JPH0616584Y2 - 器具洗浄機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は医療用・実験用器具等を洗浄する器具洗浄機に
関する。

(ロ)従来の技術 従来、給水配管に接続した給水制御バルブを開閉して常
温の洗浄水を洗浄室内に供給し、この洗浄水をヒータに
よって加熱して所定温度を維持しながら食器類の洗浄を
行う食器洗浄機がある。

そして、このヒータによる加熱時間の短縮やヒータの加
熱労力（消費電力）の低減を図るために、給水制御バル
ブに加えて給湯制御バルブを設け、この給湯制御バルブ
を給湯装置からの給湯配管に接続し、予め設定された所
定温度に応じて給水制御バルブを開閉するか、給湯制御
バルブを開閉するかを切り換えるようにしたものが、医
療用・実験用器具等を洗浄する器具洗浄機において提案
されている（特願昭６０−７７３３号）。

(ハ)考案が解決しようとする問題点 ところが、このような器具洗浄機では、設置場所に配管
が１つしかない場合（例えば給水配管しかない場合）、
本体側の給水管、給湯管の一方だけに給水配管を接続す
ると、洗浄水の設定温度によっては洗浄水の供給ができ
ないときがある。例えば、給水配管を給水管に接続して
設定温度を高温にすると、給湯制御バルブが自動的に開
くが、給湯管には配管が接続されていないため、これで
は給水できない。

本考案は、設置場所に配管が１つしかない場合であって
も、特別な工具や部品を使用することなく洗浄水の確実
な供給が行えるようにしたものである。

(ニ)問題点を解決するための手段 本考案の器具洗浄機は、洗浄室への洗浄水の供給を制御
する給水制御バルブ及び給湯制御バルブと、前記洗浄室
内に貯められた洗浄水を加熱するヒータと、前記洗浄室
に収容した被洗浄物に洗浄水を掛けて洗浄を行う洗浄ポ
ンプと、洗浄水の温度を任意に設定できる温度設定手段
と、前記給水制御バルブ及び給湯制御バルブの双方の制
御バルブが使用されるか、予め決められた一方のみの制
御バルブが使用されるかを切り換える切換手段と、この
切換手段が双方の制御バルブを使用するように切り換え
られているときには、前記温度設定手段で設定された設
定温度に基づいて前記給水制御バルブ及び給湯制御バル
ブの開閉制御を行い、洗浄水の供給を行う自動開閉手段
と、前記切換手段が一方の制御バルブのみを使用するよ
うに切り換えられているときには、使用する制御バルブ
を前記設定温度に無関係に強制的に開いて、洗浄水の供
給を行う強制開閉手段と、前記自動開閉手段又は強制開
閉手段による洗浄水の供給後、洗浄水の温度が前記設定
温度を維持するように前記ヒータを制御するヒータ制御
手段と、このヒータ制御手段により前記設定温度に維持
される洗浄水を被洗浄物に掛けるように前記洗浄ポンプ
を駆動制御するポンプ制御手段とを備えたものである。

(ホ)作用 給水制御バルブ及び給湯制御バルブの双方がそれぞれ給
水配管及び給湯配管に接続されており、切換手段が双方
の制御バルブを使用するように切り換えられているとき
には、設定手段で設定された設定温度に基づいて前記給
水制御バルブ及び給湯制御バルブが開閉される。こうし
て、洗浄開始時には、洗浄水の温度が設定温度に近い値
になる。

一方、設置場所に配管が１つしかなく、予め決めたどち
らか一方の制御バルブしか使用できない場合であって、
切換手段が一方の制御バルブのみを使用するように切り
換えられているときには、使用する制御バルブが強制的
に開かれ、設定温度に無関係に洗浄水が供給される。

(ヘ)実施例 (1)はフラスコや試験管のような医療用・実験用器具等
を洗浄する器具洗浄機の機器本体で、前面を開閉自在な
扉体(2)で閉塞し、下方に洗浄槽(3)を備えた洗浄室(4)
を有している。また(5)は洗浄ポンプ、(6)は排水ポン
プ、(7)はオーバーフローポンプ、(8)はこれらを制御す
る制御回路ユニットで、前記洗浄ポンプ(5)及び排水ポ
ンプ(6)の吸込口は前記洗浄槽(3)のフィルター収納凹所
(9)に連通しており、さらに排水ポンプ(6)及びオーバー
フローポンプ(7)の吐出口は排水管(10)を介して機外に
連通しており、また前記オーバーフローポンプ(7)の吸
込口は洗浄室(4)内のオーバーフロー口(11)に連通して
いる。(12)は水位スイッチ室で、洗浄水の規定水位やオ
ーバーフロー水位や低水位を検知する。(13)、(14)は前
記洗浄室(4)内に給水、給湯するための給水管、給湯管
で給水制御バルブ(15)、給湯制御バルブ(16)を備えてい
る。さらに(17)は前記給水制御バルブ(15)、給湯制御バ
ルブ(16)から側路されて前記洗浄室(4)内に連通する洗
剤収納箱で、洗剤や仕上げ剤、消毒剤、中和剤等を収納
する。また(18)は前記洗浄室(4)内に純水を供給する純
水供給管で、純水制御バルブ(19)を備えている。

前記扉体(2)の上部には前記制御回路ユニット(8)に入力
するためのコントロール部(20)が設けられ、該コントロ
ール部(20)には電源スイッチ(21)やキーボード(22)や表
示板(23)が各々配置されており、さらに前記扉体(2)の
中央部には内部確認用ガラス窓(24)を有している。また
(74)は乾燥行程で蒸気を外部に排出するための排気口
で、扉体(2)を貫通して設けられている。

前記洗浄室(4)内において、(25)はフィルター籠、(26)
は湯沸用シーズヒーター、(27)は前記洗浄ポンプ(5)の
吐出口に連通した下側ノズル軸受、(28)は前記洗浄ポン
プ(5)の吐出口に連結パイプ(29)を介して連通した上側
ノズル軸受で、これらのノズル軸受(27)(28)にはそれぞ
れ下側回転噴出ノズル(30)、上側回転噴出ノズル(31)が
回転自在に遊挿軸支されている。そしてこれらの噴出ノ
ズル(30)(31)は側面に穿設された回転用噴出孔(32)から
噴出される洗浄水によって回転すると共に、ノズル上面
あるいは下面に穿設された噴出孔(33)…から噴出する洗
浄水によって被洗浄物を洗浄する。

(34)はフラスコや試験管等の医療用・実験用器具のよう
な被洗浄物(A)を載置保持する器具ラックで、これら被
洗浄物(A)の口部から被洗浄物(A)内に遊挿される細径棒
状ノズル管(35)…をパイプ部材からなる中空状基部(36)
から上方に向かって植設しており、しかもこの中空状基
部(36)の中央部底面には洗浄水受口(37)を設けている。
そしてこの器具ラック(34)は洗浄室(4)のレール(38)に
沿って洗浄室(4)内に出入り自在に収納されるもので、
このとき前記洗浄水受口(37)が前記下側ノズル軸受(27)
の上方に位置するものである。また(39)は被洗浄物(A)
を載置するための合成樹脂製格子状器具受けである。

(40)は洗浄水を前記器具ラック(34)に供給する送水筒
で、常時は前記下側ノズル軸受(27)に入り込むと共に洗
浄運転時及びすすぎ運転時には洗浄ポンプ(5)による洗
浄水の圧力で上昇して前記洗浄水受口(37)に接続するよ
うになっている。

さらに前記キーボード(22)は第３図(イ)に示すように何
れもキースイッチからなり、(41)はスタート／ストップ
スイッチ、(42)は書込みスイッチ、(43)は早送りスイッ
チ、(44)はプログラムスイッチ、(45)は呼出しスイッ
チ、(46)は「０」〜「９」からなる数値スイッチ、(47)
はプログラムの各行程の内容を設定し、且つ各設定値を
呼び出すセレクタースイッチで、時間スイッチ(48)と温
度スイッチ(49)とすすぎスイッチ(50)と途中待機スイッ
チ(51)と、洗剤等を投入するための洗剤スイッチ(52)
と、捨水スイッチ(53)と、バッチ洗浄（すすぎ）とオー
バーフロー洗浄（すすぎ）とを切り換えるバッチ／オー
バーロースイッチ(54)と、排水スイッチ(55)とからな
る。また前記表示板(23)は第３図(ロ)に示すように運転
時間＜左２桁＞や温度＜右２桁＞等を表示する４桁のデ
ジタル表示部(56)と、５個の回数表示ランプ(57a)〜(57
e)からなるすすぎ回数表示部(57)と、５個の動作表示ラ
ンプ(58a)〜(58e)からなる動作状態表示部(58)と、７個
の行程表示ランプ(59a)〜(59g)からなる行程表示部(59)
とからなっている。そしてこのキーボード(46)を操作す
ることにより洗浄行程における予洗の回数を０〜３回の
間で、すすぎ行程の回数を０〜９回の間で、さらに純水
すすぎ行程や乾燥行程の有無を任意に夫々設定でき、且
つ洗浄（すすぎ）行程における運転時間を０〜99分の間
で、洗浄（すすぎ）水温度を０〜99℃の間で、さらに洗
浄（すすぎ）方法をバッチ洗浄（すすぎ）［洗浄水を貯
めた状態で洗浄（すすぎ）］かオーバーフロー洗浄（す
すぎ）［洗浄水をオーバーフローしながら洗浄（すす
ぎ）］の何れにするか、また洗剤や仕上剤等の投入の有
無を任意に夫々設定でき、また乾燥行程における運転時
間を０〜99分の間で、温度を常温〜120℃の間で任意に
設定でき、また配管中に貯留していた水、湯、純水を破
棄するための捨水行程の有無及び時間を任意に設定でき
る。

第４図は回路構成の概略ブロック図で、(60)は警報ブザ
ー、(61)は電源回路、(62)は中央演算処理部や記憶部や
入出力部を含むマイクロコンピュータ、(63)は洗浄温度
検知用のサーミスター(64)を含む温度測定回路、(65)は
オーバーフロースイッチ、(66)は規定水位スイッチであ
る。(67)はヒータ制御リレーでその接点(67a)によりヒ
ータ(26)の通電制御を行ない、(68)(69)(70)はバルブ制
御リレーでその接点(68a)(69a)(70a)により給湯制御バ
ルブ(16)や給水制御バルブ(15)や純水制御バルブ(19)の
通電制御を行ない、(71)は洗浄ポンプ制御リレーでその
接点(71a)により洗浄ポンプ(5)の通電制御を行ない、(7
2)は排水制御リレーで、その接点(72a)により排水ポン
プ(6)の通電制御を行ない、(73)はオーバーフロー制御
リレーで、その接点(73a)によりオーバーフローポンプ
(7)の通電制御を行なう。さらに(75)は制御バルブ開閉
自動／手動切換スイッチ、(76)は異常状態情報呼出スイ
ッチで、何れも前記マイクロコンピュータ(62)と共にプ
リント基板に装着される。

そして前記マイクロコンピュータ(62)の記憶部には前記
洗浄行程からすすぎ行程を介して乾燥行程に至り、前記
キーボード(22)にて設定入力された運転時間や運転条件
によって作動する一連のプログラムが記憶されている。

尚、器具洗浄機の設置場所の給水配管を前記給水管(13)
に、給湯配管を前記給湯管(14)に、夫々接続するのであ
るが、設置場所に給水配管しかない場合は該配管を給湯
管(14)に接続し、プリント基板上の制御バルブ開閉自動
／手動切換スイッチ(75)をオンしておく。

而して洗浄（すすぎ）行程においては第５図に示すフロ
ーチャートに従って進行する。即ち、先ずその行程毎に
キーボード(24)で設定入力された設定温度(T₀)と設定時
間(T_o)を読み込む。次に制御バルブ開閉自動／手動切換
スイッチ(75)がオンかオフかを判断し、オンであれば設
定温度(T₀)に無関係に給湯制御バルブ(16)をオンし、給
水配管からの洗浄水を規定水位まで供給する。一方、前
記スイッチ(75)がオフであれば、設定温度(T₀)と予め定
められた基準温度（実施例では30℃）とを比較し、前記
設定温度(T₀)が基準温度より低いときには前記給水制御
バルブ(19)を開路して低温度の洗浄水を洗浄槽(3)内に
供給し、また前記設定温度(T₀)が基準温度より高いとき
には前記給湯制御バルブ(20)を開路して高温度の洗浄水
を洗浄槽(3)内に供給する。そして洗浄水が規定水位に
達すると規定水位スイッチ(64)からの信号により前記開
路された給水制御バルブ(19)あるいは給湯制御バルブ(2
0)を閉路して洗浄水の供給を停止する。その後洗浄ポン
プ(8)を駆動すると共にその時点での現在温度(T₀)を測
定し、この現在温度(T₁)と設定温度(T₀)とを比較して設
定温度(T₀)に近付けるようにヒータ(28)を駆動する。設
定時間(t₀)を経過すれば、洗浄（すすぎ）運転を停止
し、排水行程に移行して洗浄水を排水する。

尚、本実施例におけるマイクロコンピュータ(62)が本考
案の自動開閉手段、強制開閉手段、ヒータ制御手段及び
ポンプ制御手段に相当する。また、制御バルブ開閉自動
／手動切換スイッチ(75)が本考案の切換手段に相当す
る。

(ト)考案の効果 本考案の構成によれば、通常は洗浄工程とすすぎ工程に
おける洗浄水温度を設定するだけで、その設定温度に応
じて給水や給湯を自動的に行えるので、ヒータによる加
熱時間の短縮やヒータの加熱労力（消費電力）の低減が
図れると共に、設置場所に１つの配管（例えば、給水配
管）しかないような場合であっても、特別な工具や部品
を使用することなく洗浄水の供給が確実に行え、従って
広い範囲に設置ができる器具洗浄機を提供できる。

【図面の簡単な説明】 図面は何れも本考案器具洗浄機の実施例に関し、第１図
は洗浄状態の断面側面図、第２図は正面図、第３図は要
部の正面図で(イ)はキーボードの正面図、(ロ)は表示板の
正面図、第４図は概略回路ブロック図、第５図は要部の
フローチャートである。 (19)…給水制御バルブ、(20)…給湯制御バルブ、(62)…
マイクロコンピュータ（自動開閉手段、強制開閉手段、
ヒータ制御手段、ポンプ制御手段）、(75)…制御バルブ
開閉自動／手動切換スイッチ（切換手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄室への洗浄水の供給を制御する給水制
   御バルブ及び給湯制御バルブと、前記洗浄室内に貯めら
   れた洗浄水を加熱するヒータと、前記洗浄室に収容した
   被洗浄物に洗浄水を掛けて洗浄を行う洗浄ポンプと、洗
   浄水の温度を任意に設定できる温度設定手段と、前記給
   水制御バルブ及び給湯制御バルブの双方の制御バルブが
   使用されるか、予め決められた一方のみの制御バルブが
   使用されるかを切り換える切換手段と、この切換手段が
   双方の制御バルブを使用するように切り換えられている
   ときには、前記温度設定手段で設定された設定温度に基
   づいて前記給水制御バルブ及び給湯制御バルブの開閉制
   御を行い、洗浄水の供給を行う自動開閉手段と、前記切
   換手段が一方の制御バルブのみを使用するように切り換
   えられているときには、使用する制御バルブを前記設定
   温度に無関係に強制的に開いて、洗浄水の供給を行う強
   制開閉手段と、前記自動開閉手段又は強制開閉手段によ
   る洗浄水の供給後、洗浄水の温度が前記設定温度を維持
   するように前記ヒータを制御するヒータ制御手段と、こ
   のヒータ制御手段により前記設定温度に維持される洗浄
   水を被洗浄物に掛けるように前記洗浄ポンプを駆動制御
   するポンプ制御手段とを備えたことを特徴とする器具洗
   浄機。