JPH06168729A - 固体電解質型燃料電池およびその製造方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池およびその製造方法

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JPH06168729A
JPH06168729A JP4321663A JP32166392A JPH06168729A JP H06168729 A JPH06168729 A JP H06168729A JP 4321663 A JP4321663 A JP 4321663A JP 32166392 A JP32166392 A JP 32166392A JP H06168729 A JPH06168729 A JP H06168729A
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electrolyte
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敏雄 松島
Isao Nemoto
勲 根本
Toshitaka Yumiba
利恭 弓場
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体電解質型燃料電池およびその製造方法に
おいて、ガスシールを容易にして、発電モジュールの構
成を容易にする。 【構成】 単位発電セル7の構造に関して、機械的な強
度が得られる中空状の電極基板1を使用し、ガス通路と
なる貫通口6を開口位置をずらして途中で折り曲げて重
ねた構造とし、この重なった部分の表面に電解質2と他
の電極3を形成することにより、2種類のガスが発電反
応を終了するまで電極基板1の内外で隔離される構造と
する。このようなセル7を直列接続して発電モジュール
をとする場合は、貫通口6の先端の開口位置を一方のガ
スの供給室とし、位置のずれた他端の開口位置をガス排
出室とし、電解質2と他の電極3の形成部分を発電室と
することにより、一方のガスの供給室と他方のガスが供
給される発電室が隣接しないようにして完壁なガスシー
ルを不要にし、セル7の固定を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極材料からなる基板
を支持体とする自己支持膜方式の固体電解質型燃料電池
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池(以下、「SOF
C」と略す)は、一般には酸素イオンの選択透過性を有
する固体電解質を用い、これを挟んで両側に酸化剤極と
燃料極を配置した構造を基本とし、各電極に酸素を含む
ガスと水素を含むガスを供給することで発電を行うもの
である。これらのうち、固体電解質は酸素イオンの透過
性のみに優れていることが要求され、ガスの透過が無い
ような緻密な焼結体が要求される。従来、電解質材料と
しては酸素イオンの透過性に優れるイットリア安定化ジ
ルコニア(以下、YSZと略す)が使用されているが、
電解質に必要な緻密体を得るには1350℃以上の高温
での焼結が必要である。一方、2つの電極はガスが固体
電解質と電極の界面に接触しやすい多孔性であることが
要求されている。このうち、燃料電極にはニッケル(ま
たは酸化ニッケル)とYSZとのサーメットが使用さ
れ、電極はこのサーメットを1300〜1400℃で所
定の時間焼結することで作成されていた。一方、酸化剤
極は導電性に優れる複合酸化物としてペロブスカイト構
造を持つLaSrMnO3系の物質が使用されている。
しかし、LaSrMnO3はYSZや燃料極よりもはる
かに焼結性が高く、この物質によって必要な多孔性を持
つ電極を得るためにはYSZや燃料電極と異なり、11
00〜1200℃程度の低い温度での焼結が必要とされ
ていた。このように各材料の最適焼結温度にはズレが有
った。従って、これらの3種類の物質のテープキャスト
シートを積層させた後、一回の焼結(共焼結)によって
焼結体を得ることは非常に難しかった。しかし、原料の
粒径のコントロールや焼結体の物性を犠牲にすることに
よって、このような3種類のシートの積層物の焼結によ
る発電要素の単位発電セル(以下、場合により単セルも
しくはセルと略す)の作製も何とか行われてきた。
【0003】ところで、単セルの作製にあたって留意し
なければならないことは、各部材の導電率である。3者
の導電率は燃料極、酸化剤極、電解質の順に小さくな
り、各々1000℃において概ね1000、100、
0.1(S/cm)である。この中で、電解質の導電率
はとりわけ小さいので電解質についてはできるだけ薄膜
化することがセルの発電特性の向上の点から望まれてい
る。このようなことから、3種類のテープキャストシー
トを積層させた平板型のセルにおいては、各層の厚みと
しては電解質が50〜100μmで形成され、電極は1
00〜200μmの厚みが選定され、セル全体でも25
0〜500μmというのが単セルの一般的な厚みとなっ
ている。
【0004】図7にこのような従来の平板型のSOFC
の単セルの構造例を示す。図において、51は電解質、
52は燃料極、53は酸化剤極、54はインタコネク
タ、55は燃料ガス流路、56は酸化剤ガス流路、57
は単セルである。この構造例では、酸化剤極53、電解
質51、燃料極52が薄く積層されて単セル57が形成
され、このような単セル57がインタコネクタ54を介
して積層されている。ここで、各電極とインタコネクタ
54の間にはそれぞれのガス流路55,56が互いに直
角な関係の配置となるように形成されている。ところ
で、このような薄い3層構造の単セル57の焼結体を得
ることは、それ自体に難しさが存在しているが、さら
に、単セルが形成できたとしてもSOFCの発電システ
ムは、このような単セル57を電気的に直列接続して使
用する必要が有り、このためにインタコネクタ54を中
心とするガス供給用の溝を有する接続部品を介して単セ
ル57が積層できなければならない。しかし、先に述べ
たような薄膜構造のセルの機械的な強度は積層に耐える
ほど大きくは無いため、図7の単セル57は実用的な出
力を持った発電システムの構成には必ずしも適していな
いという欠点があった。
【0005】そこで、このような点を改善するため、ガ
スの供給路を備えた中空状の支持体を電極材で作製し、
この片面に電解質と他の電極層を形成し単セルを構成す
る方式が考えられた。
【0006】図8は、この方式の単位発電セル65の構
造例を示したものである。この例は、酸化剤電極材料に
よって、ガスの流路となる貫通口66を有する中空状の
基体管60を作成したもので、基体管60の表面に固体
電解質61、燃料電極62の各層を形成し、さらに燃料
電極62の反対側の基体管60の面にインタコネクタ6
3を設置している。上記酸化剤電極材料には、通常用い
られるLaSrMnO3やLaCoO3等を使用し、例え
ば押し出し成形法等で作成される。固体電解質61と燃
料電極62の各層はいずれも溶射法によって形成するこ
とができ、各々の材料にはYSZ、ニッケルとジルコニ
アが用いられる。また、インタコネクタ63も、Ni−
Al23やLaCrO3等の還元雰囲気下で安定な物質
の層を溶射によって形成されている。また、固体電解質
層61とインタコネクタ63が設けられた部分以外につ
いては、ガスの透過を防止する必要があるので、Al2
3等からなるガス不透過性被膜64で覆う。なお、各
層は、溶射だけでは無く所定の薄膜性能(薄さ、緻密さ
等)が得られれば、CVD法、テープキャスティング
法、スラリー塗布法でも作製可能である。
【0007】なお、この基体管60は酸化剤電極材料だ
けでは無く、燃料電極材料によっても製造することがで
きる。
【0008】次に、図9にこのような単位発電セル65
を組み合わせて構成した発電モジュールの組み立て例を
示す。この図は、酸化剤電極材料で作製した基体管を使
用したセルを組み合わせた例である。70は固定板、7
0−1は固定版70に設けられた溝、71は分離板、7
1−1は分離板71に設けられた貫通口、72は外容
器、73は酸化剤ガス供給口、74は燃料ガス供給口、
75は前室、76は燃焼室、77はガス排出口、78は
導電性スペーサ、79は導線、80はシール材である。
発電モジュールの構成にあたっては、単位発電セル65
を固定板70に載せた後、分離板71を貫通させ、この
様な状態で外容器72の内部に収納している。固定板7
0には単位発電セル65の取付用に溝70−1が設けら
れており、単位発電セル65はこの溝に嵌合され、嵌合
部には前室75に対するガスの気密性を確保するため、
ホウケイ酸ガラス等の非導電性ガラス融体からなるシー
ル材80が満たされる。これにより、酸化剤ガスは前室
75を経て、基体管60内の貫通口を通過して一部が発
電反応に寄与した後、燃焼室76に排出される。一方、
分離板71の貫通口71−1の部分にはスリットがあ
り、未反応の燃料ガスを燃焼室76に排出できるように
なっている。このような形状とした結果、熱膨張により
単位発電セル65に寸法変化が生じても、固定板70の
溝70−1部における気密性が確保されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示したような発電モジュール構成では、単位発電セル6
5のガス気密を長時間にわたって確保することが難しい
という問題点があった。それは、シール材として必ずし
も最適な材料が存在しておらず、ホウケイ酸ガラス等の
材料を使用せざるを得ないという理由に由来している。
つまり、ガラスと単位発電セル65の基板を形成する電
極材料には熱膨張率に差があることのみならず、ガラス
系材料にはガラス転移温度があり、この温度までは固体
状態で存在してしまうのに対し、単位発電セル65はほ
ぼ温度に比例して熱膨張していくため、シールされた部
分には昇温・降温時に無理な力が生じ、ここで破損を生
ずる恐れがあるという理由による。
【0010】本発明は、電極材料からなる中空平板を折
り曲げた構造の基板をセルの支持体とする自己支持膜方
式のSOFCに関わるもので、単セルの構造を明らかに
するとともに、電極材料によってガスの通路を有する基
板を作製し、引き続いてこの基板の表面に電解質と他の
電極を順次形成するセルの作製プロセスを具体的に明ら
かにしたもので、目的とするところはガスシールの気密
性を確保するという上記の課題を解決した高性能なSO
FCを容易に得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の固体電解質型燃料電池においては、酸化剤
極材料または燃料極材料を基板材料として用いて酸化剤
ガスまたは燃料ガスを通過させるための貫通口の開口位
置をずらして途中で折り曲げて重ねた中空状構造の電極
基板を形成し、該折り曲げられて重なった部分の表面に
電解質と前記基板材料と異なる他の電極を形成した少な
くとも1つの発電要素を有する構成とする。
【0012】この場合、基板材料として、酸化剤極材料
には、(La1-XSrXYMnO3、また、燃料極材料に
はニッケルジルコニアサーメットを使用し、多孔度とし
てはいずれも20〜40%で、導電率は1000℃にお
いて前者は80〜120S/cm、また後者は100〜
1500S/cmとし、また電解質としてイットリアを
ドープしたジルコニア酸化物を用いることができる。
【0013】また、上記の発電要素を複数個用いて発電
モジュールを構成する場合には、それらの各発電要素が
ガス透過性を有しかつ電気伝導性の材料を介して直列状
態に面接触されて直列接続され、この状態で、貫通口内
に供給するガスの供給室とこのガス排出室と他のガスが
供給される発電室とを有する容器内に収納され、ガスを
通すための前記貫通口の先端は前記ガスの供給室に開口
され、該先端よりずれた位置の該貫通口の他端は前記ガ
スの排出室に開口され、他のガスは電極基板の折り曲げ
られて重なった部分に位置する前記発電室に供給される
構成とする。
【0014】上記の固体電解質型燃料電池の第1の製造
方法としては、まず、シート成形体を順次熱融着させて
開口位置をずらして途中折り曲げて重ねた中空状構造の
グリーン体を作製しもしくは押出し成形体の両端を部分
的に機械加工して開口位置をずらして途中折り曲げて重
ねた中空状構造の成形体を作製し、次に、該グリーン体
もしくは該中空状構造の成形体を焼結させて電極基板を
作製することを特徴とする。
【0015】また、上記の固体電解質型燃料電池の第2
の製造方法としては、まず、発電要素の基板材料として
酸化剤極材料を使用し、それによって形成された電極基
板を焼結し、次に、その表面へ容射法を適用して電解質
膜および燃料極を形成することを特徴とする。
【0016】また、上記の固体電解質型燃料電池の第3
の製造方法としては、まず、発電要素の基板材料として
燃料極材料を使用し、それによって形成された電極基板
を焼結し、次に、スラリーの塗布と焼結により、また
は、溶射法により前記電極基板の表面へ電解質膜および
酸化剤極を形成することを特徴とする。
【0017】さらに、上記の固体電解質型燃料電池の第
4の製造方法としては、まず、基板材料として燃料極材
料を使用し、熱融着法により電極基板の未焼結シート成
形体を作製し、次に、電解質の未焼結シート成形体を前
記電極基板の未焼結シート成形体に熱融着法によって積
層した後焼結させ、次に、これによって得られた2層シ
ートの焼結体の前記電解質の層に重ねて、スラリー塗布
と引き続く焼結により、または溶射法により、酸化剤極
を形成することを特徴としている。
【0018】
【作用】本発明の固体電解質型燃料電池およびその製造
方法では、発電要素の構造に関して、機械的な強度が得
られる中空状構造の電極基板を使用し、ガスを通過させ
るための貫通口を、開口位置をずらして途中で折り曲げ
て重ねた構造とし、この折り曲げられ重なった部分の表
面に電解質と基板材料と異なる他の電極を形成すること
によって、発電反応に要する2種類のガスが、発電反応
を終了するまで中空状の電極基板の内外で完全に隔離さ
れる構造とする。このような発電要素を複数個直列接続
して発電モジュールを構成する場合は、一方のガスを流
す電極基板の貫通口の先端の開口位置をそのガスの供給
室とし、位置のずれた他端の開口位置を燃焼室とし、電
解質と他の電極の形成部分を発電室とすることにより、
一方のガスの供給室と他方のガスが供給される発電室と
が隣接しないようにして、完壁なガスシールを行なわな
くても発電モジュールの組み立てを行えるようにする。
また、完璧なガスシールを不要にすることにより、発電
要素の固定を容易にするとともに、発電モジュール内に
おける各発電要素の熱膨張による破壊を無くす。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳
細に説明する。
【0020】まず、本発明による単位発電セルおよび発
電モジュールの構造の一実施例を示す。
【0021】図1,図2,図3は、本発明の単位発電セ
ルの構造の一実施例を示し、図1は斜視図、図2(a)
はその正面図、図2(b)はその側面図を示している。
また、図3(a),(b)はそれぞれ図1のA−A′,
B−B′の断面図を示している。図において、1は電極
基板、2は固体電解質、3は電極、4はインタコネク
タ、5はガス不透過性被膜、6はガス通路となる貫通口
(以下、場合によりガス通路と記す)、7は単位発電セ
ルである。本実施例の単位発電セル7の構造では、ガス
を通過させるための貫通口6を有する中空状の電極基板
1を作製するにあたり、貫通口6の開口位置をずらして
途中で折り曲げて重ねた構造とし、この折り曲げられ重
なった部分の電極基板1の表面に固体電解質2を形成
し、その上に基板材料と異なる他の電極3を形成して発
電部とし、この発電部を形成した面の反対側の面にイン
タコネクタ4を設置している。インタコネクタ4は、L
aCrO3等の酸化・還元雰囲気下で安定な物質によっ
て形成する。また、固体電解質層2とインタコネクタ4
が設けられた部分以外については、ガスの透過を防止す
る必要があるので、Al23等からなるガス不透過性被
膜5で覆う。このようにして、本実施例の単位発電セル
7が構成される。
【0022】電極基板1およびセル7を形成するための
各層の形成法は、後述するセル作製法の各実施例で詳細
に説明するが、電極基板1はシート積層法や押し出し法
によって成形し、これを焼結して得ることができる。ま
た、インタコネクタ4とガス不透過性被膜5はプラズマ
溶射法で形成できる。電極基板1は、セル7を機械的に
支えるとともに電極としての機能も必要であるので多孔
質体とする必要がある。このため、使用する原料粉末の
粒径に応じて焼結条件を選定し、多孔度として例えば空
気極材料の場合には約30%、また燃料極材料の場合に
は約35%とする。一般的には、いずれの場合も20〜
40%とするのが好適である。電極基板1の大きさの一
例としては、幅が10〜20cm、長さが20〜50c
m、厚みは中空部が2層になった部分で0.5〜1cm
である。中空状の電極基板1の内部に流すガスは、電極
基板1を構成する電極材料によって必然的に決定され、
酸化材極材料によるときは空気、燃料極材料によるとき
には水素を含む燃料ガスである。なお、電極基板1の厚
みが1cm程度になったとしても、本実施例では導電率
の低い固体電解質2の層を10μm程度まで薄くするこ
とができるので、セル7全体とした考えた場合にはほと
んど問題にならない。従来の平板型で、電解質の表面に
2つの電極を形成した自己支持型セルでは、本来は薄く
したい電解質が強度上の制約から下限が生じ、これがセ
ル全体の抵抗の主な要因になっていたが、本実施例で
は、電解質の抵抗はセルの抵抗値と比較して無視するこ
とができる。なお、各電極の1000℃における導電率
としては、酸化剤極が80〜120S/cm、燃料極が
100〜1500S/cmとするのが好適である。
【0023】続いて、以上のように作製した単位発電セ
ル7を組み合わせて所定の出力を持った発電モジュール
を構成する例を述べる。図4は、本発明における発電モ
ジュールの組み立ての実施例である。この実施例では、
酸化剤極材料の基板を使用したセル7で作製した発電モ
ジュールを例とする。図において、20は下部固定板、
20−1は下部固定板20に設けたガス排出用スリッ
ト、21は上部固定板、22は外容器、23は酸化剤ガ
ス供給口、24は燃料ガス供給口、25は発電室、26
はガス供給室、27はガス排出室、28は導電性スペー
サ、39は導線、30は排気口である。なお、図中の単
位発電セル7では、電解質、電極基板と異なる他の電
極、インタコネクタ等は省略してある。
【0024】発電モジュールの構成にあたっては、単位
発電セル7を、上部固定板21と下部固定板20を貫通
させた状態で外容器22の内部に収納する。一方、単位
発電セル7が下部固定板20を貫通する部分には、ガス
排出用スリット20−1があり、燃料ガスの排出が行え
るようになっている。従って、未反応の燃料や反応生成
物である水蒸気は、下部固定板20に設けられたガス排
出用スリット20−1の隙間からガス排出室27に導か
れる。なお、図4に示すように、単位発電セル7同士の
間には、ニッケルフェルト等のガス透過性に優れた材料
からなる導電性スペーサ28が配置され、各セル7は面
接触状態で組み立てられている。従って、燃料ガスの透
過を妨げること無しに各セル7を電気的に直列接続する
ことができる。
【0025】以上の発電モジュールの構成による大きな
利点としては、上部固定板21における各単位発電セル
7の気密を必ずしも完璧に行わなくとも良い点である
(部品の加工精度の向上を図る程度の対策で良い)。こ
れは、単位発電セル7の貫通口が折り返された構造で、
しかもその開口位置がずれており、その下部に発電部が
あるため、貫通口にガスを供給するガス供給室26と発
電室25の間に燃焼室であるガス排出室27を配置でき
るためである。すなわち、上部固定板21の下は、そも
そも2つのガスが混合するガス排出室27になってお
り、多少の酸化剤ガス(例えば空気)の漏れは、発電性
能に大きな支障が無い限り特に問題にならないためであ
る。このように、ガス気密性に必要以上の気を配らなく
とも発電モジュールが組み立てられる点は、本方式の非
常に大きな利点である。
【0026】本発明のSOFCの動作にあたっては、従
来のSOFCと全く同様に、発電モジュールを1000
℃等の温度条件下に設置し、各ガスを供給するだけであ
る。酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給口23から供給さ
れ、各セル7の内部を通過し、折り返し部を通過した
後、発電部に到達して反応し、その後の残ガスがガス排
出室27に達する。従って、セル7の電極基板内に設け
たガス通路のうち、折り返し部の前の部分はガスの予熱
部となる。一方、燃料ガスは外容器22の側面に設けら
れた燃料ガス供給口24から、発電室25の内部に供給
され、ここで発電する。図では、燃料ガス供給口24が
外容器22の左側面に表示されているが、ガスと燃料極
との接触を向上させる観点から紙面の表側(または裏
側)の位置に設けることが可能である。供給された燃料
ガスは各セル7間の隙間に流入して反応することになる
が、各セル7間に配置された導電性スペーサ28は多孔
性であるので、燃料ガスの電極への拡散は支障無く行わ
れる。そして、この反応で消費されなかった燃料ガスは
ガス排出室27に導かれて、やはり反応で残った酸化剤
ガスと混合し燃焼する。そして、このような燃焼後の高
温ガスは、排出口30から外部に排出される。
【0027】一方、燃料極材料を電極基板1に使用した
単位発電セル7を用いた場合にも、上述の組立法が適用
できる。しかし、この場合、発電室25内に位置する単
セル7の外側は酸化雰囲気になるので、導電性スペーサ
28は、セル7の外周の酸化雰囲気に耐えうる材質を選
定することが必要になるが、このような点以外は酸化剤
極材料を用いたセルと異ならない。このセル7を使った
場合、導電性スペーサ28としては酸化雰囲気下で安定
な物質として、LaCrO3を繊維状にして作製した不
織布や波状板、または白金からなるメッシュ等を用い
る。
【0028】本実施例の最も大きな特徴は、電極材料に
よって、複数の貫通口を有する中空状の平板な基板を折
り畳んだような構造の電極基板を作製し、この折り重な
った部分の表面に電解質と他の電極の層を形成したこと
にある。これまで、不活性な物質からなる円筒状のパイ
プを支持管としこの表面に電解質ともう一方の電極を形
成する方式や、平坦なセルとして3種の層を形成する方
式、または、これらの改善をねらった中空平板状電極基
板を用いたセル方式が存在していた。しかし、本実施例
のように、中空状平板を折り畳んだような構造で、電極
材料からなる支持体を電極基板として使用した例は無
い。また、電極基板へのガスの供給口と排出口がいずれ
も同一方向に配置されていることも特徴であり、この結
果、基板の内外に流すガスはこの基板を使用するだけで
分離することができる。これまで、単セルへのこのよう
なガス供給方式や燃料電池の組み立て法は無い。
【0029】また、発電モジュールは、このようなセル
を外容器内の2つの固定板によって組み立てる構造とし
ている。本発明以前には、両端にガス供給と排出のため
の2つの開口部を備えた中空状電極基板を使用するセル
とそのモジュールがあった。しかし、この方式では、ガ
スシール部が必ず必要であり、ガラス系のシール剤を使
用せざるを得ない現状では長時間にわたってガスの気密
を確保することは困難であった。さらに、ガラス系材料
の軟化温度の関係で、昇温中に各単セルに無理な力が生
じ、セル等の破損をもたらす恐れもあった。これに対
し、本実施例の方式のセルでは、上述したように、必ず
しも完璧なガスシールを行わなくても発電モジュールの
構成を行うことができ、反応に要する2種類のガスは、
反応を終了するまで中空基板の内外で完全に隔離された
構造になっているので、従来の平板型の燃料電池で見ら
れたようなセルの周辺部からのガス漏れを起こすことな
く、発電モジュールの組み立てを行うことが出来る。ま
た、発電モジュール内においては、各単位発電セルは、
主にガスシールを完璧に行う必要のない上部固定板によ
って固定された構造になっているので、熱膨張によるセ
ル等の破壊を効果的に防止することが出来る。
【0030】これまで、従来の平板型SOFCでは、電
極板の機械的強度が弱く積層枚数に制限が生じるばかり
か、寸法の大きな極板の作製も困難であり、SOFCそ
のものの大出力化が出来なかったという欠点があった。
しかし、本実施例のようなセル構造とすることによっ
て、機械的強度や積層数といった従来方式で生じていた
種々の課題が解消され、大形で高性能なSOFCを容易
に実現することができる。
【0031】次に、このような中空状の電極基板を作製
し、セルを形成する具体的な製造方法の実施例について
述べる。本実施例では、電極材料によって上記のような
電極基板を作製し、この片側の面に電解質ともう一方の
電極を形成するので、基本的なプロセスとしては、まず
電極材料によって中空状基板を作製し、次にこの上に電
解質と他の電極を形成するものである。中空状基板を形
成する電極材料としては酸化剤極材料と燃料極材料とが
あるが、以下の各実施例に示すようにいずれの材料によ
っても作製が可能である。
【0032】まず、単位発電セルの製造方法の第1の実
施例として、酸化剤極材料による基板を用いたセルの製
造方法を説明する。この方式の単セルでは、折り曲げ状
の中空状基板は、シート積層法、もしくは押し出し成形
法によって作製し、この焼結体の表面に発電部を形成す
る。SOFCの酸化剤極材料としては、一般的にペロブ
スカイト構造を持つ(La1-XSrXYMnO3が広く使
用されている。そこで、この材料をとり上げ、一例とし
て組成;La0・8Sr0・2MnO3およびLa0・9Sr0・1
MnO3、粒径1〜3μmの原料粉末を使用する。
【0033】始めに、シート成形体を熱融着させる方法
で作製した中空状基板の作製例を述べる。この方法で
は、シート成形体を熱融着させて中空状基板の未焼結体
を作製し、これを焼結させる。シート成形体はドクター
ブレード法によって作製し、これに必要なスラリーは以
下の混合比(重量)で調合する。
【0034】原料粉末 100 結合剤 10〜15 可塑剤 5〜10 溶媒 200 結合剤としてはポリビニルブチラール、可塑剤としては
フタル酸ブチルを、そして溶媒としてはイソプロピルア
ルコールを使用する。溶媒は、イソプロピルアルコール
単独でも可能であるが、必要に応じてトルエンを添加し
た混合物としても使用可能である。結合剤と可塑剤の量
に範囲があるのは、使用する量が異なると、例えば粒径
が異なり表面積も変わってくるため、スラリーの性状に
差が生じてくるので、これを適切に調節するためであ
る。また、この他にやはりスラリーの性状に応じて分散
剤と消泡剤を少量添加する。このような混合物を約24
〜48時間ボールミルによって撹拌した後、減圧下で脱
気して溶媒を除去し粘度を調整し、この後ドクターブレ
ード装置によってシート成形体を得る。このようなシー
ト成形体を、所定の大きさに切断した後、加熱・加圧し
てシートの融着体を作製する。なお、この時の加熱・加
圧条件はシートの軟らかさによって変える必要がある
が、概ね70〜80kg/cm2の条件内で行なえば良
い。中空状の貫通口の形状は、この段階で、各層に重ね
るシートの枚数を変えることで任意の形とすることがで
きる。
【0035】このようなシート積層法とシートの熱融着
法によって本実施例の中空状基板を作製する方法を、概
略的に図5に示す。図示のように、予め大きなシート3
1を準備しておき、その半部強に中空部(貫通口)を形
成するための長めの短冊状シート32を重ね、次に折り
返しの仕切りとなるシート33を重ね、次に折り返しの
中空部を形成するための短めの短冊状のシートを重ね、
最後にシート31の残りの半部弱で全体を巻き込むよう
に融着することで、貫通口を形成し、その開口位置をず
らして折り曲げたような構造の中空状基板のグリーン体
を作製することができる。
【0036】なお、未焼結の中空状基板のグリーン体を
得る時に考慮すべきことは、シート成形体の収縮率であ
る。収縮はシートの成形時と焼成時において生じ、本実
施例による実験例では、成形時の収縮が主に厚み方向で
のみ観測され、おおよそ60%、また焼成時の収縮はお
およそ10%であった。このうち、特に焼成時の収縮は
焼結体の寸法に直接関わってくる。従って、このような
収縮を見込んで焼成後の焼結体が所定の大きさになるよ
うに融着体のシート枚数と大きさを選定する。
【0037】続いて、上記のように融着した中空状基板
を約400℃において脱脂し、この後1250〜135
0℃で5〜10時間焼成することで酸化剤極中空状基板
を作製する。脱脂は、原料粉末を結合させた有機物を熱
分解によって除去するもので、この工程でバインダを徐
々に除去しないと融着した基板が破損することがある。
そこで、脱脂時の昇温速度は極力抑えて行う。これによ
って、大きな中空状基板の作製が可能となり、実験例で
は大きさとして、寸法で100〜150角、厚みは5〜
10mm程度のものが作製できた。なお、焼結の進行
は、使用した原料粉末の粒径と結合剤と可塑剤の添加量
によって影響される。そこで、これらの影響を考慮し使
用原料に応じて温度と時間を適宜選定する。粒径が小さ
い原料は、表面積が大きいため低温領域から焼結が開始
するので、低温・短時間の条件で焼成する(例えば、1
250℃、2時間)。このように、焼成条件を原料粉末
や結合剤等の添加量に応じて適宜選定して焼成すること
で、原料粉末が変わっても一定の多孔度(実験例では2
5〜35%)の焼成体を得ることができる。なお、酸化
剤極の導電率は多孔度によってもある程度左右される
が、実験例では、この焼成体の正味の導電率は1000
℃において、約100S/cmであった。
【0038】一方、押し出し成形については、基板の断
面と同一の構造を持つ金型を使用することで容易に行
え、このように作製した押し出し成形体を部分的に加工
した後に焼結することで、上記した所定の電極基板が得
られる。部分的な加工とは、電極基板の折り返し部にあ
たる端部の封じとガス供給部側における単層化である。
これには、図6に示すように、中空部(貫通口)を形成
している正面方向の仕切り41と、側面方向の仕切り4
2の各先端部41a,42aの内部を部分的に切削し
て、ここに蓋43を付け、またガス供給部側に位置する
端部では、貫通口の開口位置をずらすために、単純に不
要な中空部分を1層切削して除去することで行うことが
できる。図中、切削部分は斜線部で示されている。な
お、酸化剤極材料は、焼結物としては比較的柔らかいの
で、焼結後でもこのような加工は可能である。
【0039】押し出し成形にあたっては粘土状の材料が
必要であり、これはドクターブレード法で使用するスラ
リーの粘度をはかるかに越えるものである。このような
材料を得るため原料粉末に以下の添加剤を加えて調製を
行う(混合比(重量ベース))。
【0040】原料粉末 100 結合剤 〜5 可塑剤 2〜5 溶媒 10〜15 バインダとしては、メチルセルロース系の水溶性高分子
を用いることができる(例えば、信越化学製のメトロー
ズ60SH−4000)。押し出し成形の場合、原料の
粘性によって成形体の仕上がり状況が大きく影響され、
例えば水が少ないと押し出し圧力が高くなり、成形中に
クラックが生じたり、逆に多すぎると中空構造の維持が
困難になったりする。混合比について試行した結果、上
で述べたような配合比によって満足できる成形体の作製
が可能であった。なお、押し出し成形体の焼成にあたっ
ても水分を乾燥させた後、やはり脱脂を行う必要があ
る。脱脂温度は、使用するバインダによって異なるが、
ここで使用したメチルセルロース系の水溶性高分子で
は、おおむね400℃程度で熱分解することが可能であ
った。焼成温度は、ドクターブレードシートの積層体と
同様の条件である。
【0041】続いて、このように作製した電極基板上に
電解質と燃料極薄膜を形成する。この実施例では、いず
れも膜形成にあたっては溶射法を適用する。使用できる
溶射機としては、大気溶射法によるものなどがあり、電
解質材質には例えば8モル安定化YSZ(粒径:10〜
50μm)を使用する。電解質の厚みとしては、100
μmを目標に作製する。実験例によれば、この膜のガス
透過率は1〜5×10-6(cc・cm/sec・(g/
cm2)cm2)であった。また、燃料極としては、材料
に酸化ニッケル粉末(粒径:10〜50μm)を使用す
る。燃料極はそもそも多孔質体が望ましいので、電解質
よりも膜形成は容易に行なうことが出来る。電極は20
0〜300μm程度の厚みで作製する。実験例によれ
ば、この膜のガス透過率は10-4(cc・cm/sec
・(g/cm2)cm2)オーダーであった。
【0042】次に、単位発電セルの製造方法の第2の実
施例として、燃料極材料による基板を用いたセルの製造
方法を説明する。
【0043】燃料極材料による中空状基板を用いたセル
についても、基板の作製はシート積層法、押し出し成形
法によって行なうことができる。そして、電解質と酸化
剤極膜の形成も溶射法を基本にすることができる。ただ
し、ここでは基板が電解質のYSZと同程度に耐熱性の
高いニッケルジルコニアサーメットであるので、(1)
電解質と酸化剤極の作製に、スラリーの塗布と焼結、お
よび(2)シート積層法の場合、YSZシートを燃料極
中空状基板のシート積層体に同時に積層し、これを共焼
結する方法によっても行なうことができる。
【0044】燃料極材料については、ニッケルを体積%
で40〜50含むNi−YSZを出発原料に使用する。
この粉末は、酸化ニッケル(#200メッシュ以下)と
YSZ(トーソー製、TZ−8Y)から作製し、ニッケ
ルが所定の体積%となるように各粉末を秤量した後混合
し、これにエタノールを加えボールミルで24〜48時
間混合して調製する。
【0045】シート成形体の熱融着による中空状基板の
作製は、酸化剤極材料の場合とほぼ同様である。中空状
基板の材料となるシート成形体はここでもドクターブレ
ード法により作製し、これに必要なスラリーは以下の混
合比(重量)とする。
【0046】原料粉末 100 結合剤 10〜15 可塑剤 5〜10 溶媒 200 中空状基板の作製にあたっては、やはり加熱・加圧時に
積層するシートの枚数や大きさを適宜選定することで任
意の寸法の中空状の融着体を得る。このように作製した
中空状の融着体を、約400℃で脱脂し、この後125
0〜1400℃の温度で5〜10時間焼成すると、燃料
極材料からなる中空基板の焼結体が作製できる。ここで
も、焼成条件は使用した原料粉末の粒径に応じて選定す
るが、高温・長時間にすることで還元後の導電率は高く
なる半面、多孔度は減少する。従って、還元後の導電率
が1000℃において約1000S/cmとなることを
目標に焼成を行なう。上記原料粉末を使用した実験例で
は、1300℃、5時間でほぼ所期の目標性能を満足す
る中空状基板の焼結体を得ることができた。
【0047】なお、成形体の作製にあたってシート成形
体の収縮率を考慮すべきことは、酸化剤極材料の場合と
同様である。ただし、この材料の場合には、成形時の収
縮は約60%と酸化剤極材料とほぼ等しかったが、焼成
時の値はおおよそ20%であったので、このような収縮
率を見込んで融着体のシート枚数と大きさの選定を行う
必要がある。
【0048】続いて、このように作製した電極基板に、
電解質と燃料極薄膜を形成する。1つの形成方法として
は、いずれの膜も溶射法によって形成することができ
る。使用できる溶射機としては大気溶射法によるものな
どがあり、電解質材質には8モル安定化YSZ(粒径:
10〜50μm)を使用し、先程述べたガス透過率を有
する電解質を、やはり厚み100μmを目標に作製す
る。また、酸化剤極としては、La0・8Sr0・2MnO3
の造粒粉末(粒径:100〜200μm)を溶射して2
00〜300μmの厚みで作製する。La0・8Sr0・2
nO3の粉末は融点が低いので、多孔性にするためには
溶射炎の中での溶融を抑える必要があり、このため先に
示したような比較的粒径が大きめの粉末を使用するのが
好適である。この膜のガス透過率も、実験例によれば燃
料極と同様に10-4(cc・cm/sec・(g/cm
2)cm2)オーダーであった。
【0049】一方、電解質と酸化剤極薄膜の形成は、ス
ラリーの塗布と焼結プロセスによる方法によっても行な
える。具体的には、以下に述べるプロセスで行う。
【0050】スラリー塗布による場合は、電解質を形成
した後、酸化剤極の形成を行う。電解質のスラリーは原
料粉末としてYSZ(トーソー製、TZ−8Y)を使用
し、これにポリエチレングリコールとエタノールを添加
して調製する。ポリエチレングリコールとエタノールの
混合比は、前者の割合を1〜5%程度とし、これにYS
Z粉末を加えて作製し、これをスクリーン印刷法によっ
て200メッシュのスクリーンを通して塗布する。塗布
厚みは50〜100μmとする。なお、スラリーの粘度
は、エタノールの蒸発によって変わるので、この蒸発量
を制御することにより作業に適したスラリーを得ること
ができる。このように塗布した電解質スラリーを130
0〜1400℃で1〜2時間焼結することにより、緻密
な電解質膜が形成できる。電解質膜の形成にあたって
は、スラリーの塗布厚みを薄く抑え、塗布と焼結を複数
回行なうことも有効である。次に、このように形成した
電解質膜に重ねて、酸化剤極の薄膜を形成する。酸化剤
極粉末としては、組成;La0・8Sr0・2MnO3および
La0・9Sr0・1MnO3、粒径1〜3μmの原料を使用
する。スラリーの調合方法と塗布方法は、上で述べた電
解質スラリーの場合と同様である。しかし、この場合の
焼結温度は1200〜1350℃とする。
【0051】次に、共焼結によって電極基板と電解質膜
を同時に形成し、この上に酸化剤極を形成する事例につ
いて述べる。
【0052】共焼結の場合、重要なことは対象とする材
料の未焼結シートの収縮率が極力一致することである。
また、ここでの共焼結においてさらにポイントとなるこ
とは、電極基板は多孔性を保ち、電解質は緻密となるこ
とである。このような要求条件を満たすため、電極基板
のシート作製にあたっては、先にドクターブレード法で
使用するスラリーの調合法の際に述べた材料に固定し、
電解質シートの作製にあたって、粉末粒径とスラリー調
合時の混合比(重量)を変更する。ここでは、電解質の
材料粉末として、より焼結性の高い微小粒径粉末を使用
する。先に使用したYSZ(トーソー製、TZ−8Y)
の粒径は、約0.3μmであるが。粉砕処理により粒径
を0.1μm程度にしたものを使用する。また、焼結時
の収縮率はスラリー調合時の各添加物の量によっても影
響されるので、電解質シートのスラリーの作製にあたっ
ては、シートの強度への影響が少ない可塑剤の量を減ら
し、以下の混合比(重量)とする。
【0053】原料粉末 100 結合剤 10〜15 可塑剤 5 溶媒 200 燃料極中空状基板の作製法の際にも述べたように、燃料
極シートの収縮は実験例によるとおよそ20%であった
が、電解質シートをこのように調製することで、両者の
収縮率をほぼ一致させることができる。また、1300
〜1400℃の温度で焼成することで、電解質は緻密体
とすることができる。そして、このように形成した電解
質膜に重ねて、酸化剤極の薄膜をスラリー塗布・焼結プ
ロセスによって形成する。主な方法は、先に述べたよう
に、組成;La0・8Sr0・2MnO3およびLa0・9Sr
0・1MnO3、粒径1〜3μmの酸化剤極粉末原料を使用
し、このスラリーを調合・塗布し、1200〜1350
℃で焼結させる。
【0054】一方、押し出し成形については、押し出し
試料の調製法と、中空状基板を得るための機械加工も、
既に述べた酸化剤極材料によって行なう方法と全て同一
である。なお、焼成にあたっては、水分乾燥と脱脂は酸
化剤極と同様であるが、焼成温度は、燃料電極のドクタ
ーブレードシートの積層体と同様の条件とする。このよ
うな基板上に溶射法あるいはスラリー塗布・焼結によっ
て電解質・酸化剤極の薄膜を形成する。これらにあたっ
ては、いずれも先に示した作製条件で行なうことができ
る。
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
固体電解質型燃料電池およびその製造方法によれば、発
電反応に要する2種類のガスは、発電反応を終了するま
で中空状の電極基板の内外で完全に隔離され、しかもそ
のガス通路が折り返され、開口位置が同一方向にあって
ずれているので、その2種類のガスを供給する部室の間
に両ガスの排出室を設ける構造とすることができ、ガス
シールを完璧に行う必要性をなくすことができる。従っ
て、従来の平板型の燃料電池で見られるようなセルの周
辺部からのガス漏れを起こすことの無い発電モジュール
の組立を行なうことが出来る。また、発電モジュール内
における各発電要素は、ガスシールを完璧に行う必要の
ない構造で支えればよいので、熱膨張によるセル等の破
壊を効果的に防止することが出来る。また、電極基板の
機械的強度が高まるとともに、寸法の大きな電極基板の
作製が容易になり、大形化と大出力を容易に実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質型燃料電池およびその製造
方法の一実施例の構造を示す斜視図
【図2】(a),(b)は上記実施例の正面図と側面図
【図3】(a),(b)は図1のA−A′断面図とB−
B′断面図
【図4】上記実施例の単位発電セルを組み込んだ発電モ
ジュールの構造を示す断面図
【図5】シート積層法による本発明の電極基板の作製法
を示す説明図
【図6】押し出し成形法による本発明の電極基板の作製
法を示す説明図
【図7】従来の平板型燃料電池単セルの構造例を示す斜
視図
【図8】従来の中空状電極基板を使用した燃料電池単セ
ルの構造例を示す斜視図
【図9】従来の単位発電セルを組み込んだSOFC発電
モジュールの構造例を示す断面図
【符号の説明】
1…電極基板 2…固体電解質 3…電極 4…インタコネクタ 5…ガス不透過性被膜 6…ガス通路(貫通口) 7…単位発電セル 20…下部固定板 20−1…ガス排出用スリット 21…上部固定板 22…外容器 23…酸化剤ガス供給口 24…燃料ガス供給口 25…発電室 26…ガス供給室 27…ガス排出室 28…導電性スペーサ 29…導線 30…排気口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化剤極材料または燃料極材料を基板材
    料として用いて酸化剤ガスまたは燃料ガスを通過させる
    ための貫通口の開口位置をずらして途中で折り曲げて重
    ねた中空状構造の電極基板を形成し、該折り曲げられて
    重なった部分の表面に電解質と前記基板材料と異なる他
    の電極を形成した少なくとも1つの発電要素を有するこ
    とを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の固体電解質型燃料電池に
    おいて、基板材料として、酸化剤極材料には、(La
    1-XSrXYMnO3、また、燃料極材料にはニッケルジ
    ルコニアサーメットを使用し、多孔度としてはいずれも
    20〜40%で、導電率は1000℃において前者は8
    0〜120S/cm、また後者は100〜1500S/
    cmとし、また電解質としてイットリアをドープしたジ
    ルコニア酸化物を用いることを特徴とする固体電解質型
    燃料電池。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の固体電解質型燃料電池に
    おいて、複数個の発電要素を備え、それらの各発電要素
    がガス透過性を有しかつ電気伝導性の材料を介して直列
    状態に面接触されて直列接続され、この状態で、貫通口
    内に供給するガスの供給室とこのガス排出室と他のガス
    が供給される発電室とを有する容器内に収納され、ガス
    を通すための前記貫通口の先端は前記ガスの供給室に開
    口され、該先端よりずれた位置の該貫通口の他端は前記
    ガスの排出室に開口され、他のガスは電極基板の折り曲
    げられて重なった部分に位置する前記発電室に供給され
    て成る発電モジュール構造を有することを特徴とする固
    体電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の固体電解質型燃料電池の
    製造方法であって、まず、シート成形体を順次熱融着さ
    せて開口位置をずらして途中折り曲げて重ねた中空状構
    造のグリーン体を作製しもしくは押出し成形体の両端を
    部分的に機械加工して開口位置をずらして途中折り曲げ
    て重ねた中空状構造の成形体を作製し、次に、該グリー
    ン体もしくは該中空状構造の成形体を焼結させて電極基
    板を作製することを特徴とする固体電解質型燃料電池の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の固体電解質型燃料電池の
    製造方法であって、まず、発電要素の基板材料として酸
    化剤極材料を使用し、それによって形成された電極基板
    を焼結し、次に、その表面へ容射法を適用して電解質膜
    および燃料極を形成することを特徴とする固体電解質型
    燃料電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の固体電解質型燃料電池の
    製造方法であって、まず、発電要素の基板材料として燃
    料極材料を使用し、それによって形成された電極基板を
    焼結し、次に、スラリーの塗布と焼結により、または、
    溶射法により前記電極基板の表面へ電解質膜および酸化
    剤極を形成することを特徴とする固体電解質型燃料電池
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の固体電解質型燃料電池の
    製造方法であって、まず、基板材料として燃料極材料を
    使用し、熱融着法により電極基板の未焼結シート成形体
    を作製し、次に、電解質の未焼結シート成形体を前記電
    極基板の未焼結シート成形体に熱融着法によって積層し
    た後焼結させ、次に、これによって得られた2層シート
    の焼結体の前記電解質の層に重ねて、スラリー塗布と引
    き続く焼結により、または溶射法により、酸化剤極を形
    成することを特徴とする固体電解質型燃料電池の製造方
    法。
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