JPH06166763A - ひねり包装用フィルム - Google Patents

ひねり包装用フィルム

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JPH06166763A
JPH06166763A JP32026792A JP32026792A JPH06166763A JP H06166763 A JPH06166763 A JP H06166763A JP 32026792 A JP32026792 A JP 32026792A JP 32026792 A JP32026792 A JP 32026792A JP H06166763 A JPH06166763 A JP H06166763A
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忍 森谷
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正浩 鷲野
Akira Kouno
▲あきら▼ 河野
Hirotoshi Sano
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加水分解性を有するひねり包装用フィルムお
よびその製造方法を提供する。 【構成】 ポリ乳酸または乳酸−ヒドロキシカルボン酸
コポリマーの未延伸フィルムを、ポリマーのガラス転移
点(Tg)〜Tg+50℃の温度範囲で延伸してなるこ
とを特徴とするひねり包装用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリ乳酸または乳酸−
ヒドロキシカルボン酸コポリマーを主成分とするひねり
包装用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】キャンディ、米菓等のひねり包装用に
は、セロファン、紙等が使用されてきたが、セロファン
は高価な上に吸湿性があり、紙はひねり性が劣るところ
から、近年これらに代わって一軸延伸高密度ポリエチレ
ンフィルムが一般的に使用されており、例えば、特公昭
52ー794号公報、特開昭59ー70521号公報、
特開昭60ー233137号公報、等に多くの提案がな
されている。
【0003】また、ポリエステルを素材としたひねり包
装用フィルムも開発され、例えば、特開平2ー1270
22号公報には、極限粘度が0.5〜1.0、かつ、2
65℃における溶融粘度が2300ポイズ以上のポリエ
ステル系樹脂を加熱溶融し、Tダイから押出しする際
に、ドロー比を2以上、150以下で押出し、冷却する
際に第1チールロールの温度を40℃〜ガラス転移点と
し、その反対面を冷却する第2チールロールの温度をガ
ラス転移点〜ガラス転移点+15℃の範囲で冷却された
低配向ポリエステル系フィルムからなるひねり包装用フ
ィルムが提案されている。そして、該発明に用いられる
ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)が好適であることが記載されている。
【0004】しかし、ポリエチレンテレフタレートは、
自然環境下で加水分解しないか、または加水分解速度が
極めて低いため、包装が解かれた後に捨てられた場合、
半永久的に残存することとなる。また、海洋投機された
場合は景観を損なったり、海洋生物の生活環境を破壊し
たりして、消費の拡大と共に廃棄物処理が社会問題とな
っている。
【0005】一方、従来よりポリ乳酸は、加水分解性ポ
リマーとして広く知られており、医薬用の成形品として
ポリ乳酸のフィラメントからなる生体吸収性の手術用縫
合糸(特公昭41ー2734号)、骨接合用ピン(特開
昭63ー68155号)等が開示されている。また、ポ
リ乳酸あるいは乳酸ーヒドロヒシカルボン酸コポリマー
は、空気中の水分によってさえ効果的に加水分解される
ため、近年上記のような医薬用途以外の使い捨て用途の
分解性汎用材料の基本原料として応用が考えられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、ひねり特性に優れ、裂け、破れ等のない加水
分解性を有するひねり包装用フィルムを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、乳酸系ポリマーから得られたフィルムを特定
の条件下で延伸することによって上記の目的を達成し得
ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】すなわち、本発明は、ポリ乳酸または乳酸
−ヒドロキシカルボン酸コポリマーの未延伸フィルム
を、ポリマーのガラス転移点(Tg)〜Tg+50℃の
温度範囲で延伸してなることを特徴とするひねり包装用
フィルムである。
【0009】本発明のひねり包装用フィルムは、ポリ乳
酸または乳酸−ヒドロキシカルボン酸コポリマーを溶融
押出して未延伸フィルムを得、該未延伸フィルムをポリ
マーのガラス転移点(Tg)〜Tg+50℃の温度範囲
で延伸することにより製造される。
【0010】本発明のひねり包装用フィルムは、乳酸系
ポリマーを主素材とするため、適度の加水分解性を有
し、使用後廃棄されても廃棄物として蓄積することがな
い。また、特定の条件で延伸されているので、優れたひ
ねり包装適性を有し、ひねり包装に耐え得る強度を有し
ている。
【0011】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明に用いるポリ乳酸および乳酸ーヒドロキシカルボン
酸コポリマーはL−乳酸、D−乳酸およびヒドロキシカ
ルボン酸の中から必要とするものを選んで原料モノマー
とし、脱水重縮合することにより得ることができる。
【0012】また、乳酸の環状二量体であるラクチド、
及びグリコール酸の環状二量体であるグリコリド、カプ
ロラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレ
ロラクトン等の環状エステル類を開環重合することによ
っても合成することができる。
【0013】本発明において、好ましく用いられるポリ
乳酸は、重量平均分子量が3万以上50万以下であり、
かつ、L−乳酸単位を100〜70モル%もつポリ(L
−乳酸)及びポリ(DL−乳酸)であり、D−乳酸単位
を100〜70モル%もつポリ(D−乳酸)及びポリ
(DL−乳酸)である。
【0014】また、好ましく用いられる乳酸−ヒドロキ
シカルボン酸コポリマーは、重量平均分子量が3万以上
50万以下であり、乳酸単位を70〜99モル%もつ乳
酸ーグリコール酸コポリマー、重量平均分子量が3万以
上50万以下であり、乳酸単位を20〜99モル%もつ
乳酸ーヒドロキシカプロン酸コポリマーである。
【0015】本発明のひねり包装用フィルムを押出成形
する方法は、公知のTダイ法、インフレーション法、等
が適用され、これらの方法により未延伸フィルムを得る
ことができる。押出温度は、好ましくは、100〜27
0℃の範囲、より好ましくは、130〜250℃の範囲
である。100℃未満では、押出安定性が得難く、また
過負荷に陥り易い。270℃を超えると、乳酸系ポリマ
ーの分解が激しくなるので好ましくない。
【0016】本発明で用いる押出機のダイは、環状また
は線状のスリットを有するものでよい。ダイの温度は押
出温度範囲と同じ程度で良い。Tダイで押し出す際のド
ロー比(Tダイリップ間隔/フィルム厚さの比)を2以
上、150以下とすることにより、効率よく、安定した
フィルムを得ることができる。ドロー比が2未満では、
押し出し速度が遅くなり、幅方向の厚さ調整が非常に困
難になる。150を超える場合には、製膜性に問題がで
てくる。好ましいドロー比は、10〜120の範囲であ
る。
【0017】また、未延伸フィルムの延伸は、一軸延伸
でも二軸延伸でもよい。二軸延伸の場合は、一軸目の延
伸と二軸目の延伸を逐次行っても、同時に行ってもよ
い。
【0018】本発明のひねり包装用フィルムは、上記の
ようにして得られた未延伸フィルムを少なくとも一軸方
向に、1.1〜10倍、好ましくは1.1〜7倍延伸を
行うことにより得られる。延伸倍率が1.1倍未満の場
合は、フィルムの強度が不充分となる。10倍を超える
とフィルムが延伸時に破れることが多くなり好ましくな
い。
【0019】延伸は多段階に分けて行ってもよいし、二
軸方向に延伸してもよい。一軸延伸の場合は、ロール法
による縦延伸またはテンターによる横延伸が例示され
る。二軸延伸の場合は、これらを組み合わせればよい。
【0020】延伸温度は、用いる乳酸系ポリマーのガラ
ス転移点(Tg)〜Tg+50℃の範囲が好ましい。さ
らに好ましくはTg〜Tg+30℃の範囲である。
【0021】延伸温度がTg以下では延伸が困難であ
り、Tg+50℃を超えると延伸による強度向上が認め
られない。
【0022】本発明のひねり包装用フィルムの厚さは、
5〜50μmが望ましい。厚さが5μm未満ではフィル
ムが薄く非常に破れ易く、また、50μmを超えると包
装適性が悪くなり、特に好ましいのは、10〜30μm
である。
【0023】本発明のひねり包装用フィルムは、主成分
であるポリ乳酸系樹脂以外に、酸化防止剤、ブロッキン
グ防止剤、滑剤、帯電防止剤、増核剤、着色防止剤等の
添加剤、及び他のポリマー改質剤を添加してもよく、該
添加剤の使用は、ひねり包装用フィルムの特性を損なわ
ない範囲で使用すれば、特に制限されない。
【0024】なお、必要に応じてコロナ放電処理、界面
活性剤の塗布等の表面処理により、印刷性の改良、耐帯
電防止性等の二次特性を改良することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、この実施例で用いた評価方法は、以下の
通りである。
【0026】透明性 フィルムサンプルの透明性は、Haze(曇度)をAS
TM−D1003に準拠して測定する。
【0027】剛性 フィルムサンプルの延伸方向の引っ張り弾性率をAST
M−D882に準じて求め剛性とする。引っ張り速度は
300mm/分で行う。
【0028】重量平均分子量 クロロホルムに溶解させゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(以下、GPCという)法によりポリスチレ
ン換算の分子量を測定する。但し、ポリエチレンテレフ
タレートの溶剤としてヘキサフロロイソプロパノールを
用いる。また、試料を3ケ月間土中に埋めた時の分子量
残存率は下記式により求める。 分子量残存率=(Mw2/Mw1)×100 但し、Mw1:土中に埋没前の分子量 Mw2:土中に埋没後の分子量
【0029】ひねり適性 横ひねり時の縦破断の有無及び横ひねり保持性を測定す
る。サンプルフィルムを使用して、繰り返し回数を10
としてキャンディを2回転(720度)横ひねり包装
し、フィルムの裂け具合を実測しその平均長さをミリメ
ートル(mm)で表示する。また、720度横ひねり包
装したものを23℃で1時間放置し、その残留角を測定
する。
【0030】衝撃強度 フィルムインパクトテスター((株)東洋精機製)を用
いて、23℃において測定する。
【0031】ガラス転移点(Tg) 熱分析装置(PERKIN−ELMER社製、DSC
7)を用いて、昇温速度10℃/minで測定する。
【0032】調製例1〜3 市販のL−ラクチド(以下、L−LTDという)、DL
−ラクチド(以下、DL−LTDという)およびε−カ
プロラクトン(以下、CLという)をそれぞれ酢酸エチ
ルを用いて4回再結晶して精製した。表面をシラン処理
したガラス製反応容器に〔表1〕に示す量の上記L−L
TD、DL−LTD、GLD、および触媒としてオクタ
ン酸第一錫を仕込み、該容器内を減圧脱気して一昼夜乾
燥した。該反応容器を減圧のまま密閉し、〔表1〕に示
す所定温度まで加熱して所定時間重合した。反応終了
後、反応容器内容物を20倍量のクロロホルムに溶解
し、さらにクロロホルムの5倍量のヘキサン中にこれを
投入した。沈澱したポリマーを回収し、乾燥し、乳酸系
ポリマーP1〜P3を得た。これらの乳酸系ポリマーの
分子量およびガラス転移点(Tg)を測定し、その結果
を〔表1〕に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1〜7、比較例1〜4 調製例1および2で得られたP1およびP2を二軸スク
リュー押出機を用いて、ペレット化した後、Tダイ付き
口径30mm押出機を使用して、樹脂温度210℃で押
出した後、チルロールで冷却し、厚さ約80μmの未延
伸フィルムを得た。次いで、バッチ延伸機(岩本製作所
製、BIX−703型)を用いて、未延伸フィルムを
〔表2〕および〔表3〕に示す条件で延伸し、厚さ約2
0μmのひねり包装用フィルムを得た。得られたひねり
包装用フィルムの物性を測定し、得られた結果を〔表
2〕および〔表3〕に示す。さらに、得られたひねり包
装用フィルムを土中に3ケ月間埋めた時の分子量残存率
を調べ、結果を〔表2〕および〔表3〕に示す。
【0035】比較例5 ポリエチレンテレフタレート(PET)(ユニチカ
(株)製)をTダイ付き口径30mm押出機を使用し
て、樹脂温度290℃で押出した後、チルロールで冷却
し、厚さ約80μmの未延伸フィルムを得た。次いで、
得られた未延伸フィルムを実施例1と同様にして〔表
3〕に示す条件で延伸し、厚さ約20μmのひねり包装
用フィルムを得た。得られたひねり包装用フィルムの物
性および分子量残存率を実施例1と同様にして評価し、
結果を〔表3〕に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明のひねり包装用フィルムは、加水
分解性を有するポリ乳酸系ポリマーを主素材としている
ため、使用の後廃棄されても廃棄物として蓄積すること
がない。その上、従来公知のポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート等を素材とするひねり包装用フィルム
と略同等のひねり包装適性、強度等を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】剛性 フィルムサンプルの延伸方向の引っ張り弾性率をAST
M−D882に準じて求め剛性とする。引っ張り速度は
10mm/分で行う。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【表2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:04 (72)発明者 佐野 宏利 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸または乳酸−ヒドロキシカルボ
    ン酸コポリマーの未延伸フィルムを、ポリマーのガラス
    転移点(Tg)〜Tg+50℃の温度範囲で延伸してな
    ることを特徴とするひねり包装用フィルム。
JP32026792A 1992-11-30 1992-11-30 ひねり包装用フィルム Expired - Lifetime JP3372976B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07205278A (ja) * 1994-01-11 1995-08-08 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリ乳酸系重合体延伸フイルムの製造方法
JPH07207041A (ja) * 1994-01-11 1995-08-08 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリ乳酸系フイルム
JP2003002984A (ja) * 2002-06-14 2003-01-08 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリ乳酸系フィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07207041A (ja) * 1994-01-11 1995-08-08 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリ乳酸系フイルム
JP2003002984A (ja) * 2002-06-14 2003-01-08 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリ乳酸系フィルム

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