JPH0616315B2 - 自動販売機におけるカップ払い出し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は調理したものをカップに入れて販売する形態の
カップ式自動販売機に関するものである。

従来の技術 カップ式自動販売機では、商品取出口に臨む位置にカッ
プを払い出すためにカップディスペンサが設けられてい
る。カップディスペンサの基本的な構造は、実開昭61-1
55987号公報などに記載されている。カップディスペン
サは、カップ払い出し指示を検出すると積み上げて実装
されているカップ群のうち最下段のカップを払い出すよ
うに構成されている。このようなカップディスペンサを
自動販売機の機体に複数個を内蔵させた場合には、第２
図に示すようにカップディスペンサ制御部１が必要にな
る。ここでカップディスペンサの数が２台であるとする
と、制御部１は次のように構成されている。第１のカッ
プディスペンサ２_１にカップ３が十分に実装されている
場合には、払い出し指示Ｓを検出すると制御部は第１，
第２の両カップディスペンサ２_１,２_２のうちの第１の
カップディスペンサ２_１にカップ払い出しを指示する。
第１のカップディスペンサ２_１に実装されているカップ
３の残量が減少したことをカップ切れセンサ４_１が検出
している状態で払い出し指示Ｓを検出すると、制御部１
は第２のカップディスペンサ２_２の側のカップ切れセン
サ４_２を確認して、第２のカップディスペンサ２_２にカ
ップ３が十分に実装されていた場合には第２のカップデ
ィスペンサ２_２にカップ払い出しが指示される。第２の
カップディスペンサ２_２にカップ３が十分に実装されて
いない場合には売り切れ信号Ｐを発信して、第１，第２
のカップディスペンサ２_１,２_２のいずれにもカップ払
い出しが指示されない。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、第１のカップディスペンサ
２_１がカップ切れで第２のカップディスペンサ２_２から
カップ３が払い出されている動作状態を巡回中のサービ
スマンが確認して、第１のカップディスペンサ２_１にカ
ップ３が補充されると、次いで払い出し指示を検出した
制御部１は第１のカップディスペンサ２_１へカップ払い
出し指示を供給する。このように制御部１は第１のカッ
プディスペンサ２_１を第２のカップディスペンサ２_２よ
りも優先して運転するため、第２のカップディスペンサ
２_２に古いカップが残る。このような状態を避けるため
には、第１のカップディスペンサ２_１へのカップ補充時
には、先ず第２のカップディスペンサ２_２の残りのップ
を取り出して第１のカップディスペンサ２_１に移して、
次に第１，第２のカップディスペンサ２_１,２_２にカッ
プを補充する繁雑な作業が必要である。

本発明はカップ補充時に上記のような繁雑な作業を実施
せずとも、先入れ先立しでカップを払い出せるカップ払
い出し装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本発明のカップ払い出し装置は、それぞれに積み上げら
れたカップ群のうち最下段のカップを払い出す複数台の
カップディスペンサと、それぞれのカップディスペンサ
に実装されたカップサイズを検出するサイズ検出部と、
前記カップディスペンサにカップが実装された順番とそ
のカップサイズを記憶するメモリと、前記の各カップデ
ィスペンサに設けられているカップ切れセンサの出力信
号をチェックして、カップ切れ状態からカップ有り状態
への反転を検出したときにその検出したカップディスペ
ンサの特定コードとカップサイズを前記メモリの空き番
地の先頭番地に書き込む第１の制御部と、前記カップ切
れセンサの出力信号をチェックして、カップ有り状態か
らカップ切れ状態への反転を検出したときにその検出し
たカップディスペンサの特定コードとカップサイズをを
前記メモリから消去するとともに消去した番地以降の番
地の内容を繰り上げて書き換える第２の制御部と、カッ
プ払い出し指示を検出したときに前記メモリの先頭番地
から登録されているカップサイズを検索して必要カップ
サイズと一致する番地を検出し、その検出した番地に書
き込まれている特定コードで指定されるカップデイスペ
ンサにカップの払い出しを指示し、前記検索によって必
要カップサイズと一致する番地を検出しない場合に必要
カップサイズよりも大きいサイズと一致する番地を検出
し、その検出した番地に書き込まれている特定コードで
指定されるカップディスペンサにカップの払い出しを指
示する第３の制御部とを設けたことを特徴とする。

作用 この構成によると、複数台の各カップディスペンサへの
カップの実装の順序が第１の制御部によってメモリに書
き込まれる。払い出し指示を検出すると第３の制御部が
前記メモリの内容に基づいて複数台のカップディスペン
サのうちの１台にカップ払い出しを指示する。複数台の
カップディスペンサのうちの何れかにカップ切れが発生
すると、第２の制御部が前記メモリの内容を書き換えて
カップ払い出しを指示する先を変更する。

さらに、特定コードとともにそのカップディスペンサに
取り付けられているサイズ検出部が検出しているカップ
サイズを第１の制御部がメモリに書き込む。第１の制御
部がメモリに書き込んだカップサイズを参照して第３の
制御部が払い出しを実施するカップディスペンサを決定
する。

メモリを検索しても必要サイズのカップが見つからない
場合には、さらにこの第３の制御部が必要サイズよりも
大きいカップの登録の有無をメモリに捜しに行く。大き
いカップが見つかればそのカップディスペンサに払い出
しを指示する。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図に基づいて説明する。
なお、従来例を示す第２図と同様の作用を成すものに
は、同一の符号を付けて説明する。

第１図は本発明のカップ払い出し装置を示し、カップデ
ィスペンサ制御部５は次の第１，第２，第３の制御部５
_１，５_２，５_３から構成されている。なお、カップディ
スペンサ制御部５にはメモリ６が接続されている。ここ
では第１〜第３の各カップディスペンサ２_１〜２_３に
は、それぞれ実装されたカップのサイズを検出するサイ
ズ検出部７_１，７_２，７_３が取り付けられている。

サイズ検出部７_１は、サイズ（容量）が異なるカップで
はカップの上縁フランジ部から底部までの高さが異なっ
ている条件に基づいて設計されており、たとえば７オン
スカップをカップディスペンサに実装したときのカップ
底部よりもいくらか上方の位置に第１のセンサ８を取り
付け、12オンスカップをカップディスペンサに実装した
ときのカップ底部よりもいくらか上方の位置に第２のセ
ンサ９が取り付けられており、カップ切れセンサ４_１が
カップを検出中で第２のセンサ９がカップを検出してい
ない状態では、第１のカップディスペンサ２_１に実装さ
れているカップが７オンスカップであるとし、第１、第
２のセンサ８，９がともにカップを検出中の状態では第
１のカップディスペンサ２_１に実装されているカップが
12オンスカップであると判定するようにして利用され
る。サイズ検出部７_２，７_３もこれと同じである。

メモリ６には、各番地ごとに第１〜第３のカップディス
ペンサ２_１〜２_３を区別する個々の特定コードが書き込
まれるコード欄６ａと、各サイズ検出部４_１〜４_３のう
ちその番地のコード欄６ａに書き込まれた特定コードで
指定されるカップディスペンサに取り付けられているサ
イズ検出部が検出しているカップサイズが書き込まれる
サイズ欄６ｂとが設けられている。

第１〜第３の各カップディスペンサ２_１〜２_３へのカッ
プ３の実装の順序をメモリ６へ書き込む第１の制御部５
_１は、カップディスペンサ２_１〜２_３の各カップ切れセ
ンサ４_１，４_２，４_３の状態を繰り返し読み取ってステ
ップ〔ａ−１〕でカップ切れセンサがカップ無しを検出
する状態からカップが十分に有る状態への反転、つまり
売切れ状態から売可状態への反転を検出すると、ステッ
プ〔ａ−２〕において、メモリ６の空き番地の先頭にス
テップ〔ａ−１〕で反転を検出したカップディスペンサ
の特定コードとサイズを書き込む。ここで第１，第３，
第２の順序でカップディスペンサ２_１〜２_３にカップが
実装されて、第１のカップディスペンサ２_１の特定コー
ドが“Ａ”，第２のカップディスペンサ２_２の特定コー
ドを“Ｂ”，第３のカップディスペンサ２_３の特定コー
ドを“Ｃ”とすると、メモリ６の“１番地”“２番地”
“３番地”の各データ欄には“Ａ”“Ｃ”“Ｂ”と順に
特定コードが書き込まれる。また第１のカップディスペ
ンサ２_１に12オンスカップ，第２のカップディスペンサ
２_２に７オンスカップ，第３のカップディスペンサ２_３
に12オンスカップがそれぞれ実装された場合には、“１
番地”“２番地”“３番地”の各サイズ欄６ｂには“1
2”“12”“７”と順にカップサイズが書き込まれる。

カップ払い出しを指定する第３の制御部５_３は、ステッ
プ〔ｂ−１〕で払い出し指示の有無を確認し、払い出し
指示Ｓを検出するとステップ〔ｂ−２〕では、必要カッ
プサイズ指示Ｔに基づいてメモリ６の先頭番地からサイ
ズ欄６ｂを検索する。ステップ〔ｂ−２〕でカップサイ
ズの一致を検出した場合には、ステップ〔ｂ−３〕でそ
の一致を検出した番地のコード欄６ａの内容を読み出し
て、該当するカップディスペンサにカップ払い出し指示
を与える。ここで必要カップサイズ指示Ｔの内容が12オ
ンスカップの場合には、〔ｂ−２〕では特定コード
“Ａ”が読み出されて特定コード“Ａ”で指定される第
１のカップディスペンサ２_１にカップ払い出し指示が供
給される。

カップ切れを検出してメモリ６を書き換える第２の制御
部５_２は、カップディスペンサ２_１〜２_３の各カップ切
れセンサ４_１，４_２，４_３の状態を繰り返し読み取って
ステップ〔ｃ−１〕でカップ切れセンサがカップが十分
に有る状態からカップ無しを検出する状態への反転、つ
まり売可状態から売切れ状態への反転を検出すると、ス
テップ〔ｃ−２〕ではメモリ６の先頭番地の“１番地”
に書き込まれている特定コードの“Ａ”を消去して、そ
れまで“２番地”“３番地”に書き込まれていた特定コ
ード“Ｃ”“Ｂ”は、番地を繰り上げて“Ｃ”が“１番
地”のデータ欄に、“Ｂ”が“２番地”のデータ欄にそ
れぞれ書き込まれる。

ステップ〔ｂ−２〕で必要サイズのカップを検出できな
い場合、具体的には第１図に示すメモリ６のサイズ欄６
ｂのように、“１番地”〜“３番地”にカップサイズ
“12“12”“７”が書き込まれている状態で、７オンス
カップが売り切れた状態になってから払い出し指示Ｓを
検出し、その場合の必要カップ指示Ｔが７オンスカップ
の場合には、直ちに売り切れ信号を発信せずにステップ
〔ｂ−４〕で必要カップサイズ指示Ｔで指定されるサイ
ズよりも１ランク大きいサイズの登録がサイズ欄６ｂに
登録されているか否かを先頭番地側から検索する。ここ
では“１番地”のサイズ欄６ｂに“12”が登録されてい
るため、ステップ〔ｂ−３〕では“１番地”のコード欄
６ａの“Ａ”が読み出され、第１のカップディスペンサ
２_１に払い出し指示が与えられる。このように７オンス
カップが無い場合にはそれよりも大きい12オンスカップ
に商品を注いで販売できる。ステップ〔ｂ−４〕でも一
致を検出できない場合には、ステップ〔ｂ−５〕で売り
切れ信号Ｐを発信してカップの払い出しを実施しない。

なお、ここでは７オンスカップの１ランク上のカップを
12オンスカップであるとしたが、７オンスと９オンスお
よび12オンスの３種類のカップを扱う場合には、ステッ
プ〔ｂ−３〕では７オンス売り切れの場合には９オン
ス、９オンス売り切れの場合には12オンスというよう
に、１ランク上のカップを検索して払い出しが指示され
る。

このように構成したため、第１〜第３のカップディスペ
ンサ２_１〜３_３に実装されたカップ３は、実装された順
序にしたがって払い出されるため、カップ補充時に別の
カップディスペンサに移し替えると言った煩わしい作業
を実行せずとも、新しいカップが払い出されて古いカッ
プがいつまでも残るような事態の発生も回避できる。

さらにメモリ６にはサイズ欄６ｂを設けたため、複数種
のサイズのカップを扱う場合であってもカップサイズご
とに先入れ先出しでカップを払い出せる。

発明の効果 以上のように本発明によれば、複数台の各カップディス
ペンサへのカップの実装の順序と実装されたカップのサ
イズとが第１の制御部によってメモリに書き込まれ、払
い出し指示を検出するとその際の必要カップサイズ指示
と前記メモリの内容に基づいて第３の制御部が複数台の
カップディスペンサのうちの１台にカップ払い出しを指
示し、複数台のカップディスペンサのうちの何れかにカ
ップ切れが発生すると、第２の制御部が前記メモリの内
容を書き換えてカップ払い出しを指示する先を変更する
ため、必要サイズのカップを先入れ先出しで払い出すこ
とができ、カップ補充時に別のカップディスペンサに移
し替えると言った煩わしい作業を実行せずとも、古いカ
ップがいつまでも残るような事態を発生を回避できる。

さらに前記第３の制御部は、検索によって必要カップサ
イズと一致する番地を検出しない場合に必要カップサイ
ズよりも大きいサイズと一致する番地を検出し、その検
出した番地に書き込まれている特定コードで指定される
カップディスペンサにカップの払い出しを指示するた
め、従来では、必要なカップサイズのカップが売り切れ
の場合には、売り切れ処理を実施するのが一般的であっ
たが、必要なカップサイズのカップが売り切れの場合に
は、必要なカップサイズより大きいサイズのカップを使
用して販売できるようになる。この結果、自動販売機の
販売実施回数を従来よりも確実に向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のカップ払い出し装置の一実施例の構成
図、第２図は従来のカップ払い出し装置の構成図であ
る。 ２_１，２_２，２_３……第１，第２，第３のカップディス
ペンサ、３……カップ、４_１，４_２，４_３……カップ切
れセンサ、５……カップディスペンサ制御部、５_１，５
_２，５_３……第１，第２，第３の制御部、６……メモ
リ、６ａ……コード欄、６ｂ……サイズ欄、７_１，
７_２，７_３……サイズ検出部、Ｓ……払い出し指示、Ｔ
……必要カップサイズ指示。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれに積み上げられたカップ群のうち
   最下段のカップを払い出す複数台のカップディスペンサ
   と、それぞれのカップディスペンサに実装されたカップ
   サイズを検出するサイズ検出部と、前記カップディスペ
   ンサにカップが実装された順番とそのカップサイズを記
   憶するメモリと、前記の各カップディスペンサに設けら
   れているカップ切れセンサの出力信号をチェックして、
   カップ切れ状態からカップ有り状態への反転を検出した
   ときにその検出したカップディスペンサの特定コードと
   カップサイズを前記メモリの空き番地の先頭番地に書き
   込む第１の制御部と、前記カップ切れセンサの出力信号
   をチェックして、カップ有り状態からカップ切れ状態へ
   の反転を検出したときにその検出したカップディスペン
   サの特定コードとカップサイズをを前記メモリから消去
   するとともに消去した番地以降の番地の内容を繰り上げ
   て書き換える第２の制御部と、カップ払い出し指示を検
   出したときに前記メモリの先頭番地から登録されている
   カップサイズを検索して必要カップサイズと一致する番
   地を検出し、その検出した番地に書き込まれている特定
   コードで指定されるカップディスペンサにカップの払い
   出しを指示し、前記検索によって必要カップサイズと一
   致する番地を検出しない場合に必要カップサイズよりも
   大きいサイズと一致する番地を検出し、その検出した番
   地に書き込まれている特定コードで指定されるカップデ
   ィスペンサにカップの払い出しを指示する第３の制御部
   とを設けたカップ払い出し装置。