JPH06159526A - 仕切弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール部材の全体的な圧縮量を必要最低限に
抑えて、仕切弁の耐用期間を延長するとともに、仕切弁
の操作性を向上させる。 【構成】 仕切弁を閉弁させるために、補助部材３を下
降させると、補助部材３の下降運動に追従して弁体１も
自重によって下降する。弁体１の下降運動が停止する
と、それ以後は、補助部材３のみが下降する。この場
合、補助部材３は、第２のシール部材９を徐々に押し下
げると同時に横方向へ、即ち弁箱内周壁の両側部に向か
って膨出させる。こうして、第２のシール部材９のシー
ル面が、弁箱内周壁に対して十分な力で圧着されると、
それと同時に第１のシール部材８が、弁箱開口の周縁部
に対して同様に十分な力で圧着される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、弁箱内の流れ方向に対
して垂直方向に移動する弁体を有する仕切弁であって、
前記弁体は、例えば、ねじスピンドルに係合して上下に
移動する支持部材を有しており、該支持部材には、弁箱
開口をシールするための第１のシール部材と、弁箱内周
壁をシールするための変形可能な第２のシール部材が支
持されている形式の仕切弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の仕切弁は、図４に示すように、通
常の配管を弁箱０１として利用するものであって、この
場合、弁箱０１としての配管に弁箱開口０２が設けられ
ていて、この弁箱開口０２を閉塞するとともにねじスピ
ンドル０３を回動可能に支承するためのふた０４が、フ
ランジ結合部０５と丁割り継手０６を介して配管０１に
結合されており、このふた０４及び配管０１内に、弁体
０７がねじスピンドル０３によって上下に移動可能に支
承される。この場合、弁体０７は、ねじスピンドル０３
に螺合する金属製の支持部材０８と、弁箱開口０２をシ
ールするためのゴム製の環状の第１のシール部材０９
と、弁箱内周壁０１０をシールするためのゴム製のＵ字
形の半径方向に変形可能な第２のシール部材０１１とに
よって構成されている。

【０００３】このような構成の仕切弁の作用を、特に閉
弁過程に関して説明する。ねじスピンドル０３を閉弁方
向に回転させると、ねじスピンドル０３に螺合している
支持部材０８は、第１及び第２のシール部材０９、０１
１を伴って徐々に下降し、やがて第２のシール部材０１
１の湾曲した下端面が弁箱内周壁０１０の底部に当接す
ることになる。その後更にねじスピンドル０３を回転さ
せて、支持部材０８を強制的に押し下げると、第２のシ
ール部材０１１が垂直方向で圧縮されるので、その両脚
部の左右両側面が、横方向に、即ち半径方向に強制的に
膨出せしめられて、弁箱内周壁０１０に当接することに
なる。ねじスピンドル０３を更に回転させて、第２のシ
ール部材０１１のシール面、即ち下端面と左右両側面を
弁箱内周壁０１０に十分な力で圧着させ、そして、これ
と同時に第１のシール部材０９を弁箱開口０２の周縁部
に同様に圧着させると、仕切弁の閉弁が完了する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような構成の仕切
弁においては、第２のシール部材０１１の垂直方向の圧
縮に基づいて、その両脚部を間接的に半径方向に膨出さ
せていたので、十分なシール圧力を得るためには、第２
のシール部材０１１を相当強力に垂直方向に圧縮しなけ
ればならなかった。したがって、このような強力な圧縮
に起因して、第２のシール部材０１１は勿論のこと、弁
箱としての配管０１、ねじスピンドル０３、支持部材０
８、そしてふた０４等にも過大な負荷が必然的に発生す
るようになり、それゆえ、それら各部材の耐用期間が極
端に短くなるという欠点があった。

【０００５】また、閉弁に際して、ねじスピンドル０３
は、第２のシール部材０１１の過大な圧縮抵抗を受ける
ために、ねじスピンドル０３を回転させるために必要な
トルクは急激に増大する。これは、仕切弁の操作性を低
下させる原因となる。

【０００６】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、第２のシール部材の左右両側面を直接半
径方向に膨出させることによって、第２のシール部材の
全体的な圧縮量を必要最低限に抑えて、仕切弁の耐用期
間を十分に延長するとともに、仕切弁の操作性を向上さ
せることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の仕切弁においては、支持部材は、ほぼカッ
プ状の殻体を成すとともに、その内部に、補助部材を含
んでおり、該補助部材は、支持部材を上下に移動させる
とともに、閉弁に際しては、第２のシール部材に横方向
の力を直接作用させて、該第２のシール部材を弁箱内周
壁に向かって膨出せしめることを特徴としている。

【０００８】

【作用】仕切弁を閉弁させるために、補助部材を下降さ
せると、補助部材の下降運動に追従して弁体も自重によ
って下降する。やがて、第２のシール部材の下端面が、
弁箱内周壁の底部に当接して、弁体の下降運動が停止す
ると、それ以後は、補助部材のみが下降する。この場
合、補助部材は、第２のシール部材を徐々に押し下げる
と同時に横方向へ、即ち弁箱内周壁の両側部に向かって
膨出させる。こうして、第２のシール部材のシール面
が、弁箱内周壁に対して十分な力で圧着されると、それ
と同時に第１のシール部材も、弁箱開口の周縁部に対し
て同様に十分な力で圧着されるようになる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１０】図１、２、３には、本発明の弁体１の実施
例が示されている。この弁体１は、ほぼカップ状の殻体
を成す支持部材２と、この支持部材２内に位置する補助
部材３と、この支持部材２の開口４を閉塞するカバー５
とから構成されている。この支持部材２には、その外表
面に設けられた第１及び第２の溝６、７を介して、第１
及び第２のシール部材８、９が支持されている。

【００１１】第１のシール部材８は、閉弁時に、図示し
ない弁箱開口を密封するためのものであって、弁箱開口
の形状に相応して環状に延びている。第２のシール部材
９は、閉弁時に、図示しない弁箱内周壁と弁体１との間
をシールするためのものであって、図示しない弁箱の流
過横断面を限定している弁箱内周壁の形状に相応してほ
ぼＵ字状に延びている。Ｕ字状の第２のシール部材９の
両端部は、第１のシール部材８まで延びていて、第１の
シール部材８の表面に接着されている。

【００１２】この実施例の場合、第１の溝６は、支持部
材２の外表面を凹設することによって形成されており、
第２の溝７は、支持部材２の外表面に２つの平行な突条
１０を凸設することによって形成されている。

【００１３】支持部材２の内表面には、Ｕ字状の第２の
シール部材９もしくは第２の溝７の両脚部と重合する位
置に、補助部材３の押圧部１１を案内するための２つの
案内溝１２が設けられている。各案内溝１２は、第２の
シール部材９もしくは第２の溝７の両端部を越えて支持
部材２の開口４付近まで延びている。また、支持部材２
の前記重合する領域には、支持部材２を貫通するスロッ
ト１３が穿設されており、このスロット１３を介して、
第２の溝７内に保持された第２のシール部材９が案内溝
１２内に部分的に突入している（図２の左側を参照）。
つまり、スロット１３は、第２の溝７の両脚部と案内溝
１２を連通させている。

【００１４】補助部材３は、図示されないふたに回動可
能に支承されたねじスピンドル１４に螺合する管状の螺
合部１５と、支持部材２の案内溝１２内に上下に移動可
能に案内された２つの板状の押圧部１１とから成る。こ
の押圧部１１は、案内溝１２内に部分的に突入している
第２のシール部材９を下方および横方向に押圧するため
のものであって、図示しない弁箱内周壁の形状に相応し
て湾曲した押圧面１６を備えている。

【００１５】なお、カバー５には、図３に概略的に示す
ように、少なくとも１つの半径方向の突起１７が設けら
れており、そしてこの突起１７は、ふたもしくはフラン
ジ結合部の内周壁に設けられた垂直方向に延びる凹溝１
８内に突入している。この構成によって、弁体１もしく
は支持部材２は、ねじスピンドル１４の回りで回動する
ことなく上下に移動することができるようになる。

【００１６】次にこの実施例の作用を説明する。

【００１７】まず、開弁状態では、補助部材３はねじス
ピンドル１４に対して十分に上方に位置している。この
場合、補助部材３の押圧部１１の上端部は、図２の左側
に示すように、カバー５と係合することによって、カバ
ー５、即ち弁体１を図示しない弁箱から上方へ引き上げ
ている。

【００１８】次に、この状態から仕切弁を閉弁させるた
めに、ねじスピンドル１４を回転させて補助部材３を下
降させると、補助部材３の下降運動に追従して弁体１も
自重によって下降する。

【００１９】やがて、第２のシール部材９の下端面が、
図示しない弁箱内周壁の底部に当接して、弁体１の下降
運動が停止すると、それ以後は、補助部材３のみがねじ
スピンドル１４の回転に応じて下降する。この場合、補
助部材３の各押圧部１１は、支持部材２の各案内溝１２
に沿って下降し、それに伴って、スロット１３を介して
案内溝１２内に部分的に突入している第２のシール部材
９を徐々に押し下げると同時に横方向へ、即ち図示しな
い弁箱内周壁の両側部に向かって膨出させる（図２及び
図３の右側）。こうして、第２のシール部材９のシール
面が、図示しない弁箱内周壁に対して十分な力で圧着さ
れると、それと同時に第１のシール部材８が、図示しな
い弁箱開口の周縁部に対して同様に十分な力で圧着され
るようになる。

【００２０】次に、この閉弁状態から仕切弁を開弁させ
るには、ねじスピンドル１４を逆方向に回転させればよ
い。この場合、弁体１の各部材の運動は、前記閉弁時の
運動と全く逆である。つまり、補助部材３の上昇に伴っ
て、まず最初に第２のシール部材９の両脚部のシール面
が図示しない弁箱内周壁の両側部から離れる。この時、
第２のシール部材９の下端部の膨脹に応じて、支持部材
２も若干上昇する。しかし、その後は、補助部材３のみ
が、ねじスピンドル１４の回転に応じて支持部材２内で
上昇する。そして補助部材３がある程度上昇して、補助
部材３の押圧部１１がカバー５に係合すると、ようやく
支持部材２が再び補助部材３に追従して上昇することに
なる。

【００２１】なお、前記実施例において、補助部材３の
押圧部１１の下端部が、図２に示唆するように、閉弁時
に、支持部材２のスロット１３の下端部に直接係合する
ように構成すれば、第１及び第２のシール部材８、９の
垂直方向の圧縮がより確実に行われる。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、閉弁時に、補助部材に
よって第２のシール部材の左右両側面を直接半径方向に
膨出させることができるので、第２のシール部材を必要
なシール圧力を越えて過大に圧縮させる必要がない。し
たがって、もはや各部材に過大な負荷が作用することは
ありえないので、仕切弁の耐用期間を大幅に延長させる
ことができる。また、第２のシール部材のこのような適
正な圧縮作用に基づいて、閉弁時においても、ねじスピ
ンドルの回転トルクは比較的小さく維持されるので、仕
切弁の操作性が向上する。

【００２３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の弁体の側面及び縦断面を示す
図である。

【図２】同弁体の図１に対して９０°異なる位置におけ
る縦断面図であって、左側は開弁状態を示し、右側は閉
弁状態を示している。

【図３】図２の線Ａ−Ａに沿った横断面図である。

【図４】従来の仕切弁の縦断面図であって、左側は開弁
状態を示し、右側は閉弁状態を示している。

【符号の説明】

１ 弁体 ２ 支持部
材 ３ 補助部材 ４ 開口 ５ カバー ６ 第１の
溝 ７ 第２の溝 ８ 第１の
シール部材 ９ 第２のシール部材 １０ 突条 １１ 押圧部 １２ 案内
溝 １３ スロット １４ ねじ
スピンドル １５ 螺合部 １６ 押圧
面 １７ 突起 １８ 凹溝

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁箱内の流れ方向に対して垂直方向に移
   動する弁体を有する仕切弁であって、前記弁体は、上下
   に移動する支持部材を有しており、該支持部材には、弁
   箱開口をシールするための第１のシール部材と、弁箱内
   周壁をシールするための変形可能な第２のシール部材が
   支持されている形式のものにおいて、前記支持部材は、
   ほぼカップ状の殻体を成すとともに、その内部に、補助
   部材を含んでおり、該補助部材は、支持部材を上下に移
   動させるとともに、閉弁に際しては、第２のシール部材
   に横方向の力を直接作用させて、該第２のシール部材を
   弁箱内周壁に向かって膨出せしめることを特徴とする仕
   切弁。
2. 【請求項２】 前記補助部材は、弁箱内周壁に適合する
   ように湾曲した押圧面を備えていて、この押圧面が、第
   ２のシール部材の内側面に当接し得るようになっている
   請求項１に記載の仕切弁。
3. 【請求項３】 前記支持部材の外表面には、第１及び第
   ２のシール部材を支持するための第１及び第２の溝が形
   成されており、第２のシール部材を支持するための第２
   の溝の一部分には、支持部材の内側に達するスロットが
   設けられている請求項１又は２に記載の仕切弁。
4. 【請求項４】 前記支持部材の内表面には、前記補助部
   材を案内するための案内溝が形成されており、該案内溝
   は、前記第２のシール部材を支持するための第２の溝と
   部分的に重なり合っている請求項３に記載の仕切弁。
5. 【請求項５】 前記支持部材の上端部にはカバーが備え
   られていて、このカバーに前記補助部材が係合すること
   によって、支持部材が上方へ引き上げられるようになっ
   ている請求項１ないし４のいずれかに記載の仕切弁。