JPH0616250Y2 - バーナの燃料霧化装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、石油等の液体燃料燃焼器用バーナ構造に係
り、特に、燃焼空気を予熱し、供給燃料を少なくとも１
回霧化させ、予熱空気と混合した状態において再び予熱
されるようにしたバーナの燃料霧化装置に関する。

〔従来の技術〕

まず、この種のバーナの燃料霧化装置の従来のものを第
３図により説明する。

第３図において、電子ポンプ１１により供給された液体
燃料は回転霧化筒１２の内面に噴射される。この回転霧
化筒１２は、全体的に円筒形とされ、上端部が上方に向
って拡開するような逆円錐台形とされており、モータ軸
１と連動されることにより、回転の際液体燃料を上端の
拡開部から斜め上方の外周方向に噴射するようになって
いる。

この噴射された燃料は回転霧化筒１２の上方に位置する
回転板１３方向に噴射されることになり、この回転板１
３は、モータ軸１および回転霧化筒１２と連動される２
個のファンを有し、この回転板１３の回転により霧化が
なされることになる。

霧化された燃料は混合室１６において回転霧化筒１２の
下方から供給される供給空気１５と混合され、前記回転
板１３に近接配置されているヒータ１４の発生熱により
気化されることになる。

〔考案が解決しようとする課題〕

前述した従来のものによれば、周辺の温度が高いときに
は混合室１６に供給される高温の供給空気１５が回転板
１３により霧化された燃料と混合されるので、空気を含
む混合燃料が形成され、この混合燃料により好ましい燃
焼を得ることができる。

しかしながら、周辺の温度が低いときには供給空気１５
が冷たいので、混合室１６において回転板１３により霧
化された燃料と供給空気１５との良好な混合が難しくな
り、この不完全混合燃焼によって黄炎が発生されたり、
あるいは、異常燃焼によって臭いを発生させることにな
る。

さらに、単純傾斜の平坦面からなる逆円錐台形の拡開部
を有する回転霧化筒１２のみによっては、回転霧化筒１
２の内面に供給された燃料を斜め上方の外周方向に噴射
する作用が不足していたし、また、回転霧化筒１２の斜
め上方外周に噴射された燃料を複数のファンを有する回
転板１３によっては、燃料の霧化をなすための作用が不
足していた。

このような問題点により混合室１６において不完全混合
燃料に伴う黄炎とか異常燃焼により臭いを発生させるこ
とがあった。

本考案は、前述した従来のものにおける問題点を克服
し、特に周辺温度が低くても完全混合燃料を形成するこ
とができ、黄炎や臭いの発生防止をなし得ることができ
るバーナの燃料霧化装置を提供することを目的とする。

本考案の他の目的は、燃焼空気を予熱し供給燃料を少な
くとも１回霧化させ予熱空気と混合した状態においてさ
らに予熱するようにしたバーナの燃料霧化装置を提供す
ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

前述した目的を達成するため本考案のバーナの燃料霧化
装置は、バーナカバー内に設置した予熱筒に囲繞され中
心部をモータ軸に支持され上面にほぼ半径方向に延在す
る複数の帯状突起が形成された小径の回転霧化板と、前
記霧化板の上方に位置し前記モータ軸に支持される大径
の回転混合板と、燃料タンクからの燃料をポンプによっ
て供給される燃料供給管の先端に突設され前記回転霧化
板および回転混合板の間に固定的に配設され前記モータ
軸方向に向かって燃料をほぼ水平に噴射するノズルとを
有し、前記回転混合板は、大径に形成され中心部に向か
って陥没する凹陥部の天井板から垂下延在し燃料を霧化
するため円周方向に一定間隔の多数のスリットが形成さ
れた垂直筒壁を備え、前記ノズルから前記モータ軸に向
かってほぼ水平方向に噴射される液体燃料が、前記スリ
ットを形成された垂直筒壁に飛散されることによって、
一部がスリットを通過し、残りは前記垂直筒壁に付着し
て前記混合板の回転により霧化され、均一分散霧化され
る混合空気を形成することを特徴としている。

〔作用〕

前述した構成からなる本考案の燃料霧化装置によれば、
ノズルから噴射された燃料は、まず、回転霧化板の帯状
突起により遠心力を付与され、回転混合板の垂直筒壁に
到達し、一部の燃料は、垂直筒壁のいずれかのスリット
を通過することにより霧化され、残りの燃料は、垂直筒
壁に衝突し垂直筒壁を滴下する際に混合板の回転により
霧化されていずれかのスリットを通過することになる。
このようにして空間内において均一に霧化分散された燃
料は、予熱手段により予熱されている空気と混合される
ことになるので、燃料と空気の混合を良好に行うことが
でき、燃料を完全燃焼することができる。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。

第１図および第２図において円板形状をなす霧化板２の
本体２ａの中心部には、モータ軸１が貫通される貫通孔
２ｂが形成され、また、前記本体２ａの上面には、前記
貫通孔２ｂの周辺に所定の肉厚を有するボス２ｃが形成
されており、このボス２ｃの外周面より前記本体２ａの
外周縁までほぼ半径方向に延在し、かつ回転方向に従っ
て弓形の曲線を有する複数個（本実施例においては４
個）の帯状突起２ｄが突設されている。

前記霧化板２の上方には混合板３が配設されており、こ
の混合板３は、円板状をなし前記霧化板２の本体２ａよ
り大径に形成された天井板３ａを有している。この天井
板３ａの中心部には、前記モータ軸１が貫通される貫通
孔３ｂが形成され、また、この天井板３ａの中心部には
その外周部より前記貫通孔３ｂに向って、断面ほぼ円弧
状をなすように深さが深くなる凹陥部３ｃが形成されて
いる。また、前記天井板３ａの外周縁には円筒形の垂直
壁３ｄが垂設されており、この垂直壁３ｄには、下端か
ら上方に延在し燃料を霧化するための多数のスリット３
ｅが円周方向に間隔を隔てて形成されている。なお、前
記混合板３の垂直壁３ｄの下端部の内側には、所定の距
離を隔てて前記モータ軸１と連動する霧化板２を回転す
るための空間が形成されている。

また、前記霧化板２の上方、前記混合板３の垂直壁３ｄ
の内周面の上端部、および混合板３の天井部３ａの下端
部の間には、電子ポンプ１１と接続されている燃料供給
管１１ａの先端部、ならびにこの燃料供給管１１ａの先
端に形成されている噴射ノズル１１ｂを受容しうる空間
が形成されている。

前記霧化板２と前記混合板３とは、中心を相互に一致さ
せることにより前記各空間を維持するようになってお
り、これらの霧化板２と混合板３は、前記モータ軸１に
締結手段１ａにより組み立てられている。

前記霧化板２および混合板３の外周側には、軸線が鉛直
方向に位置する予熱筒４が所定間隔を隔てて霧化板２お
よび混合板３を囲繞するように配設されており、さら
に、この予熱筒４の外周側には、所定間隔を隔ててバー
ナカバー５が配設されている。

前記予熱筒４の上下方向中間部の内部にはヒータ１４が
埋設されている。また、このヒータ１４の外周縁の予熱
筒４からは、前記バーナカバー５に到達する保持板４ａ
が延在されてスカート形状をなしており、さらに、この
保持板４ａの外周縁には、前記バーナカバー４に連接さ
れ前記バーナカバー５の上側に所定の長さをもって延長
された保持筒４ｂが連設されている。

一方、前気混合板３を囲繞する前記予熱板４の前記ヒー
タ１４より上方の外周面には、所定の高さを有する複数
の環状突起４ｃがそれぞれ円周方向に延在するように形
成されており、これらの環状突起４ｃは、前記ヒータ１
４の埋設部から前記予熱板４の上端部まで等間隔に配設
されている。

さらに、前記ヒータ１４の埋設部より下方となる前記予
熱筒４の下端には、斜め下方に延在し、前記バーナカバ
ー５に到達する円錐台形の空気吸入案内部材４ｄが形成
されている。この空気吸入案内部材４ｄは、前記予熱板
４の下端の内側にまで多数の長さだけ延在されており、
空気吸入案内部材４ｄの下面は案内面４ｅを構成してい
る。また、前記空気吸入案内部材４ｄの外周縁には、前
記バーナカバー５に連接され前記バーナカバー５の下側
に所定の長さをもって延長された案内面４ｅが形成され
ている。

つぎに、前述した構成からなる本実施例の作用について
説明する。

電子ポンプ１１の駆動により燃料供給管１１ａを介して
噴射ノズル１１ｂから霧化板２の上方に燃料を噴射する
と、この霧化板２の回転により霧化板２に供給された燃
料は、弓形に弯曲している本体２ａ上の帯状突起２ｄに
沿って遠心力により霧化板２の外周方向に送られ、混合
板３の凹陥部３ｃの下面の形状に従って飛散させ、混合
板３の垂直壁３ｄに形成された多数のスリット３ｅを介
して垂直壁３ｄの外側に抜けて霧化され、予熱筒４の内
周面に到達する。このとき、直接スリット３ｅを通過し
なかった燃料は垂直壁３ｄの内面に衝突し、この内面に
沿って滴下する際に混合板３の回転により霧化され、ス
リット３ｅを通過することになる。

一方、前記霧化板２の下方から吸入される供給空気は、
前記予熱筒４に内蔵されているヒータ１４から発生する
熱が伝導されることにより予熱されている予熱筒４と一
体の空気吸入案内部材４ｄの案内面４ｅに接触して加熱
されたうえで吸入され、予熱筒４の内周面に到達する。

前述したようにして予熱筒４の内周面に到達した前記霧
化燃料と予熱された空気とが混合されて気化され、この
気化混合燃料は、予熱筒４の上端上方を介して予熱筒４
の内周面側から外周面側に到達し、予熱筒４の外周面に
設置され前記ヒータ１４により予熱されている各環状突
起４ｃと接触することにより、再気化される。このよう
にして再気化された混合燃料を燃焼室に導入して燃焼す
ることにより、高い効率の燃焼を行なうことができる。

このように本実施例によれば、予熱筒４を空気流入口で
延長させ空気吸入案内部材４ｄを形成し、予熱筒４に内
蔵されたヒータ１４の発生熱を空気吸入案内部材４ｄに
伝導することにより、吸入された空気は１次予熱され、
一方、霧化板２に供給された燃料は、霧化板２上に形成
された帯状突起２ｄにより遠心力が付与され、霧化性を
促進され、その後、混合板３の天井板３ａの凹陥部３ｃ
に沿って遠心力を与えられた燃料が外周方向に分散上昇
し、混合板３のスリット３ｅを通過することにより霧化
された燃料が１次予熱された空気と良好に混合され、こ
の混合された霧化燃料が予熱筒４の環状突起４ｃによる
放熱効果を最大に受けて、燃料室において再気化され、
不完全混合燃料による黄炎の発生とか、異常燃焼による
臭いの発生を防止する高い効率の燃焼を行なうことが可
能である。

なお、本考案は、前述した実施例に限定されるものでは
なく、必要に応じて種々の変更が可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るバーナの燃料霧化装置
によれば、回転する混合板の垂直筒壁に燃料を飛散させ
ることにより、燃料を確実に霧化できるので、特に、周
辺温度が低くても完全混合燃料を形成することができ、
黄炎や臭いの発生防止をなし得ることができるという優
れた効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバーナの燃料霧化装置の実施例を
示す分解斜視図、第２図は第１図の組立て状態を示す縦
断面図、第３図は従来のバーナの燃料霧化装置の一例を
示した縦断面図である。 ２……霧化板、２ｄ……帯状突起、３……混合板、３ａ
……天井板、３ｃ……凹陥部、３ｄ……垂直壁、３ｅ…
…スリット、４……予熱筒、４ｄ……空気吸入案内部
材、５……バーナカバー、１１……電子ポンプ、１１ａ
……燃料供給管、１１ｂ……噴射ノズル、１４……ヒー
タ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バーナカバー内に設置した予熱筒に囲繞さ
   れ中心部をモータ軸に支持され上面にほぼ半径方向に延
   在する複数の帯状突起が形成された小径の回転霧化板
   と、 前記霧化板の上方に位置し前記モータ軸に支持される大
   径の回転混合板と、 燃料タンクからの燃料をポンプによって供給される燃料
   供給管の先端に突設され前記回転霧化板および回転混合
   板の間に固定的に配設され前記モータ軸方向に向かって
   燃料をほぼ水平に噴射するノズルとを有し、 前記回転混合板は、大径に形成され中心部に向かって陥
   没する凹陥部の天井板から垂下延在し燃料を霧化するた
   め円周方向に一定間隔の多数のスリットが形成された垂
   直筒壁を備え、 前記ノズルから前記モータ軸に向かってほぼ水平方向に
   噴射される液体燃料が、前記スリットを形成された垂直
   筒壁に飛散されることによって、一部がスリットを通過
   し、残りは前記垂直筒壁に付着して前記混合板の回転に
   より霧化され、均一分散霧化される混合空気を形成する
   ことを特徴とするバーナの燃料霧化装置。