JPH06349515A - 固体電解質型燃料電池およびその運転方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池およびその運転方法

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JPH06349515A
JPH06349515A JP5163806A JP16380693A JPH06349515A JP H06349515 A JPH06349515 A JP H06349515A JP 5163806 A JP5163806 A JP 5163806A JP 16380693 A JP16380693 A JP 16380693A JP H06349515 A JPH06349515 A JP H06349515A
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oxidant gas
fuel cell
cell
stack
solid oxide
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JP5163806A
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Toshio Matsushima
敏雄 松島
Isao Nemoto
勲 根本
Toshitaka Yumiba
利恭 弓場
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各基板間や基板間に生じる温度分布の発生を
抑制することにより、中空状基板に作製した単セルを直
列接続して所定の出力電圧を得る固体電解質型燃料電池
を提供する。 【構成】 スタックの両側にそれぞれ酸化剤ガス導入室
21、24と酸化剤ガス排出室22、23が配置され、
該スタック内において単セルの貫通口を通り、酸化剤ガ
ス導入室から酸化剤ガス排出室に至る酸化剤ガスの流れ
の方向を二方向有していることを特徴とする。 【効果】 基板を流れる全てのガスが1方向から他の方
向に向かって流れるのではなく、対抗して流れるように
各単セルを配置しているため、従来のような温度分布が
解消され、各セルの温度分布は軽減されて均一な温度で
の発電反応が進行し、長期間に渡って安定した性能を有
する固体電解質型燃料電池を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型燃料
電池及びその運転方法に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池(SOFC)は、
電極、電解質をはじめとする単セルの全てがセラミック
ス材料で構成された燃料電池であり、電解質としてはイ
ットリアの添加によって結晶構造の安定化が図られたジ
ルコニア(YSZ)が使用されている。この材料は高い
酸素イオン導電性を有するが、その温度依存性を見ると
温度が低いと導電性は低く、充分に高い温度にすること
で充分な導電率を得ることができる。したがって、SO
FCを作製した際に高い導電性を得るために、運転温度
は900〜1000℃という値が設定されている。しか
し、上で述べたYSZ電解質の導電率は、1000℃に
おいても高々0.1S/cmであるので、セルを形成し
た際には、YSZの薄膜化が必要である。
【0003】従来、SOFCにおいてはたとえば図2に
示すように、YSZで薄い電解質板1を作製し、この表
面に空気極3と燃料極2の2つの電極を形成する平板型
の単セルの検討が進められてきた。ところで、この方式
のようにYSZが電極の支持体となるためには、充分な
機械的強度を有する必要があるが、 イットリア
を添加したYSZの中でも高い導電率を持つ、イットリ
アを8モル%添加したYSZは機械的強度が弱い。した
がって、YSZからなる支持体の厚みを増す必要が生
じ、この結果、電解質部でのiR降下が増大し、充分満
足のいく発電特性が得られないという問題があった。
【0004】そこで、電極材自体がセルの支持体も兼
ね、かつ一方のガスの流路も有し、全体のガスシール性
の向上も狙って新たな方式のSOFC単セルが提案され
た(特開平5−36417号,中空薄板式固体電解質燃
料電池)。この単セルは、図3のような構造のもので、
空気極材料によって、ガス流路となる貫通口8−1を有
する中空状の基板8を作製し、基板8の表面に固体電解
質1、燃料電極2の各層を形成し、さらに燃料電極2の
反対側の面にインタコネクタ4を設置している。
【0005】この基板8は、材料として通常用いられる
LaSrMnO3やLaCoO3等を使用し、たとえば押
出成形法等で作製される。固体電解質1と燃料電極2の
各層は、材料にYSZ、ニッケルとジルコニアを用い、
いずれも溶射法によって形成される。また、インタコネ
クタ4も、Ni−Al23やLaCrO3等の還元雰囲
気下で安定な物質の層を溶射によって形成されている。
また、固体電解質1とインタコネクタ4を設けた部分以
外については、ガスの透過を防止する必要があるので、
Al23等からなる不透過性被膜9で覆う。なお、各層
は、溶射だけでなく、CVD法、テープキャスティング
法、スラリー塗布法でも作製される。
【0006】このような構成のセルとすることによっ
て、もはや電解質はセルの支持体としての役割から解放
され、緻密な膜でありさえすれば限りなく薄くてよいこ
とになり、単セルの性能を飛躍的に向上することが可能
となった。このように、単セルの発電特性の向上が図ら
れたが、SOFCセルは1枚だけで使用されることはな
く、単セルを直列に、また必要によっては並列に接続し
て所定の出力を持ったスタックとしている。
【0007】この方式の単セルを用いる従来の発電スタ
ックの例は図4に示すような構造である。この図は、空
気極材料で作製した基板を使用したセルの例である。4
0は固定板、40−1は溝、41は分離板、41−1は
貫通口、42は外器、43は酸化剤ガス供給口、44は
燃料ガス供給口、45は前室、46は燃焼室、47はガ
ス排出口、48は多孔体導電体、49は導線、50はシ
ール材である。スタクの構成にあたっては、発電部を形
成した基板8を固定板40に載せた後、分離板41を貫
通させ、このような状態で外器42の内部に収納してい
る。固定板40には基板8の取付用に溝40−1が設け
られており、基板8はこの溝に嵌合され、嵌合部にはガ
スの気密性を確保するために、ホウケイ酸ガラス等の非
導電性融体からなるシール材50が満たされる。一方、
分離板41の貫通口41−1の部分にはスリットがあ
り、未反応の燃料ガスの排出が行えるようになってい
る。
【0008】発電にあたっては、この発電スタックを1
000℃等の温度条件下に設置し、各ガスを供給する。
酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給口43から供給され、基
板8の内部を通過し、セル形成部で反応した後、残ガス
が燃焼室46に達する。一方、燃料ガスは外器42の側
面に設けられた燃料ガス供給口44から供給され、ここ
で発電する(図では、燃料ガス供給口44が外器42の
左側面に表示されているが、ガスと燃料極との接触を向
上させる観点から紙面の表側(または裏側)の位置に設
けることが可能である。)。供給された燃料ガスは各基
板間の隙間に流入して反応することになるが、各基板間
に配置された多孔質導電体48は多孔性であるので、燃
料ガスの電極への拡散は支障なく行われる。そして、こ
こで反応で消費されなかった燃料ガスは燃焼室46に導
かれて、やはり反応で残った酸化剤ガスと混合し燃焼す
る。そして、このような燃焼後の高温ガスは、ガス排出
口47から外部に排出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成とした場合、酸化剤ガスは全て各基板8の下部から
上部に向けて流れる。電池反応は、酸化剤ガスと燃料ガ
スの接触のしやすさとガスの濃度によって影響され、両
者のガスが接触を開始する部分において反応が起こりや
すくなる。したがって、反応は酸化剤ガスの供給口の近
傍において優先的に進行する。この時の発電反応は発熱
を伴うので、発電反応が優先して進行する部分において
は、温度が他の部分に比べて高くなる。この発電スタッ
クは、使用時に外器42の全体を1000℃程度の温度
下において使用するが、セルを積層したスタック部にお
いては発電時の反応熱やセルの抵抗に基づく発熱分も加
熱源としている。したがって、局部的に発電反応が進行
すると、この反応による発生熱のため基板各部の温度に
違いが発生してくる。この場合、基板の温度は下部側に
おいて高く、熱膨張によってこの部分で他の部分に比べ
て大きな寸法変化が生じたり、この部分での寸法変化が
抑えられた場合には基板そのものに大きな応力が発生す
る。このような現象は、基板の大型化が進むと上下間の
寸法が大きくなるのでとりわけ顕著となり、また、使用
する基板の枚数が増すとスタック部の体積も大きくなる
ため、一層激しくなる。このようにスタック各部の温度
分布が大きくなる結果、同一の基板でも位置によって寸
法変化が生じたり、あるいはこのような寸法変化によっ
て応力がスタック内部に蓄積され、スタックの破壊を招
く恐れがあった。また、局部的に温度が高くなり、11
00〜1200℃まで達するようになると、基板や電解
質表面に形成した電極の焼結が進行し、電極として要求
される多孔度や表面積が低下し、電池の性能そのものが
低下するという問題があった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、中空状基板に作製した単セル
を直列接続して所定の出力電圧を得るスタックを構成す
る際の、各単セルの配置法を具体的に示すものであり、
その目的は、各基板間や基板間に生じる温度分布の発生
を抑制することにある。この目的を達成するため、各基
板内に流すガスを交互に対抗させて供給することとして
おり、従来のスタック構成のように反応の生じる部分が
1個所に局在しないようにしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の固体電解質燃料電池は、電極材料から作製
され、内部に貫通口を有する平板型電極基板の片面に電
解質層と電極層を積層してなる固体電解質型燃料電池の
単セルが複数個積層されたスタックを酸化剤ガス導入
室、酸化剤ガス排出室および燃料ガス導入室を有する固
体電解質型燃料電池外器に収納して構成される固体電解
質型燃料電池において、前記スタックの両側にそれぞれ
酸化剤ガス導入室と酸化剤ガス排出室が配置され、該ス
タック内において単セルの貫通口を通り、酸化剤ガス導
入室から酸化剤ガス排出室に至る酸化剤ガスの流れの方
向を二方向有していることを特徴とする。
【0012】また本発明による固体電解質型電池の運転
方法は、電極材料から作製され、内部に貫通口を有する
平板型電極基板の片面に電解質層と電極層を積層してな
る固体電解質型燃料電池の単セルが複数個積層されたス
タックを酸化剤ガス導入室、酸化剤ガス排出室および燃
料ガス導入室を有する固体電解質型燃料電池外器に収納
して構成される固体電解質型燃料電池を運転する方法に
おいて、前記スタックの単セル内に設けられた貫通口内
を流れる酸化剤ガスの流れの方向が、該単セルに隣接す
る単セル内に設けられた貫通口内を流れる酸化剤ガスの
流れの方向と逆向きであることを特徴とする。
【0013】本発明の特徴は、電極材料から作製され、
内部に貫通口を有する平板型基板の片面に電解質と他の
電極の層を設けて構成されるセルを、仕切り板によって
4つの空間に分割された外器内に収納して固体電解質型
燃料電池のスタックを構成するもので、この時、前記の
外器内は4つの仕切り板によって、前記外器の一端を基
準として、第一の酸化剤ガス導入室、第2の酸化剤ガス
排出室、燃料ガス導入室、第1の酸化剤ガス排出室、第
2の酸化剤ガス導入室に分けられ、前記の単セルは両端
を第1の酸化剤ガス導入室と第1の酸化剤ガス排出室に
位置して設けられるのと、両端を第2の酸化剤ガス導入
室と第2の酸化剤ガス排出室に位置して設けられるもの
の2態様で取付け、各セル間に多孔性導電体を配置して
スタックを形成している。
【0014】
【実施例】本発明で使用する単セルは、基本的に従来の
スタックにおいて使用されてきたものと同一の構成でよ
い。異なる点は、基板8における単セル発電部7の形成
位置を基板の積層方法の違いに対応して適宜ずらすだけ
である。
【0015】本発明で使用する単セルの作製例を、空気
極材料を中空基板に使用した単セルを例に以下に示す。
空気極材料としては、一般的に使用されているLa0.8
Sr0.2MnO3(粒径1〜3μm)粉末を使用した。そ
して、中空基板は、押し出し成形法によって作製した。
【0016】押し出し成形にあたっては粘度状の材料を
必要とする。このような材料は原料粉末100にバイン
ダ〜5、溶媒10〜15(混合比(重量ベース))を添
加して作製した。バインダとしては、メチルセルロース
系の水溶性高分子を用いた。押し出し成形の場合、原料
の粘性によって成形体の仕上がり状況が大きく影響さ
れ、たとえば水が少ないと押し出し圧力が高くなって成
形が困難となったり、成形中にクラックが生じたり、逆
に多すぎると中空構造の維持が難しくなる。そこで、水
分の調整とともに必要に応じて可塑剤を2〜5(混合比
(重量ベース))加えた。なお、押し出し成形体の焼成
にあたっても水分を乾燥させた後、脱脂を行なう必要が
ある。使用したバインダによって異なると考えられる
が、ここで使用したメチルセルロース系の水溶性高分子
ではおおむね400℃程度で熱分解することが可能であ
った。焼成温度としては、1250〜1350で時間は
2〜5時間である。作製した中空平板の大きさとして
は、寸法で100×150mm角、厚みは5mmであ
る。なお、焼結体の物性については、多孔度20〜30
%で、導電率は1000℃において、80S/cm前後
であった。
【0017】このように作製した電極基板上に電解質と
燃料極の薄膜を形成した。この実施例では、いずれも膜
形成にあたっては溶射法によった。使用した溶射機は大
気溶射法によるものであり、電解質材料には8モル安定
化YSZ(粒径:10〜50μm)を使用した。電解質
の厚みとしては、100μmを目標に作製し、この膜の
ガス透過率は1〜5×10-6(cc・cm/sec・
(g/cm2)cm2)であった。また、燃料極として
は、酸化ニッケル粉末(粒径:10〜50μm)と8モ
ル安定化YSZを使用した。燃料極はそもそも多孔質体
が望ましいので、電解質よりも膜形成は容易に行なうこ
とができた。電極は200〜300μm程度の厚みで作
製した。この膜のガス透過率は10-4(cc・cm/s
ec・(g/cm2)cm2)オーダーであった。なお、
このような電解質と燃料極は、本発明における単セルの
組み立て時の取付け状況を考慮し形成位置を選定した。
【0018】本発明では、次にこのような単セル発電部
7を形成した基板8を積層して発電スタックを構成す
る。図1に、本発明における発電用スタックの構造例を
断面構造で示した(単セルは断面とはしていない。)。
【0019】本発明においては、外器42内が、カルシ
アまたイットリアを添加して結晶構造の安定化を図った
ジルコニアからなる下段固定板10、上段固定板11、
下段仕切り板12、および上段仕切り板13によって4
つの部分に分けられている。この4つの部分は、それぞ
れ第1の酸化剤ガス導入室24、第2の酸化剤ガス排出
室23、第1の酸化剤ガス排出室22、および第1の酸
化剤ガス導入室21である。そして、発電部を形成した
各基板8が、第1の酸化剤ガスを流すものと第2の酸化
剤ガスを流すものに対応して、それぞれ固定板10、1
1と仕切り板12、13によって固定されている。各固
定板10、11には、基板8を固定するための、基板取
付け用の溝10−1が設けられ、各基板8はこの溝10
−1によって位置決めされた後、ガスシールを行なうた
めガラス材を主成分とするシール材80が充填される。
なお、同様のシール材80は各基板8が上段仕切り板1
3と下段仕切り板12を貫通する部分にも充填される。
このようにして、各基板が外器42内に固定される。こ
の時、各基板間には各基板を電気的に接続するための多
孔質導電体48が配置される。多孔質導電体48として
は、Ni等の金属フェルト状に加工した、弾性に富んだ
ものを使用した。
【0020】本発明のスタックを発電させるには、従来
のSOFCのスタックと全く同様に、発電スタックを1
000℃等の温度条件下に設置し、各ガスを供給するだ
けである。酸化剤ガスは、第1の酸化剤ガス導入口15
と第2の酸化剤ガス導入口17から供給され、各セルの
内部を通過し、発電セルを形成した部分で反応した後、
残ガスが第1の酸化剤ガス排出口16と酸化剤ガス排出
口18から外部に排気される。一方、燃料ガスは外器4
2の側面に設けられた燃料ガス導入口19から供給さ
れ、基板表面において発電する(図では、燃料ガス導入
口19が外器42の左側面に表示したが、ガスと燃料極
との接触が向上させる観点から紙面の表側(または裏
面)の位置に設けることが可能である。)。供給された
燃料ガスは各セル間の隙間に流入して反応することにな
るが、各セル間には、多孔質導電体48が配置されてい
るだけで、これは燃料ガスの電極表面への拡散の妨げに
はならないので、表面への燃料ガスの供給は支障なく行
なわれる。そして、各セルは、この多孔質導電体48で
電気的に接触されているので発電された電力は損失を抑
えたまま外部に取り出すことができる。
【0021】なお、基板8の側面と外器42の内部には
間隔を設けるので、外器42内の4つの部分の内部にお
いて、ガスの流れは何ら妨げられることはない。また、
ここでは説明の都合上、酸化剤ガスの給排気に関して、
第1、第2と分類したが、これらのガスは成分上では同
じでよい。なお、酸素濃度を高めたガスを使用する場合
には、どちらか一方に濃度の高いガスを供給し、酸素利
用率を小さく抑えて反応させて未反応の酸素成分を残し
ておき、次に排気されたガスを他の導入口に送り込んで
もよい。また、図3では、各基板の配置は1枚おきに変
わっているが、必ずしも1枚ずつ交互に配置する必要は
なく、ガスの流れ、基板の位置、スタック内の温度分布
等によって配置法を変えることが可能である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のSOFC
では、ガスを通過させるための貫通口を有する中空状平
板構造の電極基板上に電解質と基板材料と異なる他の電
極を形成して作製したセルを電気的に接続してスタック
を組み立てるが、この時に基板を流れる全てのガスが1
方向から他の方向に向かって流れるのではなく、対抗し
て流れるように各単セルを配置している。本発明以前の
スタック構成では、このようなガスの流れの方式を採っ
ていないため、ガスの供給側において発電反応が優先的
に進行し、この結果、この部分での温度上昇が非常に大
きなものとなりセルの破損や電極材料の劣化が進行し使
用開始後短期間のうちに低下するという問題があった。
これに対し、本発明を施すとこのような温度分布が解消
され、各セルの温度分布は軽減されて均一な温度での発
電反応が進行し、長期間に渡って安定した性能を有する
スタックを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質型燃料電池の断面図。
【図2】従来の平板型燃料電池単セルの構造を示す図。
【図3】従来の中空状電極基板を使用する燃料電池単セ
ルの構造を示す図。
【図4】従来の中空状電極基板を使用する燃料電池単セ
ルで構成した固体電解質型燃料電池の断面図。
【符号の説明】
1 電解質 2 燃料極 3 空気極 4 インタコネクタ 5 燃料ガス流路 6 酸化剤ガス流路 7 単セル発電部 8 空気極基板 9 ガス不透過性層 8−1 貫通口 10 下部固定板 10−1 基板取付け用溝 11 上部固定板 12 下段仕切り板 13 下段仕切り板 14 端末押さえ板 15 第1の酸化剤ガス導入口 16 第1の酸化剤ガス排出口 17 第2の酸化剤ガス導入口 18 第1の酸化剤ガス排出口 19 燃料ガス導入口 20 燃料ガス排出口 21 第2の酸化剤ガス導入室 22 第1の酸化剤ガス排出室 23 第2の酸化剤ガス排出室 24 第1の酸化剤ガス導入室 25 燃料ガス導入室 40 固定板 40−1 溝 41 分離板 41−1 貫通口 42 外器 43 酸化剤ガス供給口 44 燃料ガス供給口 45 前室 46 燃焼室 47 ガス排出口 48 多孔質導電体 49 導線 50 シール材
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月14日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】従来、SOFCにおいてはたとえば図2に
示すように、YSZで薄い電解質板1を作製し、この表
面に空気極3と燃料極2の2つの電極を形成する平板型
の単セルの検討が進められてきた。ところで、この方式
のようにYSZが電極の支持体となるためには、充分な
機械的強度を有する必要があるが、イットリアを添加し
たYSZの中でも高い導電率を持つ、イットリアを8モ
ル%添加したYSZは機械的強度が弱い。したがって、
YSZからなる支持体の厚みを増す必要が生じ、この結
果、電解質部でのiR降下が増大し、充分満足のいく発
電特性が得られないという問題があった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極材料から作製され、内部に貫通口を有
    する平板型電極基板の片面に電解質層と電極層を積層し
    てなる固体電解質型燃料電池の単セルが複数個積層され
    たスタックを酸化剤ガス導入室、酸化剤ガス排出室およ
    び燃料ガス導入室を有する固体電解質型燃料電池外器に
    収納して構成される固体電解質型燃料電池において、前
    記スタックの両側にそれぞれ酸化剤ガス導入室と酸化剤
    ガス排出室が配置され、該スタック内において単セルの
    貫通口を通り、酸化剤ガス導入室から酸化剤ガス排出室
    に至る酸化剤ガスの流れの方向を二方向有していること
    を特徴とする固体電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】電極材料から作製され、内部に貫通口を有
    する平板型電極基板の片面に電解質層と電極層を積層し
    てなる固体電解質型燃料電池の単セルが複数個積層され
    たスタックを酸化剤ガス導入室、酸化剤ガス排出室およ
    び燃料ガス導入室を有する固体電解質型燃料電池外器に
    収納して構成される固体電解質型燃料電池を運転する方
    法において、前記スタックの単セル内に設けられた貫通
    口内を流れる酸化剤ガスの流れの方向が、該単セルに隣
    接する単セル内に設けられた貫通口内を流れる酸化剤ガ
    スの流れの方向と逆向きであることを特徴とする固体電
    解質型燃料電池の運転方法。
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