JPH0616870A - 可塑剤および金属およびセラミック粉末材料の射出成 形組成物 - Google Patents

可塑剤および金属およびセラミック粉末材料の射出成 形組成物

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JPH0616870A
JPH0616870A JP3311024A JP31102491A JPH0616870A JP H0616870 A JPH0616870 A JP H0616870A JP 3311024 A JP3311024 A JP 3311024A JP 31102491 A JP31102491 A JP 31102491A JP H0616870 A JPH0616870 A JP H0616870A
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Hoechst AG
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 70〜90重量%の無水グリコール、例えば
エチレングリコールおよび30〜10重量%のアルキル
ヒドロキシアルキルセルロース、例えばメチルヒドロキ
シエチルセルロースからなる金属および/またはセラミ
ック粉末材料用の可塑剤。 【効果】 この可塑剤の製造は、粉末材料と一緒に単一
段階でまたは別々の段階で行われる。この可塑剤は、射
出成形組成物の製造に好適であり、該組成物は弾性強度
の高い機械構成要素製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可塑剤および金属およ
び/またはセラミック粉末材料からなる射出成形組成
物、射出成形組成物の製造方法、可塑剤の使用方法およ
び射出成形組成物の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の成形法が、粉末材料からの機械構
成要素の作成に使用されてきている。これらのうち、押
出法および射出法は、際立った位置にある。かゝる方法
は、複雑な立体構造の機械構成要素を非常に均一な品質
で正確に作成することが可能である。しかしながら、か
ゝる方法は、粒子形状、粒径および粒径分布について注
意深く選択された粉末材料および品質および種類につい
て等しく注意深く整合された可塑剤とを必要としてい
る。
【0003】粉末材料の可塑化は、長い間セラミック工
業において使用されてきた。可塑化された組成物は、押
出成形されて、棒状物および管状物並びに排ガス触媒用
のハニカムとして非常に複雑な型を与える。
【0004】この目的のために、0.5〜0.6容量部
の粉末材料が一般に0.5〜0.4容量部の可塑剤と混
合される。可塑剤は、一般に10〜20重量%のバイン
ダー、ほとんどの場合メチルセルロース、および90〜
80重量%の水と、少量のグリコール類またはグリセロ
ールを添加してなる。水は、溶剤の役割を果たし、そし
てグリコールおよびグリセロールは、メチルセルロース
の可塑剤の役割を果たしている。
【0005】可塑剤は、組成物中に均一に分布しなけれ
ばならず、そして材料の粒子間のすべての孔を満たさな
ければならない。成形の際の圧力勾配は、可塑剤の移動
を開始してはならず、そして温度勾配は、粘度の不適当
な変化を開始してはならない。最後に、可塑剤は、組成
物に生の強度および乾燥強度を付与しなけてばならな
い。
【0006】この可塑剤の概要は、押出法と射出成形法
の両方に当てはまる。しかしながら、加えて、射出成形
法は、可塑が成形物が短時間の間に損失を受けることな
しい取り出すことができるような高い強度を成形物に射
出される組成物に付与しなければならない。
【0007】当該技術分野の状況によると、射出成形よ
うの粉末材料は、熱可塑性プラスチックス/可塑剤/ワ
ックスを用いて射出されるのが好ましく、そして熱時組
成物は、冷却された型に射出される。
【0008】この目的は、射出成形自身に満足する。し
かしながら、焼成する前の機械構成要素からの上記可塑
剤の除去は、かなり困難である。なぜなら、水性メチル
セルロースペーストを用いて可塑化されたセラミック押
出成形物と比較して、プラスチックス/可塑剤/ワック
スは、可塑化され、非多孔質射出成形された機械構成要
素を非常にゆっくりとしかもかなり労力でしか再び除去
することができないからである。このことは、射出成形
によってこの方法で可塑化された組成物から比較的大き
い、肉厚の要素を製造する可能性を制限している。従っ
て、米国特許第4,114,480号明細書は、公知の
メチルセルロース/水/グリセロール混合物を用いて金
属粉末を可塑化し、セラミックの場合のように冷間で射
出成形を行い、そして組成物を約80℃に加熱された型
に射出することによって要素の必要とされる強度を与え
ることが教示されている。公知の通り、水に分散したメ
チルセルロースは、この温度で凝固し、そして水を放出
しながら粉末金属が固く結びついたゲルを形成する。こ
の方法で製造された要素は、セラミックと同様に、問題
なしに乾燥し、焼成することができる。
【0009】ヨーロッパ特許第246,438号明細書
は、同様な方法を記載している。水性可塑剤中のメチル
セルロースを、単に寒天に置き換えている。この方法
は、80℃に加熱された要素を、20℃に冷却された成
形物に射出成形することを認める。公知の通り、寒天水
溶液は、35℃以上の温度で液体であり、これより低い
温度に冷却するとゲルとなる。
【0010】明らかに、米国特許第4,114,480
号明細書およびヨーロッパ特許第246,438号明細
書からの技術的な教示は、可塑剤の排出/焼失という問
題を解決しており、従って比較的に大きい、肉厚の要素
の製造が可能となる。しかしながら、水−含有可塑剤を
使用しているので、両方法とも特別な射出成形装置を必
要とする。かゝる方法は、100℃以上の操作温度およ
び顆粒状の原料に適用した従来のプラスチック射出成形
装置には不適当である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セラ
ミックおよび金属粉末材料用の射出成形に好適な新規の
可塑剤を提供することであり、この可塑剤は、一方でプ
ラスチックス/可塑剤/ワックスに基づいている可塑剤
の上記したとおりの欠点を回避する。さらに、本発明に
よる可塑剤は、従来のプラスチック射出成形機械により
成形して要素を与えることができる流動性顆粒が製造で
きるセラミックおよび/または金属粉末材料の射出成形
組成物を提供することを意図している。乾燥した後に、
上記要素は、かゝる材料に特有の焼成法に供するべきで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的は、70〜90
重量%、好ましくは75〜85重量%の無水グリコール
および30〜10重量%、好ましくは25〜15重量%
のアルキルヒドロキシアルキルセルロースからなる可塑
剤によって達成される。本発明によるグリコールとセル
ロース誘導体との組み合わせは、請求項1に示した通り
である。
【0013】驚くべきことに、水溶性「熱間ゲル化」セ
ルロースエーテルの溶液が、水の代わりに無水グリコー
ル類を溶剤として使用すると、完全に異なる温度依存挙
動を示すということを見出した。例えば、メチルセルロ
ース水溶液が約80℃に加熱されると固形ゲルを形成す
るのに対して、以下の実験で示される通りに、無水グリ
コールを水の代わりに使用すると、熱ゲル化の逆転が生
じることは驚くべきことである。
【0014】例えば無水ジエチレングリコール中の7.
5重量%のメチルヒドロキシプロピルセルロース(Me
thocel K4M(商標名),Dow Chemi
vcal Company製)の懸濁液を、連続的に攪
拌し、そして攪拌機のトルクを測定しながら加熱する。
この懸濁液は、120℃の温度TQ に到達するまで流動
性のままである。ついで、トルクを、急激に上昇させ
る。セルロースエーテルは、非常に広範囲に渡って膨潤
するが、まだ溶解しない。更に加熱すると、セルロース
エーテル粒子は溶解し始める。約TQ +50=170℃
で完全な溶液に到達するまでトルクを降下する。ゆっく
りとした冷却および攪拌機の速度の低減で、トルクから
計算される溶液の粘度が約170℃で40Pasから約
120℃で110Pasに上昇する。120℃以下に冷
却すると、トルクの急激な上昇がもたらされる。この溶
液は、温度TQ でゲル化する。
【0015】熱可逆的なゲル化の結果、次元的に安定
で、驚くべき強度で高い弾性の体が、非常に粘稠なセル
ロースエーテル/グリコール溶液から得られる。置換係
数が、特許請求の範囲の範囲でない場合には、グリコー
ルは、空気を除いたとしても分離してしまう。
【0016】ゲルの合成は、空気接触下に実質的に常に
観察される。しかしながら、グリコールの湿度のため
に、グリコール/水混合物は、ついでゲル体の表面から
流出する。従って、水分の除去が、離液を評価するのに
必要である。
【0017】公知の水溶性、非イオン性セルロースエー
テル誘導体が、例示として利用されたメチルヒドロキシ
プロピルセルロースと同一のメカニズムに従って250
以下の分子量を有するモノマー性およびオリゴマー性エ
チレングリコール類およびプロピレングリコールに溶解
するということを見出した。メチルセルロース(MC)
は、高い膨潤およびゲル化温度TQ を有する。これは、
強い離液にもかかわらず、固形ゲルを形成する。ヒドロ
キシエチル−およびヒドロキシプロピル−セルロース
(HEC,HPC)は、低い膨潤温度TQ を有する。こ
れらは、非常に軟質のゲルを形成するか、またはゲルを
形成せず、従って本発明の目的に不適当である。
【0018】本発明による混合エーテル、メチル−およ
びエチル−ヒドロキシエチルセルロース(MHEC,E
HEC)およびメチル−およびエチル−ヒドロキシプロ
ピルセルロースが、両極端の間の遷移を表す。
【0019】膨潤およびゲル化温度TQ のレベル、ゲル
の強度および離液は、置換の性質および程度に依存す
る。セルロースエーテルの置換の性質および程度は、通
常セルロースの基礎的構造ブロック(building
block)、すなわち、無水グルコース単位および
その3個の置換可能なヒドロキシ基に関連する。DMM
およびDSE は、各々この構造ブロックに平均して導入
されたメチルおよびエチル基の数を表し、MSEOおよび
MSPOは、各々エチレンオキサイドおよびプロピレンオ
キサイドの導入された分子の数を表す。セルロースエー
テルの置換を固定するのに好ましいMSおよびDSの値
は、請求項1に与えられている。
【0020】置換の効果は、使用する溶剤により改変さ
れる。ここで、エチレングリコールおよびプロピレング
リコールは異なった挙動を示す。従って、エチレングリ
コールにおいて、膨潤およびゲル化温度TQ 、強度およ
び離液は、主としてセルロースエーテルのMSに依存
し、エチレンオキサイド添加およびプロピレンオキサイ
ド添加は等しい。ゲル化を作成するために、メチル置換
基またはエチル置換基が必要である。しかしながら、D
S(アルキル)は、広範囲にわたることができる(図1
〜図3)。エチレングリコール、好ましくはジ−または
トリ−エチレングリコールに溶解する0.3以上0.7
未満、特に0.45〜0.6のMSおよび好ましくは
0.9〜2のDSを有するアルキルヒドロキシアルキル
セルロースであるメチルヒドロキシエチル−、エチルヒ
ドロキシエチル−メチルヒドロキシプロピル−およびエ
チルヒドロキシプロピル−セルロースあるいはこれらの
混合物が本発明の目的に適当である。この置換範囲にお
いて、低い膨潤およびゲル化温度(TQ :ジエチレング
リコールにおいて110℃およびトリエチレングリコー
ルにおいて130℃)を、高いゲル強度および低い離液
性とあわせて、最適な性質を達成することができる。
【0021】対応する関係は、メチルヒドロキシエチル
セルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロース
のプロピレングリコール、特にジ−およびトリ−プロピ
レングリコール中の溶液およびゲル形成についても見出
されている。しかしながら、これらの溶剤において、M
POの効果は、実質的にMSEOのものよりも大きい。さ
らに、メチル化のレベルDSM は効果がある。興味ある
範囲の置換の有効性は、置換係数が式DSM +1.5×
MS(ヒドロキシプロピル)+0.5×MSヒドロキシ
エチルによって計算すると、満足に定量化できる。
【0022】計算された置換係数は、2.4以上で2.
8未満であることが好ましく、特に2.5〜2.7であ
り、DSM は、1.4以上である。
【0023】偽プラスチック流動性を発生させるため
に、グリコールに溶解されたセルロースエーテルの重合
度は、高くなければならない。通常、水溶液の容易に測
定可能な粘度を、重合度の代わりに引用する。本発明の
目的に好適なセルロースエーテルは、2%水溶液におい
て20℃で1〜300Pas、好ましくは3〜100P
asの粘度を有している。
【0024】溶剤として好適なグリコール類のうち、モ
ノマー類、すなわち、エチレングリコールおよび1,2
−プロピレングリコール並びにとりわけジエチレングリ
コールおよびトリエチレングリコール、またジプロピレ
ングリコールおよびトリプロピレングリコールが可塑剤
を製造するのに好適である。専有安全性の態様から、ト
リエチレングリコールが、低い蒸気圧であるので好まし
い。トリエチレングリコールより高いエチレングリコー
ルを、セルロースエーテル類の溶剤として使用すること
ができるが、これらは、揮発させるのがより困難とな
る。
【0025】金属およびセラミック粉末材料、特に0.
02〜30μmの粒径範囲の材料を使用した試験におい
て、良好な射出成形組成物が、本発明の請求項1の可塑
材料を用いて製造できることを見出した。本発明による
射出成形組成物は、0.4〜0.6容量部の可塑材料お
よび0.6〜0.4容量部の付夏材料を含有している。
【0026】以下のガイド温度を、上記アルキルヒドロ
キシアルキルセルロースおよびグリコールからなる可塑
剤の製造におよび射出成形組成物の製造に適用する。
【0027】ジエチレングリコールまたはジプロピレン
グリコールを使用する場合には、セルロースエーテルの
溶解を開始する温度TQ は、110℃でまたは対応する
トリグリコールを使用する場合130℃で充分正確であ
るともなされる。完全な溶解のためには、各々TQ +5
0=160または180が必要とされる。溶液のゲル状
態への遷移が順にTQ で生じるので、完全な方法の詳細
は、この値に基づいている。
【0028】本発明による可塑剤の製造は、粉末材料の
可塑化と一緒に一段階法としてまたは分離段階で行うこ
とができる。
【0029】一段階法において、予備加熱してもよいグ
リコールと、そしてセルロースエーテルを、約100℃
に予備加熱したニーダー中に配置する。混練機を操作し
ながら温度を上昇させる。この混合物がペースト状にな
るとすぐに、粉末材料を数回に分けて添加する。この量
は粉末粒径のサイズおよびその凝集に依存し、そして粒
径が細かくなればなるほどまたその二次構造が強力にな
ればなるほど、少量が選択される。各添加の前に、ペー
ストの復活および混合物のドウ状の状態を待たなければ
ならない。粉末の添加の後に、混合物の温度は、10〜
15分間でTQ+(40〜60℃)に達しなければなら
ない。引き続いて、得られた組成物の顆粒化が行われる
のに充分な温度に低減される。温度降下は、一般に20
〜30℃である。
【0030】組成物が均一の様相を呈した際に、ニーダ
ー壁および翼は、光沢を帯び、そして所望の温度降下が
完結し、巨大な塊に凝集する組成物を、顆粒化すなわ
ち、例えば、多孔質板を通した放出スクリューによりペ
レット状に切断する。ペレットがくっつきあうのを防止
するために、空気の乾燥流により、押出側を、TQ より
10〜30℃低い温度に冷却する。ペレットを、分取容
器に回収し、そしてペレットが吸湿性であるので、密閉
容器中で保存する。
【0031】ニーダーが放出スクリューを付属していな
い場合には、組成物を、混練メカニズム操作をしながら
Q より10〜30℃低い温度に冷却するすることを勧
める。ついで、翼で組成物を切断し、ニーダーが容易に
からにできるようにそして細かい塊状の組成物を適当な
顆粒化機械に供給できるようにする。
【0032】二段階法において、可塑剤だけを、先ずニ
ーダー中で必要の量のセルロースエーテルを約60〜1
00℃に予備加熱したグリコールに添加し、ニーダーを
閉鎖し、空気および水蒸気を抽出するために一度圧力を
abs =0.1〜0.3バールに混練メカニズム操作に
より降下させ、ついで可塑剤内の温度をTQ +(40〜
60℃)に上昇させることによって製造する。ついで、
この混合物を、可塑剤内の温度がTQ 以下になるまで冷
却する。ついで、ニーダー翼で可塑剤を小さく切断し、
熱時に、気密の容器内に充填された、細かい容易に操作
される塊に切断する。上記の通りニーダーに顆粒化装置
が付されている場合には、可塑剤は、相当する方法で顆
粒化することができる。第2段階において、粉末材料
を、ついで予め作成された可塑剤と混合する。
【0033】二段階方法は、種々の利点を有している。
射出成形組成物を製造するために、だた2種類の成分を
3種類の成分のかわりに操作すればよい。粉末材料は、
分取してまたは一度に導入することができる。
【0034】必要によりおこなってもよい可塑剤の回収
は、粉末材料の添加により並びにグリコールの代わりに
可塑剤の添加により一方の側から行うことができる。最
後に、ニーダー内での射出成形組成物の温度は、20℃
以下に保つのがよく、そしてニーダー内での蒸気および
凝縮の形成がこの方法で減少することができる。しかし
ながら、操作する溶剤、この場合熱グリコール、に必要
な予防策は、不必要である。
【0035】本発明に従って製造された可塑化された粉
末材料の顆粒は、みすぼらしくなく、そしてグリコール
が浸出することがない。これらは、機械的に安定であ
り、そしてこれらが、例えば円筒形で円筒形の直径にほ
ぼ対応する高さであっても流動性である。これらはいく
ぶんか吸湿性であるが、空気の無配慮の接触でも表面だ
けしか水分を吸収しない。これが射出成形するのが困難
であるという例は見出せない。明らかに、水分はスクリ
ューの通気領域および移動領域に既に飛散している。
【0036】しかしながら、この射出成形組成物の性質
は、可塑剤の性質だけでなく粉末材料の性質または特に
材料に特異の可塑の要求に依存している。
【0037】可塑剤の要求は、可塑化された組成物にお
ける粉末材料の容量部分のよって概略的に表され、そし
て材料粒子が互いに置換可能でありそして流動性および
射出可能である状態を規定する。プラスチック成形の場
合には、容量部分は、常に球体の立方充填に対する0.
52の理論値の近傍にあり、そして実験的のみで測定さ
れ、0.4ないし0.6であることが見出されている。
材料の可塑剤の要求は、可塑剤の性質により著しく影響
されない。
【0038】従来の射出成形装置が、本発明により可塑
化された粉末材料を成形するのに好適である。機械にお
ける温度調整は、熱可塑性プラスチックのものに対応す
る。ガイド温度は、ノズルにおいてTQ +50℃であ
り、型においてTQ −50℃である。ガイド値からの若
干の逸脱によって、射出成形組成物の性質の問題のある
変化は生じない。
【0039】これらは、熱可塑性プラスチックのように
反応する。広い誘導化はさけるべきである。200℃以
上の温度で、例えばセルロースエーテル類の熱分解が開
始する。選択された射出圧は、プラスチックの場合より
も粉末材料組成物の加工において高くするべきである。
【0040】型内での冷却により、可塑剤に含有される
グリコール容量は、約8〜9%まで収縮する。射出成形
構成要素の離型は、グリコールの密度の変化およびこれ
に誘発される組成物の収縮の変化により促進される。こ
の収縮は、型に比較した構成成分の実質的部分の収縮を
もたらす。
【0041】離型された構成成分は、弾性的に強く、そ
して顆粒のように吸湿性である。これらは、気密容器内
で保存するかあるいは直ちに乾燥するのが有利である。
乾燥のために、構成要素が蒸発グリコールを飛散させ、
これを沈澱させるか燃やす空気流内で加熱されるすべて
の系が好適である。構成成分の温度は、ここで直ちにT
Q の近傍まで加熱し、TQ を越えて毎時約10℃で加熱
し、ついでふたたび速く、場合によりセルロースエーテ
ルの熱分解が200℃以上、特に250℃以上で生ずる
まで加熱する。乾燥する際に、構成成分は収縮する。同
時に、開孔系が構成成分中で形成され、そしてこれは乾
燥の収量時に構成成分の30〜40容量%の程度に達す
る。この孔系の結果、セルロースエーテルの熱分解生成
物は、バインダー−含有セラミックウェアの公知の焼成
と同様に飛散する。
【0042】図1〜3は、エチレングリコール中で測定
されたセルロースエーテルの置換度MS(MSはMS
hydroxyalkylである)における場合の膨潤およびゲル化
温度T Q (図1)、ゲル強度G(図2)およびゲル離液
Sの依存(図3)を示す図面である。
【0043】DSはDSalkyl =0.9〜2を意味す
る。
【0044】TQ 、GおよびSは主としてセルロースエ
ーテルのMSに依存する。これに対して、DS値は、広
範にわたることができる。
【0045】
【実施例】本発明の対象を実施例1および実施例2で説
明する。
【0046】実施例1 噴霧乾燥により粉砕された95%の二酸化ジルコニウム
(一次粒径0.02μmおよび密度5.94g/c
3 )を有する400gの市販のセラミック材料を、8
0℃で4gのポリエチレン/ポリエチレンコポリマーワ
ックスの16gの石油エーテル中のペーストと混合し、
そして乾燥する。この予備処理は、肥大を防止し、そし
て射出成形組成物における粉末材料の均一な分布を安定
化する。
【0047】80℃に予備加熱した64gのジプロピレ
ングリコールおよび14gのMHPCを、Janke
and Kunkel社(ドイツ)製の120℃に予備
加熱されたIKA高性能ニーダーHKD 06に配置す
る。セルロースエーテルは、DS1.87,MS0.4
4および2%溶液における40Pasを有している。
【0048】ついで、ニーダー加熱を、175℃に設定
する。ニーダーメカニズム操作をしながら、120gの
粉末材料を添加する。混合物がペースト/ドウ状となっ
た後、3×70gおよび2×37gの材料を、各々10
分間隔で添加する。組成物の密着は、そのままであり、
そして温度は、材料の最後の添加後に160℃に上昇す
る。ついで、加熱温度を、150℃に戻し、そして混練
を、15分間続ける。軟質の、かたまり状の組成物を、
ついで135℃に予備加熱された実験室顆粒プレス機に
移し、そして5mmの丸状の穴を有する多孔質ディスク
を通し、そして約4mmの長さのペレットに切断する。
このペレットを、密閉容器中で保存する。
【0049】組成物の射出成形性は、実験室射出成形機
械により試験される。成形する要素は、12および16
mmの内部幅および60mmの高さを有する若干円錐形
の管状物である。肉厚は、1ないし3mmの間で変化し
ている。試験をより困難にするため、管状物を、1mm
末端から2mm直径の3個のノズルによるスプルー(s
prue)なしに射出成形する。
【0050】この試験検体は、165℃で500バール
のピストン圧を有する型中で記載された射出成形組成物
を用いて充分に射出成形し、そして離型することができ
る。
【0051】試験検体は、循環空気乾燥基中で一定の1
00℃で乾燥される。そこに含まれる約50%のジプロ
ピレングリコールが、1時間で放出され、約90%が5
時間そして100%が10時間以内に放出される。
【0052】個々の段階は、密度測定により監視され
る。これにより、可塑化の際に5gのジプロピレングリ
コールの蒸発ロスが生じる。従って、組成物中の材料の
容量部分は、160℃で0.44から0.46に増加
し、そして20℃に冷却した後、0.49に増加する。
乾燥の結果、材料の容量部分は、0.51に増加する。
乾燥試験検体における孔の容量部分は、0.39に達す
る。射出型に対して長手軸の試験検体の収縮は、冷却お
よび乾燥により容量収縮から3.5%と計算され、試験
検体の長さの測定とうまく一致する。
【0053】この実験からの顆粒は、プラスチックス射
出成形機械(Arbrug,ドイツ製)上で3週間の保
存期間の後にマルチキャビティー型により成形されて、
最大厚さ3mmを有する側物質が歯形の多孔質外観の小
片が得られる。ノズル温度170℃、成形温度20℃。
【0054】正確に離型された機械構成要素は、100
℃で60分以内加熱しそしてさらに6時間以内で400
℃に増加することによって歪みおよび泡形成なしに可塑
剤なしの状態で作成される。この処理の際に、材料の容
量部分は、0.74に増加し、その際の機械構成要素の
細密焼成条件が作成される。
【0055】実施例2 可塑剤を調製するために、122.5gのトリエチレン
グリコールおよび37.5gのMHPCを、100℃に
予備加熱された実験室ニーダーに配置する。セルロース
エーテルは、DS=1.40,MS0.55および2%
溶液における40Pasを有している。
【0056】混練メカニズム操作しながら、圧力を、P
abs =0.1バールに減少し、ニーダーを、気密にし、
そして加熱を、180℃にスイッチする。グリコール/
セルロースエーテル混合物を170℃として、ゴム状稠
度を確認した後、ニーダーを冷却する。後者の温度が1
20℃以下に降下した際に組成物を切断し始める。切断
は、可塑剤が約5mm大の塊に粉砕されるまで続ける。
可塑剤サンプルを、8日間にわたって繰り返して容器か
ら取り出す。ゲルの合成および水分吸収のいずれもこれ
らのサンプルに観察されない。
【0057】63gの多孔質可塑剤を、ついで600g
の金属粉末、材料番号1.4401と混合して射出成形
組成物が得られる。この金属粉末は、約10および2μ
mの直径を有する2つの優位の部分を有する16μm以
下の少球体から構成される。その密度は、7.78g/
cm3 である。混合を、実施例1のニーダー中で行う。
温度を、50分以内で射出成形組成物中で測定して15
0℃上昇し、そしてこのレベルで15分間保持する。つ
いでこの混合物を、混練翼が組成物を120から100
℃に組成物を10mm以下の塊に切断するまで冷却す
る。ニーダーを、空にし、そして組成物を密閉容器中で
保存する。
【0058】組成物の射出成形性を、実施例1の機械お
よび型により試験する。試験検体は、500バールのピ
ストン圧下にノズルにおいて140〜150の温度で、
そして型において80〜90℃の温度で充分に射出成形
され、そして離型することができる。
【0059】試験検体を密閉容器に回収し、そして循環
空気乾燥機で乾燥する。乾燥機の温度を、ここで、15
分間以内に120℃に上昇し、ついで10℃/次の速度
で170℃まで上昇する。試験検体は、1時間以内にそ
こに含有される約30%のトリエチレングリコールを放
出し、5時間以内に約98%そして6時間15分の全乾
燥時間で100%放出する。
【0060】方法段階を、乾燥残留物および密度の測定
により監視する。使用したトリエチレングリコールは、
乾燥するまで蒸発しない。組成物における材料の容量部
分は、温度関数としてだけ150℃での0.57から2
0℃での0.59に変化し、そして乾燥することによっ
て0.62に変化する。冷却および乾燥の結果の容量蒸
発による検体の長手軸方向の収縮は、2.6と計算され
る。対応する値は、試験検体の長さ測定より得られる。
【0061】対応する構造で溶剤としてジエチレングリ
コールを含有しない組成物を使用して、上記歯形小片お
よび歯形のヘッドを有する円錐形スリップオンシャフト
を、Arburg(ドイツ)製の射出成形機械で射出成
形する。ノズル温度170℃、圧力約500バール。
【0062】機械構成要素は、正確に成形され、そして
泡の形成なしで乾燥および焼成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】膨潤およびゲル化温度TQ の依存を示す図面で
ある。
【図2】ゲル強度Gの依存を示す図面である。
【図3】ゲル離液Sの依存を示す図面である。
【符号の説明】
MS エチレングリコール中で測定した置換(MS
hydroxyalkyl) DS DSalkyl =0.9〜2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/05 7242−4J

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 70〜90重量%、好ましくは75〜8
    5重量%の無水グリコールおよび30〜10重量%、好
    ましくは25〜15重量%のアルキルヒドロキシアルキ
    ルセルロースからなる金属および/またはセラミック粉
    末材料用の可塑剤であって、上記グリコールがエチレン
    グリコール、好ましくはジ−またはトリ−エチレングリ
    コールであり、そして上記アルキルヒドロキシアルキル
    セルロースがメチルヒドロキシエチル−、エチルヒドロ
    キシエチル−、メチルヒドロキシプロピル−またはエチ
    ルヒドロキシプロピル−セルロースまたはこれらの混合
    物であり、そのDSaklyl (アルキル)が好ましくは
    0.9〜2であり、そのMShydroxyalkyl(ヒドロキシ
    アルキル)が好ましくは0.3〜0.7、特に0.5な
    いし0.6であるか、あるいは上記グリコールがプロピ
    レングリコール、好ましくはジ−またはトリ−プロピレ
    ングリコールであり、そして上記アルキルヒドロキシア
    ルキルセルロースがメチルヒドロキシエチル−またはメ
    チルヒドロキシプロピル−セルロースまたはこれらの混
    合物であり、その置換係数が、DSM+0.5×MS
    hydroxyethyl(ヒドロキシエチル)+1.5×MS
    hydroxypropy l (ヒドロキシプロピル)の合計として換
    算して好ましくは2.4〜2.8、特に2.5〜2.7
    であり、そしてDSM が好ましくは1.4より大きい、
    上記可塑剤。
  2. 【請求項2】 2重量%水溶液としたアルキルヒドロキ
    シアルキルセルロースが、20℃において1〜300P
    as、好ましくは3〜100Pasの粘度を有する請求
    項1の可塑剤。
  3. 【請求項3】 本質的に金属および/またはセラミック
    粉末材料および可塑剤からなる射出成形組成物であっ
    て、0.4〜0.6容量部の請求項1または2の可塑剤
    および0.6〜0.4容量部の粉末材料を含有する、上
    記組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3の射出成形組成物の製造方法で
    あって、0.4〜0.6容量部の上記可塑剤と0.6〜
    0.4容量部の粉末材料との混合物を、圧力および剪断
    力を同時に作用させながら160〜180℃の温度に加
    熱することからなる、上記方法。
  5. 【請求項5】 請求項3の射出成形組成物の製造方法で
    あって、先ず上記可塑剤だけを、圧力および剪断力の同
    時に作用させながら160〜180℃の温度に加熱し、
    引き続いてこれを顆粒化し、ついでこのようにして形成
    された0.4〜0.6容量部の可塑剤を0.6〜0.4
    容量部の粉末材料と110〜180℃、好ましくは13
    0〜160℃の温度で圧力および剪断力を同時に作用さ
    せながら混合することからなる、上記方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2の可塑剤を、射出成形
    組成物の製造に使用する方法。
  7. 【請求項7】 請求項3の射出成形組成物をセラミック
    および/または金属粉末材料からの機械要素の製造に作
    成に使用する方法。
JP3311024A 1990-11-27 1991-11-26 可塑剤および金属およびセラミック粉末材料の射出成 形組成物 Withdrawn JPH0616870A (ja)

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