JPH0616040Y2 - エンドレスに嵌合するタイト材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、枠体の内周にエンドレスで嵌挿するタイト
材に関する。

〔従来の技術〕

サッシ枠にガラスを嵌め殺し式に取付ける場合、或は障
子枠にガラスを嵌挿する場合には、タイト材を用いて取
付けられているが、その用い方としては、タイト材を縦
部材と横部材に分離して嵌挿するか、縦横部材に連続し
てエンドレスに嵌挿されていた。（例えば実開昭52-295
4号公報、実開昭57-38079号公報） 又タイト材は実開昭49-123836号公報の如く、ガラス嵌
合溝に嵌挿係止する溝部の両側片に、ガラス面に密接す
る防水片を夫々設けた両面型と、実開昭54-145954号公
報の如くガラス嵌合溝の片側に嵌合係止し、ガラス面の
片側に密接する片面型が知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術で述べたもののうち、エンドレスに嵌合する
タイト材にあっては、継ぎ目が１個所しかないので、縦
横部材に分離して嵌挿する場合より気密効果は高いが、
片面型タイト材をエンドレスに嵌合した場合、ガラス面
に密接する防水片が第３図と第４図の如く隅角部で外周
に膨出し、皺が生じて波状に凹凸するため、隅角部の気
密が弱くなる問題点があった。

本案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とする所は、防水片が隅角
部でもガラス面に密接する片面型エンドレスタイト材を
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本案のタイト材はエンドレ
スに嵌合した際の隅角部の防水片に凹欠部を設けたもの
である。更に隅角部の脚部に切込みを設けることが好ま
しい。

〔作用〕

防水片の先端部がガラスの直線部に密接し、隅角部の防
水片に設けた凹欠部がガラスの隅角面に密接する。ガラ
スの隅角面に密接する防水片の凹欠部は膨出分に相当し
て切欠されているので、隅角部は直線部と同様に密接す
る。

〔実施例〕

次に本案タイト材の構造を実施例の図面により説明する
と、タイト材１は基部２の一方に枠体８の嵌合溝９に挿
入する脚部３を設け、該脚部３の先に嵌合溝９と係止す
る係止爪４を有し、基部２の他方に内周側より外周に向
けて彎曲する防水片５を設け、防水片５がガラスＧの側
面に密接するよう外周に向けて開口し、エンドレスに嵌
合した際の隅角部1aの防水片５に、防水片５の先端側よ
り切欠する凹欠部６を設け、且つ隅角部1aの脚部３より
係止爪４に切込み７を設けるもので、凹欠部６は防水片
５の大きさや形状によって多少異なるが、隅角部1aにお
いて防水片５が膨出変形する分に相当して切欠するもの
である。

具体的には、タイト材１を弾力性に富む合成樹脂やゴム
等にて長尺に形成し、その長尺タイト材より枠体８の大
きさに応じた長さのタイト材１を切取り、該タイト材１
の隅角部1aとなる四箇所の防水片５に切断工具を用いて
凹欠部６を形成すると共に、脚部３より係止爪４に切込
み７を入れるもので、凹欠部６は円弧に切欠し、切込み
７の位置で最も深く切込まれ、それより両側に１cm幅以
上の範囲で切欠する。

本案タイト材１を枠体８に嵌挿する場合、予め縦部材8A
の嵌合溝9aと横部材8Bの嵌合溝9bが環状に連通するよう
にしておき、従来タイト材と同様に防水片５がガラスＧ
の嵌合側に向け、基部２より突出している脚部３を枠体
嵌合溝９に挿入し、脚部３に設けた係止爪４の弾力を利
用して嵌合溝９に係止する。本案タイト材１を枠体８の
嵌合溝９に沿って連続的に嵌挿し、エンドレス状態に取
付けた後、少なくともタイト材隅角部1aの脚部３をシリ
コンシールすることが好ましい。

本案タイト材を用いて枠体８にガラスＧを嵌挿すると、
隅角部1aの防水片５には凹欠部６が設けられているた
め、隅角部1aで防水片５が直線部よれ外周に膨出するこ
とがなく、直線部と同幅まで膨出する。その結果、防水
片５の先端部が第６図（イ）の如くガラスＧの直線部に
密接し、隅角部1aの防水片５に設けた凹欠部６が第６図
（ロ）の如くガラスＧの隅角面に密接し、嵌合溝８の先
端からガラスＧまでの隙間Ｓが、直線部と隅角面で略一
定となる。即ちガラス面にタイト材１の防水片５が均一
に密接する。

〔考案の効果〕

本案のタイト材は上記の通り構成されているので、次に
記載する効果を奏する。

タイト材をエンドレスに嵌挿した際に隅角部となる位置
の防水片に設ける凹欠部と、脚部より係止爪に設ける切
込みは、枠体の大きさ合せて後加工するものであるか
ら、枠体嵌合溝に対するタイト材の嵌挿、特にタイト材
隅角部の嵌挿が容易となる。しかも凹欠部は膨出分に相
当して切欠するものであるから、隅角部で防水片の凹欠
部は直線部と同幅に膨出し、直線部と同様に均一に密接
する。即ち防水片の先端部がガラスの直線部に密接し、
防水片の凹欠部がガラスの隅角面に密接する。

その結果、枠体とこれに嵌挿するガラスとの気密効果が
一段と向上するし、外観も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案タイト材の嵌挿状態を示す要部斜視図、第
２図は枠体隅角部の斜視図、第３図は従来タイト材の嵌
挿状態を示す要部斜視図、第４図は従来タイト材の嵌挿
状態を示す要部正面図、第５図(イ)(ロ)(ハ)は本案タイト
材の要部平面図と正面図、及び側面図、第６図(イ)(ロ)は
本案タイト材の直線部と隅角部におけるガラスとの密接
例を示す断面図、第７図は本案タイト材の正面図であ
る。 １……タイト材、1a……隅角部、２……基部、３……脚
部、４……係止爪、５……防水片、６……凹欠部、７…
…切込み、８……枠体、９，9a,9b……嵌合溝、Ｇ……
ガラス、Ｓ……嵌合溝からガラスまでの隙間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基部（２）より一方に脚部（３）を突出
   し、その脚部の先に係止爪（４）を設け、基部より他方
   に内周側より外周に向けて彎曲する防水片（５）を設
   け、防水片が外周に向けて開口している断面形状のタイ
   ト材（１）において、エンドレスに嵌合した際の隅角部
   (1a)の防水片に、防水片の先端側より切欠する凹欠部
   （６）を設けたことを特徴としたエンドレスに嵌合する
   タイト材