JPH0616020U - 搬送材料の冷却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】一対のエンドレスベルトで挾持搬送中の材料を
冷却水により効率よく、しかも優れた成形厚み寸法精度
で冷却できる冷却装置を提供する。 【構成】材料を挾持して搬送する一対のエンドレスベル
トの材料挾持対向ベルトを通過させる冷却室内に、各対
向ベルトの外面に対し複数本の冷却水ダクトを面接触状
態で配設し、冷却水ダクト相互間に吸引用間隙を設け、
上記冷却室内を吸引するための手段を付設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はエンドレスベルトで挾持搬送中の材料を冷却する場合に使用する冷却 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一対のエンドレスベルトの対向ベルトで熱可塑性材料を挾持しつつ搬送する間 に、各対向ベルトの外面から材料を加熱，加圧、更には冷却して当該材料を所定 の製品に成形していくことがある。

【０００３】 かかる成形過程における冷却には、従来、各対向ベルトの外面に冷風を吹き付 ける方法を使用しているが、風圧により対向ベルト間が締め付けられ、材料が圧 縮される結果、この圧縮のために成形体の厚みが減少され、成形体の厚み寸法精 度の低下が避けられない。また、風冷では冷却効率に劣り、それだけ冷却ゾ−ン を長くしなければならず、設置スペ−ス等の点おいても不利である。

【０００４】 本考案の目的は、一対のエンドレスベルトで挾持搬送中の材料を冷却水により 効率よく、しかも優れた成形厚み寸法精度で冷却できる冷却装置を提供すること にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の搬送材料の冷却装置は、材料を挾持して搬送する一対のエンドレスベ ルトの材料挾持対向ベルトを通過させる冷却室内に、各対向ベルトの外面に対し 複数本の冷却水ダクトを面接触状態で配設し、冷却水ダクト相互間に吸引用間隙 を設け、上記冷却室内を吸引するための手段を付設したことを特徴とする構成で ある。

【０００６】

【作用】 冷却室内の吸引により、冷却水ダクト相互間の吸引用間隙において各対向ベル トが吸引されて、対向ベルトと冷却水ダクトとの面接触が密接触とされ、冷却効 率が高くなる。

【０００７】 また、対向ベルト間の間隔が、対向ベルトと冷却水ダクトとの面接触下、対向 ベルトを挾む両側の冷却水ダクト間の間隔で制されるから、この冷却水ダクト間 の間隔を材料の成形厚み寸法との関係で所定寸法とすることにより、材料を充分 な厚み寸法精度で成形できる。

【０００８】

【実施例】

以下、図面により本考案の実施例を図面により説明する。 図１は本考案の実施例を示す縦断面図である。

【０００９】 図１において、１は冷却室であり、一対のエンドレスベルトにおける同一走行 方向の対向ベルト２ａ，２ｂ（離型性に優れたベルト、例えば、両面テフロンコ −ティング不織布が使用されている）を通過させるための入口１１並びに出口１ ２を備えている。Ｐは対向ベルト２ａ，２ｂによって挾持，搬送されつつある材 料を示している。

【００１０】 ３ａ，…は対向ベルトの上側ベルト２ａの直上に配設された複数本の良熱伝導 性角形冷却水ダクトであり（例えば、アルミニウム，ステンレス製等）、上側ベ ルト２ａの上面に面接触され、ダクト相互間に吸引用間隙３１ａ，…が設けられ ている。

【００１１】 ３ｂ，…は対向ベルトの下側ベルト２ｂの直下に配設された複数本の良熱伝導 性角形冷却水ダクトであり、下側ベルト２ｂの下面に面接触され、上側の冷却水 ダクトと同様、ダクト相互間に吸引用間隙３１ｂ，…が設けられている。

【００１２】 ４１は冷却室１に連結された吸引用パイプ、４２は吸引用ブロワである。 エンドレスベルトで搬送中の材料Ｐを上記冷却装置により冷却するには、吸引 用ブロワ４２を駆動し、冷却室１内を吸引し、上側冷却水ダクト３ａ，…相互間 の吸引用間隙３１ａ，…並びに下側冷却水ダクト３ｂ，…相互間の吸引用間隙３ １ｂ，…において各対向ベルト２ａ，２ｂを吸引し、各対向ベルト２ａ（２ｂ） と冷却水ダクト３ａ，…（３ｂ，…）との面接触を密接触にし、冷却水ダクト３ ａ，…（３ｂ，…）を流れる冷却水の奪熱作用で各対向ベルト２ａ（２ｂ）を通 して材料を冷却していく（なお、吸引が強すぎると、ベルト走行に対する抵抗が 過大となるので、−５０〜−２０mmHgが適当である。)。

【００１３】 この場合、各対向ベルト２ａ（２ｂ）と冷却水ダクト３ａ，…（３ｂ，…）と の密面接触のために、材料Ｐを優れた冷却効率で冷却できる。 また、対向ベルト２ａ，２ｂ間の間隔が上下の冷却水ダクト３ａ，３ｂ間の間 隔で制され、材料Ｐの冷却が終了して材料が固化するときの厚みが、当該上下の 冷却水ダクト３ａ，３ｂ間の間隔で制される対向ベルト２ａ，２ｂの間隔で定ま るから、その上下の冷却水ダクト３ａ，３ｂ間の間隔を成形厚みとの関係から所 定の厚みに規制しておくことにより、材料を充分な厚み寸法精度で成形できる。

【００１４】 図２は冷却ゾ−ンに本考案の冷却装置を使用した発泡樹脂含浸板の製造装置を 示す説明図であり、５は材料供給ドラムを、２は搬送エンドレスベルトを、６は 加熱室を、７は含浸室を、８は発泡室を、Ａは本考案の冷却装置を、９１はカッ タ−を、９２は積載台をそれぞれ示している。

【００１５】 この製造装置により発泡樹脂含浸板を製造するには、繊維材に発泡性樹脂を塗 布した帯状材料Ｐをエンドレスベルト２の駆動によりドラム５から加熱室６に送 ってベルト２ａ，２ｂ外面からの加熱で発泡性樹脂を溶融させ、更に含浸室７に おいてロ−ルプレスによる加圧で溶融発泡性樹脂を繊維材に含浸させ、次に発泡 室８内で発泡させ、而るのち、冷却装置Ａ内で、上記冷却水ダクト３ａ，…、３ ｂ…により対向ベルト間隔を一定に保持しつつ材料を冷却固化して一定厚みの発 泡樹脂含浸繊維材とし、これをカッタ−９１で定尺切断し、逐次、この定尺発泡 樹脂含浸繊維板を積載台９２上に積載していく。従って、一定厚みの板材を得る ことができ、また、冷却装置Ａの長さをその優れた冷却速度のために短縮でき、 製造装置のコンパクト化を図ることができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の冷却装置によれば、上述した通り、一対のエンドレスベルトで搬送中 の材料をベルトと冷却水ダクトとの密面接触のために効率よく冷却でき、冷却ゾ −ンの長さを短くできるから、装置のコンパクト化に有利である。

【００１７】 また、一対のエンドレスベルトの対向ベルトの間隔を一定にして材料を冷却で き、一定の厚みで材料を冷却固化できるから、優れた厚み寸法精度の成形体を得 ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す縦断面説明図である。

【図２】本考案の冷却装置を使用した板材製造装置を示
す説明図である。

【符号の説明】

１ 冷却室 ２ａ，２ｂ 対向ベルト ３ａ 冷却水ダクト ３ｂ 冷却水ダクト ３１ａ 吸引用間隙 ３１ｂ 吸引用間隙 ４１ 吸引パイプ ４２ 吸引ブロワ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】材料を挾持して搬送する一対のエンドレス
   ベルトの材料挾持対向ベルトを通過させる冷却室内に、
   各対向ベルトの外面に対し複数本の冷却水ダクトを面接
   触状態で配設し、冷却水ダクト相互間に吸引用間隙を設
   け、上記冷却室内を吸引するための手段を付設したこと
   を特徴とする搬送材料の冷却装置。