JP3053170B2 - ボールバルブ - Google Patents

ボールバルブ

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JP3053170B2
JP3053170B2 JP9256208A JP25620897A JP3053170B2 JP 3053170 B2 JP3053170 B2 JP 3053170B2 JP 9256208 A JP9256208 A JP 9256208A JP 25620897 A JP25620897 A JP 25620897A JP 3053170 B2 JP3053170 B2 JP 3053170B2
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光義 星野
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フローティングボ
ール式ボールバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】図は、比較的低い圧力に用いられる従
来のフローティングボール式ボールバルブの一例を示す
縦断面図であって、ハンドル21によりステム22を介
してボール23を回転させ、ボールバルブ24を開閉さ
せる。シートリング25がボデー26とボール23との
間に、またシートリング27がボデーギャップ28とボ
ール23との間に設けられ、ボール23はこれらのシー
トリング25と27によって支承されていて、閉弁状態
において、流体圧によって押されたボール23が下流側
のシートリング25又は27に圧接してボデー26又は
ボデーキャップ28との間をシールする。
【0003】図は比較的高い圧力に用いられる従来の
フローティングボール式ボールバルブの一例を示す縦断
面図であって、ハンドル31によってステム32を介し
てボール33を回転させて、ボールバルブ34を開閉さ
せる。シートリング35がシートリテーナ36に装着さ
れ皿ばね37によって押されており、閉弁状態におい
て、流体圧によって押されたボール33が下流側のシー
トリング35をシートリテーナ36との間で押圧してシ
ールすると共に、上流側においても、Oリング38のシ
ール径がシートリング35のシール径よりも大きいの
で、上流側の流体圧がシートリテーナ36に作用し、皿
ばね37の弾発力も加わって、シートリング35がボー
ル33に圧接してシールする。シートリテーナ36とボ
デー39又はボデーキャップ40との間は、Oリング3
8によってシールされている。
【0004】図及び図に示したフローティングボー
ル式ボールバルブは、いずれもシートリング25、27
及び35には、一般に、強度が高く摩擦係数が小さい四
ふっ化エチレン樹脂等が多く用いられているが、これら
は配管工事後のフラッシング時、あるいは使用中に錆、
砂などの異物がシートリング25、27及び35のシー
ト面を損傷したりシート面に付着したりして、シール性
能を早期に低下させる。このようなことを避けるため
に、ゴム等の軟質弾性材料をシートリングに用いること
があるが、この材料は流体圧によって過度に変形させら
れて損傷することが多く、高圧用途には不向きである。
【0005】図は、上述の課題に鑑みて開発され、特
開平7−55026号公報に開示されたフローティング
ボール式ボールバルブを示す部分断面図であって、ステ
ム41によってボール42を回転させて、このボールバ
ルブ43を開閉させる。シートリング44は、ゴム等の
軟質弾性材料で作られ、断面形状を図に示したように底
面を傾斜させて内径側が狭い台形に形成されている。こ
のシートリング44の外側にリップ部45aを有する四
ふっ化エチレン樹脂等の低摩擦係数の材料からなるアウ
ターリング45が装着してある。また、シートリング4
4の底面とこのシートリング44が挿入されている環状
溝46との間に空室47が形成されている。
【0006】閉弁状態において、流体圧に押されたボー
ル42は、下流側のシートリング44を押圧し、このシ
ートリング44は空室47を一部埋めながら変形すると
共にボール42に密着してシールする。この場合、シー
トリング44は断面形状が内径側が狭い台形であるの
で、シートリング44の内径面と環状溝46のこれに接
する内側面とが圧接して面圧が高くなり、この接触面か
らシートリング44の裏側を通る漏れを確実に防止して
いる。
【0007】上記の状態は流体圧が比較的低い場合であ
って、流体圧が高くなってボール42の押圧力が高くな
ると、下流側のシートリング44の変形が更に大きくな
り、空室47を大きく埋めるように変形し、ボール42
がアウターリング45のリップ部45aに接触し、これ
を僅か変形させてこのリップ部45aによってボール4
2の押圧力の大部分が支承され、同時にシートリング4
4によってシールされる状態になる。従って、シートリ
ング44は過度に変形することがなく損傷し難い。ま
た、ボール42が強く圧接するアウターリング45は四
ふっ化エチレン樹脂等の低摩擦係数の材料で作られてい
るので、ボール42を回転させる操作力は大きくならな
い。
【0008】流体圧が過度に高くなってボール42が下
流側のシートリング44を強く押圧した場合、シートリ
ング44とアウターリング45のリップ部45aとを更
に変形させるが、ボール42は、弁箱48の環状溝46
よりも内側に形成された弁座部48aに当接するので、
シートリング44とアウターリング45は、それ以上変
形させられることがなく、過度の変形によって損傷する
ことが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図及び図に示した
従来のフローティングボール式ボールバルブは、上述の
ようにシートリングが四ふっ化エチレン樹脂等で作られ
ていて錆、砂等の異物がシートリングのシート面を損傷
したりシート面に付着したりして、シール性能を早期に
低下させる。この課題を解決するために開発された図
に示したフローティングボール式ボールバルブは、上述
のように下流側において良好な作用をするが、上流側で
はシートリングが、断面形状を図に示したように台形に
したためにシール性が更に悪くなり、上流側でシールす
ることができない。このため、下流側でのシール性能が
低下した場合に上流側でバックアップすることが全くで
きない。
【0010】バルブの用途によっては、例えば、メンテ
ナンス時にだけ閉弁されて、この時の漏れが皆無でなけ
ればならないガス減圧設備用元弁のような用途では、フ
ローティングボール式であっても、下流側だけでなく上
流側でもシールすることができる信頼性の高いボールバ
ルブが要求される。本発明は、このような課題を解決す
るための上流側のシート部の構造に関するもので、流れ
方向が一方向である場所で、例えば下流側のシート部を
示したような構造にし、上流側にシート部を本発明
の構造にしようとすることを意図したものである。ま
た、シート押圧機構を設け、上下のシートリング間の間
隔を調整にしてシール性を適正にしたり、流体圧によら
ないで手動で完全にシールしたりすることができるよう
にしたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、貫通孔を有するボールを弁箱内において
上流側と下流側のシートリングによって支承させ、この
ボールを回転させて流路を開閉させるフローティングボ
ール式ボールバルブの上流側のシート部であって、ゴム
等の弾性体で形成した断面がほぼ長方形のシートリング
とこれの外側に装着したリップ部を有するアウターリン
グとを弁箱のボール球面の近傍に設けた環状溝に装着
し、この環状溝より内側の弁箱に弁座部を設け、シート
リングの底面とこれに接する環状溝の底面とを外径にな
るほどボール側に傾くように形成し、このシートリング
の底面と環状溝の底面との間に外径にいくほど隙間が小
さくなる空室を設け、上流側の流体圧でシートリングの
内周面と環状溝の内側面との間が加圧されることにより
シートリングが外方に押されてシートリングをボールに
圧接シールすると共に、前記空室を通って流れるアウタ
ーリング側への裏漏れも防止され、かつ、シートリング
の底面と環状溝の底面との間の面圧も高くなってシート
リングを更にボール側に密封シールし、非使用状態にお
いて、シートリングがボールに圧接し、リップ部がボー
ルとの間に所定の隙間を有し、弁座部がボールとの間に
それよりも大きい隙間を有する構成にした。
【0012】また、上記環状溝の奥部にシートリングの
シール径よりも大きい外周面を有し、この外周面にシー
ルリングを装着したシートリテーナを装入し、シートリ
ングの底面とこれに接するシートリテーナの先端部とを
外径になるほどボール側に傾くように形成し、上記の空
室をこのシートリングの底面とシートリテーナの先端部
との間に外径にいくほど隙間が小さくなるように設ける
ようにもした。
【0013】更に、上記シートリテーナと環状溝の底面
との間にばねを圧縮して装着するようにもした。
【0014】なお、以上のいずれの場合にも、空室を設
けないこともある。
【0015】又は、上記のシート押圧機構が、外部から
操作できるように弁箱に装着したねじ部材によって、シ
ートリテーナを直接押してボール側へ移動させるように
したものであるとよい。
【0016】そして、下流側のシートリング及びそれに
関連する構造が、従来のフローティングボール式ボール
バルブのいずれかのシートリング及びそれに関連する構
造と同じであればよい。
【0017】本発明のボールバルブは、上述のように構
成したので、閉弁時の上流側において、まず非使用状態
において、シートリングがボールに圧接してボールを支
承している。このため幾分の変形をしていて底面が僅か
ではあるが空室にはみ出しており、シートリングには無
理な力は掛かっていない。
【0018】上流側に流体圧が加わると、この圧力がシ
ートリングの内周面と弁箱の環状溝の内側面との間に加
わってシートリングを外方へ押す。この作用によって、
シートリングの底面と環状溝の底部とは外径になるほど
ボール側に傾いているので、シートリングがボール側へ
も変形してボールとの間に面圧を大きくして確実に
ルする。
【0019】また、シートリングの底面と環状溝の底面
との間の面圧が高くなって、ここを通っての裏漏れも防
いでいる。しかも、シートリングは、シール性が良く、
錆、砂等の異物がシートリングのシート面を損傷した
り、シート面に付着したりすることのないゴム等の軟質
弾性材料で形成されているので、シール性能に優れ、低
下することがない。なお、アウターリングはシートリン
グの変形によってボールに当接するまで、ボール側へ移
動する。また、アウターリングは四ふっ化エチレン樹脂
や金属製の 場合、低摩擦表面処理を行なえば、ボールと
の間の摩擦係数が小さくなる。
【0020】何かの異常で下流側に過大な圧力が生じ
て、ボールが上流側に押された場合、上流側においてボ
ールはシートリングのシール面とアウターリングのリッ
プ部を押し、その後弁箱の弁座部に当接するので、それ
以上シートリングやアウターリングを変形させて損傷さ
せることがない。
【0021】シートリテーナを装入した場合、上流側の
圧力がシートリングの内周面と環状溝の内側面との間か
らシートリテーナの内周面と環状溝の内側面との間にも
及び、シートリテーナと環状溝の底面との間にも加わっ
て、シートリテーナとシートリングを、シートリテーナ
の外周面の直径をDとし、シートリングのシール径をd
とし、シートリングの上流側の圧力をPとし、下流側す
なわちボデーキャビティーの圧力をpとしたときのπ/
4・(D −d )・(P−p)に相当する力でボール
側へ押してシールする。なお、上記のシートリテーナと
環状溝の底面との間に上流側の圧力が確実に加わるよう
に、環状溝の底部と上流側の流路との間に通孔を設ける
とよい。
【0022】更に、シートリテーナと環状溝の底面との
間にばねを圧縮して装着すると、シートリングとボール
との間の圧着が一層確実になる。また、流体が上方へ流
れる垂直配管に用いる場合に、このばねの弾発力をボー
ルの重量とバランスさせて、ボールが流体圧によって上
方にある下流側のシートリングに圧着してシールする作
用を確実にすることができる。この場合、ボールの重量
の大部分は上流側のアウターリングのリップ部によって
支えられる。
【0023】シートリテーナを装入した場合は、ばねを
装着した場合も含めて、上流側のシートリングの位置が
移動して、ボールに対する上、下流側のシートリングの
間隔を適正にするので、溶接構造の弁箱のように弁箱の
上、下流側のシート部の間隔が溶接縮みのバラツキによ
り狂いが生じやすい場合に、好適である。この場合、弁
箱の接続溶接部を弁軸部よりも上流側に設けて、狂いが
上流側で起きるように するのがよい。なお、シートリン
グの底面に面して設ける空室は、シートリテーナを装入
した場合には実施に応じて、無くてもよい。
【0024】弁箱の外から操作してシートリテーナをボ
ール側へ移動させるシート押圧機構を設けると、上流の
シートリテーナを装入した場合及びこれにばねを装着し
た場合と同様に、上流側のシートリングの位置を調整し
て、ボールに対する上、下流側のシートリングの間隔を
適正にすることができ、溶接構造の弁箱のように弁箱の
上、下流のシート部の間隔に狂いを生じやすい場合に好
である。この場合、弁箱の接続溶接部を弁軸部よりも
上流側に設けて狂いが上流側で起きるようにするのがよ
い。
【0025】また、シート押圧機構によって上流側のシ
ートリテーナを強く押して上、下流側のシートリングと
ボールとを強く圧着させて、流体圧とは無関係に上、下
流側のシート部で同時にシールさせるようにすることも
できる。流体が上方へ流れる垂直配管の場合に、このシ
ート押圧機構によってボールを上方にある下流側のシー
トリングに圧着するまで押し上げて、下流側でのシール
を確保することができる。
【0026】以上説明したように、本発明は、上流側の
シート部とこれに関連するシート押圧機構とに関して提
案しており、下流側のシート部については従来のフロー
ティングボール式ボールバルブの何れかのシートリング
及びそれに関連する構造にすることを前提にしている。
この下流側のシート部には、図8に示した構造が好適で
ある。このようにして、上流側と下流側において、同時
に確実にシールすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明のフローティングボ
ール式ボールバルブの実施の形態を、図面に 基づいて説
明する。図1は、本発明の一実施形態の上流側のシート
部を示す部分断面図であって、1はシートリング、2は
アウターリング、3はボール、4は弁箱であって、弁箱
4のボール3の球面の近傍に環状溝5が設けてあり、こ
の環状溝5にゴム等の弾性体で形成した断面がほぼ長方
形のシートリング1と、これの外側に装着したリップ部
2aを有するアウターリング2とが装着してある。
【0028】環状溝5より内側の弁箱4に弁座部4aを
設け、シートリング1の底面1aとこれに接する環状溝
5の底面5aとを外径になるほどボール3の側に傾くよ
うに形成されている。また、このシートリング1の底面
1aと環状溝5の底面5aとの間に外径にいくほど隙間
が小さくなる空室6を設け、非使用の流体圧の影響を受
けていない状態において、シートリング1がボール3に
圧着しており、リップ部2aがボール3との間に所定の
隙間aを有しており、弁座部4aがボール3との間にそ
れよりも大きい隙間bを有している。
【0029】図2は、本発明の他の実施形態の上流側の
シート部を示す部分断面図であって、7はシートリテー
ナ、8はシールリングである。また、図1に用いた符号
を図2にも同じ部品又は部位に対して用いている。外周
面7aの直径Dがシートリング1のシール径dよりも大
きく、この外周面7aにシールリング8を装着したシー
トリテーナ7が、環状溝5の奥部に装入してあり、シー
トリング1の底面1aとこれに接するシートリテーナ7
の先端部7bとが外径になるほどボール3の側に傾くよ
うに形成してある。シートリング1の底面1aとシート
リテーナの先端部7bとの間に外径にいくほど隙間が小
さくなる空室6を設けることもある。
【0030】図3は、本発明の更に他の実施形態の上流
側のシート部を示す部分断面図であって、9はばねであ
り、このばね9は、シートリテーナ7と環状溝5の底面
5aとの間に圧縮されて装着されている。
【0031】図4は、本発明におけるシート押圧機構を
設けた他の実施例を示す部分断面図であって、13がね
じ部材であり、外部から操作できるように弁箱4にねじ
こまれている。このシート押圧機構14は、弁箱4に装
着された複数個のねじ部材13によってシートリテーナ
7を直接押して、ボール3の側へ移動させるようになっ
ている。なお、ねじ部材13は、複数個に限定されるも
のでなく、例えば、口径の小さいバルブについては1個
でも良く、必要に応じて個数を増減できる。
【0032】図5は、上流側に本発明のシート部構造
を、下流側に従来のシート部構造を有するボールバルブ
の一実施形態を示す部分断面図であって、両シート部を
近接させて示してある。図に矢で示したのが流体の流れ
方向であって、左側が上流側、右側が下流側である。上
流側のシート部の構造は、図1に示して説明した構造と
同じであり、下流側のシート部の構造は、図8に示した
構造と同じである。
【0033】次に、上記実施形態の作用を説明する。図
1の非使用状態において、シートリング1がボール3に
圧接してボール3を支承しており、このため、シートリ
ング1は幾分変形していて底面1aが空室6に僅かでは
あるがはみ出しており、シートリング1には無理な力が
掛かっていない。
【0034】上流側にあるこのシート部に流体圧が加わ
ると、この圧力がシートリング1の内周面1bと環状溝
5の内周面5cとの間に加わり、シートリング1を外方
へ押す。この作用によって、シートリング1の底面1a
と環状溝5の底面5aとは外径になるほどボール3の側
に傾いているので、シートリング1がボール3の側へも
変形してボール3との間の面圧を大きくし、確実にシー
ルする。
【0035】また、シートリング1の底面1aの環状溝
5の底面5aとの間の面圧が高くなり、ここを通っての
裏漏れを防いでいる。しかも、シートリング1は、シー
ル性 が良く、錆、砂等の異物がシートリングのシート面
を損傷したりシート面に付着したりすることがないゴム
等の軟質弾性材料で形成されているので、シール性能に
優れ低下することがない。 なお、アウターリング2は、
シートリング1の変形によってボール3に当接するまで
ボール3の側へ移動する。また、アウターリング2は、
四ふっ化エチレン樹脂や金属製の場合、低摩擦表面処理
を行なえば、ボール3との間の摩擦抵抗が少なくなる。
【0036】何らかの異常で下流側に過大な圧力が生じ
て、ボール3が上流側すなわち図において左方へ押され
た場合、ボール3はシートリング1のシール面とアウタ
ーリング2のリップ部2aを押し、その後弁箱4の弁座
部4aに当接するので、それ以上シートリング1やアウ
ターリング2を変形させて損傷させることがない。
【0037】図2に示したように、シートリテーナ7を
装入した場合には、上流側の圧力がシートリング1の内
周面1bと環状溝5の内周面5cとの間からシートリテ
ーナ7の内周面7cと環状溝5の内周面5cとの間にも
及び、シートリテーナ7と環状溝5の底面5aとの間に
も加わって、シートリテーナ7とシートリング1を、シ
ートリテーナ7の外周面7aの直径をDとしシートリン
グ1のシール径をdとし、シートリング1の上流側の圧
力をPとし下流側すなわちボディキャビティの圧力をp
としたときのπ/4・(D −d )・(P−p)に相
当する力でボール3の側へ押してシールする。なお、シ
ートリテーナ7と環状溝5の底面5aとの間に上流側の
圧力が確実に加わるように、ここと上流側の流路14と
の間に通孔15を設けるとよい。
【0038】図3に示したようにシートリテーナ7と環
状溝5の底面5aとの間にばね9を圧縮して装着する
と、シートリング1とボール3との間の圧着が一層確実
になる。また、流体が上方へ流れる垂直配管に用いる場
合に、このばね9の弾発力をボール3の重量とバランス
させて、ボール3が流体圧によって上方にある下流側の
ートリングに圧着してシールする作用を確実にするこ
とができる。この場合、ボール3の重量の大部分はアウ
ターリング2のリップ部2aによって支えられる。
【0039】シートリテーナ7を装入した図2の場合
も、更にばね9を装着した図3の場合も、上流側のシー
トリング1の位置が移動して、ボール3に対する上、下
流側のシートリングの間隔を適正にするので、後で図4
について説明するような溶接構造の弁箱のように、上、
下流側のシート部の間隔に狂いが生じやすい場合に好適
である。この場合、弁箱溶接部を、図4におけるよう
に、弁軸部よりも上流側に設けて狂いが上流側で起きる
ようにするとよい。なお、シートリング1の底面1aに
面して設ける空室は、シートリテーナ7を装入した場合
には、実施に応じて、図3のように無くてもよい。
【0040】図4に示したように、弁箱4の外から操作
してシートリテーナ7をボール3の側へ移動させるシー
ト押圧機構10又は14を設けると、図2及び図3の場
合と同様に、上流側のシートリング1の位置が移動して
ボール3に対する上、下流側のシートリングの間隔を適
正にすることができ、また、図4においては弁箱4を隅
肉溶接部16において溶接した溶接構造の弁箱のよう
な、上、下流側のシート部の間隔に狂いが生じやすい場
合に好適である。この場合、弁箱の溶接部15及び16
を弁軸部よりも上流側に設けて、狂いが上流側で起きる
ようにするとよい。
【0041】また、シート押圧機構10又は14によっ
て上流側のシートリテーナ7を強く押して上、下流側の
シートリングをボール3に強く圧着させて、流体圧とは
無関係に上、下流側のシート部で同時にシールさせるよ
うにすることもできる。流体が上方へ流れる垂直配管の
場合には、このシート押圧機構10又は14によってボ
ール3を上方にある下流側のシートリングに圧着するま
で押し上げて、下流側でのシールを確保することができ
る。
【0042】図5についての作用は、図1についての説
明と、図8についての説明の通りで あって、上流側と下
流側において、同時に確実にシールすることができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフローテ
ィングボール式ボールバルブは、上流側のシート部にお
いても流体圧の作用によってシールするようにしたの
で、しかも、シートリングにシール性に優れたゴム等の
弾性材料を用いたので、漏れが皆無でなければならない
用途にも安心して使うことができる。また、シートリン
グはゴム等の材料でも損傷しない構造になっていて、高
圧用途にも適している。更に、本発明のシートリテーナ
やばねを装入したボールバルブもシート押圧機構を設け
たボールバルブも、弁箱のシート間距離の狂いを吸収す
ることができるので、弁箱が溶接構造のバルブに好適で
ある。また、シート押圧機構を設けたバルブでは、流体
圧とは無関係に上、下シート部で同時に強くシールする
ことができる。更に、流体が上方に流れる垂直配管で
は、本発明のボールバルブにおいて、ばねを装入したり
シート押圧機構を設けたりすることによって、ボールよ
りも上方にある下流側のシート部においても確実にシー
ルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の上流側のシート部を示す
部分断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態の上流側のシート部を示
す部分断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施形態の上流側のシート部
を示す部分断面図である。
【図4】本発明におけるシート押圧機構を設けた他の実
施形態を示す部分断面図である。
【図5】上流側に本発明のシート部構造を、下流側に従
来のシート部構造を有するボー ルバルブの一実施形態を
示す部分断面図である。
【図6】比較的低い圧力を用いられる従来のフローティ
ングボール式ボールバルブの一例を示す縦断面図であ
る。
【図7】比較的高い圧力に用いられる従来のフローティ
ングボール式ボールバルブの一例を示す縦断面図であ
る。
【図8】フローティングボール式ボールバルブを示
開特許公報に開示された部分断面図である。
【符号の説明】
1 シートリング 2 アウターリング 2a リップ部 3 ボール 4 弁箱 5 環状溝 6 空室 7 シートリテーナ 8 シールリング 9 ばね14 シート押圧機構 11 楔形リング 12、13 ねじ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井村 和人 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目10番1 株式会社キッツ内 (72)発明者 矢部 武 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目10番1 株式会社キッツ内 (56)参考文献 特開 平8−303615(JP,A) 特開 平8−303614(JP,A) 特開 昭50−136728(JP,A) 実開 昭51−139443(JP,U) 実開 昭63−118466(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 5/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔を有するボールを弁箱内において
    上流側と下流側のシートリングによって支承させ、この
    ボールを回転させて流路を開閉させるフローティングボ
    ール式ボールバルブの上流側のシート部であって、ゴム
    等の弾性体で形成した断面がほぼ長方形のシートリング
    とこれの外側に装着したリップ部を有するアウターリン
    グとを弁箱のボール球面の近傍に設けた環状溝に装着
    し、この環状溝より内側の弁箱に弁座部を設け、シート
    リングの底面とこれに接する環状溝の底面とを外径にな
    るほどボール側に傾くように形成し、このシートリング
    の底面と環状溝の底面との間に外径にいくほど隙間が小
    さくなる空室を設け、上流側の流体圧でシートリングの
    内周面と環状溝の内側面との間が加圧されることにより
    シートリングが外方に押されてシートリングをボールに
    圧接シールすると共に、前記空室を通って流れるアウタ
    ーリング側への裏漏れも防止され、かつ、シートリング
    の底面と環状溝の底面との間の面圧も高くなってシート
    リングを更にボール側に密封シールし、非使用状態にお
    いて、シートリングがボールに圧接し、リップ部がボー
    ルとの間に所定の隙間を有し、弁座部がボールとの間に
    それよりも大きい隙間を有するように構成したことを特
    徴とするボールバルブ。
  2. 【請求項2】 上記環状溝の奥部にシートリングのシー
    ル径よりも大きい外周面を有し、この外周面にシールリ
    ングを装着したシートリテーナを装入し、シートリング
    の底面とこれに接するシートリテーナの先端部とを外径
    になるほどボール側に傾くように形成し、上記の空室を
    このシートリングの底面とシートリテーナの先端部との
    間に外径にいくほど隙間が小さくなるように設けたこと
    を特徴とする請求項1記載のボールバルブ。
  3. 【請求項3】 上記シートリテーナと環状溝の底面との
    間にばねを圧縮して装着したことを特徴とする請求項2
    記載のボールバルブ。
  4. 【請求項4】 上記空室を設けないことを特徴とする請
    求項1乃至3記載のボールバルブ。
  5. 【請求項5】 上記シートリテーナを弁箱の外部から操
    作してボール側へ移動させるようにしたシート押圧機構
    を設けたことを特徴とする請求項2乃至4記載のボール
    バルブ。
  6. 【請求項6】 上記シート押圧機構が、外部から操作で
    きるように弁箱に装着したねじ部材によって、シートリ
    テーナを直接押してボール側へ移動させるようにしたも
    のであることを特徴とする請求項5記載のボールバル
    ブ。
  7. 【請求項7】 下流側のシートリング及びそれに関連す
    る構造が、従来のフローティングボール式ボールバルブ
    のいずれかのシートリング及びそれに関連する構造と同
    じであることを特徴とする請求項1乃至6記載のボール
    バルブ。
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