JPH06168843A - 柱状積層セラミックコンデンサとその製造方法 - Google Patents
柱状積層セラミックコンデンサとその製造方法Info
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- JPH06168843A JPH06168843A JP34543592A JP34543592A JPH06168843A JP H06168843 A JPH06168843 A JP H06168843A JP 34543592 A JP34543592 A JP 34543592A JP 34543592 A JP34543592 A JP 34543592A JP H06168843 A JPH06168843 A JP H06168843A
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- columnar
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 薄い層が簡単に作れ、しかも、信頼性のある
小型で大容量が可能な積層セラミックコンデンサの構造
とその製造方法を提供する。 【構成】 誘電体層3と内部電極4、5層を同心状に配
置し、対向する内部電極4、5の引出し口を柱状の両端
面に各々引出し、両端に設けた外部電極2に各々接続し
て成る構造の柱状積層セラミックコンデンサと、この積
層構造を、誘電体層用スラリーと、内部電極層用のスラ
リーに、交互に、且つ上下を反転しながら浸漬、乾燥を
繰り返し、誘電体層3と内部電極4、5層を形成して積
層体を構成してなる柱状積層セラミックコンデンサの製
造方法。
小型で大容量が可能な積層セラミックコンデンサの構造
とその製造方法を提供する。 【構成】 誘電体層3と内部電極4、5層を同心状に配
置し、対向する内部電極4、5の引出し口を柱状の両端
面に各々引出し、両端に設けた外部電極2に各々接続し
て成る構造の柱状積層セラミックコンデンサと、この積
層構造を、誘電体層用スラリーと、内部電極層用のスラ
リーに、交互に、且つ上下を反転しながら浸漬、乾燥を
繰り返し、誘電体層3と内部電極4、5層を形成して積
層体を構成してなる柱状積層セラミックコンデンサの製
造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックコンデンサ
に関わり、特に積層型のセラミックコンデンサの構造と
その製造方法に関係する。
に関わり、特に積層型のセラミックコンデンサの構造と
その製造方法に関係する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサは、小型大容
量、半永久的な寿命、高周波に於ける低インピーダンス
等の優れた特性から、広い範囲で使用されている。近年
の電子装置の小型化と、表面実装への要求に対応するた
め、コンデンサは小型でチップタイプが主流となり、積
層セラミックコンデンサが特に注目されている。従来の
積層セラミックコンデンサの製造は、誘電体セラミック
粉末と有機樹脂などの結合材、及び溶剤を混合分散させ
たスラリーをドクターブレード方法などの方法によりグ
リーンシートを作成し、次に、Au、Ag、Pd、C
u、Ni等の低抵抗金属粉末と有機樹脂等の結合材及び
溶剤を混合分散して作った内部電極材用スラリーを用
い、これをスクリーン印刷などで前記誘電体のグリーン
シート上に印刷し、内部電極層を形成する。このグリー
ンシートを、内部電極が交互に対向する電極となるよう
にグリーンシートごと打ち抜き、金型内へ積層して、熱
プレスなどで圧着することにより積層体を得る。この積
層体を一個一個のコンデンサ素子に切断し、脱バインダ
ー、焼成を行い、積層セラミックコンデンサ素子を得
る。この積層セラミックコンデンサ素子の対向する内部
電極の各々の電極引出し部が露出する両端面に、各々の
内部電極を接続する外部電極を形成し、積層セラミック
コンデンサを完成する。
量、半永久的な寿命、高周波に於ける低インピーダンス
等の優れた特性から、広い範囲で使用されている。近年
の電子装置の小型化と、表面実装への要求に対応するた
め、コンデンサは小型でチップタイプが主流となり、積
層セラミックコンデンサが特に注目されている。従来の
積層セラミックコンデンサの製造は、誘電体セラミック
粉末と有機樹脂などの結合材、及び溶剤を混合分散させ
たスラリーをドクターブレード方法などの方法によりグ
リーンシートを作成し、次に、Au、Ag、Pd、C
u、Ni等の低抵抗金属粉末と有機樹脂等の結合材及び
溶剤を混合分散して作った内部電極材用スラリーを用
い、これをスクリーン印刷などで前記誘電体のグリーン
シート上に印刷し、内部電極層を形成する。このグリー
ンシートを、内部電極が交互に対向する電極となるよう
にグリーンシートごと打ち抜き、金型内へ積層して、熱
プレスなどで圧着することにより積層体を得る。この積
層体を一個一個のコンデンサ素子に切断し、脱バインダ
ー、焼成を行い、積層セラミックコンデンサ素子を得
る。この積層セラミックコンデンサ素子の対向する内部
電極の各々の電極引出し部が露出する両端面に、各々の
内部電極を接続する外部電極を形成し、積層セラミック
コンデンサを完成する。
【0003】ここで、積層セラミックコンデンサの静電
容量を決定する要因は、誘電体セラミックスを構成する
誘電体材料固有の定数である誘電率と、内部電極層が交
互に対向することで得られる誘電体層の有効層の総面積
と、電極間距離の3つの要因である。先に述べたよう
に、小型化、チップ化を進めるため、電極間距離を狭
く、積層数を増加する必要があり、グリーンシートの薄
膜化と、多積層化が試みられている。しかしながら、グ
リーンシートの薄型化はグリーンシートを薄くするに従
って、強度がとれず、操作性が悪くなり生産性が低下
し、また、ピンホール等の発生により歩留を低下させた
り、操作中のグリーンシートの変形や伸びなどにより、
製品の特性をばらつかせたりして信頼性を低下させると
いう問題があり、更には、グリーンシートの間に電極層
を介在させた状態で圧縮積層化するので内部に段差が出
来、焼結後剥離の原因となり歩留を低下させるという問
題があり、小型化、大容量化が困難であった。また、従
来、内部電極を加工したグリーンシートを2枚重ねし、
円筒状に巻き、積層体を構成する構造の積層セラミック
コンデンサも提案されているが、ドクターブレード法な
どでグリーンシートを作成する方法では、前述のよう
に、その性質上、一定の厚さ以下の薄手のものを作るこ
とは困難なため、小型化、大容量化の十分な対策になっ
ていなかった。
容量を決定する要因は、誘電体セラミックスを構成する
誘電体材料固有の定数である誘電率と、内部電極層が交
互に対向することで得られる誘電体層の有効層の総面積
と、電極間距離の3つの要因である。先に述べたよう
に、小型化、チップ化を進めるため、電極間距離を狭
く、積層数を増加する必要があり、グリーンシートの薄
膜化と、多積層化が試みられている。しかしながら、グ
リーンシートの薄型化はグリーンシートを薄くするに従
って、強度がとれず、操作性が悪くなり生産性が低下
し、また、ピンホール等の発生により歩留を低下させた
り、操作中のグリーンシートの変形や伸びなどにより、
製品の特性をばらつかせたりして信頼性を低下させると
いう問題があり、更には、グリーンシートの間に電極層
を介在させた状態で圧縮積層化するので内部に段差が出
来、焼結後剥離の原因となり歩留を低下させるという問
題があり、小型化、大容量化が困難であった。また、従
来、内部電極を加工したグリーンシートを2枚重ねし、
円筒状に巻き、積層体を構成する構造の積層セラミック
コンデンサも提案されているが、ドクターブレード法な
どでグリーンシートを作成する方法では、前述のよう
に、その性質上、一定の厚さ以下の薄手のものを作るこ
とは困難なため、小型化、大容量化の十分な対策になっ
ていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の問題を解消した、薄い層が簡単に作れ、しかも、信頼
性のある小型で大容量が可能な積層セラミックコンデン
サの構造とその製造方法を提供することにある。
の問題を解消した、薄い層が簡単に作れ、しかも、信頼
性のある小型で大容量が可能な積層セラミックコンデン
サの構造とその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するため、誘電体層と内部電極層を同心状に配置
し、対向する内部電極の引出し口を柱状の両端面に各々
引出し、両端に設けた外部電極に各々接続して成る構造
と、この積層構造を、誘電体材料のスラリーと、内部電
極材料のスラリーに、交互に、且つ上下を反転しながら
浸漬、乾燥を繰り返し、誘電体層と内部電極層を形成し
て積層体を構成してなる積層セラミックコンデンサとそ
の製造方法である。
解決するため、誘電体層と内部電極層を同心状に配置
し、対向する内部電極の引出し口を柱状の両端面に各々
引出し、両端に設けた外部電極に各々接続して成る構造
と、この積層構造を、誘電体材料のスラリーと、内部電
極材料のスラリーに、交互に、且つ上下を反転しながら
浸漬、乾燥を繰り返し、誘電体層と内部電極層を形成し
て積層体を構成してなる積層セラミックコンデンサとそ
の製造方法である。
【0006】即ち、本発明は、 内部電極層と誘電体層を交互に複数積層し、対向する
内部電極を各々まとめ、各々の外部電極に接続してなる
積層セラミックコンデンサにおいて、中央の柱状の中芯
体の上に、同心状に、対向する一対の内部電極層と誘電
体層とを交互に積層した構造を特徴とし、その柱状積層
体の両端面に設けた各々の外部電極に対向する内部電極
を各々接続して成る柱状積層セラミックコンデンサと、 内部電極層と誘電体層を交互に複数積層し、対向する
内部電極を各々まとめ、各々の外部電極に接続してなる
積層セラミックコンデンサで、その中央の柱状の中芯体
の上に、同心状に、対向する一対の内部電極層と誘電体
層とが交互に積層された構造で、その柱状積層体の両端
面に設けた各々の外部電極に、対向する内部電極を各々
接続して成る柱状積層セラミックコンデンサの製造方法
において、絶縁性セラミック粉末と、有機樹脂等の結合
材からなる柱状の圧粉成形体を中芯体として、これを乾
燥後、(操作a)低抵抗金属粉末、結合材及び溶剤等か
らなる内部電極材用スラリーに、中芯体の所定の位置ま
で、中芯体を浸漬し、これを引き上げて乾燥し、この中
芯体の上に、内部電極層を形成し、その後、(操作b)
この内部電極層を形成した中芯体を、誘電体セラミック
粉末と結合材と溶剤を含む誘電体層用セラミックスラリ
ーに所定の位置まで浸漬し、これを引き上げ乾燥して、
中芯体の内部電極層上に誘電体層を形成し、その後、
(操作c)上記の中芯体を前記内部電極材用スラリー
に、切断位置より内側の所定の位置まで浸漬し、これを
引き上げて乾燥し、対向する内部電極層を形成し、その
後、(操作d)この中芯体に、前記操作bと同じ操作に
より誘電体層を形成し、中芯体の上下を反転し、(操作
e)続いて、この積層された中芯体に、更に、操作aか
ら操作dにより内部電極層、誘電体層及び対向する内部
電極層を所定数交互に形成し、最外層として前記誘電体
層と同じ材質のスラリーまたは絶縁性セラミック粉末を
含むスラリーで保護層を形成し、乾燥後この両端部を所
定の位置で切断して、交互に積層された各内部電極層の
引出し部分をそれぞれの両端面に露出させ、これを焼成
し、セラミックコンデンサ素子を作成し、その両端部に
外部電極を形成して成ることを特徴とする柱状積層セラ
ミックコンデンサの製造方法と、 前記項記載の柱状積層セラミックコンデンサの製造
方法において、中芯体として、柱状積層セラミックコン
デンサの誘電体層を構成する材質と同じ材質から成る柱
状の圧粉体を用いることを特徴とする柱状積層セラミッ
クコンデンサの製造方法と、 前記項記載の柱状積層セラミックコンデンサの製造
方法において、中芯体として、焼結された絶縁性セラミ
ックの焼結体を用いることを特徴とする柱状積層セラミ
ックコンデンサの製造方法と、 前記項記載の柱状積層セラミックコンデンサの製造
方法において、中芯体として、有機樹脂の結合材のみか
ら成る柱状成形体を用いることを特徴とする柱状積層セ
ラミックコンデンサの製造方法である。
内部電極を各々まとめ、各々の外部電極に接続してなる
積層セラミックコンデンサにおいて、中央の柱状の中芯
体の上に、同心状に、対向する一対の内部電極層と誘電
体層とを交互に積層した構造を特徴とし、その柱状積層
体の両端面に設けた各々の外部電極に対向する内部電極
を各々接続して成る柱状積層セラミックコンデンサと、 内部電極層と誘電体層を交互に複数積層し、対向する
内部電極を各々まとめ、各々の外部電極に接続してなる
積層セラミックコンデンサで、その中央の柱状の中芯体
の上に、同心状に、対向する一対の内部電極層と誘電体
層とが交互に積層された構造で、その柱状積層体の両端
面に設けた各々の外部電極に、対向する内部電極を各々
接続して成る柱状積層セラミックコンデンサの製造方法
において、絶縁性セラミック粉末と、有機樹脂等の結合
材からなる柱状の圧粉成形体を中芯体として、これを乾
燥後、(操作a)低抵抗金属粉末、結合材及び溶剤等か
らなる内部電極材用スラリーに、中芯体の所定の位置ま
で、中芯体を浸漬し、これを引き上げて乾燥し、この中
芯体の上に、内部電極層を形成し、その後、(操作b)
この内部電極層を形成した中芯体を、誘電体セラミック
粉末と結合材と溶剤を含む誘電体層用セラミックスラリ
ーに所定の位置まで浸漬し、これを引き上げ乾燥して、
中芯体の内部電極層上に誘電体層を形成し、その後、
(操作c)上記の中芯体を前記内部電極材用スラリー
に、切断位置より内側の所定の位置まで浸漬し、これを
引き上げて乾燥し、対向する内部電極層を形成し、その
後、(操作d)この中芯体に、前記操作bと同じ操作に
より誘電体層を形成し、中芯体の上下を反転し、(操作
e)続いて、この積層された中芯体に、更に、操作aか
ら操作dにより内部電極層、誘電体層及び対向する内部
電極層を所定数交互に形成し、最外層として前記誘電体
層と同じ材質のスラリーまたは絶縁性セラミック粉末を
含むスラリーで保護層を形成し、乾燥後この両端部を所
定の位置で切断して、交互に積層された各内部電極層の
引出し部分をそれぞれの両端面に露出させ、これを焼成
し、セラミックコンデンサ素子を作成し、その両端部に
外部電極を形成して成ることを特徴とする柱状積層セラ
ミックコンデンサの製造方法と、 前記項記載の柱状積層セラミックコンデンサの製造
方法において、中芯体として、柱状積層セラミックコン
デンサの誘電体層を構成する材質と同じ材質から成る柱
状の圧粉体を用いることを特徴とする柱状積層セラミッ
クコンデンサの製造方法と、 前記項記載の柱状積層セラミックコンデンサの製造
方法において、中芯体として、焼結された絶縁性セラミ
ックの焼結体を用いることを特徴とする柱状積層セラミ
ックコンデンサの製造方法と、 前記項記載の柱状積層セラミックコンデンサの製造
方法において、中芯体として、有機樹脂の結合材のみか
ら成る柱状成形体を用いることを特徴とする柱状積層セ
ラミックコンデンサの製造方法である。
【0007】
【作用】同心状に形成されているので、平面的に積層し
た従来の物に比べ、同じ体積では有効部分を多くとれ
る。即ち、平面状に積層する場合に比べ、外部電極引き
出し方向と直角方向の誘電体層の不活性部分は同心状な
ので零にでき、体積効率を高くでき、大容量化、小型化
できる。又、柱状の中芯体を、スラリーに浸漬する方法
で誘電体や内部電極の層が成膜できるので、非常に薄い
誘電体層や電極層を簡単な装置で、しかも簡単な作業で
製作できる。
た従来の物に比べ、同じ体積では有効部分を多くとれ
る。即ち、平面状に積層する場合に比べ、外部電極引き
出し方向と直角方向の誘電体層の不活性部分は同心状な
ので零にでき、体積効率を高くでき、大容量化、小型化
できる。又、柱状の中芯体を、スラリーに浸漬する方法
で誘電体や内部電極の層が成膜できるので、非常に薄い
誘電体層や電極層を簡単な装置で、しかも簡単な作業で
製作できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の柱状積層セラミックコンデン
サの実施例に付いて図面を参照して説明する。図1は本
発明の実施例1の柱状セラミックコンデンサを示し、図
1(a)は図1(b)におけるA−A断面を示す正面
図、図1(b)は図1(a)におけるB−B断面を示す
側面図で、図2は本発明の実施例1で柱状積層セラミッ
クコンデンサの製造方法の積層工程を説明する説明図で
ある。
サの実施例に付いて図面を参照して説明する。図1は本
発明の実施例1の柱状セラミックコンデンサを示し、図
1(a)は図1(b)におけるA−A断面を示す正面
図、図1(b)は図1(a)におけるB−B断面を示す
側面図で、図2は本発明の実施例1で柱状積層セラミッ
クコンデンサの製造方法の積層工程を説明する説明図で
ある。
【0009】実施例1。図2は、本発明の実施例の説明
に用いる成膜手順の要部を示した模式図である。図2
(a)は、絶縁性セラミックスの柱状の中芯体6を示
し、この中芯体6は、アルミナ粉末を結合材と共に圧粉
成形したもので、直径0.5mmの円柱状の圧粉体を用
いた。図2(b)は、その上に、第1層目として、内部
電極4層を成膜した状態を示し、内部電極材用スラリー
として、銀80%、パラジウム20%の混合粉に、エチ
ルセルロースと、アルファテルピネオールを加えて、混
合分散した液を用い、この内部電極材用スラリーに中芯
体6の一端を所定の深さまで浸漬し、これを引き上げた
後、乾燥して、乾燥後の膜厚が約3μmとなるように成
膜した。図2(c)は、前記内部電極4層が塗布された
中芯体6上の全面に誘電体層3を形成した状態を示す。
この誘電体層3の原料となる誘電体層用セラミックスラ
リーは、ニッケル、ニオブ等が添加されたチタン酸ジル
コン酸鉛(PZT)系の、誘電率が約14000の誘電
体粉末に、有機樹脂のバインダとしてポリビニルブチラ
ールを4wt%を加え、溶剤としてエチルセルソルブを
添加して所定の厚さの誘電体層が得られる濃度にしたも
のを用いた。この誘電体層用セラミックスラリーに、図
2(b)の操作で第一の内部電極4層を成膜した中芯体
6を、所定の位置まで浸漬して、これを引き上げ、乾燥
して、誘電体層3を乾燥後の厚みが約12μmとなるよ
うに成膜した。図2(d)は、図2(b)で形成した内
部電極4層に対向する内部電極5が、この誘電体層3が
形成された中芯体6の上下を反転して、その上に、形成
された状態を示す。中芯体6は、図2(b)で用いたと
同じ内部電極層用スラリーに所定の位置まで浸漬され、
引き上げられ、これを乾燥して対向する内部電極5層を
形成する。この対向する内部電極5及び内部電極4は、
図2(h)に示すこの積層体をコンデンサ素子に切断す
るための切断位置8、9で切断したとき、各々の対向す
る内部電極が積層体の両端面に露出するように配置され
ている。図2(e)は、上記した誘電体層(図2(c)
の3)と同様な操作で成膜を行って、全面に誘電体層3
を形成した状態を示す。更に、この積層体の上下を反転
して、図2(f)に示すように内部電極4層を形成し、
乾燥後、続けて、図2(g)に示すように、その上に誘
電体層3を形成する。必要により更に続けて、図2
(d)から図2(g)までの操作を繰り返して、内部電
極4層、誘電体層3、対向する内部電極5層、誘電体層
3を順次積層して、積層された中芯体6を作成する。こ
のようにして、所定の積層数を積層された中芯体6の上
に、図2(h)及び図1に断面で示すように、一番外側
に保護層7として誘電体層3と同じ材質のスラリー、ま
たは絶縁性セラミック粉末のスラリーを用いて、誘電体
層3より厚めに積層して、中芯体6の積層を完成する。
この積層された中芯体6を乾燥した後、図2(h)に示
す切断位置8、9で切断して、図1に示すコンデンサ素
子1にする。このコンデンサ素子1を脱バインダの後、
焼結し、図1に示すように、この焼結されたコンデンサ
素子1の各々の内部電極4、5が、各々の外部電極2に
接続するように積層体の両端に外部電極2を加工し、柱
状積層セラミックコンデンサを完成する。
に用いる成膜手順の要部を示した模式図である。図2
(a)は、絶縁性セラミックスの柱状の中芯体6を示
し、この中芯体6は、アルミナ粉末を結合材と共に圧粉
成形したもので、直径0.5mmの円柱状の圧粉体を用
いた。図2(b)は、その上に、第1層目として、内部
電極4層を成膜した状態を示し、内部電極材用スラリー
として、銀80%、パラジウム20%の混合粉に、エチ
ルセルロースと、アルファテルピネオールを加えて、混
合分散した液を用い、この内部電極材用スラリーに中芯
体6の一端を所定の深さまで浸漬し、これを引き上げた
後、乾燥して、乾燥後の膜厚が約3μmとなるように成
膜した。図2(c)は、前記内部電極4層が塗布された
中芯体6上の全面に誘電体層3を形成した状態を示す。
この誘電体層3の原料となる誘電体層用セラミックスラ
リーは、ニッケル、ニオブ等が添加されたチタン酸ジル
コン酸鉛(PZT)系の、誘電率が約14000の誘電
体粉末に、有機樹脂のバインダとしてポリビニルブチラ
ールを4wt%を加え、溶剤としてエチルセルソルブを
添加して所定の厚さの誘電体層が得られる濃度にしたも
のを用いた。この誘電体層用セラミックスラリーに、図
2(b)の操作で第一の内部電極4層を成膜した中芯体
6を、所定の位置まで浸漬して、これを引き上げ、乾燥
して、誘電体層3を乾燥後の厚みが約12μmとなるよ
うに成膜した。図2(d)は、図2(b)で形成した内
部電極4層に対向する内部電極5が、この誘電体層3が
形成された中芯体6の上下を反転して、その上に、形成
された状態を示す。中芯体6は、図2(b)で用いたと
同じ内部電極層用スラリーに所定の位置まで浸漬され、
引き上げられ、これを乾燥して対向する内部電極5層を
形成する。この対向する内部電極5及び内部電極4は、
図2(h)に示すこの積層体をコンデンサ素子に切断す
るための切断位置8、9で切断したとき、各々の対向す
る内部電極が積層体の両端面に露出するように配置され
ている。図2(e)は、上記した誘電体層(図2(c)
の3)と同様な操作で成膜を行って、全面に誘電体層3
を形成した状態を示す。更に、この積層体の上下を反転
して、図2(f)に示すように内部電極4層を形成し、
乾燥後、続けて、図2(g)に示すように、その上に誘
電体層3を形成する。必要により更に続けて、図2
(d)から図2(g)までの操作を繰り返して、内部電
極4層、誘電体層3、対向する内部電極5層、誘電体層
3を順次積層して、積層された中芯体6を作成する。こ
のようにして、所定の積層数を積層された中芯体6の上
に、図2(h)及び図1に断面で示すように、一番外側
に保護層7として誘電体層3と同じ材質のスラリー、ま
たは絶縁性セラミック粉末のスラリーを用いて、誘電体
層3より厚めに積層して、中芯体6の積層を完成する。
この積層された中芯体6を乾燥した後、図2(h)に示
す切断位置8、9で切断して、図1に示すコンデンサ素
子1にする。このコンデンサ素子1を脱バインダの後、
焼結し、図1に示すように、この焼結されたコンデンサ
素子1の各々の内部電極4、5が、各々の外部電極2に
接続するように積層体の両端に外部電極2を加工し、柱
状積層セラミックコンデンサを完成する。
【0010】その結果、静電容量が50nFの柱状積層
セラミックコンデンサができた。平面状に積層した従来
の形状の製品に比べ、同じ体積で静電容量は約30%改
善され、耐圧も改善された。また、初期不良の不良発生
率も改善された。
セラミックコンデンサができた。平面状に積層した従来
の形状の製品に比べ、同じ体積で静電容量は約30%改
善され、耐圧も改善された。また、初期不良の不良発生
率も改善された。
【0011】実施例2。実施例1で用いた中芯体の原料
を誘電体層と同じ材質の誘電体粉末と結合材からなる柱
状の圧粉成形体を用いて、その他の製造条件は実施例1
と同じにして、柱状積層セラミックコンデンサを作成し
た。その結果、焼結体の歩留が改善され、実施例1の場
合より安価に製造できた。
を誘電体層と同じ材質の誘電体粉末と結合材からなる柱
状の圧粉成形体を用いて、その他の製造条件は実施例1
と同じにして、柱状積層セラミックコンデンサを作成し
た。その結果、焼結体の歩留が改善され、実施例1の場
合より安価に製造できた。
【0012】実施例3。実施例1で用いた中芯体を焼結
したアルミナの円柱を用いて、その他の製造条件は実施
例1と同じにして柱状セラミックコンデンサを作成し
た。その結果、中芯体は十分な強度がとれ、実施例1に
比べ、小型化でき、体積効率の良い製品が出来た。
したアルミナの円柱を用いて、その他の製造条件は実施
例1と同じにして柱状セラミックコンデンサを作成し
た。その結果、中芯体は十分な強度がとれ、実施例1に
比べ、小型化でき、体積効率の良い製品が出来た。
【0013】実施例4。実施例1で用いた中芯体を結合
材のみから出来た円柱を用いて、その他の製造条件は実
施例1と同じにして柱状セラミックコンデンサを作成し
た。その結果、中芯体は焼結時に分解揮発し、実施例1
に比べ、軽量化でき、また誘電体の使用量が節減され、
安価で軽量化された製品が出来た。又、特に信頼性を必
要とする場合、誘電体層を形成するとき薄い濃度のセラ
ミックスラリーに複数回浸漬して、所定の厚みとするこ
とで、ピンホール等のない誘電体層を形成した積層体が
出来、信頼性の高い製品が得られた。
材のみから出来た円柱を用いて、その他の製造条件は実
施例1と同じにして柱状セラミックコンデンサを作成し
た。その結果、中芯体は焼結時に分解揮発し、実施例1
に比べ、軽量化でき、また誘電体の使用量が節減され、
安価で軽量化された製品が出来た。又、特に信頼性を必
要とする場合、誘電体層を形成するとき薄い濃度のセラ
ミックスラリーに複数回浸漬して、所定の厚みとするこ
とで、ピンホール等のない誘電体層を形成した積層体が
出来、信頼性の高い製品が得られた。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、積
層セラミックコンデンサの小型化、大容量化が可能で、
簡単な製造装置と簡単な作業で作れる柱状積層セラミッ
クコンデンサと、その柱状積層セラミックコンデンサの
製造方法を提供できる。
層セラミックコンデンサの小型化、大容量化が可能で、
簡単な製造装置と簡単な作業で作れる柱状積層セラミッ
クコンデンサと、その柱状積層セラミックコンデンサの
製造方法を提供できる。
【図1】本発明の実施例の柱状積層セラミックコンデン
サの断面図を示し、図1(a)は図1(b)におけるA
−A断面を示す正面図、図1(b)は図1(a)におけ
るB−B断面を示す側面図。
サの断面図を示し、図1(a)は図1(b)におけるA
−A断面を示す正面図、図1(b)は図1(a)におけ
るB−B断面を示す側面図。
【図2】本発明の実施例1で柱状積層セラミックコンデ
ンサの製造方法の積層工程を説明する説明図。
ンサの製造方法の積層工程を説明する説明図。
1 セラミックコンデンサ素子 2 外部電極 3 誘電体層 4 内部電極 5 内部電極 6 中芯体 7 保護層 8 切断位置 9 切断位置
Claims (5)
- 【請求項1】 内部電極層と誘電体層を交互に複数積層
し、対向する内部電極を各々まとめ、各々の外部電極に
接続してなる積層セラミックコンデンサにおいて、中央
の柱状の中芯体の上に、同心状に、対向する一対の内部
電極層と誘電体層とを交互に積層した構造を特徴とし、
その柱状積層体の両端面に設けた各々の外部電極に対向
する内部電極を各々接続して成る柱状積層セラミックコ
ンデンサ。 - 【請求項2】 内部電極層と誘電体層を交互に複数積層
し、対向する内部電極を各々まとめ、各々の外部電極に
接続してなる積層セラミックコンデンサで、その中央の
柱状の中芯体の上に、同心状に、対向する一対の内部電
極層と誘電体層とが交互に積層された構造で、その柱状
積層体の両端面に設けた各々の外部電極に、対向する内
部電極を各々接続して成る柱状積層セラミックコンデン
サの製造方法において、絶縁性セラミック粉末と、有機
樹脂等の結合材からなる柱状の圧粉成形体を中芯体とし
て、これを乾燥後、 (操作a)低抵抗金属粉末、結合材及び溶剤等からなる
内部電極材用スラリーに、中芯体の所定の位置まで、中
芯体を浸漬し、これを引き上げて乾燥し、この中芯体の
上に、内部電極層を形成し、その後、 (操作b)この内部電極層を形成した中芯体を、誘電体
セラミック粉末と結合材と溶剤を含む誘電体層用セラミ
ックスラリーに所定の位置まで浸漬し、これを引き上げ
乾燥して、中芯体の内部電極層上に誘電体層を形成し、
その後、 (操作c)上記の中芯体を前記内部電極材用スラリー
に、切断位置より内側の所定の位置まで浸漬し、これを
引き上げて乾燥し、対向する内部電極層を形成し、その
後、 (操作d)この中芯体に、前記操作bと同じ操作により
誘電体層を形成し、その後、中芯体の上下を反転し、 (操作e)続いて、この積層された中芯体に、更に、操
作aから操作dにより内部電極層、誘電体層及び対向す
る内部電極層を所定数交互に形成し、最外層として前記
誘電体層と同じ材質のスラリーまたは絶縁性セラミック
粉末を含むスラリーで保護層を形成し、乾燥後この両端
部を所定の位置で切断して、交互に積層された各内部電
極層の引出し部分をそれぞれの両端面に露出させ、これ
を焼成し、セラミックコンデンサ素子を作成し、その両
端部に外部電極を形成して成ることを特徴とする柱状積
層セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の柱状積層セラミックコン
デンサの製造方法において、中芯体として、柱状積層セ
ラミックコンデンサの誘電体層を構成する材質と同じ材
質から成る柱状の圧粉体を用いることを特徴とする柱状
積層セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項4】 請求項2記載の柱状積層セラミックコン
デンサの製造方法において、中芯体として、焼結された
絶縁性セラミックの焼結体を用いることを特徴とする柱
状積層セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項5】 請求項2記載の柱状積層セラミックコン
デンサの製造方法において、中芯体として、有機樹脂の
結合材のみから成る柱状成形体を用いることを特徴とす
る柱状積層セラミックコンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34543592A JPH06168843A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 柱状積層セラミックコンデンサとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34543592A JPH06168843A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 柱状積層セラミックコンデンサとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06168843A true JPH06168843A (ja) | 1994-06-14 |
Family
ID=18376577
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34543592A Pending JPH06168843A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 柱状積層セラミックコンデンサとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06168843A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001075983A2 (en) * | 2000-04-04 | 2001-10-11 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Multilayer capacitor structure having an array of concentric ring-shaped plates for deep sub-micron cmos |
DE102012217168A1 (de) * | 2012-09-24 | 2014-04-17 | Siemens Aktiengesellschaft | Verfahren zum Herstellen eines Kondensators und Kondensator |
DE102014200347A1 (de) * | 2014-01-10 | 2015-07-16 | Siemens Aktiengesellschaft | Kondensator |
-
1992
- 1992-11-30 JP JP34543592A patent/JPH06168843A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001075983A2 (en) * | 2000-04-04 | 2001-10-11 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Multilayer capacitor structure having an array of concentric ring-shaped plates for deep sub-micron cmos |
WO2001075983A3 (en) * | 2000-04-04 | 2002-05-10 | Koninkl Philips Electronics Nv | Multilayer capacitor structure having an array of concentric ring-shaped plates for deep sub-micron cmos |
DE102012217168A1 (de) * | 2012-09-24 | 2014-04-17 | Siemens Aktiengesellschaft | Verfahren zum Herstellen eines Kondensators und Kondensator |
DE102014200347A1 (de) * | 2014-01-10 | 2015-07-16 | Siemens Aktiengesellschaft | Kondensator |
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