JPH06166954A - 親水性炭素繊維の製造方法および炭素繊維 - Google Patents

親水性炭素繊維の製造方法および炭素繊維

Info

Publication number
JPH06166954A
JPH06166954A JP33982092A JP33982092A JPH06166954A JP H06166954 A JPH06166954 A JP H06166954A JP 33982092 A JP33982092 A JP 33982092A JP 33982092 A JP33982092 A JP 33982092A JP H06166954 A JPH06166954 A JP H06166954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
hydrophilic
hydrophilic monomer
electrolytic
felt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33982092A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokugen Shiyuu
徳元 周
Takeshi Yo
武 楊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Obayashi Corp
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp, Osaka Gas Co Ltd filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP33982092A priority Critical patent/JPH06166954A/ja
Publication of JPH06166954A publication Critical patent/JPH06166954A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素繊維を均一かつ効率よく親水化処理す
る。 【構成】 炭素繊維フェルトを、アクリル酸やピロール
などの親水性モノマーを含む電解液に浸漬し、過剰な電
解液を除去した湿潤状態の炭素繊維フェルトを電解重合
に供する。電解重合すると、表面に存在する親水性モノ
マーの重合により、炭素繊維を均一かつ効率よく親水化
できる。また、炭素繊維の表面に、親水性モノマーをグ
ラフト重合させることもできる。そのため、炭素繊維
は、親水性、マトリックスに対する濡れ性が高く、コン
クリートなどの各種のマトリックスの補強材として使用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マトリックスの補強材
として有用な親水性炭素繊維の製造方法および親水性の
高い炭素繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、機械的強度、耐熱性、導電
性などに優れているため、プラスチック、コンクリート
などのマトリックスの補強材として使用されている。炭
素繊維を補強材として使用する場合、炭素繊維の強度を
有効に発現させるためには、炭素繊維に官能基を導入
し、マトリックスとの親和性を高めるのが有効である。
【0003】炭素繊維に親水性基を導入する方法とし
て、炭素繊維を硝酸や硫酸などの酸化剤で処理する方法
が知られている。しかし、この方法は、強い酸化剤を使
用するため、作業性が低下するだけでなく、処理効率が
低く、大量処理には適さない。
【0004】また、炭素繊維の親水化方法として、炭素
繊維フェルトを電解槽に浸漬し、浸漬状態でロール状な
どの一対の電極間を通して電解酸化する方法も考えられ
る。
【0005】しかし、この方法では、電極と炭素繊維フ
ェルトとの接触抵抗が大きく、炭素繊維の親水性がさほ
ど向上しない。
【0006】さらに、炭素繊維を親水化する方法とし
て、親水性ポリマー溶液で炭素繊維を処理することが考
えられる。しかし、この方法により得られた炭素繊維
は、親水性ポリマーとの密着性が十分でないため、マト
リックスに高い補強性を付与することが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、均一かつ効率よく炭素繊維を親水化できる方法を提
供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、親水性が高く、コン
クリートなどの各種マトリックスの補強材として有用な
炭素繊維を提供することにある。
【0009】
【発明の構成】本発明者らは、炭素繊維の親水化につい
て鋭意検討の結果、湿潤状態で親水性モノマーを含む炭
素繊維を電解重合に供すると、表面に存在する親水性モ
ノマーが、均一かつ効率よく重合すること、親水性モノ
マーの重合により官能基を導入できることを見いだし、
本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の製造方法では、湿潤状
態で電解質として親水性モノマーを含む炭素繊維集合体
を、電解重合反応に供し、親水性炭素繊維を得る。
【0011】また、本発明の炭素繊維は、炭素繊維の表
面に(1)親水性ポリマーがグラフト重合しているか、
(2)電解重合による親水性ポリマーが形成されてい
る。
【0012】以下、必要に応じて添付図面を参照しつ
つ、本発明を詳細に説明する。
【0013】炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロ
ニトリル系、レーヨン系、フェノール樹脂系、ピッチ系
などの炭素繊維が挙げられる。炭素繊維は一種又は二種
以上使用できる。炭素繊維の繊維径は、特に制限されな
いが、例えば、5〜30μm程度である。
【0014】炭素繊維を効率よく親水化するため、炭素
繊維は、炭素繊維集合体、好ましくは織布、特にフェル
トとして使用される。織布や炭素繊維フェルトを用いる
と、連続的に親水化処理できる利点がある。炭素繊維集
合体の嵩密度は、親水性モノマーの均一な含浸が損われ
ない範囲であれば特に制限されず、例えば、0.01〜
0.2g/cm3 、好ましくは0.03〜0.1g/c
3 程度である。また、炭素繊維集合体の厚みは、通
常、1〜20mm、好ましくは3〜10mm程度であ
る。
【0015】そして、湿潤状態で電解質として親水性モ
ノマーを含む炭素繊維集合体を、電解重合に供する。な
お、親水性モノマーは、モノマー単独で電解質を構成し
てもよく、支持塩を併用することにより電解質を構成し
てもよい。本明細書においては、後者のように支持塩を
併用する場合にも、炭素繊維集合体の前記親水性モノマ
ーは、電解質として含まれているものとする。親水性モ
ノマーとしては、酸化還元重合が可能である限り、非イ
オン性モノマー、アニオン重合性モノマーおよびカチオ
ン重合性モノマーのいずれも使用できる。
【0016】非イオン性モノマーとしては、例えば、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルなどのヒドロキシル基を有するモノマーな
どが挙げられる。
【0017】アニオン重合性モノマーとしては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール
酸などの不飽和カルボン酸とその塩、ビニルスルホン酸
などの不飽和スルホン酸とその塩などが挙げられる。
【0018】カチオン重合性または塩基性モノマーとし
ては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアミド系モノマ
ー;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、
N−ビニルオキサゾリドンなどのN−ビニルモノマー;
N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリル
アミドなどの架橋性モノマー;ピロールなどが挙げられ
る。
【0019】親水性モノマーは、ピロールなどのよう
に、重合性不飽和結合を有していなくてもよい。さら
に、親水性モノマーとしては、重合性リン酸類、重合性
ホスホン酸類なども使用できる。
【0020】好ましい親水性モノマーには、それ自体で
電解質を構成するイオン性モノマー、例えば、アクリル
酸などの前記アニオン重合性モノマーやピロールなどの
カチオン重合性モノマーが含まれる。
【0021】前記親水性モノマーは、電解液として使用
される。親水性モノマーを含む電解液は、支持塩を含ん
でいてもよい。支持塩としては、例えば、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムなどのアルカリ金属ハライド;硝酸、
硫酸、リン酸などの無機酸;硫酸ナトリウム、硫酸カリ
ウム、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、リン酸ナト
リウム、リン酸カリウムなどの無機酸塩;酢酸ナトリウ
ム、シュウ酸ナトリウムなどの有機酸塩;エチレンジア
ミン四酢酸塩などが例示される。これらの支持塩の使用
量は、例えば、0.5〜5重量%程度である。
【0022】前記親水性モノマーを含む電解液は、親水
性モノマーの種類に応じて、アニオン性界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤を含んでいてもよい。アニオン性界
面活性剤としては、硫酸アルキルナトリウム、アルキル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリ
ウム、スルホコハク酸ジアルキルナトリウムなどが挙げ
られ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメ
チルアンモニウムハライド、アルキルピリジニウムスル
ファートなどが挙げられる。また、アルキルベタイン、
アルキルジエチレントリアミノ酢酸などの両性界面活性
剤を用いてもよい。これらの界面活性剤の使用量は、例
えば、0.1〜3重量%程度である。
【0023】電解液は、通常、水溶液として使用される
が、有機溶媒を含んでいてもよく、水溶液に限らず有機
溶媒溶液として使用してもよい。有機溶媒としては、ア
ルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類などが
挙げられる。
【0024】なお、親水性モノマー自体が電解質である
場合には、前記界面活性剤、支持塩などは必要ではな
く、通常、親水性モノマーの水溶液を電解液として使用
すればよい。
【0025】親水性モノマーの濃度は、処理効率が損わ
れない範囲であればよく、例えば、0.1〜10M、好
ましくは0.3〜5M程度である。
【0026】本発明の方法は、前記親水性モノマーを湿
潤状態で含む炭素繊維集合体、すなわち半乾燥状態の炭
素繊維集合体を用いる点に特色がある。親水性モノマー
で湿潤した炭素繊維集合体を用いると、電極反応によ
り、親水性モノマーを炭素繊維の表面で効率よく電解重
合することができる。また、重合性不飽和結合を有する
親水性モノマーを用いると、炭素繊維の表面でグラフト
重合反応が生じる。
【0027】湿潤した炭素繊維集合体は、電解液に浸漬
した炭素繊維集合体を、例えば、絞りローラ、乾燥、遠
心分離などの慣用の除去手段に供し、過剰な電解液を除
去することにより得ることができる。また、炭素繊維集
合体の湿潤度は、乾燥度、回転速度や遠心分離時間など
を調整することによりコントロールできる。なお、炭素
繊維集合体の湿潤度は、電解液の噴霧量により調整して
もよい。
【0028】炭素繊維集合体に含まれる電解液の量は、
炭素繊維集合体の嵩密度などにより変化するが、通常、
炭素繊維集合体の50〜1500重量%、好ましくは7
5〜1250重量%程度である。電解液の量が上記範囲
を外れると、炭素繊維の表面で均一に電解重合するのが
困難となり易い。
【0029】電解重合は、慣用の方法、例えば、アニオ
ン重合性モノマーを用いる場合には陰極で、カチオン重
合性モノマーを用いる場合には、陽極で行なうことがで
きる。より具体的には、アニオン重合性モノマーを用い
る場合、陽極と陰極とを備えた電解重合装置において、
アニオン重合性モノマーを湿潤状態で含む炭素繊維集合
体と陰極とを接触させ、炭素繊維集合体と陽極との間
に、多孔質絶縁スペーサを介在させ、両極に電圧を印加
すればよい。前記電解重合は、バッチ方式で行なっても
よく、連続的に行なってもよい。
【0030】図1は本発明の方法を説明するための電解
重合装置の一例を示す概略断面図である。この例では、
カチオン重合性モノマーを含む電解液で湿潤した炭素繊
維フェルト1が、陽極2と陰極3との間に挾持されてい
る。また、炭素繊維フェルト1と陰極3との間には多孔
質絶縁スペーサ4が介在している。
【0031】図2は本発明の方法を説明するための電解
重合装置の他の例を示す概略断面図である。この装置
は、カチオン重合性親水性モノマーの電解液を貯溜する
貯溜槽15と、この貯溜槽15の電解液に浸漬された炭
素繊維フエルト11から過剰な電解液を除去するための
一対の絞りローラとを備えている。前記一対の絞りロー
ラのうち一方のローラは陽極12として構成され、他方
のローラは陰極13として構成されている。また陰極1
3を構成するローラの表面には、多孔質絶縁層14が形
成されている。このような装置を用いると、連続的に電
解重合することができる。
【0032】なお、多孔質絶縁スペーサや多孔質絶縁層
は、電気絶縁性材料、例えば、紙、織布、不織布、多孔
質プラスチック、多孔質セラミックスなどで形成でき
る。
【0033】連続的に電解重合する場合、電解液を含む
炭素繊維集合体との接触面積を大きくするため、電極は
平板状であってもよく、炭素繊維集合体を挾持して走行
する一対の導電性コンベアで構成してもよい。また、絞
りローラで過剰な電解液を除去した後、一対の電極間に
湿潤した炭素繊維集合体を通してもよい。さらに、電解
重合に際しては、複数対の電極間に湿潤した炭素繊維集
合体を通してもよい。電解重合は、窒素ガスなどの不活
性雰囲気下で行なってもよい。
【0034】なお、電極材料としては、慣用の電極、例
えば、白金電極、鉛電極、炭素電極、Fe3 4 電極、
La0.5 Ba0.5 CoO3 電極、La0.8 Sr0.2 Mn
3電極、β−MnO2 電極、SrFeO3 電極、Co
3 4 でコーティングされた鉄電極、FeCo2 4
コーティングされたプラチナ電極、IrO2 でコーティ
ングされたチタン電極、NiOでコーティングされたニ
ッケル電極、NiCo2 4 でコーティングされたニッ
ケル電極、PdOでコーティングされたチタン電極、P
tO2 でコーティングされたチタン電極、Rh2 3
コーティングされたチタン電極、RuO2 でコーティン
グされたチタン電極、PbO2 でコーティングされた炭
素電極、Sb含有ネサガラス電極などが例示される。
【0035】電解重合は、例えば、電流50〜1000
mA、好ましくは100〜500mA程度、炭素繊維1
g当りの通電量100〜5000クーロン、好ましくは
250〜4000クーロン程度で行なうことができる。
【0036】本発明の方法によると、炭素繊維の表面に
親水性ポリマーを効率よく生成させることができる。ま
た、重合性不飽和結合を有するモノマーを用いると、炭
素繊維に親水性モノマーをグラフト重合することができ
る。そのため、親水性の高い炭素繊維が得られる。ま
た、通電量などを調整することにより、電解重合の程度
に応じて、炭素繊維の親水性の程度をコントロールでき
る。
【0037】なお、炭素繊維表面でのポリマーの生成
は、赤外線吸収スペクトル、ESCA(Electron spect
roscopy for chemical analysis )などの分析手段によ
り確認することができ、モノマーがグラフト重合してい
るか否かは、ポリマーに対する良溶媒により、生成した
ポリマーが溶出するか否かにより確認できる。
【0038】本発明の方法により得られた炭素繊維の親
水性をグリセリンに対する接触角により評価すると、未
処理の炭素繊維の接触角は50〜60゜程度であるのに
対して、本発明の方法により得られる炭素繊維の接触角
は、10〜30゜、好ましくは10〜20゜程度であ
り、親水性が極めて高い。また、炭素繊維に、モノマー
に対応した官能基を導入できる。しかも、親水性ポリマ
ー溶液で炭素繊維を処理する従来の方法と異なり、炭素
繊維の表面で電解重合が生じるので、炭素繊維と生成し
たポリマーとの密着性も高い。
【0039】そのため、表面改質された炭素繊維は、従
来の炭素繊維に比べて、マトリックスに対する濡れ性及
び補強性が高く、補強材として有用である。補強材とし
て使用する場合、前記炭素繊維は、長繊維、短繊維のい
ずれであってもよく、ストランド状であってもよい。ま
た、格子状などの適当な形状に編成してもよい。
【0040】マトリックスとしては、例えば、ポリプロ
ピレン、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト、ナイロン、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂;エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、ポ
リイミドなどの熱硬化性樹脂などのプラスチック;炭素
材;アルミナなどのセラミックス;アルミニウムなどの
金属などが挙げられる。
【0041】前記マトリックスと炭素繊維との割合は適
当に選択できるが、通常、マトリックス/炭素繊維=9
9〜40/1〜60(重量部)、好ましくは92〜65
/8〜35(重量部)程度である。
【0042】本発明の炭素繊維は、親水性が高いので、
特にコンクリート複合材に好適に使用される。コンクリ
ート複合材は、通常、前記炭素繊維、セメント、骨材及
び水を含むセメントモルタルを用いて形成できる。セメ
ントの種類は特に制限されず慣用のセメント、例えば、
ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超
早強ポルトランドセメント、アルミナセメント、急硬性
セメントなどの自硬性セメント;高炉セメントなどの水
硬性セメント;混合セメントなどの種々のセメントが使
用できる。これらのセメントのなかで早強ポルトランド
セメントなどが繁用される。
【0043】骨材としては、例えば、砕砂、通常のコン
クリート砂、ケイ砂、人工軽量骨材などが挙げられる。
骨材は、コンクリート複合材の緻密性を損わない範囲で
粗骨材を含んでいてもよい。骨材の使用量は、前記セメ
ント100重量部に対して50〜300重量部程度であ
る。
【0044】モルタルにおける炭素繊維の含有量は、単
位容積当り0.5〜5容積%、特に1〜3容積%程度で
ある。また、水の含有量は、セメント100重量部に対
して25〜50重量部程度である。
【0045】セメントモルタルは、膨脹材、収縮低減
剤、鉱物質微粉末、減水剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、
凝固剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、弾性付与剤、防錆
剤、着色剤などを含有していてもよい。
【0046】コンクリート複合材は、前記モルタルを所
定の型枠に打設し、硬化させることにより得ることがで
きる。前記モルタルの養生方法は特に制限されず、例え
ば、オートクレーブ養生、蒸気養生のいずれであっても
よい。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、電解重合すると
いう簡単な操作で、均一かつ効率よく炭素繊維を親水化
できる。
【0048】本発明の炭素繊維によれば、親水性が高
く、コンクリートなどの各種マトリックスに高い補強性
を付与できる。
【0049】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0050】実施例1 ピッチ系炭素繊維[(株)ドナック製、商品名S−22
3]のフェルト(厚さ7mm、目付300g/m2 、嵩
密度0.05g/cm3 )を、2Mアクリル酸水溶液か
らなる電解液に浸漬して含浸させ、過剰な電解液を除去
し、電解液含量900重量%の炭素繊維フェルトを得
た。
【0051】次いで、図1に示す電解重合装置とは逆
に、前記炭素繊維フェルトと陰極とを接触させ、炭素繊
維フェルトと陽極との間に濾紙を介在させ、保持具で両
極を保持し、電極間距離を一定に保った。なお、電極と
して、白金族金属酸化物がコーティングされた平板状チ
タン電極(90mm×90mm)を用いた。
【0052】そして、炭素繊維フェルト1g当り200
mA(電圧2.5V)、通電量500クーロンの条件
で、定電流法により電解重合し、十分に水洗し、真空乾
燥することにより、親水化された炭素繊維フェルトを得
た。
【0053】また、得られた炭素繊維を水中に1日浸漬
したところ、ポリアクリル酸の溶出は認められなかっ
た。
【0054】実施例2 実施例1で用いたピッチ系炭素繊維フェルトを、0.1
Mのピロールおよび0.1Mの硫酸ナトリウム水溶液か
らなる電解液に浸漬して含浸させ、過剰な電解液を除去
し、電解液含量900重量%の炭素繊維フェルトを得
た。
【0055】次いで、図1に示す電解重合装置におい
て、前記炭素繊維フェルトと陽極とを接触させ、炭素繊
維フェルトと陰極との間に濾紙を介在させ、保持具で両
極を保持し、電極間距離を一定に保った。なお、電極と
しては、実施例1で用いた電極を用いた。
【0056】そして、炭素繊維フェルト1g当り200
mA(電圧2.3V)、通電量500クーロンの条件
で、定電流法により電解重合を行なう以外、実施例1と
同様にして、親水化された炭素繊維フェルトを得た。
【0057】また、得られた炭素繊維の赤外線吸収スペ
クトルを測定したところ、3500cm-1および165
0cm-1にピロールに起因する吸収域が認められた。
【0058】比較例 実施例1で用いたモノマーを含浸しない炭素繊維フェル
トを、図1に示す装置の陽極と接触させ、炭素繊維フェ
ルトと陰極との間に濾紙を介在させ、両極を保持した。
なお、電極として、実施例1と同じく白金族金属酸化物
がコーティングされた平板状チタン電極を用いた。
【0059】そして、前記装置を、1M硝酸水溶液から
なる電解液を貯溜する電解槽に浸漬し、炭素繊維フェル
ト1g当り200mA(電圧1.5V)、通電量200
0クーロンの条件で、定電流法により電解酸化を行な
い、水洗し、真空乾燥することにより、表面処理された
炭素繊維フェルトを得た。
【0060】実施例1,2及び比較例で得られた炭素繊
維フェルトの表面をESCAで観察したところ、表に示
す結果を得た。なお、対照として未処理の炭素繊維につ
いても同様に観察した。
【0061】さらに炭素繊維にグリセリンを滴下し、液
滴の写真を撮り、炭素繊維とグリセリンとの接触角を測
定したところ、表に示す結果を得た。
【0062】
【表1】 表より、電解重合により、炭素繊維が著しく親水化す
る。なお、実施例1及び2で得られた炭素繊維表面を、
SEM(Scanning electron microscope)で調べたとこ
ろ、炭素繊維表面にポリマーの生成が認められた。
【0063】実施例3 電解液として、1Mのアクリル酸水溶液を用いる以外、
実施例1と同様にして電解重合した。得られた炭素繊維
のグリセリンに対する接触角を測定したところ、28゜
であった。また、得られた炭素繊維を水中に1日浸漬し
たところ、ポリアクリル酸の溶出は認められなかった。
【0064】実施例4 電解液として、0.5Mのピロールおよび0.1Mの硫
酸ナトリウム水溶液を用いる以外、実施例2と同様にし
て電解重合した。得られた炭素繊維のグリセリンに対す
る接触角を測定したところ、15゜であった。
【0065】また、得られた炭素繊維の赤外線吸収スペ
クトルを測定したところ、3500cm-1および165
0cm-1にピロールに起因する吸収域が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法を説明するための電解重合
装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は本発明の方法を説明するための電解重合
装置の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,11…炭素繊維フェルト 2,12…陽極 3,13…陰極 4…多孔質絶縁スペーサ 14…多孔質絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 11/16 D06M 14/36 // D06M 101:40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿潤状態で電解質として親水性モノマー
    を含む炭素繊維集合体を、電解重合反応に供する親水性
    炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素繊維の表面に親水性ポリマーがグラ
    フト重合している炭素繊維。
  3. 【請求項3】 炭素繊維の表面に、電解重合による親水
    性ポリマーが形成されている炭素繊維。
JP33982092A 1992-11-25 1992-11-25 親水性炭素繊維の製造方法および炭素繊維 Pending JPH06166954A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33982092A JPH06166954A (ja) 1992-11-25 1992-11-25 親水性炭素繊維の製造方法および炭素繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33982092A JPH06166954A (ja) 1992-11-25 1992-11-25 親水性炭素繊維の製造方法および炭素繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06166954A true JPH06166954A (ja) 1994-06-14

Family

ID=18331133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33982092A Pending JPH06166954A (ja) 1992-11-25 1992-11-25 親水性炭素繊維の製造方法および炭素繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06166954A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002098926A2 (en) * 2001-06-04 2002-12-12 Universite De Liege Process for depositing strong adherend polymer coating onto an electrically conductive surface
US7341627B2 (en) 2005-02-18 2008-03-11 Ogden Technologies, Inc. Fiber reinforced concrete products and method of preparation
US7396403B1 (en) * 2006-02-17 2008-07-08 Ogden Technologies, Inc. Concrete reinforced with acrylic coated carbon fibers
CN100458004C (zh) * 2006-05-23 2009-02-04 哈尔滨工业大学 一种提高碳纤维表面活性的方法
CN116987315A (zh) * 2023-07-04 2023-11-03 中国海洋大学 多孔碳纤维复合材料及其制备方法和应用
KR102644576B1 (ko) * 2022-12-30 2024-03-08 건양대학교산학협력단 다기능성 시멘트 모르타르 조성물 및 탄소섬유와 복합화된 시멘트 복합체의 제조방법

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002098926A2 (en) * 2001-06-04 2002-12-12 Universite De Liege Process for depositing strong adherend polymer coating onto an electrically conductive surface
WO2002098926A3 (en) * 2001-06-04 2003-10-16 Univ Liege Process for depositing strong adherend polymer coating onto an electrically conductive surface
US7341627B2 (en) 2005-02-18 2008-03-11 Ogden Technologies, Inc. Fiber reinforced concrete products and method of preparation
US7396403B1 (en) * 2006-02-17 2008-07-08 Ogden Technologies, Inc. Concrete reinforced with acrylic coated carbon fibers
WO2007106122A3 (en) * 2006-02-17 2009-05-14 Ogden Technologies Inc Reinforcement fibers and methods of making and using same
CN100458004C (zh) * 2006-05-23 2009-02-04 哈尔滨工业大学 一种提高碳纤维表面活性的方法
KR102644576B1 (ko) * 2022-12-30 2024-03-08 건양대학교산학협력단 다기능성 시멘트 모르타르 조성물 및 탄소섬유와 복합화된 시멘트 복합체의 제조방법
CN116987315A (zh) * 2023-07-04 2023-11-03 中国海洋大学 多孔碳纤维复合材料及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4127706A (en) Porous fluoropolymeric fibrous sheet and method of manufacture
Mizutani Structure of ion exchange membranes
JP3656864B2 (ja) 炭素繊維およびその製造方法ならびにその炭素繊維を使用したプリプレグ
DK2788542T3 (en) CARBON FIBER FOR COMPOSITE MATERIALS WITH IMPROVED LEADING CAPACITY
JPH06509208A (ja) 高分子シートの製造方法
FR2543354A1 (fr) Membranes echangeuses d'ions renforcees par des fibres de carbone non tissees
KR102092943B1 (ko) 전기 흡착 탈이온 장치용 전극 조성물, 및 이를 포함하는 전기 흡착 탈이온 장치용 전극
JPH06166954A (ja) 親水性炭素繊維の製造方法および炭素繊維
JPH06166953A (ja) 炭素繊維の表面処理方法および炭素繊維
WO2022128895A1 (de) Gasdiffusionsanlage mit hoher reinheit
CN1995530A (zh) 一种合成纤维及其织物亲水性整理的方法
EA016170B1 (ru) Способ функционализации стеклянного усилителя для композита
CN108840402B (zh) 一种Ti/炭气凝胶/MnO2电极及其制备方法和应用
JP3741871B2 (ja) 放射線グラフト重合方法
JPH09500174A (ja) 非導電性基体の金属化法
JPH0544154A (ja) 炭素繊維の表面処理方法
JP3755255B2 (ja) 炭素繊維およびその製造方法
US3865705A (en) Process for modifying the surface characteristics of carbon substrates and composite articles produced from the treated substrates
KR890005015B1 (ko) 탄소 섬유의 표면처리 방법
JPH02229268A (ja) 化学メッキ用繊維およびその製法
EP0409235B1 (en) Process for the surface treatment of carbon fiber strands
CN110026160A (zh) 一种弱碱型离子交换纤维的制备方法
JP2508182B2 (ja) 導電性樹脂成形体およびその製造方法
JPS62149964A (ja) 超高強度炭素繊維の製造方法
RU2810491C1 (ru) Способ электрохимического получения плёночного композита с включением ультрадисперсного политетрафторэтилена