JPH06170891A - パージング補助装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形機のパージング作動に際してノズル
先端の封止とパージされた樹脂の排除を効率良く行える
パージング補助装置の提供。 【構成】 型締めユニットの固定プラテンと射出ユニッ
トとの間隙に配置されたパージング補助装置２に関す
る。直動形アクチュエータ３のピストン８先端に回転形
アクチュエータ９が取付られ、回転形アクチュエータ９
に正面板４とこれから射出ユニット側に突出する受け板
６が取付られる。正面板４にノズル封止機構５が構成さ
れる。直動形アクチュエータ３によって正面板４が固定
プラテン１のロケートホール１５正面と退避位置および
樹脂排出位置に移動可能とされ、かつ、回転形アクチュ
エータ９によって受け板６が水平姿勢と傾斜姿勢に移動
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、射出成形機の自動パ
ージ工程に使用する補助装置に関する。

【０００２】

【従来技術】高度に自動化された射出成形装置では、金
型交換などの自動化と共に樹脂換え、色換えにともなう
パージ工程も自動的に行われる必要がある。このような
場合のパージ工程では、数回から十数回のパージングが
繰り返されるが、各パージングを効率良く行い、スクリ
ューの隅々まで十分に樹脂の交換を行うためには、各パ
ージングの当初、ノズルの先端を封止してスクリューに
背圧をかけ、シリンダ内部の樹脂密度を上げながらパー
ジング用の計量作動を行うことが好ましい。

【０００３】また、多数回のパージングで排出された樹
脂はそのまま放置すると見苦しいばかりか、射出成形機
の正常な作動を阻害することにもなるので、効率良く排
除することが必要である。しかし、従来、パージング時
に射出成形機におけるノズル先端を封止し、しかもパー
ジされた樹脂を効率良く排除できる、自動パージ工程に
適した補助装置が存在しなかった。

【０００４】前記の封止、排出の作業を行わせるために
専用のロボットを使用することも考えられるが高価であ
り、単一の射出成形機に付属させるなどのことが困難で
ある。また、ノズル先端の封止だけであれば、固定プラ
テンとノズルの間にシャッター様のものを取付ける（特
開昭６３−１８５６１７号）とか、シャットオフノズル
を採用するなどの手段が用いられているが、パージング
された樹脂の処理について別途に考慮する必要があっ
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、射出成形
機の自動パージ工程に際して、各パージングごとにノズ
ル先端を封止し、またパージングにより排出された樹脂
を所定位置に排除できるパージング補助装置の提供を課
題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】型締めユニットの固定プ
ラテンと射出ユニットとの間隙に配置される装置とす
る。装置は、直動形アクチュエータのピストン先端に回
転形アクチュエータが取付られ、回転形アクチュエータ
に正面板とこれから射出ユニット側に突出する受け板が
取付けられる。

【０００７】正面板には、ノズル封止機構が構成され
る。正面板は、直動形アクチュエータによって固定プラ
テンのロケートホール正面と退避位置および樹脂排出位
置に移動可能とされる。受け板は、回転形アクチュエー
タによって水平姿勢と傾斜姿勢に移動可能とされる。

【０００８】前記のノズル封止機構は、動力によって駆
動される封止体を備えた能動形の場合と、射出ユニット
の移動によってノズル先端と当接されノズル先端を封止
する封止体を備えた受動形の場合がある。

【０００９】

【作用】直動形アクチュエータは正面板の封止機構を退
避位置から射出ユニットのノズル正面に移動する。ま
た、受け板を固定プラテンの正面位置からパージされた
樹脂の排除位置まで移動させる。受け板は、パージされ
た樹脂を受け止め、排除位置まで搬送する。回転形アク
チュエータは受け板を水平状態から傾斜状態とし、パー
ジされた樹脂を排除する。

【００１０】

【実施例】図１〜図３は、第１の実施例を示す。図１に
おいて、符号１は固定プラテンで、射出成形機における
型締め装置の一部であり、図は射出ユニット側から見て
の正面である。符号２はパージング補助装置で、直動形
アクチュエータ３と正面板４、封止機構５および受け板
６で構成されている（図２参照）。この実施例における
射出成形機は制御装置を備えて成形作動が自動化されて
おり、金型の交換や色換えを含む樹脂の交換が自動的に
行われる作動プログラムが格納されている。

【００１１】直動形アクチュエータ３は、この実施例に
おいてエア圧を駆動源とし、シリンダ７とピストン８を
備え、ピストン８の先端部に回転形アクチュエータ９を
固定している。回転形アクチュエータ９の回転面は固定
プラテン１の正面と平行になっている。直動形アクチュ
エータ３、回転形アクチュエータ９の作動はこれらにエ
ア圧を供給する電磁弁が射出成形装置が備えた制御装置
によって開閉されることにより行われる。電磁弁を開閉
するための機構は、従来の同様な機構をそのまま転用で
きる。

【００１２】封止機構５は、正面板４の背面に取付られ
たエアアクチュエータ１０で構成され、このエアアクチ
ュエータ１０は正面板４側に固定されたシリンダ１１と
これにより駆動される封止体１２で構成され、封止体１
２の射出ユニット側面１３は正面板４を貫通して射出ユ
ニット側に露出している。図３において符号１４はノズ
ルで射出ユニットの一部である。エアアクチュエータ１
０を作動する電磁弁の開閉も射出成形機が備えた制御装
置により、従来と同様な機構により制御される。

【００１３】受け板６は正面板４の下縁に水平に射出ユ
ニット側に突出して形成されており、溶融樹脂が付着し
にくいクロムメッキ鋼板等で形成されている。そして、
正面板４の背面は前記の回転形アクチュエータ９の可動
側に取付けられている。

【００１４】パージング補助装置２は、フロントプラテ
ン１と射出ユニットの間隙に配置され、シリンダ７がフ
ロントプラテン１に固定されることにより射出成形機に
取付けられている。この時、ピストン８の伸縮方向は、
先端の正面板４がフロントプラテン１におけるロケート
ホール１５の正面位置から退避位置（図１の実線位置）
および排除位置（同破線位置）である。

【００１５】すなわち、実施例において、パージング補
助装置２はフロントプラテン１にピストン８が水平に伸
縮するように取付られている。なお、直動形アクチュエ
ータ３のシリンダ７側に前記の正面位置、退避位置、排
除位置に対応するリミットスイッチL1,L2,L3が設けら
れ、これに対しピストン８側にこれらを順次に作動する
ドグ１６が固定されている。

【００１６】射出成形機の自動パージ工程は、次のよう
に行われる。なお、パージングの回数は成形作業の当初
に制御装置に設定値として入力しておく。制御装置が成
形の終了、パージ指令の確認を行う。ノズルタッチの解
除。射出ユニットが所定のパージ位置まで後退。固定プ
ラテン１とノズル１４の先端との間に間隙が形成され
る。パージング補助装置２が駆動され、正面板４が退避
位置からロケートホール１５の正面に移動される。受け
板６は水平に維持されている。

【００１７】正面板４の移動完了がリミットスイッチL1
で確認されると、射出ユニットの計量スクリューが回転
され、バレル内部に残留している前回まで使用の樹脂が
パージされる。パージされた樹脂は受け板６上に貯留す
る。第１回パージングが終了すると、直動形アクチュエ
ータ３が駆動され、正面板４、受け板６が排除位置に移
動される。

【００１８】排除位置がリミットスイッチL3で確認され
ると回転形アクチュエータ９が駆動されて受け板６が傾
斜される（図１の一点鎖線）。これを３回繰り返して受
け板６上のパージされた樹脂を落下させ、その後受け板
６を水平姿勢に維持する。繰り返し傾斜させる回数は成
形作業の当初に入力して制御装置に設定する値であり、
樹脂の種類などによって異なる。

【００１９】回転アクチュエータ９の作動が終了する
と、正面板４は固定プラテン１のロケートホール１５の
正面に戻される。封止機構５のエアアクチュエータ１０
が駆動されて封止体１２が射出ユニット側に突出し、そ
の射出ユニット側面１３がパージ位置に停止しているノ
ズル１４の先端に当接し、ノズル先端を封止する。

【００２０】封止完了信号（封止体１２がノズルに接触
することにより作動する圧力スイッチやリミットスイッ
チによる）が確認されると、射出ユニットがパージ作動
となり、計量スクリューが回転されて、パージング用樹
脂（今回使用の樹脂あるいは色換え用透明樹脂）が射出
ユニットのシリンダ内部に送り込まれる。このとき、ノ
ズル先端は封止されていると共に計量スクリューに背圧
がかけられるので、パージング用樹脂はシリンダ内部で
前回の残留樹脂と充分に混合される。

【００２１】なお、この背圧は、交換する樹脂やパージ
用の樹脂によって異なるが、ほぼ、５０〜１００ｋｇ／
ｃｍ² であり、ノズル孔の口径がそれ程大きくないこと
もあって、直動形アクチュエータ３のピストン８に備わ
る剛性で十分に対応できるものである。射出ユニットの
計量作動が終了すると、エアアクチュエータ１０が逆に
駆動されて封止体１２がノズル１４の先端から外され、
元位置に復帰する。

【００２２】バレル内部の樹脂が受け板６上にパージさ
れる。正面板４が排除位置に移動される。回転形アクチ
ュエータ９が駆動されて受け板６が設定された回数だけ
繰り返し傾斜姿勢とされた後、水平姿勢に維持される。
正面板４が固定プラテン１のロケートホール１５の正面
に配置される。

【００２３】再び、封止機構５のエアアクチュエータ１
０が駆動されて封止体１２が射出ユニット側に突出し、
その射出ユニット側面１３がパージ位置（定位置）に停
止しているノズル１４の先端に当接し、ノズル先端を封
止する。この作動を設定された回数だけ繰り返す。設定
回数の終了後、正面板４を退避位置に戻し、パージ工程
を終了する。

【００２４】図４は、第２の実施例で第１の実施例とは
正面板４に構成される封止機構５の構成が異なる。正面
板４の背面（固定プラテン側）にガイド筒１６が固定さ
れ、これに当接板１７の筒状基部１８が挿入されると共
に、さらに、前記の筒状基部１８に封止体１２が嵌入さ
れ、当接板１７、封止体１２共に射出軸線ａ方向に移動
可能とされている。

【００２５】そして、当接板１７はガイド筒１６の外周
に配置されたスプリング１９により、常に正面板側に引
寄せられており、また、当接板１７と封止体１２との間
にもスプリング２０が配置されている。スプリング２０
は押圧の当初において計量時の背圧に対向できる程度に
強力であるが、図の状態以上に伸長することはない。し
たがって、通常の状態で当接板１７と封止体１２は全体
として正面板４側に引寄せられている。なお、封止体１
２の射出ユニット側面１３は通常状態で正面板４の射出
ユニット側に若干突出している。

【００２６】この実施例におけるパージング補助装置２
は、自動パージ工程において第１実施例の場合と同様に
作動するが、第１実施例において封止体１２が射出ユニ
ット側に向け駆動される過程において、この実施例で
は、定位置の封止体１２に対し射出ユニットのノズル１
４がノズルタッチ機構によって移動され、ノズルタッチ
力によってノズル先端が封止体１２に当接される。

【００２７】この時、ノズル１４によって押された封止
体１２はスプリング２０を介して当接板１７を固定プラ
テン１側に押し、固定プラテン１の射出ユニット側面に
当接させる。当接後はスプリング２０が圧縮され、ノズ
ルタッチ力と釣り合うところで封止体１２が停止する。
すなわち、封止体１２によってノズル先端が封止され
る。このように、実施例１の封止体１２は能動形であ
り、実施例２の封止体１２は受動形である。

【００２８】以上は実施例であり、本願発明は図示した
具体的な構成に限定されない。封止体１２の内部に保温
ヒーターが配置されることがある。直動形アクチュエー
タ３、回転形アクチュエータ９およびエアアクチュエー
タ１０などは電動式の機構であっても良い。

【００２９】

【発明の効果】パージングとパージされた樹脂の処理を
効率良く行える。射出成形機において、パージ工程を自
動化でき、成形作業の長時間無人化を達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】正面図。

【図２】要部の斜視図。

【図３】要部の側面図（一部断面）。

【図４】要部の側面図（他の実施例）。

【符号の説明】

１ 固定プラテン ２ パージング補助装置 ３ 直動形アクチュエータ ４ 正面板 ５ 封止機構 ６ 受け板 ７ シリンダ ８ ピストン ９ 回転形アクチュエータ １２ 封止体 １３ 射出ユニット側の面 １４ ノズル １５ ロケートホール

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 型締めユニットの固定プラテンと射出ユ
   ニットとの間隙に配置された装置であって、直動形アク
   チュエータのピストン先端に回転形アクチュエータが取
   付けられ、回転形アクチュエータに正面板とこれから射
   出ユニット側に突出する受け板が取付られており、正面
   板にノズル封止機構が構成され、直動形アクチュエータ
   によって正面板が固定プラテンのロケートホール正面と
   退避位置および樹脂排出位置に移動可能とされ、かつ、
   回転形アクチュエータによって受け板が水平姿勢と傾斜
   姿勢に移動されることを特徴としたパージング補助装
   置。
2. 【請求項２】 ノズル封止機構が、動力によって駆動さ
   れる封止体を備え、パージ位置にあるノズル先端を封止
   する能動形であることを特徴とした請求項１に記載のパ
   ージング補助装置。
3. 【請求項３】 ノズル封止機構が、射出ユニットが移動
   してノズル先端を当接させる封止体を備えた受動形であ
   ることを特徴とした請求項１に記載のパージング補助装
   置。