JPH0616259A - 給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構造で昇降ローラが用紙に自動的に接
離する給紙装置を得る。 【構成】 駆動軸２４に給紙ローラ２５を固定的に装着
すると共に揺動アーム２６を揺動自在に装着し、この揺
動アーム２６の自由端上に軸支された昇降ローラ２７と
駆動軸２４とを動力伝達機構２９で連結し、付勢機構３
０の上方に向かう付勢力に抗して駆動軸２４との摩擦力
で揺動アーム２６を下方に付勢する摩擦機構３１を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ装置やイメー
ジスキャナ等に利用される給紙装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】現在、多機能なプリンタ装置やイメージ
スキャナ等では、作業能率を向上させるために積層状態
の印刷用紙や原稿用紙を一枚毎に分離給紙する給紙装置
が利用されている。そこで、ここでは実開平1-75037 号
公報に開示された給紙装置を従来例として図４に基づい
て説明する。まず、この給紙装置１では、上下方向に昇
降自在に支持された用紙保持部材である給紙トレー２の
前端部にガイド板３が揺動自在に軸支されており、この
ガイド板３上には駆動源に連結された駆動軸４が位置し
ている。そして、この駆動軸４には給紙ローラ５が固定
的に装着されると共に揺動アーム６が揺動自在に装着さ
れており、この揺動アーム６の自由端に軸支された昇降
ローラ７と前記給紙ローラ５とに動力伝達機構であるエ
ンドレスベルト８が張架されている。そして、このエン
ドレスベルト８を介して前記給紙ローラ５が積層状態の
印刷用紙９の最上面に当接するようになっており、この
位置と対向する給紙口１０が一対のガイド板１１で形成
されている。

【０００３】このような構成において、この給紙装置１
では、揺動アーム６は駆動軸４の回転とは無関係に自由
端が自重で降下するので、この自由端に位置する昇降ロ
ーラ７とエンドレスベルト８とは必然的に印刷用紙９の
最上面に当接するようになっている。そして、この給紙
装置１では、駆動源の駆動力で給紙ローラ５が回転する
とエンドレスベルト８と昇降ローラ７とも従動回転する
ので、転動するエンドレスベルト８によって最上位の印
刷用紙９が給紙口１０に分離給紙される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した給紙装置１で
は、自重で下方に付勢された揺動アーム６によって昇降
ローラ７が降下するので、この昇降ローラ７と給紙ロー
ラ５とで張架されたエンドレスベルト８が確実に印刷用
紙９に当接して分離給紙を行なうことができる。

【０００５】しかし、上述した給紙装置１では、例え
ば、印刷用紙９を補給する場合などには自重で降下して
いる揺動アーム６を手作業で上昇させる必要があるの
で、その操作が煩雑で作業性が低下している。

【０００６】このような課題を解決した給紙装置（図示
せず）としては、ソレノイド等の専用の駆動機構を揺動
アームに連結し、給紙時には揺動アームを降下させて昇
降ローラを印刷用紙に圧接し、休止時には揺動アームを
上昇させて昇降ローラを印刷用紙から離反させるものが
実用化されている。

【０００７】しかし、これでは揺動アームの昇降動作の
駆動機構や動作タイミングの制御機構等が必要となるの
で、その構造が複雑化して給紙装置の小型軽量化や生産
性が阻害されることになる。

【０００８】本発明は、簡易な構造で昇降ローラが印刷
用紙に自動的に接離する給紙装置を得るものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】多数の用紙を積層状態で
保持する用紙保持部材を設け、この用紙保持部材の前方
の位置で回転自在に軸支されて駆動源に連結された駆動
軸を設け、この駆動軸に固定的に装着された給紙ローラ
を設け、前記駆動軸に揺動自在に装着された揺動アーム
を設け、この揺動アームの自由端上に回転自在に軸支さ
れて前記用紙保持部材上に位置する昇降ローラを設け、
この昇降ローラに前記駆動軸の駆動力を伝達する動力伝
達機構を設け、前記昇降ローラが前記用紙保持部材から
離反する方向に前記揺動アームを付勢する付勢機構を設
け、この付勢機構の付勢力に抗して前記昇降ローラが前
記用紙保持部材に近接する方向に前記揺動アームを前記
駆動軸との摩擦力で付勢する摩擦機構を設けた。

【００１０】

【作用】駆動軸の停止時にはスプリングの張力で揺動ア
ームが上昇して昇降ローラが用紙から離反しているので
用紙補給等の作業を簡易に行なうことができ、給紙ロー
ラの駆動軸の回転時には揺動アームが下降して昇降ロー
ラが用紙に圧接されることで用紙が良好に給送されるこ
とになり、揺動アームを昇降させるために専用の駆動機
構や制御回路等を設ける必要がないので、簡易な構造で
昇降ローラが印刷用紙に自動的に接離する給紙装置を得
ることができる。

【００１１】

【実施例】本発明の実施例を図１ないし図３に基づいて
説明する。まず、図２に例示するように、この給紙装置
１２は電子写真装置１３に形成されている。ここで、こ
の電子写真装置１３では、前記給紙装置１２に連通する
本体ハウジング１４内の用紙搬送路１５上に転写チャー
ジャ１６と感光ドラム１７とが対向配置されると共に定
着装置１８が配置されており、前記感光ドラム１７の外
周面上に帯電チャージャ１９とラインヘッド２０と現像
器２１とが順次対向配置されている。なお、この電子写
真装置１３では、前記ラインヘッド２０には発光素子と
して端面発光型ＥＬ(Electro Luminescence)素子（図示
せず）が連設されており、このような端面発光型ＥＬ素
子を利用したプリンタ装置の詳細は本出願人が出願した
特開平2-274570号公報等に開示されている。

【００１２】一方、前記給紙装置１２では、図１及び図
２に例示するように、前記本体ハウジング１４の後面の
給紙口２２に装着された用紙保持部材である給紙トレー
２３の前方に駆動軸２４が配置されており、同図及び図
３に例示するように、この駆動軸２４に給紙ローラ２５
が固定的に装着されると共に揺動アーム２６が揺動自在
に装着されている。そして、この揺動アーム２６の自由
端上に回転自在に軸支された昇降ローラ２７の回転軸２
８と前記駆動軸２４とに動力伝達機構であるエンドレス
ベルト２９が張架されており、前記本体ハウジング１４
に連結された付勢機構であるスプリング３０の張力によ
って前記揺動アーム２６が上方に付勢されている。そし
て、この給紙装置１２では、上述のようなスプリング３
０の付勢力に抗して前記揺動アーム２６を前記駆動軸２
４との摩擦力で下方に付勢する摩擦機構３１が、ここで
は前記揺動アーム２６や前記エンドレスベルト２９等で
形成されている。

【００１３】つまり、この給紙装置１２では、前記駆動
軸２４が回転すると、この駆動軸２４と前記揺動アーム
２６との接触部の摩擦力や、前記駆動軸２４と共に転動
する前記エンドレスベルト２９の摩擦力の反作用等によ
り、前記揺動アーム２６には前記駆動軸２４の回転方向
と同一方向のモーメントが作用する。そこで、この給紙
装置１２では、図１（ａ）に例示したように、前記駆動
軸２４の停止時には前記スプリング３０の張力により前
記揺動アーム２６が上昇して前記昇降ローラ２７が印刷
用紙９から離反しているが、同図（ｂ）に例示したよう
に、前記駆動軸２４が回転すると前記スプリング３０の
張力に抗して前記揺動アーム２６が下降して前記昇降ロ
ーラ２７が前記印刷用紙９に圧接されることになる。

【００１４】なお、この給紙装置１２では、前記給紙ロ
ーラ２５には従動的に回転自在な補助ローラ３２が前記
用紙搬送路１５を介して常時圧接されており、このよう
な補助ローラ３２は前記給紙トレー２３に連通するガイ
ド板３３の開口孔３４内に位置している。

【００１５】一方、本実施例の電子写真装置１３の前記
給紙トレー２３は、図２に例示したように、前記本体ハ
ウジング１４に連結部材３５で回動自在に装着されたサ
ブトレー３６にメイントレー３７を回動自在に装着した
構造となっており、これらのトレー３６，３７を上方に
順次回動させることで前記給紙トレー２３は前記本体ハ
ウジング１４に沿う形態に折りたたまれる。また、前記
本体ハウジング１４の前面には排紙口３８が形成されて
おり、この排紙口３８の位置に回動自在に装着された排
紙トレー３９も上方に回動させることで前記本体ハウジ
ング１４に沿う形態となる。つまり、この電子写真装置
１３は、上述のようにトレー２３，３９を上方に回動さ
せて前記本体ハウジング１４に沿わせることで、その占
有スペースが極めて小さくなるので、収納時や搬送時の
利便性が極めて良好である。

【００１６】このような構成において、この電子写真装
置１３では、図２に例示したように、下方に揺動させて
略水平に配置した給紙トレー２３上に積層状態の印刷用
紙９を載置し、これらの印刷用紙９を給紙装置１３で一
枚毎に分離給紙して本体ハウジング１４内で画像印刷を
行なうようになっている。この時、この本体ハウジング
１４内では、回転する感光ドラム１７の外周面は帯電チ
ャージャ１９のコロナ放電で帯電してからラインヘッド
２０の露光で静電潜像が形成され、この静電潜像が現像
器２１から供給される帯電トナー（図示せず）で現像さ
れてトナー像となる。そこで、この回転する感光ドラム
１７上のトナー像が移動する印刷用紙９上に転写チャー
ジャ１６の放電電位で転写されるので、この後に定着装
置１８でトナー像が定着された印刷用紙９が排紙トレー
４１上に排出されることで、この電子写真装置１３によ
る画像印刷が完了する。

【００１７】ここで、この電子写真装置１３の給紙装置
１２では、図１（ａ）に例示したように、休止時にはス
プリング３０の張力により揺動アーム２６が上昇して昇
降ローラ２７が印刷用紙９から離反しているので、昇降
ローラ２７等に作業を阻害されることなく給紙トレー２
３上に簡易に印刷用紙９を補給することができる。

【００１８】そして、この給紙装置１２では、上述のよ
うに印刷用紙９を給送する場合、同図（ｂ）に例示した
ように、駆動源の駆動力で駆動軸２４が回転するとスプ
リング３０の張力に抗して揺動アーム２６が下降して昇
降ローラ２７が最上位の印刷用紙９に圧接され、この状
態で駆動軸２４と共に給紙ローラ２５と補助ローラ３２
と昇降ローラ２７とが給紙方向に回転することになる。
そこで、給紙トレー２３上の最上位の印刷用紙９は圧接
された昇降ローラ２７の回転によってローラ２５，３２
間まで搬送され、これらのローラ２５，３２の回転によ
って印刷位置に給送されることになる。

【００１９】このようにすることで、この給紙装置１２
では、印刷用紙９の補給などを簡略化するために休止時
にはスプリング３０の張力で上昇している揺動アーム２
６が、給紙ローラ２５の駆動軸２４の回転によって下降
するので、この揺動アーム２６を昇降させるために専用
の駆動機構や制御回路等を設ける必要がなく、その構造
が簡易で小型軽量化や生産性向上に寄与している。

【００２０】なお、本実施例では給紙装置１２を電子写
真装置１３の印刷用紙９の給送に利用することを例示し
たが、本発明は上記形式に限定されるものではなく、例
えば、このような給紙装置１２をイメージスキャナ（図
示せず）の原稿用紙の給送に利用することも実施可能で
ある。また、本実施例では駆動軸２４と昇降ローラ２７
とを連結する動力伝達装置をエンドレスベルト２９で形
成することを例示したが、本発明は上記構造に限定され
るものでもなく、例えば、ギヤ列や回転軸（共に図示せ
ず）等で動力伝達装置を形成することも実施可能であ
る。なお、本発明で云う前後方向とは印刷用紙９の搬送
方向に基づいて規定しており、上下方向とは印刷用紙９
の積層方向に基づいて規定している。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上述のように、多数の用紙を積
層状態で保持する用紙保持部材を設け、この用紙保持部
材の前方の位置で回転自在に軸支されて駆動源に連結さ
れた駆動軸を設け、この駆動軸に固定的に装着された給
紙ローラを設け、前記駆動軸に揺動自在に装着された揺
動アームを設け、この揺動アームの自由端上に回転自在
に軸支されて前記用紙保持部材上に位置する昇降ローラ
を設け、この昇降ローラに前記駆動軸の駆動力を伝達す
る動力伝達機構を設け、前記昇降ローラが前記用紙保持
部材から離反する方向に前記揺動アームを付勢する付勢
機構を設け、この付勢機構の付勢力に抗して前記昇降ロ
ーラが前記用紙保持部材に近接する方向に前記揺動アー
ムを前記駆動軸との摩擦力で付勢する摩擦機構を設けた
ことにより、簡易な構造で昇降ローラが印刷用紙に自動
的に接離する給紙装置を得ることができる等の効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の給紙装置を示す縦断側面図で
ある。

【図２】給紙装置を適用した電子写真装置を示す縦断側
面図である。

【図３】要部の構造を示す分解斜視図である。

【図４】従来例を示す縦断側面図である。

【符号の説明】

９ 用紙 １３ 給紙装置 ２３ 用紙保持部材 ２４ 駆動軸 ２５ 給紙ローラ ２６ 揺動アーム ２７ 昇降ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の用紙を積層状態で保持する用紙保
   持部材と、この用紙保持部材の前方の位置で回転自在に
   軸支されて駆動源に連結された駆動軸と、この駆動軸に
   固定的に装着された給紙ローラと、前記駆動軸に揺動自
   在に装着された揺動アームと、この揺動アームの自由端
   上に回転自在に軸支されて前記用紙保持部材上に位置す
   る昇降ローラと、この昇降ローラに前記駆動軸の駆動力
   を伝達する動力伝達機構と、前記昇降ローラが前記用紙
   保持部材から離反する方向に前記揺動アームを付勢する
   付勢機構と、この付勢機構の付勢力に抗して前記昇降ロ
   ーラが前記用紙保持部材に近接する方向に前記揺動アー
   ムを前記駆動軸との摩擦力で付勢する摩擦機構とよりな
   ることを特徴とする給紙装置。