JPH06159925A - 薬用保冷庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 網棚の保冷室内からの取出し及び保冷室内へ
の収納を常に円滑に行なえ、かつ、網棚の樹脂コーティ
ング部分の剥がれを防止する。 【構成】 庫体１の保冷室２内の左右両側壁面２ａ，２
ａに、上下方向に所定の間隔を存して多数の高さ調整穴
１２が互いに対向位置させて開口させた前後一対の棚支
柱１１，１１を設ける。これら左右の前後一対の棚支柱
１１，１１に位置決め固定した棚支え部材１３，１３間
上に、高さ調整穴１２を介してガイドレール２０を位置
決め係止させて設ける。このガイドレール２０上に網棚
１００の側端部１００ａを前後方向にスライド可能に載
置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば薬品や生体試
料などを有効性を維持して保存するために用いられる薬
用保冷庫に関し、特に、庫体の保冷室内に高さ調整可能
に位置決めされる網棚の支持構造に改良を施してなるも
のである。

【０００２】

【従来の技術】最近、例えば冷暗所保存指定の薬品をシ
ョーケース並みの手軽さで在庫管理するに用いられる薬
用保冷庫が注目されている。

【０００３】従来、この種の薬用保冷庫においては、図
７に示すように、断熱構造を有する庫体１の保冷室２の
下部に形成された機械室３内に、圧縮機４、凝縮器５、
凝縮器用冷却ファン６及び減圧器（図示せず）などから
なる冷却ユニットを収納する一方、保冷室２の背面に吹
出しダクト７を形成して、この吹出しダクト７内に送風
ファン８及び冷却器９を収納してなる構成を有するもの
がある。

【０００４】このような従来の薬用保冷庫は、機械室３
内に収納した冷却ユニットからの冷気を吹出しダクト７
を介して保冷室２内に強制的に供給し、これによって、
保冷室２内の庫内温度を、例えば−３０〜１４℃の広い
範囲で調整制御にすることによって、薬品や生体試料な
どの収容物の保存に適した保冷温度が維持されるように
なっている。

【０００５】また、庫体１の保冷室２内には、収容物が
載置される網棚１００が上下複数段に配置収納され、こ
れら各々の網棚１００は、図８及び図９に示すような支
持構造を有している。

【０００６】すなわち、庫体１の保冷室２内の左右両側
壁面２ａ，２ａには、前後一対の棚支柱１１，１１がそ
れぞれ互いに左右に対向位置させて設けられ、この各々
の棚支柱１１に、多数の高さ調整穴１２を上下方向に所
定の間隔を存して開口させ、これら左右の前後一対の棚
支柱１１，１１の互いに対向位置する各々の高さ調整穴
１２，１２にクリップ状の棚支え部材１３，１３を、そ
れらの係止片１３ａ，１３ａをそれぞれ差し込むことに
より着脱可能に位置決め係止させて固定し、これら棚支
え部材１３，１３上に、硬鋼線製でポリエチレン樹脂が
コーティングされた網棚１００の左右両側端部１００
ａ，１００ａを載置させるとともに、網棚１００の網目
間に棚支え部材１３上に突出形成したストッパ片１４を
係止させることによって、各々の網棚１００を保冷室２
内の所定の高さ位置に支持可能にしてなる構成となって
いる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来構造の薬用保冷庫にあっては、特に、網棚１００
を保冷室２内に位置決め配置する場合に、網棚１００の
左右両側端部１００ａ，１００ａを棚支柱１１，１１に
固定された棚支え部材１３，１３上に直に載置してなる
ために、網棚１００と棚支え部材１３との接触面積が大
きく、これらの接触部分が長時間の保存によって凍結し
易い。

【０００８】しかも、網棚１００の網目間に棚支え部材
１３，１３上に突出形成したストッパ片１４，１４を係
止させているために、網棚１００を前後方向にスライド
させることができず、これによって、網棚１００の保冷
室２内からの取出しや保冷室２内への収納が困難になる
ばかりでなく、網棚１００の樹脂コーティング部分が長
期使用による摩耗によって剥がれ易く、美観や清潔感、
あるいは衛生感が阻害されるという問題があった。

【０００９】

【発明の目的】この発明の目的は、網棚の保冷室内から
の取出し及び保冷室内への収納を常に円滑に行なえ、か
つ、網棚の樹脂コーティング部分の剥がれを防止するこ
とができるようにした薬用保冷庫を提供することにあ
る。

【００１０】

【課題を解消するための手段】上記した課題を解消する
ために、この発明は、断熱構造からなる庫体の保冷室内
の左右両側壁面に、上下方向に所定の間隔を存して多数
の高さ調整穴が互いに対向位置させて開口させた前後一
対の棚支柱を設け、これら左右の前後一対の棚支柱の互
いに対向位置する各々の高さ調整穴に棚支え部材をそれ
ぞれ着脱可能に位置決め係止させて固定するとともに、
これら棚支え部材に網棚の左右両側端部を載置して、こ
の網棚を前記保冷室内の所定の高さ位置に支持可能にし
た薬用保冷庫において、前記前後一対の棚支柱に位置決
め固定した棚支え部材間上に、前記高さ調整穴を介して
ガイドレールを位置決め係止させて設け、このガイドレ
ールの前側部と前記網棚の側端部の後側部との載置状態
における互いの接触部分に、接触面が円弧状の曲面から
なるローラ状の支持部材をそれぞれ設け、これら支持部
材を介して前記網棚の側端部を前記ガイドレール上の前
後方向にスライド可能に載置してなる構成としたもので
ある。

【００１１】

【作用】すなわち、この発明は、上記の構成を採用する
ことにより、庫体の保冷室内の左右両側壁面に、上下方
向に所定の間隔を存して多数の高さ調整穴が互いに対向
位置させて開口させた前後一対の棚支柱を設け、これら
左右の前後一対の棚支柱に位置決め固定した棚支え部材
間上に高さ調整穴を介してガイドレールを位置決め係止
させて設けるとともに、網棚の側端部をガイドレール上
の前後方向にスライド可能に載置してなるために、網棚
の保冷室内からの取出しや保冷室内への収納が円滑に行
なえる。

【００１２】また、ガイドレールの前側部と網棚の側端
部の後側部との載置状態における互いの接触部分に、接
触面が円弧状の曲面からなるローラ状の支持部材をそれ
ぞれ設けて、これら支持部材を介して網棚の側端部をガ
イドレール上に載置してなるために、網棚とガイドレー
ルとの間の互いの接触面積が点または線接触になって小
さくなるとともに、それらの間に間隙が生じ、従前のよ
うな接触部分の長時間の保存による凍結や、網棚の樹脂
コーティング部分の摩耗による剥がれが防止される。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図１から図６に
示す図面に基づいて詳細に説明する。なお、この発明に
係る図示の実施例において、図７から図９に示す従来の
薬用保冷庫と構成が重複する部分は同一符号を用いて説
明する。

【００１４】すなわち、この発明に係る薬用保冷庫は、
図２に示すようなガイドレール２０を用いてなるもの
で、このガイドレール２０は、レール部２１と、このレ
ール部２１から上方に立ち上がる起立片部２２と、この
起立片部２２の前後に設けた係止片２３，２３と、前記
レール部２１から下方に垂下させた垂下片部２４と、こ
の垂下片部２４の前後に切欠き形成した切欠き部２５，
２５とからなるとともに、前記レール部２１の前部側下
部に、軸２６にて前後方向に回転自在に軸支されたロー
ラからなる第１の支持部材２７が設けられている。

【００１５】この第１の支持部材２７は、例えばポリア
セタール樹脂などの易滑性樹脂からなり、その円弧状の
曲面の一部２７ａが前記レール部２１のレール面２１ａ
上に突出位置するようになっている。

【００１６】そして、前記ガイドレール２０は、図３に
示すように、庫体１の保冷室２内の左右両側壁面２ａ，
２ａにそれぞれ互いに左右に対向位置させて設けられた
前後一対の棚支柱１１，１１の高さ調整穴１２，１２に
起立片部２２の係止片２３，２３を差し込み、その下部
の垂下片部２４の切欠き部２５，２５を、前記前後一対
の棚支柱１１，１１に位置決め固定された棚支え部材１
３，１３上に係合させることにより位置決め係止され
て、図４に示すように、そのレール部２１のレール面２
１ａ上に網棚１００の側端部１００ａが載置されるよう
になっている。

【００１７】一方、前記網棚１００の側端部１００ａの
後部側には、図５に示すように、第２の支持部材１０１
が設けられていて、この第２の支持部材１０１は、例え
ばポリアセタール樹脂などの易滑性樹脂からなるローラ
状の形態を有するとともに、その円弧状の曲面の一部１
０１ａが、図６に示すように、前記レール部２１のレー
ル面２１ａ上に当接するようになっている。

【００１８】しかして、上記の構成によれば、網棚１０
０の側端部１００ａをガイドレール２０のレール部２１
上に載置して支持させると、ガイドレール２０の前部側
と網棚１００の側端部１００ａの後部側には、接触面が
円弧状の曲面からなるローラ状の第１及び第２の支持部
材２７，１０１が設けられているために、網棚１００の
載置状態において、網棚１００とガイドレール２０との
間の互いの接触面積が点または線接触になって小さくな
るとともに、網棚１００がガイドレール２０上の前後方
向にスライド可能になる。

【００１９】しかも、第１及び第２の支持部材２７，１
０１の介在によって、図１に示すように、網棚１００の
側端部１００ａの前後方向中間部とガイドレール２０の
レール部２１のレール面２１ａとの間に間隙ａが生じ、
これによって、それらの間の凍結や摩耗を防止可能にし
ている。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、庫体の保冷室内の左右両側壁面に、上下方向に所
定の間隔を存して多数の高さ調整穴が互いに対向位置さ
せて開口させた前後一対の棚支柱を設け、これら左右の
前後一対の棚支柱に位置決め固定した棚支え部材間上に
高さ調整穴を介してガイドレールを位置決め係止させて
設けるとともに、網棚の側端部をガイドレール上の前後
方向にスライド可能に載置してなることから、網棚の保
冷室内からの取出しや保冷室内への収納を円滑に行なう
ことができる。

【００２１】また、ガイドレールの前側部と網棚の側端
部の後側部との載置状態における互いの接触部分に、接
触面が円弧状の曲面からなるローラ状の支持部材をそれ
ぞれ設けて、これら支持部材を介して網棚の側端部をガ
イドレール上に載置してなることから、網棚とガイドレ
ールとの間の互いの接触面積が点または線接触になって
小さくなり、しかも、それらの間に間隙を生じさせるこ
とができるために、従前のような接触部分の長時間の保
存による凍結や、網棚の樹脂コーティング部分の摩耗に
よる剥がれを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る薬用保冷庫の一実施例を示すガ
イドレールへの網棚中間部の支持状態の概略的縦断側面
図。

【図２】同じく網棚を支持するガイドレールの斜視図。

【図３】同じく棚支柱へのガイドレールの支持状態を示
す概略的縦断側面図。

【図４】同じくガイドレールへの網棚前部側の支持状態
を示す概略的縦断側面図。

【図５】同じく網棚の側端部の後部側への支持部材の取
付状態を示す一部斜視図。

【図６】同じくガイドレールへの網棚後部側の支持状態
を示す概略的縦断側面図。

【図７】従来の薬用保冷庫を示す概略的縦断側面図。

【図８】同じく従来の網棚の支持状態を示す一部斜視
図。

【図９】同じく従来の網棚の支持状態を示す概略的縦断
側面図。

【符号の説明】

１・・・庫体、２・・・保冷室、２ａ，２ａ・・・側壁
面、１１，１１・・・棚支柱、１２・・・高さ調整穴、
１３，１３・・・棚支え部材、１３ａ，１３ａ・・・係
止片、１４・・・ストッパ片、２０・・・ガイドレー
ル、２１・・・レール部、２１ａ・・・レール面、２
３，２３・・・係止片、２７・・・第１の支持部材、１
００・・・網棚、１００ａ・・・側端部、１０１・・・
第２の支持部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】断熱構造からなる庫体の保冷室内の左右両
   側壁面に、上下方向に所定の間隔を存して多数の高さ調
   整穴が互いに対向位置させて開口させた前後一対の棚支
   柱を設け、これら左右の前後一対の棚支柱の互いに対向
   位置する各々の高さ調整穴に棚支え部材をそれぞれ着脱
   可能に位置決め係止させて固定するとともに、これら棚
   支え部材に網棚の左右両側端部を載置して、この網棚を
   前記保冷室内の所定の高さ位置に支持可能にした薬用保
   冷庫において、 前記前後一対の棚支柱に位置決め固定した棚支え部材間
   上に、前記高さ調整穴を介してガイドレールを位置決め
   係止させて設け、 このガイドレールの前部側と前記網棚の側端部の後部側
   との載置状態における互いの接触部分に、接触面が円弧
   状の曲面からなるローラ状の支持部材をそれぞれ設け、 これら支持部材を介して前記網棚の側端部を前記ガイド
   レール上の前後方向にスライド可能に載置したことを特
   徴とする薬用保冷庫。