JPH06170591A - プレス機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型の取り付けおよび取り外しが容易であ
り、かつ全体形状を小型とし得る構造を備えたプレス機
を提供する。 【構成】 固定ベッド１８の下方に駆動手段としてのロ
ータリーアクチュエータ１２により上下方向に移動され
る可動板１５が配置されており、可動板１５に連結さ
れ、かつ固定ベッドを貫通して上方に延ばされた連結部
材２０，２１に移動側の金型２２が直接連結されてお
り、金型２２と対をなす他方の金型２３が固定ベッド１
８の上面に固定されている、プレス機１１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、対向配置された一対の
金型のうち一方の金型を他方の金型に対して移動可能に
構成したプレス機に関し、特に、移動される側の金型の
取付け構造及び該金型を移動させるための構造が改良さ
れたプレス機に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３に、従来のプレス機の一例として、
アンダードライブプレス機の構造を示す。プレス機１
は、図示しない駆動源によりクランク軸２が一方向に回
転されるように構成されている。クランク軸２の一端近
傍にはフライホイール３が取付けられており、中央には
クランク４が取付けられている。クランク軸２を回転さ
せることにより、クランク４により、下方に配置された
可動板５が上下方向に移動し得るように構成されてい
る。

【０００３】他方、可動板５には、スライドシャフト６
ａ〜６ｄが固定されており、スライドシャフト６ａ〜６
ｄは、可動板５の上方に延ばされており、固定ベッド７
を貫通している。固定ベッド７は他の部材（図示せず）
に固定されており、それによって、その高さ位置が固定
されている。上記スライドシャフト６ａ〜６ｄは固定ベ
ッド７を貫通しているが、固定ベッド７に対して上下方
向に移動し得るように、該固定ベッド７に設けられた貫
通孔内に挿通されている。固定ベッド７の上面には、一
方の金型８ａが固定されている。

【０００４】スライドシャフト６ａ〜６ｄの上端には、
ラム９が固定されている。ラム９の下面には上述した金
型８ａと対をなす他方の金型８ｂが固定されている。

【０００５】従って、プレス機１では、クランク軸２が
回転されることにより、可動板５が上下方向へ移動さ
れ、該可動板５の上下方向の移動に伴って、可動板５に
スライドシャフト６ａ〜６ｄを介して連結されたラム９
が上下方向に移動される。その結果、固定ベッド７に取
付けられた金型８ａと、ラム９の下面に取り付けられた
金型８ｂとが近接あるいは離間され、プレスが行われ
る。この場合、金型８ａ，８ｂによりプレス加工を行う
ため、金型８ｂが金型８ａと接触する状態と、図示のよ
うに金型８ｂが上方に分離された状態との間で金型８ｂ
が移動し得るように、上記クランク４により可動板５の
移動量が選択されている。

【０００６】上記プレス機１は、金型８ａ，８ｂよりも
下方に、一方の金型８ｂを上下方向に移動させるための
可動板５や駆動手段等を配置した構造を有するため、ア
ンダードライブプレス機と称されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】プレス機１では、金型
８ａ，８ｂの取付けに際しては、固定ベッド７とラム９
との間の空間に金型８ａ，８ｂを側方からすべり込ま
せ、金型８ａ，８ｂをそれぞれ固定ベッド７およびラム
９に固定していた。また、金型８ａ，８ｂを補修する
際、あるいは交換する際には、上記とは逆に、金型８
ａ，８ｂを固定ベッド７およびラム９から取り外し、し
かる後、固定ベッド７とラム９の間の空間から側方に移
動し、取り外さねばならなかった。

【０００８】上記のような金型８ａ，８ｂの取付けおよ
び取り外しに際し、プレス機１では、金型８ａ，８ｂの
周囲に４本のスライドシャフト６ａ〜６ｄが上下方向に
延びるように配置されていたため、金型８ａ，８ｂの取
付けおよび取り外しが非常に煩雑であるという問題があ
った。すなわち、スライドシャフト６ａ〜６ｄに接触し
ないように注意を払いつつ、スライドシャフト６ａ〜６
ｄ間の狭い空間を通して、金型８ａ，８ｂを移動させね
ばならなかった。

【０００９】加えて、プレス機１では、金型８ａ，８ｂ
の周囲に上記のように４本ものスライドシャフト６ａ〜
６ｄを配置しなければならないため、プレス機１の全体
形状が大きくならざるを得なかった。本発明の目的は、
金型の取付けおよび取外しを容易に行うことができ、金
型周囲の構造を小型とし得るプレス機を提供することに
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のプレス機は、位
置が固定された固定ベッドと、固定ベッドの一方主面に
取り付けられた一方の金型と、前記固定ベッドの他方主
面側に配置された可動板と、前記一方の金型と組み合わ
されて用いられ、かつ前記固定ベッドの一方主面上の前
記一方の金型と対向するように配置された他方の金型
と、前記可動板と他方の金型とが同一方向に移動される
ように可動板と他方の金型とを連結している連結部材
と、前記可動板が固定ベッドに対して近接または離間さ
れるように、可動板に連結された駆動手段とを備えるこ
とを特徴とする。

【００１１】

【作用】本発明のプレス機では、上記連結部材により、
可動板に対して移動される側の金型とが直接連結されて
いる。従って移動側の金型を、該連結部材との連結構造
を解くだけでプレス機から簡単に取り外すことができ
る。また、取り付けに際しても、移動側の金型を上記連
結部材に固定するだけで、該金型の取付けを容易に行い
得る。移動側の金型の取り付けおよび取り外しを容易に
行い得るため、移動側の金型と対向配置された固定側の
金型についても、移動側の金型の取り付けおよび取り外
しを行った後、取り付けおよび取り外しを容易に行い得
る。

【００１２】また、移動側の金型が、上記連結部材に連
結されて他方の金型に対して近接離間されるように構成
されているため、一対の金型の周囲に、移動側の金型を
移動するために、他の連結部材を必要としないため、金
型周囲の構造が小型とされ得る。

【００１３】

【従来の技術】以下、本発明の実施例を図面を参照して
説明することにより、本発明を明らかにする。図１は、
本発明の一実施例にかかるプレス機を示す部分切欠斜視
図である。

【００１４】プレス機１１は、下方に駆動手段としての
ロータリーアクチュエータ１２を有する。ロータリーア
クチュエータ１２は、複数枚のベーンが放射状に固定さ
れた回転軸を圧縮空気により正方向もしくは逆方向に回
転させることにより回転駆動力を得るものである。この
ロータリーアクチュエータ１２の回転軸にクランク軸１
３が連結されており、ロータリーアクチュエータ１２を
駆動することによりクランク軸１３が回転されるように
構成されている。クランク軸１３の中央には、クランク
１４が取り付けられており、該クランク１４によりクラ
ンク軸１３と可動板１５とが連結されている。すなわ
ち、クランク軸１３の回転に伴って、可動板１５が上下
方向に移動し得るように、クランク１４により可動板１
５とクランク軸１３とが連結されている。

【００１５】他方、１６はベースプレートを示し、床上
あるいは他の装置上に配置もしくは固定されている。ベ
ースプレート１６上には、複数本のポスト１７ａ〜１７
ｃが立設されており、ポスト１７ａ〜１７ｃの上端に、
固定ベッド１８が固定されている。従って、固定ベッド
１８は、その高さが移動しないように上記ベースプレー
ト１６に対して一定の高さ位置に固定されている。

【００１６】ポスト１７ａ〜１７ｃで囲まれている空間
内には、複数本のスライドシャフト１９ａ〜１９ｄが上
下方向に延びるように配置されている。スライドシャフ
ト１９ａ〜１９ｄの下端はベースプレート１６に固定さ
れている。また、スライドシャフト１９ａ〜１９ｄは、
前述した可動板１５を貫通して上方に延ばされており、
可動板１５はスライドシャフト１９ａ〜１９ｄをガイド
として上下方向に平行移動し得るように配置されてい
る。スライドシャフト１９ａ〜１９ｄの上端は、固定ベ
ッド１８に固定されている。

【００１７】また、可動板１５上にはスライドシャフト
１９ａ〜１９ｄで囲まれた空間内において棒状の連結部
材２０，２１が立設されている。連結部材２０，２１
は、固定ベッド１８に設けられた貫通孔を挿通して上方
に延ばされている。従って、連結部材２０，２１は、固
定ベッド１８に設けられた貫通孔内を単に挿通されてい
るだけであるため、固定ベッド１８に対して上下方向に
移動可能に配置されている。

【００１８】連結部材２０，２１の上端には、移動され
る側の金型２２が固定されている。また、固定ベッド１
８の上面には、固定側の金型２３が固定されている。

【００１９】移動側の金型２２は、連結部材２０，２１
により可動板１５に連結されているため、可動板１５が
上下方向に移動されることにより、金型２２が上下方向
に移動される。なお、この上下方向の移動量は、金型２
２が金型２３と接触した状態と、金型２２が金型２３か
ら遠ざかった状態（図１に示す状態）との間で金型２２
が移動し得るように選択されている。

【００２０】金型２２と連結部材２０，２１との連結構
造の詳細を図２に示す。図２（ａ）に示すように連結部
材２０，２１は、それぞれ、金型２２に設けられた貫通
孔に金型２２の上面から挿通されたねじ２０ａ，２１ａ
と、第１の筒状体２０ｂ，２１ｂと、第２の筒状体２０
ｃ，２１ｃとを有する。ねじ２０ａ，２１ａには、それ
ぞれ、下端にねじ山が形成されており、他方、第２の筒
状体２０ｃ，２１ｃの内周面には、ねじ２０ａ，２１ａ
の先端に形成されたねじ山と螺合される雌ねじが形成さ
れている。

【００２１】また、第１の筒状体２０ｂ，２１ｂは、そ
れぞれ、ねじ２０ａ，２１ａが内挿される大きさに形成
されている。第１の筒状体２０ｂ，２１ｂは、金型２２
の下方部分、金型２３および固定ベッド１８に設けられ
た貫通孔に挿入されている。さらに、第２の筒状体２０
ｃ，２１ｃは、図１に示した可動板１５に下端が固定さ
れている。

【００２２】従って、図２（ａ）において、ねじ２０
ａ，２１ａを回転させ、ねじ２０ａ，２１ａの先端のね
じ山を第２の筒状体２０ｃ，２１ｃと噛み合わせること
により、第２の筒状体２０ｃ，２１ｃ、ひいては可動板
１５（図１参照）に対して金型２２が連結される。この
第１，第２の筒状体２０ｂ，２０ｃとねじ２０ａとの連
結構造の詳細を図２（ｂ）に示す。

【００２３】図１にもどり、プレス機１１では、ロータ
リーアクチュエータ１２を駆動することにより、金型２
２が上死点と下死点との間で上下方向に移動されるよう
に構成されている。すなわち、ロータリーアクチュエー
タ１２を駆動することにより、クランク軸１３が正方向
もしくは逆方向に回転され、それに伴って可動板１５が
上死点と下死点との間の移動量に応じて上下方向に移動
される。可動板１５は、連結部材２０，２１を介して金
型２２に連結されているため、可動板１５とともに上記
金型２２が移動される。その結果、固定ベッド１８の上
面に取り付けられた金型２３に対して、金型２２が上方
に遠ざけられた状態（図１）と金型２３に対して接触す
る状態との間で移動されて、プレスが行われる。

【００２４】金型２２，２３の取り付けおよび取り外し
は以下のようにして行われる。まず、図１に示す状態か
ら金型２２，２３を取り外す工程を説明する。図２
（ａ）に示したねじ２０ａ，２１ａを緩め、ねじ２０
ａ，２１ａと第２の筒状体２０ｃ，２１ｃとの螺合を解
く。その結果、金型２２を上方に引き上げることによ
り、あるいは、ねじ２０ａ，２１ａを引き抜いた後、金
型２２を上方に引き上げることにより、金型２２をプレ
ス機１１から取り外すことができる。しかる後、第１の
筒状体２０ｂ，２１ｂを上方に引き抜いた後、金型２３
を固定ベッド１８から取り外す。

【００２５】上記のように金型２２，２３の取り外しに
際しては、連結部材２０，２１のねじ２０ａ，２１ａを
緩めた後には、金型２２，２３の周囲に他の部材が存在
しないため、極めて簡単に金型２２，２３を取り外すこ
とができる。図３に示した従来例では、金型８ａ，８ｂ
の周囲に四本のスライドシャフト６ａ〜６ｄが配置され
ていたため、金型８ａ，８ｂの取り外しに際しスライド
シャフト６ａ〜６ｄ間の狭い空間を通して金型２２，２
３を除去しなければならなかったのに対し、本実施例で
は、スライドシャフトが固定ベッド１８の下方にのみ配
置されており、金型２２，２３の側方には存在しないた
め、金型２２，２３を容易に取り外すことができる。

【００２６】また、取り付けに際しても、金型２３を固
定ベッド１８に取り付け、連結部材２０，２１に、上記
と逆の要領で金型２２を連結するだけでよく、しかも金
型２２，２３を取り付ける部分の周囲にスライドシャフ
トが存在しないため、取り付け作業を容易に行い得る。

【００２７】上記実施例では、連結部材２０，２１は、
固定側の金型２３を挿通して上方に延ばされていたが、
連結部材２０，２１は、金型２３の側方において上下方
向に延びるように配置されてもよい。連結部材２０，２
１を金型２３の側方において上下方向に延びるように配
置した場合であっても、上記実施例の場合と同様に、移
動側の金型２２の取り付けおよび取り外しを容易に行う
ことができる。

【００２８】また、上記実施例では、連結部材２０，２
１として、２本の連結部材２０，２１を示したが、連結
部材は、金型の大きさおよび形状等に応じて３本以上設
けられていてもよい。もっとも、金型２２を上下方向に
平行移動するためには、連結部材は複数本設けられてい
ることが必要である。

【００２９】上記実施例では、可動板１５が、複数本の
スライドシャフト１９ａ〜１９ｄにより平行移動し得る
ように案内されていたが、可動板１５の平行移動を案内
するためには、他のガイド部材を用いてもよい。例え
ば、可動板１５の複数の側面に接触して上下方向に延び
る複数の案内板を、ベースプレート１６と固定ベッド１
８との間に連結し、それによって可動板１５の平行移動
を案内してもよい。

【００３０】さらに、本発明は、位置が固定された固定
ベッド１８に対して、一方側に駆動手段と連結された可
動板を、他方側に金型２２，２３を配置したプレス機に
関するものであり、上記のように可動板１５と金型２２
との連結構造に特徴を有するものであるため、他の構
造、例えば可動板１５を駆動する構成等については特に
限定されるものではない。すなわち、可動板１５を上下
方向に移動するための構造としては、ロータリーアクチ
ュエータ１２およびクランク１４を用いたものに限定さ
れない。例えば、可動板１５を直接エアーシリンダや油
圧シリンダにより上下方向に移動させてもよい。また、
クランク１４に代えて、他の連結機構を介して駆動手段
と可動板１５とを連結してもよい。また、駆動手段とし
ても、ロータリーアクチュエータに限らず、上述したエ
アーシリンダや油圧シリンダあるいはモータ等の任意の
駆動手段を用いることができる。

【００３１】

【発明の効果】本発明では、駆動手段によって移動され
る可動板に対し、連結部材を介して移動側の金型が直接
連結されている。従って、従来例において用いられてい
た移動側の金型を支持するためラムを必要としない。ま
た、移動側の金型が上記連結部材により直接可動板に対
して連結されているため、周囲にスライドシャフト等の
余分な部材を配置する必要がない。よって、金型周囲の
構造を簡略化することができるとともに、プレス機の全
体形状を小型とすることができる。

【００３２】しかも、金型の周囲にスライドシャフトの
ような余分な部材が配置されないため、金型の取り外し
および取り付けを容易に行うことができる。従って、金
型の組み立て作業および補修作業等を迅速かつ容易に行
うことができる。

【００３３】さらに、移動側の金型が連結部材に直接連
結されており、ラムを必要としないため、移動慣性重量
が低減され、それによって小さな動力の駆動手段を用い
て金型を移動させることができる。従って、駆動手段の
小型化によっても、プレス機を小さくすることができ、
かつプレス機のコストを低減することができ、騒音を小
さくすることも可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のプレス機を示す部分切欠斜
視図。

【図２】（ａ）（ｂ）は、それぞれ、実施例のプレス機
における連結部材による連結構造を説明するための部分
切欠拡大断面図。

【図３】従来のプレス機を示す斜視図。

【符号の説明】

１１…プレス機 １２…駆動手段としてのロータリーアクチュエータ １５…可動板 １８…固定ベッド ２０，２１…連結部材 ２２，２３…金型

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 位置が固定された固定ベッドと、 前記固定ベッドの一方主面に取り付けられた一方の金型
   と、 前記固定ベッドの他方主面側に配置された可動板と、 前記一方の金型と組み合わされて用いられ、かつ前記固
   定ベッドの一方主面上の前記一方の金型と対向するよう
   に配置された他方の金型と、 前記可動板と前記他方の金型とが同一方向に移動される
   ように、可動板と他方の金型とを連結している連結部材
   と、 前記可動板が固定ベッドに対して近接または離間される
   ように、該可動板に連結された駆動手段とを備える、プ
   レス機。