JPH06170100A - 連続式クリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯、濯ぎ、糊付け、脱水の各工程を１台の
装置で連続的に行なって、作業性を向上させると共に、
水や洗剤、スチームの使用量を大幅に削減してコストの
低減を図るものである。 【構成】 洗濯物５を搬送するメッシュコンベアー１
と、これに垂直に配置され、所定の間隔で設けられた複
数本の噴出管２Ａ〜２Ｇと、これに取付けられた複数個
の噴射ノズル３と、この各噴射ノズル３の下方のメッシ
ュコンベアー１の下に各噴出管２Ａ〜２Ｇに沿って夫々
配置された複数の集水樋６と、各集水樋６に夫々連通す
る複数のタンク８Ａ〜８Ｇと、これに夫々接続されて前
記各噴出管２Ａ〜２Ｇに水や糊を送るポンプ９と、搬出
側に設けられた脱水ローラ10とからなり、搬出側の噴出
管２Ｇを糊付け用とし、これに連通するタンク８Ｇを糊
タンクとし、且つこれ以外の隣接するタンクを連通管11
で接続したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は洗濯、濯ぎ、糊付け、脱
水の各工程を連続的に行なうクリーニング装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のクリーニング装置は、洗濯機、脱
水機、乾燥機、シーツロール投入機など夫々独立した装
置から構成されている。従来のクリーニング方法は、洗
濯物を洗濯機の洗濯槽にまとめていれてから、洗濯槽を
回転させながら落差による叩き、もみ、撹拌などの作用
により汚れを落としている。この洗濯工程の後、濯ぎ工
程、糊付け工程、脱水工程、乾燥工程などを順次行なっ
てから、しわを伸ばしてシーツロール投入機に投入して
アイロン仕上を行なっている。

【０００３】しかしながら従来の方法では、洗濯、濯
ぎ、糊付け、脱水の各工程毎に排水しなければならず、
このため水や洗剤、水を加熱するためのスチームの使用
量が多く、しかも排出される洗濯汚水の量も多くなりそ
の処理が面倒であった。また洗濯機や脱水機などが夫々
独立した装置であるため、水分を含んだ重い洗濯物を次
の装置まで運ばなければならず重労働であり、しかもバ
ッチ式であるため作業性が悪かった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を除
去し、洗濯、濯ぎ、糊付け、脱水の各工程を１台の装置
で連続的に行なって、作業性を向上させると共に、水や
洗剤、スチームの使用量を大幅に削減してコストの低減
を図ると共に、洗濯汚水の量を少なくした連続式クリー
ニング装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、洗濯物を搬送
するメッシュコンベアーと、この搬送方向と垂直に配置
され、搬送方向に沿って所定の間隔で設けられた複数本
の噴出管と、この噴出管に前記メッシュコンベアーに向
けて取付けられた複数個の噴射ノズルと、この各噴射ノ
ズルの下方のメッシュコンベアーの下に各噴出管に沿っ
て夫々配置された複数の集水樋と、各集水樋に夫々連通
する複数のタンクと、これらタンクに夫々接続されて前
記各噴出管に水や糊を送るポンプと、メッシュコンベア
ーの搬出側に設けられた脱水ローラとからなり、この脱
水ローラの直前に配置された前記噴出管を糊付け用噴出
管とすると共に、これに連通するタンクを糊タンクと
し、且つこの糊タンクを除く各タンクをメッシュコンベ
アーの排出側から搬入側に向かって水が順次隣接するタ
ンクにオーバーフローする連通管で夫々連通したことを
特徴とするものである。

【０００６】

【作用】本発明の連続式クリーニング装置の作用は、先
ずメッシュコンベアーを回転させて、この上にシーツな
どの洗濯物を広げて載せる。予洗工程ではタンク内の洗
浄水がポンプで吸い上げられ噴出管に送られ、この噴射
ノズルから洗浄水が噴射されて洗濯物が濡れる。更にメ
ッシュコンベアーが進行して、洗濯物が隣接する噴出管
の下に搬送されてくると、噴射ノズルから高圧の洗浄水
が噴射されて洗濯物の繊維に付着した汚れが除去され、
メッシュコンベアーを通過した洗浄水は集水樋に捕集さ
れてからタンクに戻されて回収される。このようにして
複数段の噴出管を通過して、高圧の洗浄水により本洗さ
れる。

【０００７】メッシュコンベアーが更に進行して、洗濯
物が濯ぎ水の噴出管の下にくると、ポンプで吸い上げら
れたタンク内の濯ぎ水が噴射ノズルから噴射され、洗濯
物に含まれていた洗浄水が洗浄される。この濯ぎ工程の
タンクには新しい水が供給され、水位が高くなると連通
管からオーバーフローして隣接するタンクに流れ、以下
順次隣接するタンクに流れて本洗工程の洗浄水16とな
り、更に最終のタンクで予洗工程の洗浄水となって順次
再利用されて行く。

【０００８】濯ぎ工程が完了した洗濯物が糊付け用噴出
管の下にくると、糊タンクの糊がポンプで吸い上げられ
て噴出管の糊噴射ノズルから噴射されて洗濯物に糊付け
される。この糊付け工程が終了した洗濯物は、脱水ロー
ラで絞られて脱水されて、次工程のロールプレス機やフ
ォルダーに連続的に搬送されてクリーニングが完了す
る。

【０００９】

【実施例】以下本発明を図１ないし図３を参照して詳細
に説明する。図において１はメッシュコンベアーで、こ
の上方に複数本の噴出管２Ａ〜２Ｇがメッシュコンベア
ー１の搬送方向と垂直に配置され、且つ搬送方向に沿っ
て所定の間隔で設けられている。またこれら各噴出管２
Ａ〜２Ｇの下方には図２に示すように前記メッシュコン
ベアー１に向けて斜めに複数個の噴射ノズル３…が取付
けられている。また各噴出管２Ａ〜２Ｇの横にはガイド
ローラ４…が取付けられ、メッシュコンベアー１の上を
搬送されてくるシーツなどの洗濯物５を上方から押える
ようになっている。

【００１０】また各噴射ノズル３…とガイドローラ４…
の下方の、メッシュコンベアー１の下には各噴出管２Ａ
〜２Ｇに沿って、上部がホッパー状に開口した集水樋６
…が設けられている。これら各集水樋６…はバキューム
ポンプ７を介して図３に示すようにタンク８Ａ〜８Ｇに
接続されている。またこれらタンク８Ａ〜８Ｇは図１に
示すように夫々ポンプ９…を介して前記噴出管２Ａ〜２
Ｇに接続されている。またメッシュコンベアー１の搬出
側には脱水ローラ10が設けられ、この脱水ローラ10の直
前に配置された噴出管２Ｇを糊付け用噴出管とすると共
に、これに連通するタンク８Ｇを糊タンクとし、この糊
タンク８Ｇと集水樋６との間にはバキュームポンプ７が
設けられていない。

【００１１】またこの糊タンク８Ｇを除く各タンク２Ａ
〜２Ｆは図３に示すように、メッシュコンベアー１の排
出側から搬入側に向かって水がオーバーフローするよう
に連通管11で夫々接続されたオーバーフロー構造になっ
ている。また各タンク８Ａ〜８Ｇには水の供給管12と、
スチームの供給管19が夫々接続されている。

【００１２】なお図１に示すメッシュコンベアー１の搬
入側に設けられた１本目の噴出管２Ａは予洗工程で、ま
たこれに隣接する３本の噴出管２Ｂ、２Ｃ、２Ｄは本洗
工程で、更にこの本洗工程に隣接する２本の噴出管２
Ｅ、２Ｆは濯ぎ洗工程である。また脱水ローラ10の直前
に配置された糊付け用噴出管２Ｇは糊付け工程である。
前記予洗工程と本洗工程の水タンク８Ａ〜８Ｄおよび糊
付け工程の糊タンク８Ｇの内部には汚れや洗剤、糊など
の沈殿を防ぐために撹拌装置20が取付けられている。

【００１３】次に上記構造の連続式クリーニング装置に
よりシーツなどを洗濯する場合について説明する。先ず
図３に示すように水供給管12からタンク８Ａ〜８Ｆ内に
所定量の水を供給した状態で、タンク８Ｆに連通する給
水バルブ13Ｆだけを開放し、他の給水バルブ13Ａ〜13
Ｅ、13Ｇは閉じておき、またタンク８Ａに取付けた排水
バルブ14Ａだけを開放し、他の排水バルブ14Ｂ〜14Ｇは
閉じた状態にしておく。この状態で給水バルブ13Ｆから
タンク８Ｆ内に給水された水は、連通管11を通り隣接す
るタンク８Ｅ〜８Ａに順次オーバーフローして流れ、搬
入側のタンク８Ａに取付けた排水バルブ14Ａから排水さ
れるようになっている。またこの時、本洗工程のタンク
８Ｄ、８Ｃ、８Ｂに洗剤を入れて洗浄水16としておくと
共に、糊タンク８Ｇ内には糊18を入れておく。この状態
でスチーム供給管19から各タンク８Ａ〜８Ｆ内にスチー
ムを供給して水を加熱しておく。この場合、水温は常温
から90℃程度の範囲で調整できるようになっている。

【００１４】この状態で、ポンプ９とバキュームポンプ
７を運転すると共に、メッシュコンベアー１を回転させ
て、この上にシーツなどの洗濯物５を広げて載せる。洗
濯物５はメッシュコンベアー１により搬送されて、先ず
予洗工程ではタンク８Ａ内の洗浄水16がポンプ９で吸い
上げられ噴出管２Ａに送られ、ここで噴射ノズル３から
洗浄水16が噴射されて洗濯物５が濡れて予洗される。噴
射ノズル３から噴射された洗浄水16は、メッシュコンベ
アー１を通過してバキュームポンプ７で吸引されている
集水樋６で捕集されてタンク８Ａに戻される。汚れた洗
浄水16は排水バルブ14Ａから少しずつ外部に排水される
と共に、隣接するタンク８Ｂから連通管11を通して洗浄
水16がオーバーフローして流入してくる。

【００１５】更にメッシュコンベアー１が進行して洗濯
物５が噴出管２Ｂの下に搬送されてくると、図２に示す
ように噴射ノズル３から高圧の洗浄水16が噴射されて、
洗濯物５の繊維に付着した汚れが除去される。この場
合、洗浄水16の噴出圧力は20〜60Ｋｇ／平方cm程度で、
洗濯物５の生地によって調整できるようになっている。
メッシュコンベアー１を通過した洗浄水16はバキューム
ポンプ７で吸引されている集水樋６に吸引されて捕集さ
れる。この集水樋６に捕集された洗浄水16はタンク８Ｂ
に流入し、ここから再びポンプ９で噴出管２Ｂに送られ
ここから再噴射される。更にメッシュコンベアー１が進
行して、噴出管２Ｃ、２Ｄで同様に噴射ノズル３から噴
射された洗浄水16で洗濯物５が洗浄されて本洗工程が完
了する。

【００１６】この場合、噴出管２Ｄを通過する洗濯物５
はほとんど洗浄されて汚れが落ちているので、タンク８
Ｄに回収された洗浄水16の汚れは少ないが、ここの洗浄
水16はオーバーフローして隣接するタンク８Ｃに流れ、
更にタンク８Ｂにオーバーフローして行くので、洗濯物
５の汚れが落ちて行くほどきれいな洗浄水16で順次洗浄
されることになり、逆汚染を防止することができる。

【００１７】メッシュコンベアー１が更に進行して、洗
濯物５が噴出管２Ｅの下にくると、タンク８Ｅ内の濯ぎ
水17がポンプ９で吸い上げられて、噴出管２Ｅの噴射ノ
ズル３から噴射される。ここで洗濯物５に含まれていた
洗浄水16が濯ぎ水17で濯がれ、更に集水樋６で捕集され
た濯ぎ水17はタンク８Ｅに回収される。このタンク８Ｅ
に回収された濯ぎ水17が汚れてくると連通管11を通って
タンク８Ｄにオーバーフローして流れ、ここで洗剤が追
加されて洗浄水16となる。また洗濯物５が噴出管２Ｆに
搬送されてくると、ここでタンク８Ｆ内の濯ぎ水17が噴
射されて濯ぎ工程が完了する。タンク８Ｆに取付けた給
水バルブ13Ｆは図３に示すように常時開放して、水供給
管12から新しい水15が供給され水位が高くなると連通管
11からオーバーフローして隣接するタンク８Ｅに流れ、
以下前述のように順次タンク８Ｄ、８Ｃ、８Ｂに流れて
洗浄水16となり、最終のタンク８Ａで予洗工程の洗浄水
16となって順次利用されて行く。

【００１８】濯ぎ工程が完了して洗濯物５が糊付け用噴
出管２Ｇの下にくると、糊タンク８Ｇ内の糊18がポンプ
９で吸い上げられて噴出管２Ｇの糊噴射ノズル３から噴
射されて洗濯物５に糊付けされる。集水樋６で補修され
た糊18は糊タンク８Ｇに回収されて、再び噴射される。
この糊付け工程が終了した洗濯物５は、脱水ローラ10で
絞られて脱水され、図示しないロールプレス機とフォル
ダー（たたみ機）に連続的に搬送されてクリーニングが
完了する。

【００１９】なお上記実施例では、予洗工程は１本の噴
出管２Ａで、本洗工程は３本の噴出管２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ
で、濯ぎ工程は２本の噴出管２Ｅ、２Ｆで行なう場合に
ついて示したが、各工程の噴出管の本数は任意に選定す
ることができる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る連続式ク
リーニング装置によれば、メッシュコンベアー上に複数
の噴出管と脱水ローラを配置して、予洗、本洗、濯ぎ、
糊付け、脱水の各工程を連続的に１台の装置で行なうこ
とができ、しかも濡れた洗濯物を運搬したり広げたりす
る作業が全く不要となって、作業性を大幅に向上させる
ことができると共に、洗濯物の変形を少なくすることが
できる。更に本発明は濯ぎ工程から予洗工程まで水を順
次前工程にオーバーフローさせながら再利用して行くの
で、従来のバッチ式に比べて水の使用量が１／５以下に
なり、また洗剤の使用量も少なく、水を加熱するための
スチームの使用量も少なくなってコストを大幅に低減す
ることができ、しかも洗濯汚水の排出量が少なくその処
理も容易であるなど種々の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による連続式クリーニング装
置の概略構成を示す斜視図である。

【図２】図１に示す装置の噴出管と集水樋との部分を拡
大して示す断面図である。

【図３】図１の隣接して配置した複数のタンクを示す断
面図である。

【符合の説明】

１ メッシュコンベアー ２Ａ 噴出管 ２Ｂ 噴出管 ２Ｇ 噴出管 ３ 噴射ノズル ５ 洗濯物 ６ 集水樋 ７ バキュームポンプ ８Ａ タンク ８Ｂ タンク ８Ｇ タンク ９ ポンプ 10 脱水ローラ 11 連通管 12 水供給管 16 洗浄水 17 濯ぎ水 18 糊 19 スチーム供給管

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯物を搬送するメッシュコンベアー
   と、この搬送方向と垂直に配置され、搬送方向に沿って
   所定の間隔で設けられた複数本の噴出管と、この噴出管
   に前記メッシュコンベアーに向けて取付けられた複数個
   の噴射ノズルと、この各噴射ノズルの下方のメッシュコ
   ンベアーの下に各噴出管に沿って夫々配置された複数の
   集水樋と、各集水樋に夫々連通する複数のタンクと、こ
   れらタンクに夫々接続されて前記各噴出管に水や糊を送
   るポンプと、メッシュコンベアーの搬出側に設けられた
   脱水ローラとからなり、この脱水ローラの直前に配置さ
   れた前記噴出管を糊付け用噴出管とすると共に、これに
   連通するタンクを糊タンクとし、且つこの糊タンクを除
   く各タンクをメッシュコンベアーの排出側から搬入側に
   向かって水が順次隣接するタンクにオーバーフローする
   連通管で夫々連通したことを特徴とする連続式クリーニ
   ング装置。