JPH06166574A - 黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物 - Google Patents

黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物

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JPH06166574A
JPH06166574A JP34151592A JP34151592A JPH06166574A JP H06166574 A JPH06166574 A JP H06166574A JP 34151592 A JP34151592 A JP 34151592A JP 34151592 A JP34151592 A JP 34151592A JP H06166574 A JPH06166574 A JP H06166574A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水に分散性がよい粒子などからなり、成形体の
密度が高く、耐食性、耐スポール性および耐酸化性に優
れた成形体が得られる黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組
成物を提供する。 【構成】主として塩基性化合物と黒鉛からなる不焼成定
形耐火物の30mm以下の破砕粒子5〜80重量%と、
残部の塩基性化合物粒子と親水性黒鉛質粒子と結合部構
成用粉末とからなり、黒鉛を組成物中に3〜40重量%
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製銑、製鋼の工程で使用
される容器の内張り材や消耗した内張り材の補修等に使
用されるキャスタブルなどの黒鉛含有塩基性不定形耐火
物用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】黒鉛を含む炭素含有塩基性定形耐火物
(所定の形状に成形された煉瓦)は、耐熱性、耐スポー
ル性などの好ましい性質を有するとともに、溶銑、溶鋼
および溶融スラグなどに濡れにくく、優れた耐食性を示
すことから製銑および製鋼の工程で広く使用されてい
る。
【0003】塩基性化合物の粒子、特にMgO粒子を主
な構成物とする炭素含有塩基性定形耐火物は、溶融スラ
グに対する耐食性に優れているので、製銑、製鋼など
で、溶融金属容器の内張り用ライニング材として広く使
用されている。
【0004】しかし、予め成形してベーキングあるいは
焼成された従来の黒鉛含有塩基性定形耐火物は、その施
工時に多くの人手を必要とするため、性能的には優れて
はいても、全体として人件費を始めとする多くの費用が
かかるという問題があり、昨今特に省力化が企業活動存
続のための必要条件とされていることもあって、不定形
耐火物の使用が顕著に増加しつつあるのが現状である。
【0005】不定形耐火物は予め混合された組成物に現
場において水などの分散媒体を加えて混合あるいは混練
し、流し込み材(キャスタブルともいう。)、ラミング
材、スタンプ材、吹き付け材などとして施工される耐火
物であり、施工に要する人手が少なくて済むという好ま
しい特徴を有する。
【0006】塩基性化合物を主成分とする組成物は分散
媒である水を加えたときの流動性が不足しているので、
種々の工夫がなされ、最近では一般的に使用されるよう
になっている。さらに、黒鉛を含む組成物では、黒鉛の
親水性が欠如していることによって不定形耐火物に使用
すると流動性が悪く、緻密で耐用のある耐火物とならな
いという問題を抱えているが、種々の工夫を加えて黒鉛
含有塩基性定形耐火物についても不定形耐火物に置き換
える試みが行われている。
【0007】MgO(マグネシア)、MgAl24
(スピネル)、MgCr24 (クロムスピネル)、M
gO−FeCr24 (マグネシアクロマイト)などの
塩基性化合物と黒鉛を主な構成物とする黒鉛含有塩基性
不定形耐火物は、結合部を構成する粉末が所定量配合さ
れ、現場で水などの分散媒体を加えて混合し、流し込み
などの公知の手段によって施工されるものである。分散
媒としては有機溶媒の使用も可能であるが、作業環境、
コストなどの点を勘案すると水が最も使いやすく、実用
性がある。
【0008】ここで結合部を構成する粉末粒子として
は、耐火物の熱上げ時あるいは高温での使用時に自己焼
結し、強度を発現するものであることが要求され、Al
23、SiO2 、3Al23 ・2SiO2 (ムライ
ト)、SiC、Al、Si、粘土等の粉末の他にアルミ
ナセメント、リン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、乳酸塩などの
結合材、リン酸塩、珪酸塩、スルホン酸塩などの界面活
性剤を適量配合(一部現場において液状で添加されるも
のもある。)したものとされるが、塩基性化合物にMg
Oを用いる場合には次のような問題があるとされてい
る。
【0009】自己焼結後の結合部とMgO粒子の熱膨張
係数を比べると、MgOの熱膨張係数の値が顕著に大き
い。ここでMgO粒子の表面積が大きく表面活性の高い
もの(粒子が小さいまたは気孔率が大きいもの)である
場合には、結合部との反応によって中間の熱膨張率を有
する化合物がMgO粒子の周囲に生成するが、MgO粒
子が緻密であって表面積が小さいものでは、粒子の表面
で結合部と反応するのみで大部分はMgO粒子のままで
残留し、MgO粒子元来の性質を失わない。
【0010】このため、繰り返し使用される熱サイクル
(常温〜1600℃)を受けると、MgO粒子と結合部
との間の熱膨張の差により、大きなMgO粒子の周囲に
は亀裂が生じ、耐火物の強度などの物性が劣化するとと
もにこの亀裂に地金が侵入して浸食が促進され、内張り
材として充分な耐用が得られない。
【0011】特公平3−2825にはこの問題を解決す
るための対応策の一つが開示され、熱膨張係数が塩基性
化合物粒子より小さく粒径が50mmより大きい粒子
(粗大粒子)を15〜60重量%配合することにより、
結合部と塩基性の耐火性粒子との間の熱膨張差を緩和
し、地金が侵入するような大きさの亀裂の発生を防止し
た塩基性不定形耐火物が提案されている。
【0012】しかし熱膨張率の小さい粗大粒子を得るた
めには、粗大粒子の粉体原料を所定の化学組成に調合し
て成形後に高温焼成する等、原料処理に多くのエネルギ
ーコストがかかるという欠点がある。また、耐食性が最
も優れていると考えられるMgOを塩基性化合物として
配合する耐火物の場合には、粗大粒子中にAl23
Fe23 、SiO2 、Cr23 などMgO以外の成
分を含有せしめて熱膨張の小さいものとする必要があ
り、必然的にMgO質耐火物が元来有する優れた特性が
いくらか犠牲になるという欠点がある。
【0013】一方、黒鉛は溶銑、溶鋼および溶融スラグ
に対して濡れにくく耐食性があり、弾性率が耐火性の塩
基性化合物と比べて顕著に小さく、かつ熱伝導性が良好
なので、黒鉛含有塩基性不焼成定形耐火物として使用さ
れるとき、ある配合量までは黒鉛の配合量に比例して耐
火物の耐用がよくなるとともに耐熱衝撃性が向上し、繰
り返し熱サイクルを受けても亀裂のような組織劣化のな
い耐火物を得ることができる。
【0014】したがって、黒鉛含有塩基性不定形耐火物
であって密度が大きい成形体が得られれば、製銑や製鋼
において使用されている黒鉛含有塩基性定形耐火物と置
き換えることができる耐火物が得られるものと期待され
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの課
題を解決することにより、水を分散媒として鋳込み成形
などにより成形するとき流動性がよく、より緻密で耐食
性や耐スポール性に優れた耐火物成形体となり、熱サイ
クルを受けても耐食性を損なうような亀裂が発生しない
黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物を提供しようとす
るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、主として塩基
性化合物と黒鉛とで構成される不焼成定形耐火物を破砕
して粒径30mm以下とした破砕粒子5〜80重量%
と、残部が塩基性化合物粒子と黒鉛質粒子と結合部構成
用粉末とからなり、黒鉛を炭素量換算で組成物中に3〜
40重量%含むことを特徴とする黒鉛含有塩基性不定形
耐火物用組成物である。
【0017】溶銑、溶鋼および溶融スラグと接触する用
途の耐火物に配合されて良好な耐食性が得られる塩基性
化合物または塩基性化合物粒子としては、MgO、Mg
O−FeCr24 、CaO(カルシア)、MgO−C
aO(ドロマイト)、MgAl24 などの塩基性化合
物、があり、特にMgOは耐食性が優れている。
【0018】本発明組成物の主な構成物である破砕粒子
には、例えば特公昭60−2269などに開示されてい
る、通常プレス成形したのちベーキング処理がなされた
不焼成の黒鉛含有塩基性定形耐火物を破砕して得られる
ものが使用され、破砕粒子は不焼成であることによって
焼成に要するエネルギーは不要であり、黒鉛含有塩基性
不定形耐火物用組成物の構成粒子として充分に緻密で耐
食性がある。また、破砕粒子では黒鉛の一部分のみが粒
子の表面に露出しているので、全体として親水性を有し
ており、水を分散媒に使用して流動性があり比較的嵩比
重の大きい(ただし、黒鉛は比重が小さいので黒鉛含有
量の多いものでは嵩比重は相対的に小さくなる。)黒鉛
含有塩基性不定形耐火物の成形体が得られる。
【0019】この破砕粒子は組成物中に5〜80重量%
配合される。5重量%未満では、破砕粒子を配合する効
果、すなわち全体として親水性を有している破砕粒子の
存在により、水を媒体として流動性が得られるという効
果が小さく、80重量%超では破砕粒子間に存在する結
合部の割合が少なくなり、実用性のある強度を有する耐
火物成形体が得にくい。
【0020】破砕粒子の粒径を30mm以下、好ましく
は20mm以下、としたのは、組成物の調製を容易と
し、黒鉛含有塩基性不定形耐火物としての広範な用途へ
の使用および施工を容易とするためである。破砕粒子と
しては使用済み黒鉛含有塩基性不焼成定形耐火物を砕い
たものも使用でき、これにより回収資源の有効利用はも
ちろん、廃棄物の量の少ない耐火物再利用サイクルを組
むことが可能である。
【0021】塩基性化合物と黒鉛を主とする不焼成定形
耐火物の粉砕粒子の粒径は1mm以上とすることが好ま
しい。1mm未満とすると黒鉛の露出する疎水性の表面
が増加することにより破砕粒子の親水性が低下し、結果
として施工される不定形耐火物の流動性が低下する傾向
がある。
【0022】黒鉛としては、鱗片状黒鉛、土壌天然黒
鉛、電極屑などの人造黒鉛、高温で熱処理されたピッチ
コークスやカーボンブラックなどが使用でき、特に鱗片
状の天然黒鉛は、耐酸化性と耐食性の点で優れているの
で好ましい黒鉛粒子である。また、黒鉛含有塩基性不定
形耐火物用組成物の全重量に対して黒鉛を炭素量換算で
組成物中に3重量%以上配合することにより、施工され
た耐火物に亀裂が入るのが防止され、溶鋼やスラグに濡
れにくくなり耐食性と耐熱衝撃性が向上する。
【0023】しかし、あまり多量に黒鉛を配合すると、
黒鉛粒子間に存在する結合部の割合が少なくなり、得ら
れる耐火物の密度と強度が低下する傾向があって耐食性
と耐酸化性が低下するので、組成物中の黒鉛の含有量を
炭素量換算で40重量%以下とし、施工される耐火物の
密度を小さくしないようにする。これによって実用性の
ある耐酸化性と耐食性および耐熱衝撃性を備える耐火物
が得られる。
【0024】黒鉛を含む破砕粒子は熱膨張率が相対的に
やや小さく、塩基性化合物として熱膨張率が大きいMg
Oが配合された黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物と
した場合、成形された耐火物が繰り返し熱サイクルを受
けても、地金が侵入するような亀裂の発生を避けること
ができ、耐食性が損なわれない。
【0025】さらに、本発明の黒鉛含有塩基性不定形耐
火物用組成物中には結合部構成用粉末が配合され、結合
剤としてリン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、乳酸塩、粘土、ア
ルミナセメント、シリガソルなどを0.1〜5重量%の
範囲で、また分散剤としてリン酸塩、珪酸塩、スルホン
酸塩、界面活性剤などを0.01〜1重量%の範囲でそ
れぞれ含有せしめることができる。
【0026】このように破砕粒子と黒鉛質粒子と結合部
構成用粉末を混合された組成物に、必要に応じて分散剤
を加え、分散媒体である水を加えて混合あるいは混練す
ることによって、流し込み材、ラミング材、スタンプ
材、吹きつけ材として使用できる黒鉛含有不定形耐火物
用組成物を得ることができる。
【0027】黒鉛粒子についても親水性を有するものを
使用するのが好ましく、黒鉛質粒子の表面処理法として
は、強酸による表面酸化処理、界面活性剤のコーティン
グ処理、CVD処理、有機樹脂によるコーティング処
理、親水性を有する小粒子を固着せしめる高速気流中に
おける衝撃処理等が採用できる。
【0028】本発明の他の好ましい黒鉛含有塩基性不定
形耐火物用組成物では、黒鉛質粒子が黒鉛粒子の表面に
黒鉛粒子よりも平均粒径が小さく、親水性を有する金
属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物および金属炭
化物から選ばれる一種以上からなる親水性の小粒子が固
着されているものである。
【0029】小粒子の平均粒径が黒鉛粒子の平均粒径以
上である場合には、黒鉛粒子表面に固着される親水性粒
子の割合が少なくなり、固着の強度が低下する他、次に
何らかの方法で成形体としたときにも、気孔率が大きく
なる傾向があり、不定形耐火物成形体としての耐用が充
分なものとはならない。小粒子の固着により黒鉛粒子の
表面が覆われやすくするためには、小粒子の平均粒径を
黒鉛粒子の40%以下とするのが好ましい。また、この
固着は結合剤を間に介することなくなされているのが好
ましい。
【0030】黒鉛粒子の平均粒径としては、0.1μm
から1mm以上の粗いものまで使用できるが、好ましく
は平均粒径が1μmから1mmの範囲のものである。こ
れは平均粒径が1μm以上あれば黒鉛固有の好ましい特
性が耐火物に付与され、平均粒径が1mm以下ならばそ
の調達と粒子の衝撃処理による黒鉛質粒子表面への親水
性小粒子の固着が容易であり、黒鉛粒子の親水性粒子に
よる良好な被覆が形成されやすいためである。なお、本
発明における黒鉛粒子の平均粒径はレーザ回折式粒度分
布計により得られる重量平均粒径をいう。
【0031】親水性を有する小粒子には、金属酸化物と
して、SiO2 、3Al23 ・2SiO2 、Al2
3 、MgO、MgAl24 、Cr23 、ZrO2
TiO2 、B23 、ZrSiO4 、アルミナセメント
および粘土が、金属炭化物として、B4 C(炭化硼素)
およびSiC(炭化珪素)が、金属窒化物として、Si
34 (窒化珪素)およびBN(窒化硼素)が、金属硼
化物として、ZrB2(硼化ジルコニウム)が、金属と
して、Al、Si、Ti、Mgおよびこれらの合金が目
的とする用途に応じて好ましく使用できる。
【0032】親水性以外にも付与される特性を考慮する
と、小粒子の粉体としてはSiCが最も好ましい。Al
23 とSiO2 は親水性を有する小粒子の粉として入
手が容易で手頃な原料であって、本発明の黒鉛含有不定
形耐火物用組成物に好ましく使用できる。
【0033】小粒子には、例えば、吹きつけ用坏土、流
し込み用坏土、つき固め用坏土などとするときに、分散
媒である水(pHなどの条件を含む)に対するゼータ電
位の絶対値が大きく、良好な分散性を示す組み合わせ、
さらには最終製品の使用目的に応じ、耐熱性、耐スポー
ル性、熱伝導性、電気伝導性、黒鉛質粒子の酸化防止機
能などの特性を発現するのに適した小粒子の粉を選定す
るとよい。
【0034】黒鉛粒子が酸化されるのを防止する機能を
有する小粒子としては、例えば酸素親和力が黒鉛粒子よ
り大きいSiやAlの粉があり、酸化されて焼結体の通
気性を低下せしめる小粒子としてはSiやSiCの粉が
あり、高温で溶けてガラス相を形成し、黒鉛粒子を覆っ
て耐酸化性を向上せしめる性質を有する小粒子としては
SiO2 や珪酸塩の粉がある。
【0035】黒鉛粒子の表面に親水性のある小粒子が固
着された黒鉛質粒子は親水性を有しているので、このよ
うな黒鉛質粒子が配合された不定形耐火物用組成物は水
を分散媒に使用して密度が大きく耐食性のよい流し込み
耐火物が成形できる。
【0036】本発明の他の好ましい黒鉛含有塩基性不定
形耐火物用組成物では、黒鉛質粒子が、黒鉛粒子70〜
97重量%と平均粒径が黒鉛粒子の40%以下である親
水性の小粒子3〜30重量%からなる混合物を高速気流
中に投入して衝撃処理し、黒鉛粒子の表面に親水性の小
粒子を固着せしめたものである。
【0037】黒鉛粒子に親水性の小粒子を固着せしめて
親水性の黒鉛質粒子とする手段としては、公知の衝撃を
加えて粉砕を行う乾式破砕機の回転するハンマーの速度
を調節したものが使用できるが、特公平3−2009に
開示されている類の装置を使用し、黒鉛粒子と親水性の
小粒子との混合粉体を高速気流中に投入して衝撃処理す
る方法が簡便かつ好適である。また、小粒子の平均粒径
によっても左右されるが、黒鉛粒子に親水性の小粒子を
3重量%以上固着せしめることにより、黒鉛粒子の表面
をほぼ完全に小粒子で覆われた親水性を有する黒鉛質粒
子とすることができる。
【0038】この衝撃処理は小粒子の一部が破砕される
程度の強い衝撃を加えた方が固着が堅固となり、小粒子
がある程度破砕されても黒鉛質粒子の親水性が低下した
り、耐火物の特性が悪くなることもない。しかし、小粒
子を30重量%を超えて黒鉛粒子に固着せしめると、小
粒子の耐食性は塩基性化合物と比べて優れていないの
で、得られる耐火物の耐食性が低下することになり、多
くても30重量%、好ましくは20重量%以下とするの
が好ましい。
【0039】小粒子の平均粒径は、黒鉛粒子の平均粒径
の40%以下、特には20%以下とするのが好ましく、
小粒子の平均粒径を規定することによって黒鉛粒子の表
面をより完全に小粒子で覆うことができ、このことは小
粒子の表面エネルギーがより大きくなって黒鉛粒子への
固着性が高まるためであると推定される。
【0040】衝撃処理装置を用いる黒鉛粒子の親水化処
理の具体例を示すと以下の通りである。先ず、予め決め
た割合の黒鉛粒子と親水性の小粒子の粉を撹拌羽根を備
えたミキサー中に投入して混合し、好ましくは黒鉛粒子
の周りに小粒子が静電気などで付着し均等に分散された
混合物とする。静電気による好ましい付着が得られない
場合には低濃度の結合剤水溶液を霧状にして黒鉛粒子に
吹き付けたりするなどにより付着せしめてもよい。
【0041】次いでこの混合物を、例えば高速気流中で
衝撃処理を行う装置に投入して混合物された粒子に衝撃
力、圧縮力、摩擦力、剪断力などの機械的作用を繰り返
して与え、黒鉛粒子が過度に破砕されないように衝撃の
強さを調整しつつ小粒子を黒鉛粒子に固着せしめる。こ
の衝撃処理により、黒鉛粒子は角が取れて球状あるいは
楕球状に近づくとともに、黒鉛粒子の表面に親水性の小
粒子がめり込んだ状態で固着し、黒鉛粒子が小粒子によ
って被覆された状態になる。
【0042】大抵の組み合わせについて、黒鉛粒子は親
水性の小粒子より硬度が低いので、小粒子は黒鉛粒子の
表面にめり込みやすく、小粒子の黒鉛粒子表面への固着
を容易に行うことができ、親水性の小さい黒鉛粒子に良
好な親水性を付与できる。
【0043】黒鉛質粉体とされる黒鉛粒子の形状として
は、鱗片状や針状のようにアスペクト比の大きいもので
なく、サイコロ状のようにアスペクト比の小さいもので
ある方が黒鉛粒子の破砕が起きにくく、小粒子の固着が
容易である。したがって、予め衝撃処理を施してアスペ
クト比を小さくしたり、アスペクト比の小さい黒鉛粒子
を選ぶことは好ましい方法である。
【0044】高速気流中で衝撃処理を行う上述の方法
は、黒鉛粒子のアスペクト比を小さくする作用が同時に
行われ、最初の黒鉛粒子表面に亀裂や凹凸があっても、
小粒子がこの部分にめり込んで固着されるので、嵩比重
の大きい耐火物成形体を得やすく好ましい。すなわち、
このように処理された黒鉛質粉体を配合した組成物は充
填性がよく、水を分散媒として使用しない場合にも気孔
率が小さくて、嵩比重の大きい耐火物成形体が得られ
る。
【0045】黒鉛質粉体の黒鉛粒子に固着させる親水性
の小粒子として、二種類以上の親水性の小粒子を黒鉛粉
体の粒子に同時にあるいは重ねて固着せしめることがで
き、それぞれの小粒子に親水性以外の異なる機能を担わ
せることも可能である。
【0046】このようにして得られた黒鉛質粉体は、分
散媒として用いる水中に投入された場合、界面における
ゼータ電位の絶対値が大きく、水との濡れ性(親水性)
が良好であり、他の塩基性化合物粒子および比較的少量
の水と混合して流動性のよい坏土、あるいは充填性の良
好な坏土とすることができ、気孔率が小さく、嵩比重の
大きい耐火物成形体が得られるという好ましい効果があ
る。
【0047】こうして得られた水に対する分散性のよい
黒鉛質粉体を破砕粒子とともに黒鉛含有塩基性不定形耐
火物用組成物に使用することにより、嵩比重が従来の黒
鉛含有塩基性不定形耐火物より顕著に大きく、嵩比重が
定形耐火物に近い、あるいはたとえ少々嵩比重が定形耐
火物より小さく若干耐食性が劣る場合にも、成形された
不定形耐火物には定形耐火物のような合わせ目地がない
分だけ耐食性が有利であることにより、総合的に耐スポ
ール性、耐酸化性、耐食性などに優れ、コストパーフォ
ーマンスのよい黒鉛含有塩基性不定形耐火物の成形体が
得られる。
【0048】本発明の他の好ましい黒鉛含有塩基性不定
形耐火物用組成物では、黒鉛含有不焼成定形耐火物に使
用されている結合剤がフェノール樹脂である。フェノー
ル樹脂中には成分元素として酸素が含まれているので極
性があり、黒鉛と比べて同様に極性である水に濡れやす
い性質を有している。
【0049】本発明の他の好ましい黒鉛含有塩基性不定
形耐火物用組成物では、塩基性化合物粒子として溶融固
化された緻密な粒子が使用され、電気溶融された緻密な
粒子が配合された組成物からなる黒鉛含有不定形耐火物
はさらに耐食性に優れる。
【0050】本発明の他の好ましい黒鉛含有塩基性不定
形耐火物用組成物では、破砕粒子を組成物中に15〜6
6重量%含む。また、さらに他の好ましい態様では、黒
鉛を組成物中に炭素量換算で全重量の7〜35重量%含
む。
【0051】黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物をこ
のように調製することにより、得られる黒鉛含有塩基性
不定形耐火物の成形体は、熱サイクルに対する抵抗性
(耐熱衝撃性および耐スポール性)に優れ、さらには気
孔率が小さく、したがって嵩比重が大きく、製銑や製鋼
に使用される溶湯容器の内張り材として用いるとき、耐
酸化性、耐食性にも優れ、定形耐火物のように耐食性の
劣る目地がないことも含めて考慮すると、総合的に定形
耐火物よりもコストパフォーマンスに優れる。
【0052】本発明の他の好ましい黒鉛含有塩基性不定
形耐火物用組成物では、破砕粒子中に含まれる塩基性化
合物の粒子の最大粒径が2mmとされる。このような小
さい最大粒径の塩基性化合物が含まれる破砕粒子を使用
することにより、破砕粒子の大きさをより広い任意の粒
径範囲に調整することができ、かつ容易となる。
【0053】
【実施例】以下、本発明の黒鉛含有塩基性不定形耐火物
用組成物を実施例によって具体的に説明するが、本発明
はこれらの実施例によってなんら限定されない。
【0054】試験例 破砕粒子は次のように調製した。すなわち、平均粒径が
約0.8mmの電融されたMgO粒子(純度97%)と
平均粒径が0.2mmの燐片状黒鉛粒子(固定炭素分9
8%)に、平均粒径が約20μmのAlの粉(黒鉛の酸
化防止用)を3重量部、結合剤としてフェノール樹脂を
5重量部それぞれ加え、混合後1000kg/cm2
プレス成形し、空気中において約200℃で5時間保持
して乾燥硬化せしめ、これを破砕後篩で分級して表1と
表2に示した粒度の粉体として組成物に配合した。
【0055】塩基性化合物粒子には電融MgO粒子を篩
分けたものを使用した。また、親水性の黒鉛質粒子は次
のように調製した。先ず、高速気流中で黒鉛粒子と親水
性の小粒子の混合物を衝撃処理して黒鉛粒子の表面に親
水性の小粒子を固着せしめる装置として奈良機械社製の
装置(型式名NHS−3)を用いた。この装置の主要部
は図1と図2に示される構成を有しており、図1は正面
断面図で図2はその側面の断面図である。図中1はケー
シング、2は前方壁、3は後方壁、4は回転板、5はブ
レード(ハンマー)、6は回転軸、7は衝撃室、8は衝
撃壁、9は粉体出口弁、10は粉体循環回路管、11は
粉体入口弁、12はホッパーである。
【0056】この装置では、ホッパー12に入れられた
黒鉛粒子と小粒子の混合粉体は、粉体入口弁11からリ
ング状の空間からなる衝撃室7内に導入される。衝撃室
7中には、図示されていない電動機により駆動される回
転軸6に固定された回転板4と、回転板4に固定された
ブレード5があってともに高速で回転する。ブレード5
の回転により衝撃室7内に高速気流が生じ、衝撃室7に
取り付けられた粉体循環回路管10の閉じた流路を気流
が粉体を伴って矢印の方向に循環するようになってい
る。
【0057】循環する黒鉛粒子と親水性の小粒子の混合
粉体の粒子はこの中で互に衝突する他、高速で回転して
いるブレード5などにより衝撃力を受け、圧縮力、摩擦
力、剪断力などの機械的作用を繰り返し受ける。その結
果、黒鉛粒子は次第にその角が取れて、アスペクト比の
小さい球状あるいは楕球状の粒子形状に近づくととも
に、黒鉛粒子の表面には親水性の小粒子が固着され、か
つ被覆されることによって黒鉛粒子に親水性が付与され
た黒鉛質粒子が得られる。
【0058】ブレード5の速度は、黒鉛粒子が過度に破
砕されない速度に調整される。すなわち、衝撃処理装置
の回転板4の外周速度は、10〜150m/秒の範囲で
調節可能であるが、投入された黒鉛粒子の破砕が過度に
起きないよう、回転板4を100m/秒以下の外周速度
で衝撃処理を行うのが適当であることが分かった。
【0059】すなわち、黒鉛粒子として固定炭素分が9
8重量%、粒径150μm以下で平均粒径が約51μm
の鱗片状黒鉛粒子を使用し、親水性を有する小粒子とし
て黒鉛粒子よりもゼータ電位の絶対値が大きく、水への
分散性に優れるSiCの粉(平均粒径約5.4μm)
を、燐片状黒鉛粒子83重量%に対して17重量%混合
し、上述の衝撃処理装置に投入してSiCの小粒子を黒
鉛粒子の表面に固着せしめ親水化処理を行った。
【0060】試験では、黒鉛粒子の破砕が過度に起き
ず、かつ小粒子の固着が効果的に行われるように、回転
数を回転板4の外周速度が60m/秒となるように設定
し、また衝撃処理の時間については、1〜20分の範囲
で変えられるが、短時間であっても処理効果が充分得ら
れる条件ということで3分間に設定し、0.8kgの混
合粉体を繰り返し投入して黒鉛粒子の表面に親水性の小
粒子を固着せしめた。
【0061】処理された混合粉体は黒鉛粒子の表面が親
水性の小粒子で被覆された黒鉛質粒子となり、これを粉
体出口弁9を開いて取り出す。
【0062】表1と表2に示されている組成物に配合さ
れたAl23 粉、SiO2 粉、Al粉およびSiC粉
の平均粒径はそれぞれ約0.6μm、約0.2μm、約
12μmおよび約5.4μmである。なお、これらの細
かい粒子の粒径はレーザ回折式粒度分布計(マイクロト
ラック社製、モデル7997)によって測定され、平均
粒径は重量平均粒径である。また、金属Si粉には10
0メッシュの篩を通した149μm以下の粉を使用し
た。
【0063】このようにして調製された黒鉛質粒子と破
砕粒子を表1、表2に示した割合で配合し(重量部)、
さらに塩基性化合物の粒子や結合部となる粉などを混合
して黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物を得た。これ
らの組成物を以下に説明する方法によって評価し、その
結果を表1、表2に併せて示した。表1と表2中の例3
〜例15は本発明の実施例であり、他は比較例である。
表2の例14*2と例15*2では、MgOを塩基性粒子と
して含む黒鉛含有塩基性定形耐火物(黒鉛含有量は炭素
量換算で13重量%)の転炉で使用された回収品を破砕
し、分級して所定の粒径とされた破砕粒子を配合した。
【0064】また、例8*1と例16*1はいずれも親水化
処理がされていない黒鉛粒子を配合した黒鉛含有塩基性
定形耐火物用組成物の例であり、例8*1は破砕粒子を配
合した組成物によって得られる耐火物成形体の特性を示
している。
【0065】表1と表2に示された調合成分のうち、上
方から乳酸アルミニウムまでの成分は固体の粉体あるい
は粉であり、ここまでの合計重量が100重量部となる
ようにしてあり、ここまでの調合成分が本発明にいうと
ころの不定形耐火物用組成物に相当する。他方液状の界
面活性剤(ポリカルボン酸型陰イオン系界面活性剤な
ど)と水は現場において組成物と混合される。
【0066】a.坏土の流動性 表1、表2に示す配合とした黒鉛含有塩基性不定形耐火
物用組成物を万能ミキサーの容器に投入して10分間混
合したのち、組成物100重量部に対して界面活性剤少
々と蒸留水5.5〜8.3重量部を加えてさらに1分間
混合し、チクソトロピー性を有する坏土を得た。これら
の坏土を内径100mm高さ50mmの型枠内に充填
し、型枠を抜き取った状態の坏土に3Gの強さの上下方
向の振動を10秒間与えて坏土を軟化変形せしめ、坏土
の最大広がり長さを測定して流動性指数(mm)とし
た。
【0067】b.嵩比重 流動性の測定に供したのと同様に調製された坏土を50
mm×50mm×50mmの内寸法を有する型に振動を
与えながら鋳込み成形し、室温で一昼夜放置して硬化さ
せた後型から外し、110℃でさらに24時間乾燥した
後、試験片の嵩比重を測定した。
【0068】c.スポーリング試験 65mm×114mm×230mmの寸法に鋳込み成形
したものを空気中にて300℃で10時間保持後、常温
に冷却して試験体とした。試験体の長手方向の片端部を
1400℃に加熱された電気炉(空気雰囲気)内に挿入
して15分間加熱後取り出し常温下で3分間放冷し、さ
らに常温の水道水中に12分間浸漬する操作を20回繰
り返した。試験体の加熱、冷却端では亀裂が入って剥離
や脱落が起きるので、上記操作の10回目と20回目に
おいて欠落した試験体の重量減少を操作前の重量(10
0%)に対する比率として重量減(%)を求めた。
【0069】d.耐酸化性 不定形耐火物成形体を50mm×50mm×50mmに
切断した試験片を空気中1500℃において2時間保持
し、冷却後中央部で切断して断面における脱炭層(黒鉛
が酸化焼失した層)の深さを測り、その耐酸化性を評価
した。
【0070】e.侵食試験 鋳込み成形により断面が台形である40mm×120m
m×50〜83mmの黒鉛含有不定形耐火物試験片を作
成し、合計8個組み合わせて中央に8角形の穴を形成し
たものを誘導炉のルツボの上部の溶鋼の湯面となる箇所
にモルタルで固定し、このルツボに炭素鋼片50kgと
合成スラグ100gを入れて1650℃で誘導加熱して
溶融し、スラグ100gを30分毎に入れ替えながら1
650℃に合計5時間保持し、冷却後試験片を取り出
し、試験片を縦方向に切断して最も深い浸食を受けた部
分の浸食深さから浸食速度を求めた。
【0071】この浸食試験に使用した合成スラグの化学
組成は重量%で、CaO 40%、CaF2 20%、S
iO2 10%およびAl23 30%である。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】比較例として黒鉛を含まない塩基性不定形
耐火物用組成物(例17)を調製して試験を行った。調
合は例1に準じたものとし、黒鉛質粒子の代わりに粒径
0.088μm未満の電融MgO粒子を配合したものに
蒸留水を5.5重量部混合したものについて同様の試験
を行ったところ、流動性指数は195mm、嵩比重は
2.90、スポーリングテストの結果は10回で8.4
%、20回で18.9%、浸食速度は2.8mm/時間
であった。
【0075】他の比較例として黒鉛を15重量%含む嵩
比重が2.9の黒鉛含有MgO不焼成定形煉瓦(例1
8)についても同様の試験を行ったところ、10回の熱
サイクル後の重量減は2.4%、20回の熱サイクル後
の重量減は4.2%であり、酸化層深さは4.6mm、
浸食速度は3.8mm/時間であった。
【0076】以上の試験結果から、黒鉛を含有しない例
17と比較して、塩基性化合物粉体および黒鉛質粉体を
含有した例1〜16のいずれもスポーリングテストによ
る重量減が少なく優れた耐スポール性を示した。また、
本発明による黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物によ
り得られる耐火物成形体は、実用上重要である耐食性、
耐スポール性、耐酸化性において黒鉛含有塩基性定形耐
火物とほとんど遜色のない性能を有していることが分か
る。
【0077】
【発明の効果】本発明の黒鉛含有塩基性不定形耐火物用
組成物は水を媒体として使用して流動性がよく、従来試
みられている黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物など
と比べて嵩比重の大きい不定形耐火物成形体が得られ、
現在製銑や製鋼の分野で多用されていて性能的に定評の
ある黒鉛含有塩基性定形耐火物と比較し、耐スポール
性、耐食性、耐酸化性などにおいてほとんど遜色なく、
不定形耐火物では定形耐火物のように浸食が進みやすい
目地がない分だけ耐食性において有利である。
【0078】かくして、耐火物の製造工程やその施工で
必要とされるエネルギーの消費と人手を顕著に減らせる
という効果のある分だけ優れたコストパーフォーマンス
を有する黒鉛含有塩基性不定形耐火物が得られる。
【0079】組成物中に破砕粒子を配合することによっ
て嵩比重の大きい成形体が得られ、MgO粒子と結合部
の間の熱膨張差を緩和して地金が侵入し得るような亀裂
の生成が阻止されるとともに、耐火物成形体の耐食性と
耐スポール性が向上し、耐用のよい黒鉛含有塩基性不定
形耐化物用組成物が提供される。
【0080】また、親水性の小粒子が表面に固着された
黒鉛質粉体を配合された組成物は、分散性に優れていて
嵩比重の大きい不定形耐火物の成形体が得られ、耐食
性、耐スポール性および耐酸化性に優れた不定形耐火物
成形体を得るのに寄与する。
【0081】さらに本発明の黒鉛含有不定形耐化物用組
成物に配合する不焼成定形耐火物の破砕粒子には、転炉
等に使用された黒鉛含有MgO質定形耐火物などの粉砕
物を破砕粒子として使用しても、試験結果に示されたよ
うな良好な特性の不定形耐火物成形体が得られ、きわめ
て安価な不定形耐火物を提供するとともに、使用済み耐
火物のリサイクルにより、耐火物の廃棄物を顕著に減ら
せることになる。
【0082】かくして耐スポール性、耐食性、耐酸化性
が不充分であったため製銑や製鋼の分野であまり使用さ
れていなかった黒鉛含有不定形耐化物が、その使用特性
が大幅に改善されたことにより、不定形耐化物固有の省
力性、省エネルギー性の特徴を活用する道が開けるの
で、その産業上の利用価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物
に配合される黒鉛質粉体を親水化処理するのに使用され
る装置の一例の正面断面図
【図2】図1の側面断面図
【符号の説明】
1:ケーシング 2:前方壁 3:後方壁 4:回転板 5:ブレード 6:回転軸 7:衝撃室 8:衝撃壁 9:粉体出口弁 10:粉体循環回路管 11:粉体入口弁 12:ホッパー
フロントページの続き (72)発明者 坂本 敏 兵庫県高砂市梅井5丁目6番1号 旭硝子 株式会社高砂工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として塩基性化合物と黒鉛とで構成され
    る不焼成定形耐火物を破砕して粒径30mm以下とした
    破砕粒子5〜80重量%と、残部が塩基性化合物粒子と
    黒鉛質粒子と結合部構成用粉末とからなり、黒鉛を炭素
    量換算で組成物中に3〜40重量%含むことを特徴とす
    る黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物。
  2. 【請求項2】請求項1において、黒鉛質粒子は黒鉛粒子
    が親水化処理されたものである黒鉛含有塩基性不定形耐
    火物用組成物。
  3. 【請求項3】請求項2において、黒鉛質粒子が黒鉛粒子
    の表面に黒鉛粒子よりも平均粒径が小さく、金属、金属
    酸化物、金属窒化物、金属硼化物および金属炭化物から
    選ばれる一種以上からなる親水性の小粒子が固着されて
    いるものである黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物。
  4. 【請求項4】請求項3において、黒鉛質粒子が、黒鉛粒
    子70〜97重量%と平均粒径が黒鉛粒子の40%以下
    である親水性の小粒子3〜30重量%とからなる混合物
    を高速気流中に投入して衝撃処理し、黒鉛粒子の表面に
    親水性の小粒子が固着されたものである黒鉛含有塩基性
    不定形耐火物用組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1つにおいて、塩
    基性化合物がMgOである黒鉛含有塩基性不定形耐火物
    用組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つにおいて、不
    焼成定形耐火物がフェノール樹脂を結合剤として使用し
    ているものである黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成
    物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1つにおいて、塩
    基性化合物粒子は溶融固化された緻密な粒子が配合され
    てなるものである黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成
    物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1つにおいて、破
    砕粒子の粒径が1〜20mmの範囲にあり、破砕粒子を
    組成物中に15〜66重量%含む黒鉛含有塩基性不定形
    耐火物用組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1つにおいて、黒
    鉛を炭素量換算で組成物中に7〜35重量%含む黒鉛含
    有塩基性不定形耐火物用組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1つにおいて、
    破砕粒子中の塩基性化合物の粒子の最大粒径が2mm以
    下とされた黒鉛含有塩基性不定形耐火物用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8182599B2 (en) 2005-07-22 2012-05-22 Krosaki Harima Corporation Carbon-containing refractory, production method thereof, and pitch-containing refractory raw material

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