その平均径が2
〜6μmの範囲内で500個以上存在することを特徴と
する塗装焼付け後の強度低下が少なく成形性にすぐれし
かも引裂き性に優れたアルミニウム合金硬質板の製造方
法である。
【0006】また請求項3記載の発明は、Mg1.3〜
3%,Cu0.05〜0.5%,Mn0.5〜3%,F
e0.2〜1%,Si0.1〜0.5%を含有すること
を必須とし、Cr<0.3%,Zr<0.3%,V<
0.3%,Zn<0.5%のうち1種または2種以上を
含有し残部実質的にアルミニウムおよび不可避不純物か
らなるアルミニウム合金硬質板において、長手方向の直
径が0.5μm以下の金属間化合物が400μm2当り
2500個以下で、かつ材料の表面近傍における直径1
μm以上の金属間化合物を画像解析装置により0.2m
2の視野で調べて、その平均径が1〜2μmの範囲内
で2000個以上存在する組織を得ることを特徴とする
塗装焼付け後の強度低下が少なく成形性にすぐれしかも
引裂き性に優れたアルミニウム合金硬質板であり、請求
項4記載の発明は、Mg1.3〜3%,Cu0.05〜
0.5%,Mn0.5〜3%,Fe0.2〜1%,Si
0.1〜0.5%を含有することを必須とし、Cr<
0.3%,Zr<0.3%,V<0.3%,Zn<0.
5%のうち1種または2種以上を含有し残部実質的にア
ルミニウムおよび不可避不純物からなるアルミニウム合
金を、冷却速度が50℃/sec以上の連続鋳造圧延し
た鋳塊を、500〜630℃で2時間以上の加熱を行な
い、その後圧延を行なって中間板厚とし、さらに1℃/
sec以上の加熱速度で450〜620℃の温度に加熱
して保持無しもしくは2分以内の保持後1℃/sec以
上の冷却速度で冷却する中間焼鈍を行ない、その後圧延
率40%以上、コイル巻取温度110℃以下の冷間圧延
を施し、その後100℃/h以下の加熱速度で100〜
200℃の温度に加熱し30分以上の保持を施すことに
より、長手方向の直径が0.5μm以下の金属間化合物
が400μm2当り2500個以下で、かつ材料の表面
近傍における直径1μm以上の金属間化合物を画像解析
装置により0.2mm2の視野で調べて、その平均径が
1〜2μmの範囲内で2000個以上存在する組織を得
ることを特徴とする塗装焼付け後の強度低下が少なく成
形性にすぐれしかも引裂き性に優れたアルミニウム合金
硬質板の製造方法である。
【0007】
【作用】まず本発明における素材アルミニウム合金の成
分組成範囲の限定理由を説明する。Mg;MgはCu、
Siとの共存によりG.P.ゾーン、β’Mg2Si、
βMg2SiあるいはG.P.ゾーン、S'Al2CuM
g、SAl2CuMgといった析出過程をたどり析出
し、中間相の析出段階で強度向上に寄与する。更にMg
単独でも固溶体強化に効果がある元素である。このよう
に強度向上には不可欠な元素であるが、Mgが1.3w
t%未満では内圧容器の蓋材としての強度に達しない。
また3wt%を越えて添加した場合には加工硬化しやす
く成形性を悪くする。そこでMg量の範囲は1.3〜3
wt%の範囲内とした。Cu;本発明ではCuは溶体化
効果により、塗装焼付け処理時のAl−Cu−Mg系析
出物の析出による時効硬化によって強度向上に寄与する
元素である。Cuを0.5wt%を越えて添加した場合
には時効硬化は容易に得られるものの、過度に硬化して
成形性を損うため、Cu量の添加上限を0.5wt%と
した。一方0.05wt%未満ではその効果が得られな
い。従ってCu量は0.05〜0.5wt%の範囲内と
した。Mn;Mnは強度向上に寄与するとともに成形性
向上に有効な元素である。特に、本発明が目指す用途で
ある缶蓋材においては、開蓋荷重を低減させるために必
要な不溶性金属間化合物の適正な分散状態を生成させる
ためにFeと共に重要な役割を果す。Mn量は0.5w
t%未満では必要なMn系不溶性金属間化合物の適正な
分散状態を得るだけの量を確保することが困難となるた
め、Mn量の下限は0.5wt%とした。ただし、Mn
Al6の初晶巨大金属間化合物が発生し著しく成形性を
損うため請求項1ならびに請求項2においてはMn量の
上限は1.8wt%とし、従ってMn量の範囲は0.5
〜1.8wt%の範囲内とした。また請求項3ならびに
請求項4記載の組織を得る場合においては、通常、連続
鋳造圧延法等を用いた冷却速度の速い鋳造で行うためM
n1.8wt%以上添加しても問題なく鋳造でき金属間
化合物のサイズも鋳造後の熱処理で調整することが可能
であるが、3%を越えるとMn系の金属間化合物が多く
なりすぎて成形性を損う。そこで請求項3および請求項
4においてはMn量の範囲は0.5〜3wt%の範囲内
とした。Fe;FeおよびSiはMnの晶出や析出を促
進し、アルミニウムマトリックス中のMn系不溶性金属
間化合物の分散状態を制御するために必要な元素であ
る。この状態を得る必要条件はMn添加量に応じたF
e、Siの添加である。Fe0.2wt%未満では適正
な化合物分散状態を得ることが難しく、又Fe1.0w
t%を越えてはMnとともに初晶巨大化合物を生成し成
形性を著しく損う。従ってFe量は0.2〜1wt%の
範囲内とした。Si;MgとSiの共存によるMg2
i系化合物の析出により時効硬化が期待できることは良
く知られている。しかし本発明におけるSiの役割はF
eおよびMnの晶出を促進し、金属間化合物の適正な分
散状態を得るための働きをするものである。このためS
iの範囲はFeとMn添加量から決り上述のFe,Mn
添加量の成分範囲より、Siが0.1wt%未満では金
属間化合物の適正な分散状態が得られず、Siが0.5
wt%を越えてはFeとMnを析出させる効果は飽和し
てしまい、しかもMg2Siによる時効硬化が進み過ぎ
てCuと同様に過度の硬化により成形性を悪くする。従
ってSi量は0.1wt%〜0.5wt%の範囲内とし
た。またこのほかの強度向上に寄与する合金成分とし
て、Cr、Zr、V、Znを添加するが、Cr0.3w
t%以上、Zr0.3wt%以上、V0.3wt%以
上、Zn0.5wt%以上では本発明の効果を失う。従
って各成分組成範囲はCr量は0.3wt%未満、Zr
量は0.3wt%未満、V量は0.3wt%未満、Zn
量は0.5wt%未満とする。なお下限は特に規制しな
いが0.005wt%未満ではその効果を発揮しない。
また、半連続鋳造法においてはMn,Fe,Cr,Zr
が共存する状態では初晶巨大化合物を生成しやすいた
め、Mn+Fe+Cr+Zr+V<1.0wt%である
ことが好ましい。
【0008】以上の各成分の残部はAl及び不純物とす
れば良い。なおアルミニウム合金においては、鋳塊結晶
粒微細化のためにTi単独あるいはTiとBを組み合わ
せて微量添加することは通常行なわれることであり、本
発明においても微量のTi、あるいはTiおよびBを含
有することは許容される。ただしTiを添加する場合、
その添加量は0.01wt%未満では鋳塊結晶粒微細化
の効果が得られず、一方0.2wt%を越えては初晶T
iAl3が晶出して成形性を阻害することから、Ti量
は0.01〜0.2wt%の範囲内とすることが好まし
い。またTiと共にBを添加する場合、B添加量は1p
pm未満ではその効果がなく、500ppmを越えると
TiB2の粗大粒子が混入して成形性を害することか
ら、B量は1〜500ppmの範囲内とすることが好ま
しい。
【0009】次に本発明における金属組織について説明
する。本発明においては、前述のように各合金成分組成
を規定するだけでなく、金属間化合物の分散状態を適切
に調整することが極めて重要である。すなわち、請求項
1ならびに請求項2記載の合金組成において、3000
倍のTEM視野でどこを観察しても長手方向の直径が
0.5μm以下の金属間化合物が400μm2当り25
00個以下で、かつ材料の表面近傍における直径1μm
以上の金属間化合物を画像解析装置により0.2mm2
の視野で調べてその平均径が2〜6μmの範囲内であり
かつ500個以上存在すること、および請求項3ならび
に請求項4の合金組成において、3000倍のTEM視
野でどこを観察しても長手方向の直径が0.5μm以下
の金属間化合物が400μm2当り2500個以下で、
かつ材料の表面近傍における直径1μm以上の金属間化
合物を画像解析装置により0.2mm2の視野で調べて
その平均径が1〜2μmの範囲内でかつ2000個以上
存在することが必須である。これを模式図で示すと図1
に示すように、主に鋳造後の均熱・加熱処理で析出する
微細な金属間化合物1および粗大な金属間化合物4なら
びに最終焼鈍処理で析出する時効性析出物2,3が上記
の規制の通りに分散することである。
【0010】400μm2の視野でどこを見ても0.5
μm以下の金属間化合物が2500個以下であることと
することにより次の作用がある。本来、本用途における
時効硬化性にはGPゾーンのように極微細な時効析出物
がアルミニウムマトリックス中に析出することにより、
転位の移動を妨げて強度を向上させる作用と、熱による
転位の回復の際に転位の移動を妨げて回復による軟化を
抑制する作用とがある。従って最終焼鈍によりこれらを
析出させる予備時効を施せば、その後の比較的高温短時
間の塗装焼付け時の軟化が抑えられる。しかるに、0.
5μm以下の微細な金属間化合物はAl2CuMg,M
2Si等の時効硬化の元となる析出物の析出核となる
傾向が強く、その結果硬化に寄与すべき極微細時効析出
物が金属間化合物上に析出すると、その分強度向上に寄
与しないことになる。従ってこれらの金属間化合物が少
なければ時効析出物はアルミニウムマトリックス中に多
く析出することになり、その結果強度向上や軟化を抑え
る効果が増大する。また、上記金属間化合物が多くなる
と、成形加工時に材料の流れを阻害し曲げ加工時などで
曲げ割れを生じる原因となる。従って金属間化合物を少
なく規制することにより成形加工性を向上させることが
できる。
【0011】次に材料の表面近傍の1μm以上の金属間
化合物を、画像解析装置により0.2mm2の視野で調
べた時、請求項1ならびに請求項2においてその平均径
が1−2μmで2000個以上、請求項3ならびに請求
項4においてその平均径が2−6μmで500個以上あ
ることにより次の作用がある。まず、缶蓋等に利用され
るEOEのようなスコアー部の引裂き時には上記の比較
的粗大な金属間化合物が引裂きの起点となり、引裂き荷
重を下げる。また、該金属間化合物により圧延に対して
長手方向(L)直角方向(C)45度方向(45)の各
方位の優先滑り面が分散されてよりランダムとなるため
引張り応力に対してその強度異方性を少なくする。この
作用により缶蓋成形の場合、シェル成形およびリベット
成形の真円度および対称性を維持するのに効果がある。
【0012】次に請求項2ならびに請求項4記載の製造
方法について説明する。 1.鋳造 本発明の請求項2記載の成分組成を有するアルミニウム
合金であれば半連続鋳造法で上記の金属間化合物の所望
の分散状態が得られる。また、請求項4記載の成分組成
においては、50℃/sec以上の凝固速度を持つ連続
鋳造圧延法であれば上記の金属間化合物の所望の分散状
態が得られる。なお50℃/sec以上の凝固速度を持
つ連続鋳造圧延法は通常は15mmより薄い板厚とする
ことによりえられる。 2.均熱 この均熱工程における熱処理条件が組織に大きく影響す
る。 a)請求項2記載の半連続鋳造材の場合は560〜63
0℃、2時間以上の均熱が必要である。 均熱の作用は次の通りである。Al−Mn系の合金では
0.5μm以下の金属間化合物は主に鋳塊の加熱段階で
生じるAl−Mn系の析出物である。析出は500℃近
傍がもっとも進行し、550℃より高温側では固溶を始
める。550℃を越える温度であれば微細な析出物は固
溶し、平衡関係にある比較的粗大なAl−Mn系の金属
間化合物上に再析出する。その結果、微細なものは淘汰
されて減少し粗大なものがさらに大きくなり球状化す
る。この粗大な金属間化合物は鋳塊組織においてはセル
状に分布し、分散間隔は鋳造速度と関係が有り一般にデ
ンドライトアームスペーシングと関係する。均熱処理に
よりセル内に析出している微細な金属間化合物を固溶さ
せ粗大な金属間化合物側に拡散・析出させることで0.
5μm以下の金属間化合物を少なくするためには、半連
続鋳造材ではセル径は30−200μmであることから
このセル径の半分の距離の拡散が必要であり、従って5
60℃以上で2時間以上の保持が必要となる。ただし、
630℃を越えると部分的な溶解が始り操業上好ましく
ない。従って均熱条件は560〜630℃で4時間とす
る。 b)請求項4記載の連続鋳造圧延材(Strip ca
st材)の場合は、冷却速度が50℃/sec以上の連
続鋳造圧延であることから、デンドライトアームスペー
シングが20μm以下であり、従って拡散距離が少なく
てすむため半連続鋳造材より低い温度でも容易に0.5
μm以下の金属間化合物を少なくすることができる。従
って、均熱条件は500−630℃2時間以上とする。 3.中間焼鈍 Cu,Mg,Si等の元素を中間焼鈍の段階で固溶状態
としその後の冷間圧延で転位を導入することにより、最
終焼鈍もしくは塗装焼付け処理時にAl2CuMg,M
2Si等が時効析出して軟化を抑え高強度とすること
ができる。Cu,Mg,Si等の元素を中間焼鈍の段階
で固溶状態とするには、到達温度を450℃以上に高め
る必要があるが、620℃を越えると部分的な溶解が起
こり始めCAL(連続焼鈍炉)のような通常の設備で焼
鈍するのは難しくなる。従って、到達温度は450〜6
20℃とする。また、高温での焼鈍であることから長時
間の焼鈍では板表面の酸化等が生ずるが、加熱速度を1
℃/sec以上、冷却速度を1℃/sec以上とし、保
持無しもしくは保持時間2分以内で焼鈍を行うならば表
面酸化等の障害は少ない。また、一旦固溶した元素の再
析出を防ぐ意味でも冷却速度は速い方がよい。Mn系の
析出物は中間焼鈍のように転位が存在する状態では30
0℃程度の温度でも十分析出する。従って本発明の組織
を得るために0.5μm以下の金属間化合物を少なくす
るためにも、加熱および冷却速度を速める必要がある。 4.冷間圧延 冷間圧延率は、40%未満であると所望の強度がえられ
ない。従って、冷間圧延率は40%以上とする。またコ
イル巻取後の温度が110℃を越えると、冷間圧延時に
生ずるコイル内部変形抵抗および板と冷延ロールとの摩
擦により瞬間的に温度が上がるため、転位の回復を遅れ
させる作用のある時効性析出物が析出する前に熱により
転位が回復してしまうため所望の強度が得られない。従
って比較的回復速度の遅い110℃より低い温度で冷間
圧延を仕上げてコイルを巻取り強度低下を少なくする。 5.最終焼鈍 缶蓋の塗装焼付けは比較的高温短時間の処理であること
から、塗装焼付け処理前の状態で、Al−Cu−Mg
系、G.P.ゾーン、S’相の析出物を存在させること
により、塗装焼付け処理時の転位の回復をピン止して軟
化を抑制することができる。従って本発明においては、
塗装焼付け処理前に上記析出物を析出させるために、予
備時効として最終焼鈍を施す。焼鈍において加熱速度が
大きく短時間で高温に到達すると析出よりも回復が優先
してしまい析出物が充分に析出できず軟化が生ずる。本
発明においては加熱速度を100℃/h以下として昇温
時の比較的回復速度の遅い時点から時効析出を行なわせ
る。また時効析出を十分に行なうためには到達温度10
0〜200℃でかつ保持時間30min以上が必要であ
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に実施例に使用した合金の組成を示す。なお通常使用
されている5182合金を従来例とした。まず、表1の
合金を半連続鋳造法で鋳造し、その後表2に示す各製造
条件で製造して供試材を得た。製造条件として、焼鈍条
件等を変化させた場合でも同じ基準で評価できるように
最終状態での耐力を一致させるように圧延率を調節し、
強度が同一のものについて曲げ性、製蓋性を評価できる
ようにした。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】それぞれの供試材について組織を観察し、
長手方向の直径が0.5μm以下の金属間化合物の個数
をTEMで調べ、また材料の表面近傍における直径1μ
m以上の金属間化合物を画像解析装置により0.2mm
2の視野で調べた。その結果を表3に示す。またそれぞ
れの供試材について255℃x20secオイルバス加
熱処理相当の塗装焼付け処理を施した後、機械的性質、
成形性を調べた。その結果を表4に示す。試験方法とし
て、耐力は圧延方向に対して平行方向の引張試験にて行
った。また圧延方向に対して平行・45度・直角方向で
の耐力の最大と最小の差を耐力差として強度異方性の評
価とした。耐力は大きいほど高強度であることを意味
し、耐力差は少ないほど強度異方性が無く良い材料と言
える。成形性に関しては張出成形性の評価としてエリク
セン試験を行った。また曲げ伸し試験として圧延方向に
対して平行に曲げラインをとり、曲げ幅を30mmとす
るN=15のサンプルについて、0.3Rの180度曲
げを行ない、その後水平に曲げ戻して、引張荷重を測定
してその平均値をとった。エリクセン値が大きいほど成
形性が良好であることを意味する。製蓋試験として50
00個/1水準で実際に蓋(EOE)成形を行ない不良
率0で蓋成形ができる物が○、それ以外は×とした。ま
た引裂き荷重の測定は製蓋試験が○の材料についてのみ
実施し、蓋につけたタブを引上げて蓋を開け、引上げ・
引裂き・引き離しの各行程があるうちの引裂き荷重の最
大値を示した。製蓋試験でランクが×とは蓋として実用
できないことであるから、性能として当然ランクは○で
あることが必要であり、また引裂き荷重は小さいほど蓋
が開けやすく良いものであることを意味する。
【0019】[製造符号A]発明例であり、表2および
表3に示すように組織要件、製造法とも請求項2をみた
すものである。表4に示すように本発明例は5000系
合金である従来材Fと比べ強度および強度の異方性を示
す耐力差は同等の性能であり、かつ成形性特に曲げ伸し
は従来材Fに比べ良好であり、また引裂き性においては
格段に良好な結果となっている。 [製造符号B]請求項2記載の条件に対して最終焼鈍を
省略したもので、時効析出が充分行なわれないため軟化
が大きくなるためその分中間焼鈍ゲージを厚くして圧下
率を増大して強度を合せた。表3に示すように金属間化
合物の分布状態は請求項1の通りであるが、請求項2記
載の製法に対して最終焼鈍を省略しているため、表4に
示すように曲げ性においてはやや劣る結果となってい
る。しかし、前記したごとく金属間化合物の分布状態は
均熱段階および中間焼鈍条件でほとんど決まるため、エ
リクセン値、引裂き荷重は従来例Fより向上しており発
明例Aとほぼ同等の性能となっている。 [製造符号C]請求項2記載の条件より最終の冷延上り
温度を高くしたもので、自己回復による軟化が大きくな
るためその分を中間焼鈍鈍ゲージを厚くして圧下率を増
大させて強度を合せた。その結果、表3に示すように金
属間化合物の分布状態は請求項1の通りであるが、製造
符号Bと同様時効析出が充分行なわれないため曲げ性に
おいてやや劣る結果となっている。しかし強度、エリク
セン値、引裂き荷重においては従来例Fより向上してい
る。 [製造符号D]請求項2記載の条件に対して中間焼鈍を
Batch焼鈍としたものである。耐力を一致させるた
めに圧下率90%と大きくしても表4に示すように耐力
値は従来材に及ばず、また表3に示すように0.5μm
以下の微細な金属間化合物が多くなっており、その結果
成形性が悪く製蓋性はきわめて悪く蓋として成形するこ
とができないほどである。 [製造符号E]請求項2記載の条件より均熱温度が低い
場合で、表3に示すように0.5μm以下の金属間化合
物が多くなっており、その結果比較例Dほどではないも
のの表4に示すように曲げ性が極端に悪くなっている。
【0020】次に、表1の合金を用いて表5に示す各製
造条件で製造して連続鋳造圧延材の場合の供試材を得
た。各供試材について半連続鋳造法により鋳造した場合
と同様に組織、機械的性質等を調べた。表6に組織観察
結果を示す。また表7に機械的性質、成形性の結果を示
す。
【0021】
【表5】
【0022】
【表6】
【0023】
【表7】
【0024】[製造符号G]発明例であり、請求項4記
載の通り500℃の均熱により表6に示すごとく金属間
化合物の分散は最適であり、その結果表7に示すごとく
充分な強度があり、耐力差すなわち強度異方性は少な
く、成形性を示すエリクセン値も大きく、曲げ性も良好
で、引裂き性は従来材より向上している。 [製造符号H]請求項4記載の条件に対して均熱を省略
してもので、合金元素の固溶量が多いために最終圧延率
が50%程度でも蓋として必要な強度は充分得られた。
しかし、表6に示すように0.5μm以下の金属間化合
物がきわめて多いため、表7に示すように曲げ性が非常
に悪くなっている。 [製造符号I]請求項4記載の条件より低い400℃で
均熱を行なったもので、表6に示すように0.5μm以
下の金属間化合物が非常に多く、そのため製造符号Hと
同様に曲げ性が非常に悪くなっている。
【0025】製造符号M〜Jは均熱条件を同じものにし
て比較したものである。 [製造符号J]発明例であり、表5および表6に示すよ
うに製造方法、組織とも請求項4を満たすものである。
その結果、充分な耐力があり強度異方性は小さく、成形
性も良好で、曲げ性は極めて優れ、また引裂き荷重も小
さく開缶性に優れた特性が得られており、缶蓋材として
最適のアルミニウム合金硬質板と言える。 [製造符号K]請求項4記載の条件に対して最終焼鈍を
省略したもので、時効析出が充分でないため軟化が大き
くなるのでその分を中間焼鈍ゲージを厚くして圧下率を
上げ強度を合せた。その結果、表6に示すように金属間
化合物の分布状態は請求項3を満たしており、従って、
耐力、強度異方性とも良好で引裂き荷重も小さくなって
いるものの、曲げ性において発明例Jよりかなり劣り従
来例Nよりやや劣る程度のものとなった。 [製造符号L]請求項4記載の条件より最終の冷延上り
温度を高くしたもので、自己回復による軟化が大きくな
るのでその分を中間焼鈍ゲージを厚くして圧下率を上げ
強度を合せた。その結果、発明例Kと同様に表6に示す
ように金属間化合物の分布状態は請求項3を満たしてお
り、従って、耐力、強度異方性とも良好で引裂き荷重も
小さくなっているものの、曲げ性において発明例Jより
かなり劣り従来例Nよりやや劣る程度のものとなった。 [製造符号M]請求項4記載の条件に対して中間焼鈍を
Batch焼鈍としたものである。耐力を上げようとし
て圧下率90%としても表7に示すように耐力値は従来
材に及ばず、また表6に示すように0.5μm以下の微
細な金属間化合物が多くなっており、その結果成形性を
示すエリクセン値は悪く、また製蓋性は蓋として成形す
ることができないほどできわめて悪い。
【0026】
【効果】以上、詳述したごとく請求項1記載の成分組成
範囲で、かつ金属間化合物の分散状態を適切に調整する
ことにより、塗装焼付け後の強度低下が少なく、また従
来材の5182材と強度は同等であり、かつ成形性特に
曲げ性および引き裂き性は従来材より格段に優れ、さら
に材料の異方性も少ない缶蓋材等に好適なアルミニウム
合金硬質板が得られる。従ってイージーオープン缶用の
蓋等に使用される材料として従来よりも缶蓋の薄肉化、
軽量化を計り得る成形用素材となる。さらに、本発明の
素材アルミニウム合金は成分組成範囲を従来缶胴材とし
て使用されている3004合金に近い成分としたうえで
組織の制御により強度、成形性等を向上させたものであ
ることから、本発明材を缶蓋材として使用することによ
り缶胴材と缶蓋材を同一合金とするいわゆる缶材のユニ
アロイ化を大きく進めるものである。また、本発明材を
蓋材とし従来の3004合金を胴材として組合せた缶は
リサイクルにおいても、溶解・再利用の際に従来のよう
な成分調整はほとんど必要なく再生して缶材用アルミニ
ウム板を製造することができる。従って本発明はリサイ
クル性のきわめて高いアルミニウム合金硬質板というこ
とができる。次に、請求項2記載の製造方法により半連
続鋳造法による鋳塊から請求項1の金属間化合物の分散
状態を容易にかつ品質的に安定して得ることができ、良
質のアルミニウム合金硬質板を提供することができる。
次に、請求項3記載のアルミニウム合金硬質板は請求項
1記載のアルミニウム合金硬質板を連続鋳造圧延により
製造した場合等の鋳塊組織が微細である場合に適するよ
うに成分範囲および組織を規定したものであり、請求項
1のアルミニウム合金硬質板と同等の効果を有する。次
に、請求項4記載の製造方法により連続鋳造圧延により
製造された鋳塊から請求項3の金属間化合物の分散状態
を容易にかつ品質的に安定して得ることができ良質のア
ルミニウム合金硬質板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における化合物の分散状態を示
す図である。
【符号の説明】
1 直径0.5μm以下の金属間化合物 2 金属間化合物上に時効析出した析出物 3 マトリックス中に時効析出した析出物 4 直径1μm以上の金属間化合物
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【表5】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg1.3〜3%,Cu0.05〜0.
    5%,Mn0.5〜1.8%,Fe0.2〜1%,Si
    0.1〜0.5%を含有することを必須とし、Cr<
    0.3%,Zr<0.3%,V<0.3%,Zn<0.
    5%のうち1種または2種以上を含有し残部実質的にア
    ルミニウムおよび不可避不純物からなるアルミニウム合
    金硬質板において、長手方向の直径が0.5μm以下の
    金属間化合物が400μm2当り2500個以下で、か
    つ材料の表面近傍における直径1μm以上の金属間化合
    物を画像解析装置により0.2mm2の視野で調べて、
    その平均径が2〜6μmの範囲内で500個以上存在す
    ることを特徴とする塗装焼付け後の強度低下が少なく成
    形性にすぐれしかも引裂き性に優れたアルミニウム合金
    硬質板。
  2. 【請求項2】 Mg1.3〜3%,Cu0.05〜0.
    5%,Mn0.5〜1.8%,Fe0.2〜1%,Si
    0.1〜0.5%を含有することを必須とし、Cr<
    0.3%,Zr<0.3%,V<0.3%,Zn<0.
    5%のうち1種または2種以上を含有し残部実質的にア
    ルミニウムおよび不可避不純物からなるアルミニウム合
    金を、 半連続鋳造法で鋳造した後、560〜630℃で4時間
    以上の加熱を行ない、その後常法に従い圧延を行なって
    中間板厚とし、さらに1℃/sec以上の加熱速度で4
    50〜620℃の温度に加熱して保持なしもしくは2分
    以内の保持後1℃/sec以上の冷却速度で冷却する中
    間焼鈍を行ない、その後圧延率40%以上、コイル巻取
    温度110℃以下となるように冷間圧延を施し、その後
    100℃/h以下の加熱速度で100〜200℃の温度
    に加熱して、30分以上の保持を施すことにより、長手
    方向の直径が0.5μm以下の金属間化合物が400μ
    2当り2500個以下で、かつ材料の表面近傍におけ
    る直径1μm以上の金属間化合物を画像解析装置により
    0.2mm2の視野で調べて、その平均径が2〜6μm
    の範囲内で500個以上存在することを特徴とする塗装
    焼付け後の強度低下が少なく成形性にすぐれしかも引裂
    き性に優れたアルミニウム合金硬質板の製造法。
  3. 【請求項3】 Mg1.3〜3%,Cu0.05〜0.
    5%,Mn0.5〜3%,Fe0.2〜1%,Si0.
    1〜0.5%を含有することを必須とし、Cr<0.3
    %,Zr<0.3%,V<0.3%,Zn<0.5%の
    うち1種または2種以上を含有し残部実質的にアルミニ
    ウムおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金硬質
    板において、長手方向の直径が0.5μm以下の金属間
    化合物が400μm2当り2500個以下で、かつ材料
    の表面近傍における直径1μm以上の金属間化合物を画
    像解析装置により0.2mm2の視野で調べて、その平
    均径が1〜2μmの範囲内で2000個以上存在する組
    織を得ることを特徴とする塗装焼付け後の強度低下が少
    なく成形性にすぐれしかも引裂き性に優れたアルミニウ
    ム合金硬質板。
  4. 【請求項4】 Mg1.3〜3%,Cu0.05〜0.
    5%,Mn0.5〜3%,Fe0.2〜1%,Si0.
    1〜0.5%を含有することを必須とし、Cr<0.3
    %,Zr<0.3%,V<0.3%,Zn<0.5%の
    うち1種または2種以上を含有し残部実質的にアルミニ
    ウムおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金を、 冷却速度が50℃/sec以上の連続鋳造圧延した鋳塊
    を、500〜630℃で2時間以上の加熱を行ない、そ
    の後圧延を行なって中間板厚とし、さらに1℃/sec
    以上の加熱速度で450〜620℃の温度に加熱して保
    持無しもしくは2分以内の保持後1℃/sec以上の冷
    却速度で冷却する中間焼鈍を行ない、その後圧延率40
    %以上、コイル巻取温度110℃以下の冷間圧延を施
    し、その後100℃/h以下の加熱速度で100〜20
    0℃の温度に加熱し30分以上の保持を施すことによ
    り、長手方向の直径が0.5μm以下の金属間化合物が
    400μm2当り2500個以下で、かつ材料の表面近
    傍における直径1μm以上の金属間化合物を画像解析装
    置により0.2mm2の視野で調べて、その平均径が1
    〜2μmの範囲内で2000個以上存在する組織を得る
    ことを特徴とする塗装焼付け後の強度低下が少なく成形
    性にすぐれしかも引裂き性に優れたアルミニウム合金硬
    質板の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012043582A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 株式会社神戸製鋼所 ボトル缶用アルミニウム合金冷延板
JP2015059250A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 株式会社神戸製鋼所 負圧缶蓋用アルミニウム合金板

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